日本の公的データ活用事例3 「ココゆれ」、地震リスクがすぐわかる

2012年11月9日 in Special


「ココゆれ」画面
出典: 大和ハウス工業株式会社

大和ハウス工業株式会社は11月2日、戸建住宅の購入を検討している顧客を対象として、地震発生確率や予測震度などのリスク情報を提供する地震危険度評価ツール「ココゆれ」の本格運用を開始すると発表しました。名称には愛らしささえ感じますが、このツールが利用している公的データは、実は筋金入りの硬派です。

「ココゆれ」は、独立行政法人防災科学技術研究所が開発した「地震ハザードステーション J-SHIS 」のデータを利用しています。さらにこのJ-SHISは、文部科学省・地震調査研究推進本部が作成している「全国地震動予測地図 2010年版」のデータを利用しているのです。

出典: http://www.j-shis.bosai.go.jp/map/

「全国地震動予測地図」とは、地震調査研究推進本部の過去10年間にわたる地震ハザード評価の集大成であり、地震活動モデルや震源断層モデル、地下構造モデル等の地図の作成に必要なデータを含む膨大な量のデータを有しています。

「全国地震動予測地図」のデータは確かに価値が高いですが、そのままでは一般消費者は理解できません。そこで防災科学技術研究所は、ブラウザで全国地震動予測地図のデータに基づいた地震リスクを簡単に調べることができるように、オープンソースソフトウェアによるWebマッピングシステム「J-SHIS」を開発しました。

そして、今回、大和ハウス工業はこのJ-SHISを利用して、戸建住宅の購入を検討している顧客を対象にした、さらにわかりやすい地震リスク評価ツール「ココゆれ」を発表しました。つまり、「文部科学省・地震調査研究推進本部 ⇒ 防災科学技術研究所 ⇒ 大和ハウス工業」というように地震リスクの公的データが流れながら、それぞれの段階で特定の顧客を対象とした付加価値が付けられ、高度に活用されているのです。公的データをオープンにすることによって、こうした波及効果が生まれるという1つの好例です。

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Tomihiko Azuma

Written by

Chief Fellow, Institute for International Socio-Economic Studies (株式会社国際社会経済研究所 主幹研究員)