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データドリブンソサエティ3 市民が関心を持つデータから公開する

2012年12月29日 in Special

データドリブンソサエティにおける地域活性化は公的データのオープン化から始まり、プロセスのオープン化、コミュニケーションのオープン化、さらにアクションのオープン化へと拡がっていきます。今回はイギリスの事例をもとにして、データドリブンソサエティの具体的な仕組みについて見ていきたいと思います。

イギリスでは政府がオープンデータに積極的に取り組んでおり、data.gov.ukにおいて積極的に公的データを公開しています。また、 グレーター・マンチェスター・カウンティなどの地方政府レベルでもデータ公開が盛んで、 datagm.org.ukなどのデータポータルが立ち上がっています。 データドリブンソサエティを実現するためには、実はこの最初のデータ公開でどんなデータを公開するのかが最も重要なのです。

日本政府は「できるところから公開する」あるいは「経済界からのニーズがあるものから公開する」という方針です。しかしイギリス政府は日本とは全く異なる方針でデータ公開の優先度付けをしています。キャメロン首相は以下の表に示すように自ら書簡を出し、各省庁に対して具体的なデータを指定し、期限を設けて公開するよう指示を出しました。

出典:http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/shoujo/it_yugo_forum_data_wg/pdf/003_06_00.pdf

 

キャメロン首相が公開を指示したデータとは、政府の支出、保健、医療、教育、スキル、犯罪、司法、交通などの分野の公的データで、いずれも市民の関心が非常に高い分野となっています。

市民に関心の高いデータを優先的に公開することによって、市民のオープンデータに関する興味や関心を高めることができます。データに関心を持つからこそ、そのデータが作られたプロセスに対しても興味が出てきます。市民にとって最も関心の高い分野のデータを公開することが、データドリブンソサエティにとって最も重要な出発点になります。

データドリブンソサエティ2 オープンデータが生み出す好循環

2012年12月28日 in Special

オープンデータでは、①行政の透明化と効率化、②公共サービスの向上、③経済の活性化の3点が目的として挙げられます。しかし本来、これらの3つの目的は独立したものではなく、お互いに深い関係を持っており、そうした相互作用を理解した上でオープンデータ運動を進めていくことが重要です。特に地方公共団体においては、こうした関係性を理解して上手く活用することが、直面している課題を解決するための大きな力となります。

データドリブンソサエティとは、データをオープンにすることによって地域社会が活性化されることを表した言葉です。データドリブンソサエティにおける地域活性化は公的データのオープン化から始まり、公的な領域に関係する4段階のプロセスを通じて展開されていきます。

データのオープン化とは、公的機関などが保有している公的なデータを公開することです。データドリブンソサエティは、ここから始まります。

データのオープン化によって公開されたデータに対して興味や疑問を持った市民は、さらに「なぜこのようなデータが出てきたのか」「このデータはどういう過程を通じて作成されたのか」ということを知りたいと思うようになります。例えば予算値というデータに対して、予算委員会等での審議過程、各議員の発言、議会での投票結果など、データを生み出してきたプロセスについてもオープンにして欲しいと要求するようになります。これがプロセスのオープン化をもたらします。

データドリブンソサエティ

データとそれを生み出してきたプロセスを目の前にした市民は、今度はプロセス自体に何らかの関与をしたいと思うようになります。例えば、自分の選挙区から選出された議員、あるいは自分が投票し当選した議員が、自分の意図とは違う行動をしていることがわかれば、なぜその議員がそのような発言や行動をしたのかを知りたくなり、自分たちの考えをストレートに議員に伝え、議論したいと願うようになります。この欲求がコミュニケーションのオープン化を引き起こします。

コミュニケーションのオープン化によって市民の声は格段に行政に届きやすくなり、市民のニーズは明らかになります。これは行政にとっては間違いなく良いことなのですが、行政のリソースには限りがあり、すべてのニーズを満たすことは現実的にはできません。一方市民は、データ、プロセス、コミュニケーションのオープン化を通じて行政に対する関心を高め、行政に対して自らがもっと積極的に関わりたいと思うようになります。行政のリソースに限界があることも、そしてそれが行政の怠慢によるものではないことも市民は知っており、自分たちでできることは自分たちでやるという気持ちが生まれ、最終的にアクションのオープン化へとつながります。オープン化された活動の場は企業に対しても開かれており、新しいビジネスが生まれてきます。

データドリブンソサエティでは、データのオープン化がプロセスのオープン化をもたらし、さらにコミュニケーションのオープン化、アクションのオープン化へと拡がり、さらに市民や企業が公共に参画することによってデータのオープン化がさらに進むという好循環が起こります。実はここで説明した好循環メカニズムは、欧州などでは地道な市民活動によって獲得してきたものでもあります。それについては次回説明したいと思います。

 

 

データドリブンソサエティ1 地方公共団体から見たオープンデータの意味

2012年12月26日 in Special

オープンデータの目的としてよく挙げられるのが、①行政の透明化と効率化、②公共サービスの向上、③経済の活性化の3点です。これら3つはいずれも重要であり、それぞれにおいて以下のような活動が展開されています。

  • 行政の透明化と効率化を図るために、行政の支出に関するデータを公開する
  • 公共サービスの向上を図るために、市民が近隣の問題点などを通報できるようにする
  • 経済の活性化を図るために、オープンデータを活用した新ビジネスを育成する

しかし、「オープンデータの目的」という捉え方はデータホルダーからの見方であり、「こんな活用方法が考えられるはず」という、オープンデータの活用可能性に重きを置いたものです。いわゆるシーズ指向の考え方と言っても良いかもしれません。

一方で、複数の地方公共団体の関係者の方々と話をさせていただいた経験からわかったことは、地方公共団体では、まず具体的な地域や住民が目の前にあり、そこには解決しなければならない具体的な課題が存在し、それらを解決するためにオープンデータはどんな意味を持つのか、という捉え方をしていることです。こちらはニーズ指向の考え方とも言えます。

現在、政府などが実施しているオープンデータ推進のためのさまざまな取り組みの多くは、シーズ指向型に偏る傾向があります。「政府もニーズを聞いているではないか」と反論されそうですが、それは「オープンデータの活用可能性」を聞いていることが多く、現実に存在する具体的な課題を解決するために、オープンデータはどのような役割を果たすのか、果たさないのか、あるいはどんな使い方をすれば役立つのかという視点が足りていません。

こうした地方公共団体から見たオープンデータにおいて、最も問題だと思われるのは、先に挙げた3つの目的が何の連携もなく、バラバラに、しかも強力に実行されることです。

行政の透明化を図るために税金の使途を明らかにすることは意味がありますが、その目的が行政職員の怠慢を糾弾することだけに終われば、市民と行政の対立はより一層深刻なものとなるでしょう。市民が参加できる機会を増やす取り組みも様々な形で行われていますが、その成果が政策などに具体的に反映されなければ、市民と行政が協働で何かを成し遂げようという気持ちは失われていきます。実は日本でも、公的データを活用したビジネスは既に多数存在していますが、それらのビジネスと地域や住民との接点はほとんどなく、ビジネスサイドにも地域への貢献という意識は見られません。

つまり、3つの目的にための施策を、お互いにバラバラに強力に推し進めることは、地方公共団体にとっては逆効果になりかねないとも言えます。都道府県や市町村などの地方公共団体において、それぞれの地域社会の課題を解決し、より住みやすい地域社会をつくるために、オープンデータはどんなシステムの中で、どんな役割を果たすのかについて考えてみたいと思います。

投票率のライフサイクル説!?

2012年12月22日 in Special

2012年12月16日に行われた第46回衆院選の結果をうけて、若者の投票率低下とその反動としての高齢者優遇の「シルバーデモクラシー」への懸念が取りざたされていますが、本当に若者は投票に行かなかったのでしょうか?数字を元にして、その検証にチャレンジしてみました。

・・・と、いきなりですが、第46回衆院選の全国のオフィシャルな投票結果が見当たりません。新聞やウェブ上の記事で総務省発表の投票率を引用しているものは多数見受けられますが、総務省のウェブサイトには見当たりません!
現在掲載されているのは前回第45回と前々回第44回の内容です。数字はプレスにだけリリースしているのでしょうか。速報値として、ウェブサイトで広く公開して欲しいものです。

気を取り直して、各都道府県のウェブサイトで発表されている投票率を個々に拾ってみたのがこちらです。

都道府県別にランダムな数字を並べただけでは素人目にはなかなかその「意味」が浮かび上がってきませんのでこれ(前回H21年との投票率の差)を日本地図上に視覚化してみたのが下の図です。

出典: Geofuse

赤色が濃いほど投票率の低下を表します。全体として投票率の低下は明らかですが、その中でも関東・近畿といった大都市圏では、その低下率が比較的少ないことがわかります。一見、高齢化の進んだ地域での投票率低下が全体として多いように見受けられます。これは若者よりもむしろ高齢者が投票に行かなかったことを示すのでしょうか?

視点を変えて、年齢別の投票率を時系列で比べてみましょう。これは明るい選挙推進委員会が公開している過去の衆院選年齢別投票率の推移です。

出典: http://www.akaruisenkyo.or.jp/070various/071syugi/693/

社会情勢などにより全体としての投票率は上下していますが、20歳代から60歳代にかけて年齢とともに投票率が次第に上昇して行く傾向はほぼ固定化されているように見えます。これは、投票とその向こうにある政治というものに対して、社会の中での個人の位置づけが年齢とともに次第に関わりを増していく様を表しているのではないでしょうか。

つまり、卒業→就職→昇進→退職、といった社会の中でのライフサイクルに付随して、投票行動を決める「投票のライフサイクル」ともいうべきものがあるのではないでしょうか。

上記グラフの切り口を少し変えて、平成以降について、年齢を横軸にとって並び替えてみましょう。

年齢が上がるほど投票率が上がるという折れ線の傾きについては、どの選挙でも驚くほど似ていることが読み取れます。この傾向をさらに細かく見ると、年齢があがるにつれて選挙ごとの振れ幅は小さくなり、投票率の増加は60歳代をピークに以後下がり始める、というライフサイクルがより明らかになります。第46回(H24)の衆院選投票結果はまだ年齢別のデータが公開されていませんが、投票ライフサイクル説が正しければ、投票率が戦後最低であったことから上記グラフのいちばん下に同じような傾きの折れ線が引かれることになるでしょう。

横軸を選挙実施年に切り換えるたものが下記グラフです。

水色の70歳以上の線がいちばん安定しており、選挙に関わらず投票率が70%前後で落ち着いています。紫色の60歳代も80%前後で安定しており、人口構成の多さと併せて選挙結果に最も大きな影響を与えている世代と言って良いでしょう。振れ幅が大きく、いちばん不安定なのはやはり20歳代と30歳代です。中でも30歳代の第43回(H15(2003)年)での投票率が他の世代と比べて大きく下がっている点が特異な動きです。1980年以降に、もっとも失業率があがり、就職氷河期と言われる時期が長らく続いた時期であることと関係がありそうです。

出典: http://ecodb.net/country/JP/imf_persons.html#lur

ここから先、正確な分析には都道府県別の投票動向を年齢別に掘り下げて行く必要がありそうですが、今回そこまでデータが揃いませんでした。

ここまでに挙げた材料を元に投票率に関する考察を改めてまとめると以下のようになります。

・「投票ライフサイクル」ともいうべき年齢に応じた投票行動パターンがあるのではないか。
・今回の衆院選の結果も過去の年齢別投票率曲線と同じような形状を取るのではないか。
・若者が選挙に行ったかどうかの判断は現状のデータだけでは難しいが、投票ライフサイクルがあるとすれば、若者の投票率が上がれば他の世代も上がることになる。若者の投票率「だけ」が上がるには、これまでに無い何らかの環境変化や動機付けによる、社会への参加意識の高まりが必要と思われる。正規雇用の拡大はひとつのカギではなかろうか。
・既に若者とは呼ばれなくなった世代も、若者と呼ばれていた頃には同じ投票行動(低投票率)をしていたはず。

最後に、分析に際しては数字のトリックに気を付ける必要があります。例えば投票率は比率であって絶対数ではありません。高齢化社会を迎えた日本では現在の60歳前後と36歳前後のベビーブーム世代のところにヤマがありますが、以後の人口は減少の一途をたどっています。「シルバーデモクラシー」が日本のこれからの社会にとって本当に問題なのであれば、選挙によってそれを変えるべきは有権者数の多い世代なのではないでしょうか。

マサチューセッツ州、ボストンの311型市民通報アプリを州全域で採用へ

2012年12月21日 in News

マサチューセッツ州が、ボストンで2009年から導入されている311型市民通報システム”Citizen Connect“を州全体に拡大すると発表しました。これによってマサチューセッツ州の36の市や町が同じ311型通報システムで結ばれCommonwealth Connect“へと広がります。

これによって、例えばフィッチバーグの住民がボストンを訪れている場合でも、いつもと同じフィッチバークのアプリを使ってたまたま見つけたボストンの問題箇所を報告することができ、その報告はボストン当局に届きます。

実際は60の市や町から応募があったのですが、予算の関係から2012年は36に絞られたようです。今回採用されなかった市町も2013年に参加できる可能性があります。ある都市が開発した有用なシステムを他の都市でも採用するという動きはこれからも広がっていくことでしょう。

出典:Boston’s Reporting App Expands Statewide

23andMe、遺伝子分析サービスとデータ駆動型スパイラルアップモデル2

2012年12月20日 in Special

(1からの続き)

2012年9月17日、23andMeは顧客から集めた遺伝子情報を公開すると発表しました。23andMeは、顧客の許諾を得た上で名前やコンタクト情報などを除いた遺伝子情報をデータベースに蓄積し、サードパーティなどにAPIを通じた無料提供を開始しました。この遺伝子情報データベースの無料公開によって、23andMeは遺伝子情報という非常に価値の高いデータの提供者ともなったのです。ここに23andMeのデータ駆動型スパイラルアップモデルが登場します。

23andMeの仕組みは次の通りです。まず、自己の遺伝子に関心の高い顧客が23andMeの遺伝子分析サービスを利用します。23andMeは顧客から承諾を得た上で、遺伝子分析サービスによって分析した遺伝子情報をデータベースに蓄積します。次に23andMeは、遺伝子情報データベースをAPIを通じてサードパーティなどに無償で公開し、遺伝子情報を活用した新サービス開発を促します。こうしてサードパーティが開発したサービスの利用者の中から、新たな23andMeの顧客を生み出し、遺伝子情報データベースをさらに充実させていくことができるのです。

 

23andMeのデータ駆動型スパイラルアップとも呼べるモデルは、オープンデータビジネスにおける新しい可能性を示しています。従来のオープンデータビジネスは、公的機関が税金を使って収集したデータを民間企業が活用してサービス化することに主眼を置いてきました。しかし、23andMeにおいては、データ提供者はサービス購入者である一般市民であり、データ収集を価値のあるサービス提供の一環として顧客に負担をかけずに行っています。23andMeは市民から得たデータをAPIで公開し、他の企業が23andMeの遺伝子情報を自由に活用して新しい多様なサービス開発を促しています。

ここで重要な点は、市民に対して遺伝子情報を活用した様々な新サービスを提供することによって遺伝子に対する関心を高め、23andMeの顧客となる可能性を拡げるとともに、データ提供者としての市民を増やし、全体として正のフィードバックループが成立していることです。

23andMeは、遺伝子情報が増えれば増えるほど分析精度を向上させることができ、それはサービス購入者のニーズにまさに合致しています。企業は自らが蓄積し保有しているデータについて、オープン化することでその価値をさらに高めることができる可能性があります。

(1へ戻る)

23andMe、遺伝子分析サービスとデータ駆動型スパイラルアップモデル1

2012年12月20日 in Special

従来、オープンデータのビジネスモデルは、公的機関が保有するデータを利用して新しいサービスを開発したり、新しいサービスを構築するための支援環境を提供したりするものが主でした。この枠組みにおいては、オープンデータの提供者は公的機関であり、企業はそのデータの消費者、市民はデータを活用したサービスの利用者という位置付けになります。データの流れから見ると、「公的機関→企業→市民」という一方向であり、データが多様な主体を経由するチェーン構造をとることはあっても、ループ構造になることはほとんどありません。

しかし最近になって、公益性の高いデータを市民から収集し、それをデータベース化して公開する企業が現れてきました。しかも単にデータ公開するだけではなく、データを公開することによって新しい顧客の開拓につなげており、従来のデータの提供者としての公的機関、データの利用者としての企業という関係を超えたモデルが生まれてきています。ここではこの新しいモデルを便宜的にデータ駆動型スパイラルアップモデルと呼んでいます。

今回ご紹介するのは、アメリカで遺伝子分析サービスを提供している23andMeです。23andMe は、DNA分析における最新技術とWebツールを活用することによって、個人が自分自身の遺伝子情報をより詳細に知ることができるようにすることを目的として、2006年に創業しました。23andMeという名前は、人のゲノムを構成している23個の染色体の組に由来しています。

23andMeは、顧客の遺伝子情報を分析し、疾患リスクなど以下に示す245項目について判定するサービスを99ドルで提供しています(2012/12/20時点)。

  • 遺伝性疾患の可能性: 嚢胞性線維症、鎌状赤血球貧血、テイ・サックス病など、48種類
  • 疾患リスク: 2型糖尿病、加齢(性)黄斑変性症、パーキンソン病など、120種類
  • 薬に対する副作用:クロピドグレル有効性、ワルファリン感受性など、20種類
  • 遺伝的な形質:アルコールによる紅潮反応、慢性B型肝炎など、57種類

出典:https://www.23andme.com/howitworks/

23andMeを利用して遺伝子分析をするのは極めて簡単です。23andMeのWebサイトでサービスを購入すると、数日の内に遺伝子検査用のキットが届きます。利用者はこのキットに付いている容器に検査サンプルとなる唾液を入れ、23andMeに送り返すだけです。アメリカ国内だけでなく、海外からも利用することができます。

23andMeは届いた唾液からDNAを取り出し、イルミナ社のOmniExpress Plus Genotyping BeadChipという装置に、23andMe独自のバリアントを加えてカスタマイズしたものを用い、約31億にも上る塩基対の中から、23andMeが分析対象としている疾患やリスクに関係する約100万個の一塩基変異多型(SNP, single nucleotide polymorphisms)だけを解析します。4週間から6週間後、利用者は23andMe解析結果をWebやスマートフォンで見ることができます。

(2へ続く)

イギリス政府、オープンデータ推進に新たに800万ポンド投入

2012年12月20日 in News

出典:http://www.cabinetoffice.gov.uk/

2012年12月12日、イギリス政府はオープンデータを推進するために新たに800万ポンドの予算を投じると発表しました。これは2015年までかけて実行されるものであり、オープンデータを活用したビジネス創造のために以下の施策が行われます。

  • 750万ポンドの「データ戦略委員会ブレークスルー・ファンド(Data Strategy Board Breakthrough Fund)」を創設し、公的機関が応募できるようにする
  • 85万ポンドの「オープンデータ・イマージョン・プログラム(Open Data Immersion Programme)」を創設し、企業が応募できるようにする
  • オードナンス・サーベイ(Ordnance Survey、イギリス陸地測量部)のデータをダウンロードできるフォーマットを改善し、企業がデータをもっと容易に、正確に、柔軟に利用できるようにする

公的機関は「データ戦略委員会ブレークスルー・ファンド」の資金を利用して公的データのオープン化を進めることができます。データ戦略委員会とは、公的データを最大限活用することを目的に設立された独立系のアドバイザリー委員会で、政府などに対してオープンデータの利活用について助言している団体です。

一方、オープンデータを活用したビジネスを考えている企業は「オープンデータ・イマージョン・プログラム」に応募することで、ビジネス化の資金を得ることが可能となります。この「オープンデータ・イマージョン・プログラム」は、Open Data Instituteが主催するプログラムで、異なるテーマを設定した一連のコンペを実施することで、中小企業やスタートアップの育成を目指したものです。

 出典:New funding to accelerate benefits of open data

International Open Data Day in Japan, 2013年2月23日(土)開催

2012年12月19日 in Events, Featured, Special

*追記
International Open Data Day Japanのウェブサイトがオープンしました!
各地のハッカソン情報や、イベント当日はハッカソンの成果、写真などを更新予定です。
>>International Open Data Day Japan


市民自らがオープンデータを活用し、課題解決に取り組むイベントInternational Open Data Dayが来年2月23日(土)に世界各地で開催されます。イベントのWikiページも立ち上がり、すでに世界中から60以上の都市がエントリーし、日本からも横浜、東京、千葉、名古屋/東海がすでに名乗りを上げています。

この機会に、オープン・ナレッジ・ファウンデーション日本グループ(OKFJ)は、日本初のInternational Open Data Day in Japanを下記の要領で開催したいと考えています。ご興味のある方、質問やコメントなどある方はOKFJまでご連絡ください。多くの方のご参加をお待ちしております。

 

International Open Data Day in Japan企画案

1.概要

オープン・ナレッジ・ファウンデーション日本グループ(OKFJ)は、日本で初めてのInternational Open Data Dayを2013年2月23日(土)に日本各地で開催します。

International Open Data Dayとは、世界中の国や都市など、さまざまなレベルの政府機関が取り組んでいるオープンデータ政策をサポートし、普及を促進するためのイベントです。オープンデータとは、公的機関が保有するデータを民間に開放し、社会的課題解決からビジネスまで幅広く活用することによって、より良い社会の実現を目指す世界的な運動です。

当日は世界中の各地で市民が集まり、オープンデータを活用してアプリケーションを開発したり、データを発掘して解放したり、データをわかりやすく可視化したり、分析してその結果を公表したりするイベントを開催します。

 

2. 開催方法

International Open Data Day in Japanでは、日本の各地(都道府県、市区町村等)で事前にエントリーしたオーガナイザー(主催者)によるハッカソンを開催します。ハッカソンとは、ある特定のテーマに興味や問題意識を持つ人々が集まり、お互いにアイデアを出し合いながら実際に動くアプリケーションやソリューションを協力して開発するイベントです。今回のハッカソンでは、オープンデータを活用して、各地が抱える具体的な問題や課題の解決を目指します。

2.1.各地でのハッカソン開催

International Open Data Day in Japanにおけるハッカソンは、各都市のオーガナイザーが行政や市民などの協力を得て自主的に開催します。オーガナイザーにはどなたがなっても構いません。ただし、1ハッカソン/各地を原則としていますので、複数の団体等が開催を希望する際には、お互いによく話し合い、協力体制を作った上でエントリーしてください。

2.1.1.オーガナイザーの役割

事前準備

  • オーガナイザーとイベントの事前登録(OKFJに事前に申請していただきます)
  • 会場や機材の準備(費用負担等もオーガナイザーの責任でお願いします)
  • イベント告知と参加者の募集
  • ローカルスポンサーなどの開拓(できるだけ地元の企業等から協力を得てください)
  • ハッカソンで取り組むテーマの設定(できるだけ参加者と協働で決定してください)
  • アイデアやオープンデータの事前収集と公開(OKFJが公開用データポータルやサイトを準備します)

ハッカソン当日

  • ハッカソンの進行
  • 他の都市とアイデア等の共有(最後に開催地間をネットワークで結び共有します)
  • メディア対応(必要に応じてOKFJがサポートします)

事後報告等

  • ハッカソン成果物の共有(OKFJのショーケースにて公開します)
  • 報告書の提出(OKFJの公式サイトで公開します)

2.1.2.参加者

どなたでも参加できます。

オープンデータを活用するアイデアを持っている方、今後活動に加わりたくなるようなプロジェクトを探している方、あるいはとりあえず何が起こっているのかを知りたい方など、どなたでも参加できます。新しいことを学び、世界のオープンデータコミュニティ発展のために貢献するチャンスが沢山ありますので、どんなスキルや興味をお持ちの方にとっても有意義なイベントです。

2.2.OKFJの役割

オープン・ナレッジ・ファウンデーション日本グループは、日本各地でオーガナイザーが開催するハッカソンのサポートや、全体のコーディネートを行います。

  • International Open Data Day in Japanの告知
  • オーガナイザーの募集と各種相談対応
  • アイデアや公的データを公開し共有するためのデータポータルやサイトの提供
  • ハッカソン開催ハンドブックの提供
  • 行政機関などへの協力要請支援
  • ハッカソンの成果を共有するためのショーケースサイトの構築
  • International Open Data Day in Japanのスポンサー開拓
  • メディア対応

 

3.日程

告知:2012年12月下旬

  • International Open Data Day in Japan告知
  • オーガナイザー希望者などからの相談受付開始

エントリー開始:2013年1月初旬

  • オーガナイザーのエントリー開始
  • ハッカソンで使用するオープンデータ用のデータポータル公開
  • ハッカソン向けアイデア等の共有サイト公開

エントリー締切:2013年2月初旬

  • オーガナイザーの事前エントリー締切

ハッカソン開催:2013年2月23日

  • 10:00-10:30 オープニング(各地を結んで)
  • 10:30-15:00 ハッカソン
  • 15:00-17:00 アイデアや成果を共有(各地を結んで)
  • 17:00-17:30 クロージング(各地を結んで)

事後報告:2013年2月末

  • ハッカソンの成果物および報告書の提出

 

クライシスレスポンス用アプリ・サービス事例5 ForestWatchers.net

2012年12月15日 in Special

森林の減少は二酸化炭素の吸収源、あるいは動植物の生息域といった世界的なエコシステムに対する脅威となっており、中でも世界最大の熱帯林アマゾンでは違法な森林伐採は大きな問題だ。
しかし、対象エリアはあまりに広く、従来型の保護政策だけではその膨大なタスクを遂行しきれなくなってきている。

そこでForestWatchers.net は、宇宙衛星から撮影された高解像度の画像のうち、フリーで提供されているもの(オープンデータ!)や寄贈されたものを利用してボランティアによるコンピューティングに基づく集約的なパラダイムを提唱している。

具体的なツールとしてはシリーズ最初にご紹介したPyBossa が使われている。

マイクロタスキングにおいては作業を誰もが簡単にできる手順に落としこむための事前準備が重要だ。このため、PyBossaで構築されたDeforestedAreas アプリケーションでは事前準備としてコンピュータ処理で自然林(オレンジ)、保護区(ピンク)、水域(青)を自動認識してそれぞれ色を付けて人間の目で見た時に状況を把握しやすくしてある。

こういった準備がなされた上で、ボランティアはDeforestedAreas アプリケーションを選んでタスクを引き受ける。

たいていの画像はぼんやりした森林域に見えるので「I do not see deforestation, give me another one!」をクリックしてどんどん次の画像に進めて行くが、中には上記の画像のように緑の中に褐色の地面がむきだしになっている箇所がある。これが森林伐採の跡だ。

「Polygon」をクリックしてこの肌色のエリアを囲む。最後にダブルクリックすればポリゴン(多角形の面)での描画は終了だ。予め色のついたエリアはそのままでは画像がよく見えないのでマップ右上のレイヤーボタンをクリックして、色付きのレイヤーを非表示にすることもできる。これら以外にも、判然としないが、注意が要りそうな場所があれば「Point」をクリックして印を付ける。最後に「Save these the polygons or points」で保存して一丁上がり。

素人目には状況が判然としないものも多いが、何せ数が多いので分からないものはどんどんスキップすれば良い。小さな作業だが、大きな成果につながる可能性を秘めている。森林保全に興味のある方は具体的なアクションとして試してみてはいかがだろうか。

参考: クライシスレスポンス用アプリ・サービス事例1 PyBossa/Crowdcrafting

  • クライシスレスポンス用アプリ・サービス事例2 UN-ASIGN
  • クライシスレスポンス用アプリ・サービス事例4 OSM Tasking Manager