作品をパブリック・ドメインにすると何か悪いことが起きるか?

2012年10月14日 in Special


最近の研究によれば著作権延長に向けた伝統的な議論は予想通り粗が見え始めてきた。

著作権は通常、創作物に向かう意欲を奨励する観点により守られている。すなわち、後々何十もの所有権を得られるのでなければ、誰かが何をやるにもどんなモチベーションを持てるだろう?しかし、あなたは先の世紀の間を通じて発生し、さらに過去に作られた作品に遡及的に適用される継続的な著作権期限の増加をどう正当化するのであろうか。彼らの著作権保護を延長したとしてもその創作意欲は刺激できない – 創作はもはや過去のものなのだ!

3つの主な議論が進んでいる:
1.パブリックドメインに置かれる作品は十分に利用されないであろう、なぜなら新しい作品を製作するインセンティブが無いから。
2.それらは利用されすぎるであろう、あまりに多くの人が使いすぎてその価値を減じてしまうのだ。
3.それらは錆び付いてしまうであろう、質の低いやり方で再生産されたり、望みもしないものと組み合わされたりすることで。

この3つの論点は全てナンセンスに思える。新しい研究資料によれば、「作品をパブリック・ドメインにすると何か悪いことが起きるか?:著作権期限延長の実験主義的なテスト」はパブリック・ドメインのものと著作権保護された作品のオーディオブック再生産の例を挙げ、パブリック・ドメインの状態に移行する際に起こると予想される3種類のダメージの可能性を調査した。

我々のデータは、著作権期限延長に関する3つの基本的な論点 –過小な利用、過度の利用および陳腐化– は支持されないということを示唆している。作品はいったんパブリック・ドメインに置かれると、その価値は使われる量や方法により実質的に減少する。我々はパブリック・ドメインに置くコストがゼロだと主張するつもりは無いが、バランスシートの一方ではパブリック・ドメインの作品に対してオープンにアクセスするユーザに対する便益はかなり大きい。我々はこれらの便益がコストを劇的に上回るのではないかと考えている。

我々のデータによれば、著作権期限延長の支持者による、作品がいったんパブリック・ドメインに置かれるとその文化的経済的価値を損ねかねない低品質のバージョンが作成されるであろう、という議論をほとんど支持しない結果となっている。我々のデータは、例えば著作権保護されたテキストとパブリック・ドメインのものについて、専門のオーディオブック・リーダーによる品質に関する聴取者の判断に、統計的に有意な差異を示していない。

TechDirt でのコメント:

ミッキーマウスが次第にパブリック・ドメインに近づく時が再び近づいて来た — その意味は、著作権期限延長に関する論争である。ご存知のようにミッキーがパブリック・ドメインに近づくたびに、議会がディズニーの要請にとび乗り、著作権を延長するのだ。

結果は明らかだ。パブリック・ドメインに置かれた時のいわゆる「害悪」は存在しないように見える。作品はさらに提供され(実際、それらはよりパブリックに利用することができ、それは著作権の目指すところだと聞かされてきた)、より質の高い作品が提供され、作品は過度に使用されることは無い。著作権延長の議論を続ける理由が何かあるだろうか?

原文(2012/10/8 Open Knowledge Foundation Blog 記事より):
Original post Do bad things happen when works enter the Public Domain? (c) Theodora Middleton, licensed under CC BY 3.0.

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Shu Higashi (東 修作)

Written by

Georepublic Japan に勤務。OKJP事務局長及びオープンストリートマップ・ファウンデーション・ジャパン 事務局を兼務。Code for Japan設立発起人。内閣府電子行政オープンデータ実務者会議利活用推進WG構成員。 OpenStreetMapという自由な世界地図を作る活動をきっかけにオープンデータの活動に関わりはじめました。主な関心領域はデータのライセンシング、コミュニティ活動、市民参画、国際連携など。 投稿記事の内容はあくまで個人としてのものであり、所属する組織を代表する見解ではありません。