Hurricane Sandy に見るオープンデータの使われ方

2012年10月27日 in Special


カリブ海で発生したハリケーン「サンディ」はジャマイカ、キューバを縦断し、勢力を落としながらも米国東海岸に迫りつつあります。

自然災害などの危機に際しては多方面にわたる情報収集や対策が必要なため、政府・公共機関に任せるだけでなく様々な立場からの協力が当たり前のように行われるようになってきました。

「サンディ」に関しても既に自発的な情報収集・提供サイトがいくつか立ち上がっています。

ハリケーン上陸を前に、なぜここまで情報を準備できているのでしょうか。今回は2つ目のHurricane Sandy User Map Gallery を例に、その理由を探ってみたいと思います。

このギャラリーには2012/10/27現在、ハリケーン「サンディ」に関する33種類の様々な地図が作成・公開されています。ESRI社はGISソフト分野では世界最大といわれ、利用者に災害時用の「Disaster Response」というサービスを提供しています。そのテンプレートのひとつに「Hurricanes & Cyclones」があり、アクティブなハリケーンとして「サンディ」の情報が提供されています。内容としては地図上に台風の進路予測などの気象情報が表現され、同時にtwitter、Flickr、YouTubeといったソーシャルなメディアからハッシュタグなどで関連情報を自動収集することもできるようになっています。Ushahidiとよく似た仕組みです。

そのサービスの情報源を見ると、ソーシャルなメディアからの情報と並んでアメリカ合衆国商務省海洋大気庁(NOAA)などから提供されているオープンデータを利用していることが分かります。

米国では政府のデータは基本的にパブリックドメインという文化があるため、気象情報も当然のようにオープンデータとして公開されています。例えばNOAA配下の「国立ハリケーンセンター」では進路予測情報などがGISソフトでよく使われるshp形式やkmz形式のファイルで公開されています。ちなみにshp形式はESRI社が策定した規格でもあります。

ESRI社はこれらのデータをダウンロードして自社サービス用サーバに格納し、利用者向けにはAPI形式でデータを提供しています(例:Hurricane, Active Hurricanes – NOAA)。

多様なデータの形式整理、API化、サーバ資源の準備など、手間とコストが掛かる部分を提供者と利用者の間に企業が入ることでうまく整理できている形だと言えるでしょう。

こういった事例を参考にすれば、我々の目指すべき道筋も具体的に見えてくるのではないでしょうか。

2 responses to Hurricane Sandy に見るオープンデータの使われ方

  1. Open Knowledge FoundationのブログでもSandyとOpen Dataの関係が記事になっていました。

    Hurricane Sandy and open data

    http://blog.okfn.org/2012/11/01/hurricane-sandy-and-open-data/?utm_source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed%3A+okfn+%28Open+Knowledge+Foundation+Weblog%29

  2. TechCrunchでも話題になってました。

    Like Hurricane Maps? Thank Open Government Data Nerds

    http://techcrunch.com/2012/10/30/like-hurricane-maps-thank-open-government-data-nerds/

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Shu Higashi (東 修作)

Written by

Georepublic Japan に勤務。OKJP事務局長及びオープンストリートマップ・ファウンデーション・ジャパン 事務局を兼務。Code for Japan設立発起人。内閣府電子行政オープンデータ実務者会議利活用推進WG構成員。 OpenStreetMapという自由な世界地図を作る活動をきっかけにオープンデータの活動に関わりはじめました。主な関心領域はデータのライセンシング、コミュニティ活動、市民参画、国際連携など。 投稿記事の内容はあくまで個人としてのものであり、所属する組織を代表する見解ではありません。