Open Government Initiative:アメリカのオープンデータ事情1/3
2012年10月4日 in Special
アメリカのオープンデータへの取り組みはオバマ大統領の就任によって始まりました。オバマ大統領は就任式の翌日の2009年1月21日、行政機関の長に宛てた指令の中で「透明でオープンな政府」の重要性について次のように述べています。
私は私の政権をこれまでにないレベルのオープンな政府とすることを誓う。私たちは国民から信頼され、透明で市民参加と協働を促進するシステムの確立を、共に協力して実現しなければならない。オープンであることによって、私たちの民主主義はさらに強固なものになり、政府の効率性と有効性を高めることができる
オバマ大統領はこの指令において、Transparency(透明性)、Participation(国民参加)、Collaboration(政府間及び官民の連携・協業)の3原則の重要性について強調しており、この指令を契機としてアメリカのオープンデータ運動の基礎となる、Open Government Initiativeが始まりました。
2009年5月、オバマ政権は政府がデータを公開するためのデータポータルとしてdata.govを構築し公開しました。data.govは、Open Government Initiativeにおける国民からの提言を受けて開設したデータポータルで、連邦政府機関が保有する国勢、環境、経済状況などのデータセットを提供することを目的としたものです。
2009年12月8日には政府からOpen Government Directiveが発行され、各政府機関に対してデータをオンラインで公開するよう以下の指令が出され、これによりdata.govで入手できるデータセットの種類が大幅に増加しました。
- 45日以内に各政府機関は、最低でも3種類の高付加価値なデータセットで、これまで未公開あるいはダウンロードできなかったものを、オープンな形式でオンランにて公開し、Data.govに登録すること
- 60日以内に各政府機関は、” http://www.[agency].gov/open”という場所にオープンガバメントのWebサイトを構築し、Open Government Directiveに関する活動のゲートウェイとして機能させること
data.govは2011年5月17日にアメリカの民間企業であるSocrataのプラットフォームをベースとしたデータポータルに全面リニューアルされ、現在に至っています。2012年10月4日現在、data.govには4,767個のロウデータセットが公開されています。
さらに政府はdata.govに州や地方政府のデータセットを統合するためcities.data.govを新設し、2012年8月1日には、シカゴ、シアトル、ニューヨーク、サンフランシスコという、アメリカの4大都市がcities.data.govに参加し、地方政府のデータポータル統合が本格的に動き始めました。
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