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携帯電話のマイクロ波データで降雨量を予測、降雨量センサーが不要に

2013年2月14日 in News

携帯電話のマイクロ波が雨の強さによって影響を受けるのを利用し、マイクロ波の強さをモニタリングすることで降雨量をリアルタイムに測ってしまおうという研究がオランダで行われました。研究を行なったのはオランダのワーゲニンゲン大学とオランダ王立気象研究所です。

この研究成果が実用化されれば、地上の降雨量センサーが整備されていない国でも、携帯電話さえ普及していれば豪雨災害を予測して被害を最小限に抑えることができるようになります。このオランダの取り組みは、オープンデータを独創的な発想で上手く生かした好例だと言えます。

出典:Country-wide rainfall maps from cellular communication networks

必見!オープンデータビジネス講座

2013年2月13日 in Special

英Open Data Instituteのテクニカルディレクター、ジェニ・テニソンがオープンデータ・ビジネスモデルについて解説した資料を公開しました。テニソンは、オープンデータに関する英国屈指の技術者であり、legislation.gov.ukにおいて公的機関のデータをオープンデータAPIによって利用できるようにしたパイオニアでもあります。

テニソンはビジネスモデルを、フリーミアム、クロス・サブシディ、ネットワーク効果の3つに分け、これまた有名なBusiness Model Canvasを用いて分かり易く説明しています。従来のクローズド・データ型も含まれていて、その違いがよくわかります。さらにそれぞれのタイプを実践している企業の例も記載されていて、オープンデータ・ビジネスモデルの決定版と言えます。オープンデータに関わる全ての人に見ていただきたい内容です。

こんな涙ものの素晴らしい内容のプレゼンを、ランチレクチャーでさらっとやってしまうとは、すごすぎます。私もまさにビジネスモデルの分類をしようと考えていましたが、これ以上のものはできそうにありません。この資料で勉強して、他の観点から何かできないか考えてみたいと思います。またテニソンは本格的なビジネスモデルガイドも現在作成中で、コメント大歓迎とのことです。

出典: The Business of Open Data

英政府、情報経済戦略を来春発表、中小企業育成に注力

2013年2月13日 in News

英政府は今春、情報経済戦略(information economy strategy)を発表します。これは、昨年10月に発表された産業戦略(industrial strategy)の一部として策定されるものです。戦略策定にあたって英政府は、中小企業から意見や事例の提供を求めています。先日、米政府が発表した“The Presidential Innovation Fellows”の第2ラウンドでも、起業家などの小規模企業育成が大きな焦点となっていたように、情報経済においてはすでにその中心が中小規模の企業や個人に移っています

英政府も米政府と同じく、政府の役割を産業育成や新ビジネス創出を促すプラットフォームと位置付け、中小企業がビジネスイノベーションを起こすことを強力に支援する戦略です。その戦略の実行においては、データポータルを通じて公開されている膨大な量のオープンデータが、まさに資源として活用されることに疑いの余地はありません。

英米政府はオープンデータを国家的な経済戦略における貴重な資源であるとみなしています。政府の役割は、データをはじめとするプラットフォームの提供であると位置付け、プラットフォーム上で多くのスタートアップを育成することを国家を挙げて目指しています。

参考: Information economy strategy: call for views and evidence

『ベンチを直す人は出せないが、ペンキならある』、FixMyStreetでわかったこと

2013年2月12日 in Special

2月11日千葉市にて、FixMyStreetを使った『こどもNo.1度チェック』というイベントを開催しました。これはInternational Open Data Day in Japanの一環として23日に千葉市で開催予定の『Chiba Open Data Day 2013 – こどもNo.1千葉 –』のプレイベントとして、Chiba Open Data Day 2013実行委員会が開催したものです。当日は北風が徐々に強まる寒い日にもかかわらず、16名の方に参加していただくことができました。参加者は3つのグループに分かれ、千葉市を熟知した市民リーダーと一緒に街歩きをし、こどもにとって危険な場所や、改善した方が良いところがないかをチェックしました。

この街歩き&レポートイベントでは、札幌のダッピスタジオが開発したFixMyStreet Japanを活用しました。FixMyStreetと言えば、あのUKのmySocietyが有名ですが、今回利用したのはmySociety版ではなく、ダッピスタジオがmySocietyの承諾を得て独自に開発した日本版です。スマートフォンにアプリをインストールするだけで準備OK。あとは気になる箇所をカメラでパチリ、位置はGPSで自動的に取得されます。タイトルを書き、分類を選び、どこが問題なのかを簡単に書いて、その場でレポートをアップして1件完成。今回は3チーム、総勢16名(うち、こども3名)が1時間半ほど歩いて、60件のレポートをアップしました

街歩きの後は、参加者全員でレポートを見ながら、報告者がなぜそこをレポートしたのかについて説明し、それについてどんな改善方法があるのかなどを自由に話し合いました。市民の皆さんが「これは行政の仕事だろう」と思っていたのが、実はそうではなかったりするものもあり、とても有意義でした。

その中でも、私が一番「コレは!」と思ったのは、あるベンチについて話をしている時です。そのベンチは木製で、作られてからかなり年月が経っているのか、表面がひどく傷んでいました。さらに横木が一本外れてしまっていて、こどもがそこに足を挟んでしまう恐れもありました。「ベンチを取り換えたり全体を修理すると数十万円かかる」、「横木を修理するとなると素人では難しい」、「傷みがひどすぎて修理するのは無理だろう」、「もっと早くメンテナンスしていたら良かったのに」、等の話が次々と出る中、千葉市役所に勤めているある参加者の方が

『ベンチを直す人は出せないが、ペンキならある』

と発言しました。市役所が常にベンチをメンテナンスすることは難しいが、もしペンキの塗り替えなどを市民がやってくれるのなら、それに必要なペンキは提供できるということです。これは些細なことに聞えるかもしれませんが、従来の「サービス提供者vsサービス消費者」という関係を越える非常に画期的な出来事です。

今回の壊れたベンチ問題についての典型的なシナリオは次のようになります。

  • 市民:ベンチをメンテナンスするのは市役所の仕事、税金も払っているんだからきちんとやって欲しい
  • 市役所:市民のためにメンテナンスしたいのは山々だが、予算にも限りがあり、全部をやるのは到底不可能
  • 市民:市役所はきちんと仕事をしてくれない
  • 市役所:市民は役所の仕事をわかってくれない

これではいくら市民が問題点を指摘しても、進展する望みはありません。市民も市役所も、お互いにフラストレーションが溜まるだけです。どうしてそうなってしまうのかというと、「完全にやる(やらせる)か、まったくやらない(やらせない)か」という考え方にとらわれすぎているためです。市民は「税金をはらっているのだから市役所で全部やって欲しい」、市役所は「やるなら全責任をもって自分たちでやらなければならない」と考えています。この壁を壊して、お互いにオープンになることで、「わが街、千葉」のためにできることは大きく拡がります

FixMyStreetは市民が行政に対して問題点を指摘するツールではありません。「わが街」のために市民と行政が一緒になって考えるテーマやきっかけを提供するツールです。FixMyStreetで問題箇所をレポートし、後は行政にお願いという使い方は正しくありません。FixMyStreetのレポートをもとに市民や行政が話し合い、お互いに協力できるところは協力し、妥協できるところは妥協していくという、話し合いのプロセスこそが最も重要です。今回の千葉市でのプレイベントは、そのことの重要性を改めて思い出させてくれました。

寒い中、参加していただいた皆様、本当にありがとうございました。

23日も引き続き千葉市でFixMyStreetを活用したイベントを開催しますので、ご興味のある方は是非ご参加ください。

米国政府、オンライン請願プラットフォーム「We The People 2.0」へ向けたハッカソンの開催を発表

2013年2月12日 in News

米国政府は International Open Data Day に合わせ、2月22日にオンライン請願プラットフォーム「We The People」の次期バージョン 2.0 へのバージョンアップへ向けたハッカソン「White House Open Data Day Hackathon」の開催を発表しました。

 

「We The People」とは

「We The People」は、The First Amendment(合衆国憲法修正第 1 条)で「連邦議会は人民が救済を求めて政府に請願する権利を侵害する法律を制定してはならない」と定められている通り、その市民から政府への請願をより簡易により広く利用してもらう目的で、2011年9月に開設されました。

 

「We the People」内で請願 (Petition) するためには、13歳以上で有効なメールアドレスを保有している者であれば誰でもアカウントを取得可能で、作成し提出された請願が一定期間内に一定数(2013年1月15日から、作成から30日以内に10万人)の署名を集めた場合、政府は検討した結果を受けて、「We The People」上で回答を公開する、というとてもシンプルな仕組みになっています。

 

右図は2013年1月14日時点でのユーザー数と署名数ですが、年末から急上昇していることがわかります。これは、昨年11月に行われた大統領選挙後、「テキサス州をアメリカ政府から脱退させ、独自政府の設立を認めて欲しい」という請願が注目を集め、メディアで多く取り上げられたことが主な要因となっています。

 

既にユーザーは600万人、累計署名数も1,000万を超え、次のステージへ向かう「We The People」ですが、 2.0 ではどのようなバージョンアップが行われるのでしょうか。

 

 

 

 

「We The People」 は 2.0 へ

米国政府は、来月以降にAPIを順次公開して行く予定としています。まずは3月に Read API を公開し、We The People 上の請願や署名、政府からの回答データに自由にアクセス出来るようになります。

White House Open Data Day Hackathonでは、応募したデベロッパーの中から選ばれた参加者は事前にRead APIのソースコードにアクセスすることができ、ハッカソン当日にはホワイトハウスにて、それぞれが構築したツールの共有や質疑・フィードバックなどの情報交換会が行われる予定となっています。

 

また、その後 Write API の公開も予定されており、We The People以外のwebサイトやアプリから請願を提出したり署名を集めることが出来るようになり、個人や組織はWe The Peopleにユーザーを誘導させることなく、それぞれのWebサイト上で請願の署名を集めることが可能になります。

 

We The PeopleのGitHubでは、今回のAPIを含むロードマップが公開されており、Facebook上で「いいね!」することによって署名が出来るようなソーシャルメディアとの統合や、スマートフォンなどのモバイル向けインターフェイス開発も予定されているようです。

 

しかしながら、市民と政府による双方向コミュニケーションが出来ないなどの不満はあるようで、今後更にユーザーが増え、目標を達成する請願と署名が多く集まるようになった時、その回答結果を受けて、市民との議論が出来るようなプラットフォームになることが望まれています。

 

ギークと一緒に!オープンデータ

2013年2月11日 in Events, Special

「ギークと一緒に!オープンデータ」というイベントが2/10(土)にギークカフェ水道橋で開催されました。主催は自身もギークだったと遠い目で語る田島さん。

第一部ではsinsai.info での東日本大震災復興支援活動やその後の様々なハッカソンイベントなどをきっかけにいつの間にかオープンデータの活動に巻き込まれた田島さん自身の経験を振り返りながら、ギークとは何か、オープンデータとは何か、そしてこれら両者の関わりといったことが紹介されました。

資料:ギークと一緒に!オープンデータギークとは何かオープンデータ特有の技術

そして第二部。チームに分かれてワークショップ形式で行われました。本ブログの過去記事でも紹介された400以上ものオープンデータ活用事例から好きなものを選んでその内容、特徴、目的、技術基盤、ビジネスモデルなど、開発した人たちの目線で、どうい思いでそのサービスが作られたのかを探ってみようというものです。

まずそのチーム分けの基準が生まれた月を基準にするというユニークなもの。田島さんによればギークには早生まれが多いので、早生まれを分散させたくて考えたとのこと。「早生まれは同級生の中でも体が小さくて内向的な人が多く、ギークに向いている」ということだそうです。

各チームからの発表は次のようなものでした。

12月~2月生まれチーム

分析対象:Leaflet Maps Marker(No.168)
オープンソースのブログであるWordpressのプラグインで様々なマップ上にアイコンを乗せて位置を表現できるツール。普及しているプロダクト上で手軽に使える点が最大の特徴。社会的な課題をマップ上に表現したい場合など、用途は広い。


全くの偶然ですが、このプラグインは筆者が日本語化しているもので本サイトでも使われている以下の様なマップです。イベント会場でも発表資料を作る間に10分ほどで構築されていました。

マップをロード中 - しばらくお待ちください...

ギークカフェ水道橋 35.700531, 139.753427 ギークカフェ水道橋

3月~5月生まれチーム

分析対象:Nottingham Information Prescriptions(No.225)

・自分のプロフィールを入力することで、その内容に応じた情報が取得できるサービス。
・長期間を要する病気に関して、パーソナライズされた、NHS公認の情報を提供(情報処方箋、Information prescriptions)
・心臓病、アスペルガー症候群、脳卒中、老化など
・オンラインで情報を見るだけでなく、ダウンロードしたり、かかりつけ医からプリントアウトを入手することもできる
・おそらくひとりで開発している。分散した情報を収集し、利用目的に応じた情報を探せる検索UIをうまく構築している。

6月~8月生まれチーム

分析対象:FixMyStreet(No.111)
公的な資金を投入して開発され、オープンソースで公開されている。付加価値を付けた有償のビジネスモデルもある。日本版も開発・提供されている。
街の不具合を市民が行政に通報するもの。アラ探しや一方的なクレームではなく、相互対話と理解が重要。

発表資料

9月~11月生まれチーム

分析対象:BillTrack 50(No.28)、 GovTrack.us(No.130)

・連邦議会での法案審議状況、上院・下院での投票記録、連邦議員に関する情報、下院選挙区の地図、州議会における法案審議状況など。
・法案が委員会を通るか・成立するかの確率(パーセンテージ)、どの議員がその法案を支持しているかを表示。
・Bill Track 50, LegiScan, などからデータを入手。
・GovTrack.usのデータは、他の多数のサイトで利用されている。
 →法案データを加工したり、比較することで、新しい見地を得ることができる。
・データバリューチェーン、データ駆動型価値創造(Data-Driven Value Generation)の好例。
・サイト自体のソースコードをgithubで公開。(https://github.com/govtrack/govtrack.us-web)
 →ソースコードが公開されることによって、コードに問題があった場合に、それらを報告することが可能になる。また、適切な改善策を提案することも可能になる。さらに、悪意のあるコードが入っていないかどうかを確認することも可能になる。
・XML形式のデータやHTTPベースのWeb APIを提供。
  – 議員の投票結果がtrackされ、XMLまたはCSV形式で公開されている。

発表資料

所用のため途中で抜けざるを得なかったのですが、熱気のある、すばらしいイベントでした。最初怪しい風体の人たちがゾロゾロやってきた時は半分腰が浮きかけましたが、ワークショップに入って集まったチームでの議論とそれに続くプレゼンでは、みなさん話すほどに次第に熱を帯びて来ました。
やはり世の為人のためになりたい、間違ったことは正すべきだ、という感情はごく当たり前の、誰もが持っているものなのだという思いを強くしました。
短時間ながら既存サービスを解析する様子にそのスキルの片鱗を垣間見せてくれたギークたちはオープンデータ推進のカギになるでしょう。

日本政府開設の「オープンデータアイデアボックス」の意義と、英国から学ぶオープンデータの需給ギャップ

2013年2月7日 in Special

日本政府は2013年2月1日~2月28日まで、行政・公共機関保有データのオープン化を促進するため、国民からのアイデアを募集するサイト「オープンデータアイディアボックス」を開設しています。

意見やアイデアを募集しているカテゴリーは、以下5つとなっています。

  • 公共データの利活用アイディア
  • 公開を希望する公共データとその形式
  • 公共データの公開・利用ルール
  • オープンデータ推進に関する全般的な意見
  • オープンデータの成功事例

 

世界的に見るとオープンデータの推進・利活用が遅れている日本ですが、この「オープンデータアイデアボックス」によって、日本政府のオープンデータポータル開設前の段階で国民の声に傾聴するという施策は、とても意義あることだと思います。

特質すべきポイントとしては、国民と政府のやりとりが、投稿フォームやメールなどのような一方通行的なものではなく、国民と政府が、そして国民と国民がそれぞれの意見やアイデアに対して双方向での議論が出来るということです。

 

イギリスでは昨年の7月、国民などの視点からどのようなデータを優先的に公開すべきかを政府にアドバイスする組織 Open Data User Group (ODUG) を設立しました (OKFJでの紹介記事)。

上記記事にもある通り、国民からのデータ公開リクエスト数は少なく、 その要因の一つとして「どんなデータを要求すれば良いのかよくわからない」という点があります。

ODUGによるリクエストの受付は、投稿フォームにリクエスト対象データやどのような目的に活用するのか、事細かに詳細を記入し一方的に送信してもらうというもので、これでは「課題も、それを解決するために必要なデータも、わかっている」方しか投稿出来ないでしょう。

 

今回の「オープンアイデアボックス」で、国民同士、国民と政府側である事務局による双方向での活発な議論がされれば、これを解決する手段の一つになるのではないでしょうか。

今回は2月28日までの期間限定での開設ですが、この中で有益な議論が多く行われ、その中から成功事例としての成果物が出来上がれば、今後も定期的(もしくは恒常的)にこのサイトが開設されていく動きになるかもしれません。

是非、多くの方に「オープンアイデアボックス」に参加していただき、日本のオープンデータを推進していきましょう!

 

英国でのオープンデータの需給ギャップ

上記だけでは、イギリスのオープンデータがうまくいっていない様に感じてしまいますが、そもそもイギリスはオープンガバメント先進国であり、既に多くの公共データが公開されています。

オープンデータを活用したビジネスも出始めており、経済に与える効果についての調査もオープンデータ推進と並行して行われています。

 

例えば、Deloitte UKはオープンデータを活用したビジネス開発に取り組む政府機関のOpen Data Institute (ODI) と共同で、”オープンデータと経済成長”についての分析レポートを昨年から随時公開しています。

昨年12月にブリーフノートとして公開された” Open growth: Stimulating demand for open data in the UK”では、英国での「オープンデータの需給ギャップ」についての定量的な分析結果が書かれています。

 

分析対象はイギリス政府の3つのオープンデータポータル (data.gov.uk、 www.ons.gov.uk、 data.london.gov.uk) で、「財政支出」から「エネルギー消費」まで幅広いカテゴリーで公開されている37,000以上のデータセットです。下図にオープン化(いわゆる供給)されているデータセット数をカテゴリー別にバブルの大きさで可視化しています。

これを見ると一目瞭然ですが、「財政支出」に関するデータが圧倒的に多くなっています。これは、オープンガバメントの大きな目的の一つである”行政の透明性”のために公開されているのが大きな要因でしょう。

「財政支出」データの公開については、議論の余地も、疑う余地もなく最優先事項であることは間違いありません。しかしながら、国民からの需要と比較するとそこにギャップが生じます。

 

下図は、上図と同じ3つのオープンデータポータル (data.gov.uk、 www.ons.gov.uk、 data.london.gov.uk) で、どのカテゴリーのデータセットがダウンロード(もしくは公開先へのリンクをクリック)されたかを可視化したものです。

公開されている全データセットの33%は「財政支出」カテゴリーですが、それに対してダウンロード数で見ると全体の1.5%にしかならないそうです。

 

上位に「経済」「人口統計」「ビジネス」などが来ているのは、それらを活用できるセクターが幅広いということと、そもそも既に活用されているからという理由もあります。

初期段階では活用しやすいデータのダウンロード数の割合が高くなるということは、日本でも同じような傾向が出るのではないでしょうか。

 

もう一つ「健康・社会介護」に注目してみると、公開されているデータセット数では上から4番目であるものの、ダウンロード数で見ると下から3番目となっています。

果たして、本当に「健康・社会介護」のデータに対する需要は無いのでしょうか。

 

日本では、先月・今月にかけて「高齢社会アイディアソン・ハッカソン」が開催され、そこでも介護に関するデータの必要性が少なからず出てきており、今後、「人口統計」や「地理情報」などのその他様々なデータとのマッシュアップによって、「健康・社会介護」のデータ活用が進んでいくのではないでしょうか。特に、少子高齢化でシニア領域が今後の成長市場となる日本では言わずもがなです。

 

もし、日本政府のオープンデータポータルが開設されても、なかなか民間や非営利団体による利活用がされないという事態になれば、日本のオープンデータの取組みが停滞してしまう可能性があります。

改めてになりますが、是非この機会に「オープンデータアイディアボックス」に参加し、様々な意見・アイデアについての議論を深め、本当に必要な公共データのオープン化を推進していきましょう。

米政府『革新の第2ラウンド』へ、オープンデータなど9プロジェクトを発表

2013年2月7日 in Special

米政府は2月5日、斬新なアイデアと画期的な技術を組み合わせて政府を革新するプログラム、“The Presidential Innovation Fellows”の第2ラウンドとして9つのプロジェクトを実行すると発表しました。米政府は『革新の第2ラウンド』において、以下の3点を鮮明に打ち出しています。

  1. 政府の重要な役割とは、民間に対しても政府内部に対してもプラットフォームを提供することである
  2. プラットフォームとは、データ、ツール、ネットワーク、アーキテクチャー、標準、資金提供方法なども含む
  3. アメリカをより強くするのは、個人や小規模企業の創造性であり、それを伸ばすことが何よりも重要である

 

以下では9つのプロジェクトを順に簡単にご紹介しますが、米政府の強い決意が感じられます。

Disaster Response & Recovery

  • 人命救助や被害軽減に欠かせない情報を特定する
  • 情報の収集・合成・流通に役立つツールを特定したり新たに開発する
  • 災害対応の職員がこれらのツールを使いこなせるよう訓練する

MyUSA (MyGovを発展させたもの)

  • 政府機関の都合でサービスを体系化するのをやめる
  • 特定の目的達成のために必要なサービスは何かという観点から体系化する
  • 小規模企業や輸出業者が政府の情報を簡単に見つけることができるようにする

RFP-EZ and Innovative Contracting Tools

  • 小規模企業が政府にもっとサービスを販売しやすくすると共に、政府の調達責任者の購買プロセスを単純化する
  • 公共財やサービスの調達価格をポータルで公開し、政府機関間および政府機関内で共有することで”最高の購買”を誰もができるようにする

Cyber-Physical Systems

  • 産業用インターネット革命による次世代「スマートシステム」と、製造・輸送・エネルギー・ヘルスケア・国防・農業・緊急対応などの幅広い分野におけるイノベーション成長エンジン創出が目的
  • 産業界と政府が共同で、アーキテクチャー・標準・プロトコル・高度分析・評価環境などを含むプラットフォームを開発しベストプラクティスを生み出す

Open Data Initiatives

  • 政府のデータと民間が自発的に提供するデータを組合せ、起業家を育成し仕事を創出する
  • 従来の健康・エネルギー・教育・ファイナンス・治安・国際開発に加えて、以下の3領域に活動を拡げる
  1. ビッグデータや学習分析を活用したバーチャル学習
  2. スミソニアン博物館向けデジタルツール
  3. Data.govのオープンデータハブ

MyData Initiatives

  • 現在は医療データのBlue Button、エネルギーデータのGreen Button、さらに教育関係(学業記録、学生ローン/奨学金の履歴など)に個人がアクセスできるが、個人データにアクセスできる領域をさらに拡大する
  • 民間企業には、個人が自分の個人データにアクセスして活用できるようツールやサービスの開発を促す

Innovation Toolkit

  • 人事局が一般調達局と国務省と協力して、連邦政府職員のスキル・創造性・革新力の強化・開発に取り組む
  • 上記目的を実現するために、オンライン学習、スキルの共有、ケーススタディ/ガイド/ハウツーなどを備えたライブラリなどを提供する、直感的に使えるオンラインのコラボレーション・プラットフォームを開発する

21st Century Financial Systems

  • 各機関が自分たちの固有のニーズに基づいて市販の民生品を購入し、結果としてコスト高・スケジュールの遅延・実装不能・不必要に複雑で利用できない機能などの問題を改める
  • サービスの共有と要求仕様の標準化を進め、機関固有の微調整は最低限とする

 Development Innovation Ventures

  • 世界における最も困難な問題に取り組みために、USAIDが国際協力において活用し実績をあげている段階的資金提供方式を政府にも適用する
  • USAIDの方法とは、最初は国内外のスタートアップや既存民間企業、社会的企業、学会などから幅広く提案を受け付け、集まった膨大な提案をレビューし、少数の投資先を決定し、活動成果ベースで資金提供を段階的に行う方法

 

出典:The Presidential Innovation Fellows

Global Voices、techPresidentで日本のオープンデータについての記事が掲載されました

2013年2月6日 in News

日本のオープンデータシーンについての記事がGlobal Voices, techPresidentという海外メディアに掲載されました。

International Open Data Dayに日本各地でハッカソンなどが開かれることや、その主催団体であるYokohama Open Data Solutions Development CommitteeHack for Japanなどが紹介されています。LODチャレンジを主催しているLinked Open Data challenge Japan 2012、ビッグデータ・オープンデータ活用推進協議会を立ち上げた武雄市・千葉市・奈良市・福岡市、着実な運動を展開している金沢市なども取り上げられています。日本のオープンデータ運動を知ることができる良記事だと思いますので、ぜひ読んでみてください。

Global Voices
Japan Gears Up for the Open Data Revolution

techPresident
Is This Japan’s Year for Open Data?

 

米政府、次期data.gov 2.0でCKANを採用すると発表

2013年2月5日 in News

Open Knowledge Foundationのブログによると、米政府が次期data.gov 2.0でOpen Knowledge FoundationのCKANを採用すると発表しました

米政府は次期バージョンで、従来のdata.govと地理空間データを提供しているgeo.data.govを統合する計画で、CKANのデータカタログ機能を採用する予定です。CKANのデータカタログ機能を組み込んだdata.gov 2.0は、Open Government Platform(OGPL)としてオープンソース化されます。

データポータルについては、CKANか、OGPLか、という覇権争いが繰り広げられると見る向きもありますがし、オープンな世界ではそのようなパワーゲームに意味のないことを示す良い例となりました。CKANもOGPLもお互いに良いところを採用しながら、独自な部分はそれぞれ発展させ、お互いに良い点を自由に利用しあうというオープンな世界、これこそがイノベーションを促進する原動力になります。

出典:

US government to release open data using OKF’s CKAN platform

CKAN: the Horizon for Data.gov 2.0