データは道路と同じく「インフラ」である

2012年11月6日 in Special


Open Knowledge Foundationのブログに興味深い記事が掲載されていましたので、その一部を紹介します。

オープンデータに関しては、いつも「データをオープンにすることによって透明性を高める」という点が焦点となります。確かにこれは重要ですが、もう少し視野を広げて、目線を高くして、オープンデータを見つめ直し、データを公的なデジタルインフラとして位置付けることも必要ではないかという考え方です。そうすれば、データは道路のようになり、それを誰がどのように使うのかは、法に違反しない限り自由であると述べています。

また、データをインフラとしてとらえ直すことによって、オープンデータをとりまくさまざまな議論をもっと単純に考えることができるとも指摘しています。例えば、データを使うのに身分証明書がいるのかという問題については、道路を使うのに身分証明書がいらないように当然不要です。データ標準がなぜ必要なのかという点については、特定の車種しか通れない道を作らないように、標準は当然必要です。データに関する責任については、橋を作るのに対価を得ているように、データを作るのに対価を得ているのだから、データについて責任を持つのは当然であるとしています。

そしてブログでは、こうしたデータインフラの上に実現されている情報社会の例を4つ上げています。

1つ目は、ハードウェアとコミュニケーションです。ウルグアイ政府は2015年末までに全家庭に光ファイバーを引き、携帯電話で1Gbの通信を無料で提供する計画であり、すでに2007年からすべての公立学校の生徒にOLPCとインターネット環境を提供しています。

2つ目はサービス、これは比較的お馴染みですが、政府のコンピューターパワーも使えるように公開すべきとしているところが面白いところです。

出典:http://www.softwarepublico.gov.br/ver-comunidade?community_id=51261

3つ目は、ソフトウェア・コンポーネントです。ブラジル政府は2007年に”Portal do Software Publico Brasileiro“を開発し、政府によって開発されたアプリや、政府のために開発されたアプリを一般に公開して再利用できるようにしています

左図は実際に公開されているソフトウェア・コンポーネントの一例です。このSGDはもともと公的機関のクレーム管理用に開発されたものですが、クレーム管理という業務は公的機関に限らず広く行われているということから、ポータルに公開されました。Portal do Software Publico Brasileiroはブラジル国民だけでなく、世界中だれでも利用することができます。これらはインフラ上のビルディングブロックのような位置付けになるのでしょう。

4つ目は、知識です。政府には、市民に対して政府が何を行っているのかを伝える義務があり、またそれをどういうやり方で進めているのかも説明しなければならず、そのためには政府の知識を公開し、再利用できるようにする必要があるとしています。それこそが、政府や行政がコミュニティに積極的に参加し、直面するすべての問題に対して革新的な解決策を生み出すために必要なことで、政府や行政はそうした知識インフラを構築することと引き換えに賃金を得ているのだと。

メキシコの例はこれまでも何件か報告しましたが、ウルグアイやブラジルなど、ラテンアメリカ政府の取り組み方には、社会インフラを創り直すという強い意志が感じられます。

全文は以下を参照:

Towards a public digital infrastructure: why do governments have a responsibility to go open?

1 response to データは道路と同じく「インフラ」である

  1. 自己フォローです。

    データシティ鯖江を立ち上げたジグジェーピー福野さんの「公共データは電気と同じだ。使い道は後からついてくる」という考え方と共通する部分があります。

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Tomihiko Azuma

Written by

Chief Fellow, Institute for International Socio-Economic Studies (株式会社国際社会経済研究所 主幹研究員)