地域別延焼危険度測定データに見る日本の課題

2012年10月17日 in Special


東京都消防庁は、震災時における火災の被害を軽減することを目的として、毎年「地域別延焼危険度測定」を実施しており、平成23年度分の測定結果が平成24年3月に公開されています。さまざまな形でデータが提供されていますが、自分の住んでいる場所の危険度を知りたい場合には、最初マップで地域の延焼危険度をざっくりと見た後、報告ページの一番下にひっそりと掲載されている町丁目別危険度一覧を見ると参考になると思います。

大変興味深いデータなのですが、残念ながらこのデータも著作権によって保護されており、「私的使用のための複製」や「引用」など著作権法上認められた場合を除き、無断使用・無断転載が禁止されています。商業目的での使用は禁止されてはいませんが、東京消防庁の事前承認が必要です。

ここに日本のオープンデータのライセンスに関する典型的な問題を見ることができます。

  • 延焼危険度測定結果などの事実データは著作物なのか
  • こうした事実データを著作権で保護しているのは法的に有効なのか
  • 事実データを商業利用することについてどんな問題があるのか

こうした問題をクリアするために、それぞれのデータ提供者と協議して許可を得なければならないとすれば、いくらデータが公開されていても商業利用しようと考える人はいなくなってしまいます。オープンデータビジネスを行うためには、イギリス政府のOpen Government Licenceのような、オープンデータについての包括的なライセンスの開発、適用がなによりもまず必要です。

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Tomihiko Azuma

Written by

Chief Fellow, Institute for International Socio-Economic Studies (株式会社国際社会経済研究所 主幹研究員)