Mastodon C、環境に配慮したビッグデータ・クランチング

2012年12月12日 in Special


Mastdon Cは、イギリスのOpen Data Instituteが育成中のスタートアップを1つです。ちなみにMastodonとは、辞書によると漸新世から更新世にかけて生息した象に似た古代生物のことだそうで、Cは恐らくCloudだと思います。

Mastdon Cは以下の3つをビジネスの柱にしています。

  1. 顧客が保有しているデータについて、データ解析や機械学習などの最先端の技術を活用し、収益を上げる方法をコンサルティング
  2. “Kixi”という、Hadoopによるビッグデータ処理クラウドサービスを提供、HDFS, Hive, Thrift, Hbaseなども利用可能
  3. 各地のクラウドサービスのコストと二酸化炭素排出量を示し、顧客の好みに応じたデータセンターを選択できるように支援

1や2のサービスは、他にも多くの企業が提供しており、飛びぬけて素晴らしいという可能性はあるものの、それほど珍しいものではありません。Mastodon Cの特徴は、やはり3の環境に敏感な利用者が自分の好みに応じてコストと二酸化炭素排出量のトレードオフを選択できる点にあります。

出典:http://www.mastodonc.com/dashboard

Mastodon CはLive Carbon Rankingで、各地のクラウドサービスを二酸化炭素排出量で順位付けし、同時にコストも示しています。例えば、このブログを書いている時点でのトップは、アイスランドで動いているGreenqloudで、時間当たりの二酸化炭素排出量はゼロ、コストは0.58ドルです。第2位はロンドンのAmazon Web Services(AWS)で、二酸化炭素排出量はゼロ、コストは0.96ドルです。東京のAWSは二酸化炭素排出量が0.262kg、コストが0.74ドルであることがわかります。

残念ながらMastodon Cが現在のランキングに使っているデータは事実に基づくデータではなく、ある種の仮定や専門家による判定に基づいています。オープンデータによって事実データが公開され、それを利用することができるようになれば、より顧客の好みに合致したデータセンターを選択できるようになり、二酸化炭素排出量がゼロの地域でビッグデータ処理をするというMastodon Cの究極の目標にも近づくことができるようになります。

ところで、Mastodon CはGoogleで定量分析をしていた技術者が友人と立ち上げました。あのTotal Weather InsuranceのThe Climate Corporationや、高度な数学モデルでサラ金の顧客の信用査定を行なうZestFinanceも元Googleの社員が立ち上げた企業です。Google卒のビッグデータ/オープンデータ・スタートアップが非常に目立ちます。創造力たくましく新しいものを生み出す力をつけるには、「日頃から膨大なデータの砂場でとことん遊ぶ」ことが大事な気がしてなりません。

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Tomihiko Azuma

Written by

Chief Fellow, Institute for International Socio-Economic Studies (株式会社国際社会経済研究所 主幹研究員)