パーソナルデータの適切な利用を示すマーク ”Fair Data” がローンチ

2013年2月1日 in News


1月28日、今年で32回目となるData Privacy Dayを迎え、イギリスのマーケティングリサーチ協会であるMarket Research Society (MRS) は、組織がパーソナルデータを適切に利用・管理をしていると示すためのマーク “Fair Data” を発表しました。

 

国民側としては、このマークによってパーソナルデータを適切に倫理的に保持し利用している組織なのかどうか、簡単に確認することが出来るようになります。

 

無条件で誰でもこのマークを利用出来るわけではなく、組織がこのFair Data マークを利用するためには、以下の10個のプリンシプルを満たしていることが求められています。

 

  1. 全てのパーソナルデータは顧客の同意を得て収集する。
  2. データの利用方法については顧客の要望を尊重し、同意を得た目的以外にパーソナルデータを利用しない。
  3. 保有しているパーソナルデータとそのデータをどのように利用しているのか、顧客がアクセスできるようにする。
  4. パーソナルデータを保護し、安全性と機密を保持する。
  5. パーソナルデータは正に”個人”であり、敬意を払って扱うようにスタッフに理解させる。
  6. データ収集プロセスによって、弱者や未成年を適切に保護されるようにする。
  7. 私たちが他のサプライヤーから期待されるのと同様の倫理基準でデータサプライチェーンを管理する。
  8. パーソナルデータの倫理的なベストプラクティスは、取得プロセスに不可欠であることを保証する。
  9.    倫理的で適切なパーソナルデータのベストプラクティスが、データ収集プロセスで不可欠なものであると認識し実践する。
  10. パーソナルデータにアクセス可能な全てのスタッフに、取り扱いについて適切な教育を行う。
  11. Fair Data プリンシプルが適用されているか不確かな場合は、パーソナルデータを扱わない。

 

 

パーソナルデータの活用と課題

パーソナルデータの利用についての議論が、去年から世界中で活発になってきています。

昨年の8月、Gartnerから次のようなプレスリリースがあり話題になりました。
Gartner Says Big Data Makes Organizations Smarter, But Open Data Makes Them Richer

題名の通り、組織が保有するビッグデータを分析し使いこなすことが出来れば賢くはなるが、利益を得やすいのはそのデータ自体をオープン化すること、という内容になっています。しかしながら、そんなアメリカでさえその仲介となるサービスの前例はほとんど出ていません。

 

そんな中、1月30日の日本経済新聞に「富士通、ビッグデータの取引市場 商品開発に活用」という記事が掲載されました。データの元となる個人情報についてはプライバシーの保護に抵触しない形で活用されるとのことですが、かなりセンシティブな情報を扱うので、今後開設が近づくにつれ様々な問題が出てくるのではないでしょうか。

 

 

イギリスでは、midata (OKFJでの紹介記事) にあるように民間企業保有のパーソナルデータのオープン化へ向けた動きが政府主導で積極的に推進されていますが、MRSに代表されるマーケティングリサーチ業界は長年パーソナルデータを取り扱っているため、組織がどのようにパーソナルデータを扱うべきか、この問題について前面に立ってInformation Commissioner’s Office (ICO) と連携し議論を進めています。

 

2011-2012年にかけてMRSにあった問い合わせの58%(前年は43%)がデータ収集方法を懸念する人々からのものであったそうで、The Eurobarometerが2011年に行ったEUのデータ保護及び電子アイデンティティに関する報告書によると、EU市民の70%が自分のパーソナルデータが元々収集された意外の目的で利用されているのではないかという懸念しているそうです。

 

個人に関するデータ収集がとても簡単になり、消費者にとってもパーソナライゼーションされたサービスを受けるためであれば進んでデータを提供したいと考えている人が増加してきています (Accentureによる調査結果) 。 消費者も企業もWin-Winになれるような法令・制度作りが必要です。2013年は日本においても個人情報に関するニュースが多く聞こえてくるのではないでしょうか。

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Naoyuki Ito

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マーケティングリサーチ会社にて、データ分析によるマーケティング支援やデータ分析環境の開発・構築。2014年4月からは、デジタルマーケティングへの3D(オープンデータ、パーソナルデータ、ビッグデータ)活用によって、生活者主導で豊かな生活が送られる社会の実現を目指しています。