大家さんの強い味方、賃借人履歴情報サービスに見る日米の違い1

2013年4月5日 in Special


アメリカには不動産物件を保有するオーナーが賃貸するか否かを簡単に査定できるよう支援するために、賃借人履歴情報サービスを提供している企業がいくつもあります。

大家さんは申込人の氏名、住所、社会保障番号などが分かれば、物件を貸すか貸さないかを決めるのに必要な情報をこうした賃借人履歴情報サービスを利用して簡単に入手することができます。さらに大家さんは、申込み人が過去に賃料未払いや設備の破壊、立ち退き請求などの問題を起こしていないかなどもチェックできます。賃貸契約が終了した際には、大家さんはその賃借人の賃借実績をこうしたサービスに追加登録することで、データベースを充実させています。

こうした情報サービスのデータ源としては、さまざまな公的データが利用されているのはもちろんのこと、信用調査や身辺調査を行なう消費者報告機関(Consumer Reporting Agency, CRA)のデータも利用されています。以下は賃借人履歴情報サービスの1つであるNational Tenant Network(NTN)のレポートサンプルです。

NTNでは、この申込み人に貸して良いかどうかをNTN DecisionPointという数値で評価しています。このサンプルでは、収入に対する賃料割合は基準を満たしているものの、NTN DecisionPointが58と評価され、連帯保証人を付けるという条件付きで賃貸しても良いと査定されています。

レポートには、なぜそのような査定結果になったのかについても詳細に記載されています。

この賃借申込人の場合、過去に立ち退きを要求をされたことがあり、賠償金945ドルを支払ったこともあることなどから、NTN DecisionPointがそれぞれ減点されています。さらに大家さんは独自の査定基準を追加することができます。上記の例では24ヶ月以内にChapter7あるいは13の破産者は拒否するという条件が追加されています。もし申込人のNTN DecisionPointが49点以下になると賃借拒否の査定となります。

アメリカではNational Tenant Networkの他にも、The BlueChip Group LLCThe Landlord Protection AgencyTenancy Bureau Inc.などの企業が賃借人履歴情報サービスを提供しています。アメリカでこうした個人情報を提供するサービスが民間で活発に行われる背景には、公正信用取引法(Fair Credit Reporting Act, FCRA)の存在があります。

(続く)

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Tomihiko Azuma

Written by

Chief Fellow, Institute for International Socio-Economic Studies (株式会社国際社会経済研究所 主幹研究員)