ハザードマップポータルとRaw Data Now!
2012年10月18日 in Special
国土交通省は全国の地方公共団体が作成した各種ハザードマップにアクセスできる「ハザードマップポータル」を提供しています。洪水、内水、高潮、津波、土砂災害、火山、地震となんでもそろっています。日本地図から見たい地域をクリックしていくことで、最終的には地方自治体が作成し公開しているハザードマップ等の情報に到達できるようになっています。これはとても使いやすいポータルで、人が防災上必要な情報を得るのにはとても役に立ちます。
このポータルサイト自体は人を対象としているので、その点については素晴らしいポータルになっていると思います。しかし人には簡単なインタフェースになっているがゆえに、プログラムからは全くアクセスできません。ほとんどの場合、最終的に行き着く先はpdfです。プログラムから見たいのは、pdfではなく、それを描くために使った生データです。まさにこれがティム・バーナーズ=リーの”Raw Data Now!“なのです。
ライセンスの問題をひとまず置いておき、ここでの問題を考えてみると、「データをそのまま出してもわからない」だろうし、「住民にわかりやすく情報を伝えるのが地方自治体の使命」であるから、生データではなくできるだけ住民にわかりやすい形にしなければならないという考えが見えます。これは間違いではありません。ただ、すこし足りません。
住民の中には、「自分でデータを分析したり解釈したい人」や、「自分でデータをビジュアライズしたい人」が増えています。特に生まれた時からデジタル機器に囲まれ、ソーシャルメディアを遊び場としてきたデジタルネイティブ世代はその傾向が強いと思います。こうした住民がいることを理解してもらえれば、意外と早く”Raw Data Now!”と叫ばなくてもすむ時が来るかもしれません。
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