クライシスレスポンス用アプリ・サービス事例2 UN-ASIGN

2012年12月8日 in Special


フィリピンを襲った台風24号のさなか12月5日にUNITAR(国連訓練調査研究所)よりCrisis Mappers のメーリングリストにUN-ASIGN と呼ばれるアプリが役に立つかもしれない、との示唆があった。
これはUNITAR/UNOSAT からの委託を受けてノルウェーの企業AnsuR が開発したクラウドソーシング用のスマートフォン向けアプリで、下図のように、去年のタイ洪水の折りに実際に使われたものだ。

iPhone用Android用があり、いずれも無料でリリースされているのでぜひお試し頂きたい。お試しの際はプリファレンス(設定)で「テストモード」にすると良い。

このアプリは位置情報付きの写真とテキストを大規模被災エリアから国連の下部組織であるUNITAR/UNOSAT宛に送るためのものだ。UNITAR/UNOSAT では全ての投稿をマップ上で見られるが、投稿者自身も自分の投稿分については同じマップ上で見ることができる。

被災地ではネットワーク環境が混乱していることが多いという点を考慮して、貧弱な通信環境であっても使えるような工夫が凝らされている点が特徴だ。
撮影された写真は大幅に圧縮して送信され、クリアな画質が必要な場合は、SMS(ショートメッセージ)を通じて自動収集するためのメッセージが届く仕組みだ。このため、アカウント作成画面では電話番号を入力するようになっている。
また、位置情報の取得については、GPS衛星が捕捉しずらい環境では3GやWi-fiの基地局などの位置を利用して取得する、といった多段階の手順となっている。

撮影された写真には自動的に撮影時刻と位置情報が付加され(スマートフォン側で位置情報取得を許可する必要がある)、テキストで説明を付けて送信する。

UNITAR/UNOSAT は投稿された写真・テキストと衛星画像を比較しながら、被害の度合いなどを評価する。

出典: ASIGN Online

さらにいくつかの写真・テキストは専門家によって別の、より専門的なオンライン地図ポータル上に表示・公開される、といった流れとなっている。

収集された情報は非営利目的の再利用は許可されることになっているので、収集結果を提供してもらい、独自のマップ上にマッシュアップ表示することは可能であろう。

尚、このアプリにはプロフェッショナル版が別にあり、そちらではより詳細な情報も送信できる模様だ。(Android版のチュートリアルはこちら)

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Shu Higashi (東 修作)

Written by

Georepublic Japan に勤務。OKJP事務局長及びオープンストリートマップ・ファウンデーション・ジャパン 事務局を兼務。Code for Japan設立発起人。内閣府電子行政オープンデータ実務者会議利活用推進WG構成員。 OpenStreetMapという自由な世界地図を作る活動をきっかけにオープンデータの活動に関わりはじめました。主な関心領域はデータのライセンシング、コミュニティ活動、市民参画、国際連携など。 投稿記事の内容はあくまで個人としてのものであり、所属する組織を代表する見解ではありません。