Open Data Institute:イギリスのオープンデータ事情3/3

2012年10月3日 in Special


出典:(※1)

イギリス政府は2011年11月、オープンデータを活用したビジネスを本格的に立ち上げるための組織としてOpen Data Inistitute(ODI)の設立と、5年間に渡って1000万ポンドの予算を割り当てると発表しました。ODIは、政府の技術戦略委員会(Technology Strategy Board)が設置するものであり、リーダーはWorld Wide Webを考案しハイパーテキストシステムを実装・開発したティム・バーナーズ=リーと、サウザンプトン大学の教授でオープンデータ標準の専門家であるナイジェル・シャドボルトが務めています。

ODIは2012年5月22日に2012年以降の実行計画“Implementation Plan 2012 and beyond”を発表しました。その中でODIは「ビジネスの立ち上げとイノベーション」を最重要と位置付けており、以下の具体的目標を掲げています。

  1. オープンデータの利用によって経済成長を達成する新しいビジネスを担うスタートアップを育成する
  2. ビジネス分野におけるオープンデータ利用の拡大とそのため支援を行うとともに、幅広い分野の人々にオープンデータを活用してイノベーションを起こすためのスキルを身に付けさせる
  3. 経済的利益が得られるビジネス事例を開発するとともに、オープンデータのためのインパクト分析手法とビジネスモデルを開発する

出典:(※1)

ODIは民間企業から協力を得ながらビジネスモデルの開発に取り組み、最初の1年間で4つのスタートアップ企業を育成し、最終的には4年間で12のスタートアップ企業を育成することを目指すとしています。

イギリス政府はEU指令に基づき、早くからオープンデータに取り組んできており、公的機関がデータを公開するためのデータポータルの整備や、それらデータポータルを活用した市民レベルでの活動は非常に活発に行われるようになりました。しかし、オープンデータを活用した新しいビジネス創造という点では、まだ大きな成果を上げるには至っておらず、民間商用ビジネスの育成に焦点を絞った組織としてODIが設立されました。

2012年9月、政府はODIのCEOとしてガービン・スタークスを、テクニカルディレクターとしてジェニ・テニソンを新たに指名しました。スタークスは、世界中のエネルギーと環境に関するデータや標準を収集し、Webを通じて利用できるようにする企業AMEE(Environmental Intelligence – Everywhere)の創設者であり、これまでも数多くのスタートアップを育成した実績があります。テニソンは、オープンデータに関する英国屈指の技術者であり、legislation.gov.ukにおいて公的機関のデータをオープンデータAPIによって利用できるようにしたパイオニアでもあります。

ODIはこうした実績も経験も豊かな専門家達をトップに据えることで、オープンデータの商用利用をさらに加速させようとしています。

(※1) http://www.innovateuk.org/_assets/0511/ODI_Implementation_Plan_May_Release.pdf

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Tomihiko Azuma

Written by

Chief Fellow, Institute for International Socio-Economic Studies (株式会社国際社会経済研究所 主幹研究員)