日本の公的データ活用事例1 Takestock、書店と図書館の一括検索

2012年11月7日 in Special


日本では公的データの活用事例が少ないと言われています。確かにニュースなどで取上げられるようないわゆる「正統派」アプリはそれほど聞いたことがありません。しかしよく探してみると、既存のアプリに公的データを加味して新しい価値を生み出しているものがあるようです。そこで、日本の公的データ活用事例という題で連載を始めることにしました。どこまで続くのか見通しは定かではありませんが、こうした新しい動きを探し出し、広めていくこともOKFJの役目の一つだと思います。

日本において公的データの活用事例としてよく登場するのがカーリルです。カーリルでは、全国の6千以上の図書館における蔵書の貸出状況を検索できます。さらにカーリルは、学校図書館や企業図書館とも連携した「カーリルスポット」の提供を10月から始めました。今回紹介するのは、このカーリルではなく、カーリルを利用した新しいサービスTakestockです。

出典: https://takestock.jp/

Takestockでは、全国にある1,400箇所の書店の在庫と、6千箇所を超える図書館の蔵書とを、一気に検索することができます。例えば、書籍「MAKERS―21世紀の産業革命が始まる」を新宿駅周辺で検索すると、その結果が地図上に表示されます。本を開いたようなアイコンが書店で、グレーのピンマークで示されているのが図書館です。

書店の在庫情報はTakestockが自前で顧客開拓し、図書館の蔵書情報はカーリルAPIを利用してカーリルからデータを取得しています。iOSアプリも11月にリリースされました。

Takestockがこれからどのように収益を上げていくのかなど、ビジネス面での課題はあるとは思います。しかし、カーリルAPIが公開されていること、さらに遡れば図書館蔵書データが公開されていることが、こうした新しいサービスの誕生を促していることは間違いありません。

これからはTakestockのように、「何気なく」公的データを活用している新しいサービスにも注目したいと思います。

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Tomihiko Azuma

Written by

Chief Fellow, Institute for International Socio-Economic Studies (株式会社国際社会経済研究所 主幹研究員)