オープンデータビジネスに照準を合わせるロシア

2012年10月11日 in Special


 

出典:(※1)

Open Knowledge Foundationのブログによれば、ロシアもオープンデータの可能性について認識しており、2012年5月7日の大統領令“About key measures for the improvement of the state governmental system”では、2013年7月15日までに公的機関のデータをオープンにすることが政府システム改善の重要な評価指標になると明言したとのことです。経済開発省(Ministry of Economic Development)のオレグ・パク氏によれば、現在、経済開発省はロシアにおけるオープンデータの標準とコンセプト開発に取り組んでおり、その結果をもとに全政府機関を対象としたロードマップを作成していく計画です。

ロシアはオープンデータに関して2つの目標を掲げています。1つ目は社会政治的な目標で、政府はデータを市民に公開しなければならないというものであり、この目標は既存の技術で容易に達成できると見込んでいます。

出典:http://www.golos.org/

例えばロシアの非営利組織ГОЛОС(VOTEの意、以下ではVOTE)は、ロシアで2003年から行なわれた選挙に関する統計情報を収集し、ダウンロード可能な形式で既に広く公開しています。VOTEが公開対象としているのは、国、地域、地方レベルの3万6千にも上る選挙です。VOTEは、ロシア政府のウェブサイトから選挙結果のデータを抽出し、市民が分析したり作業したりしやすいよう、再利用可能な形式であるCSVに変換して公開しています。

VOTEによれば、これまでは利用しやすい形式で選挙結果を入手できるツールはロシアには存在していなかったとのことであり、今回のVOTEによる選挙結果データのCSV形式による公開は、ロシアの選挙に関する透明性を格段に向上させる効果が期待できるとしています。VOTEの活動はすばらしいものであり、その価値は少しも損なわれるものではありませんが、政府はVOTEと同じことをやるのはたやすいことだと見なしています。

ロシアのオープンデータに関する2つ目の目標は、政府が保有する大量のデータを活用して新しい形のサービスを生み出し、これまでに存在しなかったものを市場に創造することです。この2番目の目標こそが、ロシアにとってより重要な目標と位置付けられています。今後ロシアは、先行するイギリスやアメリカを追いかけるように、オープンデータビジネス創出により一層力を注いでいくことでしょう。

(※1) http://blog.okfn.org/2012/06/29/on-the-way-to-the-new-market-of-information-in-russia/?utm_source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed%3A+okfn+%28Open+Knowledge+Foundation+Weblog%29

 

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Tomihiko Azuma

Written by

Chief Fellow, Institute for International Socio-Economic Studies (株式会社国際社会経済研究所 主幹研究員)