World Bank, オープンデータ度評価ツールを公開

2013年1月7日 in News


World Bankが政府や都市などのオープンデータ度評価ツール”Open Data Readiness Assessment Tool“を作成しドラフトを公開しました。オープンデータ度に関しては、World Wide Web FoundationがOpen Data Indexを発表していますが、その評価方法については必ずしも明確ではなく、批判する声も上がっています。今回のWorld Bankの評価ツールは、こうした批判に対しても十分に耐えうるほど詳細にオープンデータ度の測定方法を具体的に示しています。

Open Data Readiness Assessment Toolでは、オープンデータ度を以下の8つの観点から評価します。

出典:http://personal.crocodoc.com/kUesulc

  1. リーダーシップ
  2. 政治的/法的な枠組み
  3. 政府内の組織構造・責任・スキル
  4. 政府内のデータ
  5. オープンデータの必要性と市民の参画
  6. オープンデータエコシステム
  7. 資金調達
  8. 国家的な技術とスキルのインフラ

ここで特に注目したいのは、「4.政府内のデータ」と「6.オープンデータエコシステム」です。

「4.政府内のデータ」では、市民参画を促すために重要なデータセットが以下のように具体的に明示されています。これらのデータは、イギリスのキャメロン首相が書簡で公開を指示したデータと多くが重なっています。

  1. 予算(財務省ならびに各省庁ごと)
  2. 個別の出費と補助金(例えば. どの学校が、いつ、どんなお金を得たのか)
  3. 統計
  4. 議会(議事録、審議中の法案、成立した法案など)
  5. 調達(誰が何を勝ち取ったのか)と契約(文書と取引の詳細)
  6. 公共施設(学校・病院・警察署・公衆トイレ・図書館・政府施設などの場所と利用可能なサービス)
  7. 公共サービスの提供とパフォーマンス(個々の学校・病院・診療所などのレベルで)
  8. 輸送機関(道路や公共交通機関を含む)
  9. 犯罪(個々の犯罪とその発生場所がわかるレベルで)
  10. 検査レポート、公式決定と裁定を再利用可能な形式で(例えば、飲食店の公衆衛生検査など)
  11. 正式な登録簿(企業、慈善団体、土地所有者など)
  12. 地理空間情報(地図、住所登録、重要なスポット)
  13. 気象
  14. 建設(許可、規制)
  15. 不動産(売上、物件一覧、税金、その他の不動産関連データ)

また「6.オープンデータエコシステム」では、データ提供者としての政府、データ利用者としての市民や企業といった一方向の関係ではなく、データに関する全てのステークホルダーを巻き込んだデータ中心型の社会、つまりデータドリブンソサエティを構築するために政府が果たすべき役割が示されています

マルチステークホルダーとの多次元パートナーシップは、欧州のサードセクターに特徴的に見られる構造ですが、この評価方法では政府自身もより積極的に関与していくことが必要とされています。オープンデータを進める政府は、政府内部、市民、企業など、さまざまなステークホルダーと多次元のパートナーシップを構築し、データ供給とその利用が好循環を生み出すシステムを作りだしすことが求められています。

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Tomihiko Azuma

Written by

Chief Fellow, Institute for International Socio-Economic Studies (株式会社国際社会経済研究所 主幹研究員)