データドリブンソサエティ5 パッシブモードからアクティブモードへ

2013年1月8日 in Special


データのオープン化によって公的データが公開され、プロセスのオープン化によってデータが生み出された由来、つまりデータの5W1Hが明らかになると、市民の政治や行政に対する理解は格段に高まります。議員の行動を追跡して次の選挙で誰に投票するかを決めることもできますし、行政の予算配分に疑問があれば公聴会などで質問をすることもできます。

しかしこの段階ではまだ、市民自らが何か行動を起こすことができるところまでは至っていません。活動的な市民にとっては「靴の上から足を掻く」ような状況です。市民の自発的な行動を促すためにはコミュニケーションのオープン化が必要です。

コミュニケーションのオープン化とは、市民と行政との間に常設の双方向コミュニケーションチャネルを設けることです。このチャネルを通して市民はいつでも行政と直接対話ができるようになり、市民自らが公共サービス向上に具体的な貢献をしたり、都市計画に影響を与えたりすることができるようになります。

出典:http://www.fixmytransport.com/

例えばイギリスのFixMyTransportは市民参加型輸送機関サービス向上システムで、mySocietyが開発しました。市民は地下鉄やバスなどで困ったことに遭遇した際に、その場でTwitter/Facebook/メールで問題点をFixMyTransportに投稿することができます。「利便性が悪い」「時刻表通りに運行していない」「駅が汚い」「電車が混雑している」「運賃が高い」などの情報は、FixMyTransportを通じて行政の担当者に届くとともにマップ上にも公開されます。

上図の例では、アンドルーという市民がロンドン交通局のオペレータの1つであるロンドン・ユナイテッドというバス運行会社に対して、ルート203での混雑がひどいので2階建てバスを使うように求めています。この要求に賛同する他の市民は、右にある”Join”ボタンをクリックしてその意思表示をすることもできます。実際のWebでは上図の下に投稿者アンドルーとロンドン交通局や他の市民とのやりとりが全て公開されています

出典:http://www.lovelewisham.org/

またルイシャム・ロンドン特別区が開発したLove Lewishamは市民参加型環境向上システムで、市民が発見した環境上の問題をWebサイトやモバイルアプリを使って報告することができます。

左図は不法投棄されたマットレスを発見した市民からのレポートです。発見した場所はブロックリーで、この報告は市当局に受け付けられ(Approved)、現在対応中(in Progress)であることがわかります。行政がこのマットレスを回収するとステータスが処理済(Closed)に変わります。

FixMyTransportやLove Lewishamの例で示したように、市民と行政の間に双方向コミュニケーションチャネルを設け、常にオープンにすることによって、市民はデータの受け手だけでなくデータの送り手としての役割も担うようになり、パッシブモードからアクティブモードにギアが一段アップします

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Tomihiko Azuma

Written by

Chief Fellow, Institute for International Socio-Economic Studies (株式会社国際社会経済研究所 主幹研究員)