スイスのロシュ、タミフルなどの全臨床試験データを公開へ

2013年4月19日 in News


スイスの大手製薬メーカー、ロシュが承認済みの製品に関する臨床試験データを公開すると発表しました。

ロシュに対しては、正しい医療情報を伝える活動を世界的に展開しているコクラン共同計画(Cochrane Collaboration)や、イギリス医師会雑誌(British Medical Journal)などが長年に渡って臨床試験データの公開を要求してきました。

さらに、欧州医薬品局(EMA)が臨床試験データを原則公開すると発表したこと、同じく大手製薬メーカであるグラクソ・スミスクラインがEMAの方針に沿って自ら臨床試験データを公開すると発表したことなども、ロシュの今回の決断を後押ししました。

ロシュについては以前からインフルエンザ治療薬「タミフル」の有効性について疑問の声が上がっていました。ロシュは世界的に豚インフルエンザが流行した際に、タミフルによって 32億スイスフラン(26億ユーロ)の利益を上げたと言われています。コクラン共同計画などは、ロシュからタミフルに関するデータを入手し、その有効性について独自の調査を開始する計画です。

EMA、グラクソ・スミスクライン、ロシュと続く臨床試験データ公開の流れは、これからさらに加速していくことでしょう。こうしたデータ公開によって、良質の薬だけが市場に残り、副作用が減り、創薬のスピードがアップするなど、さまざまな効果が期待できます。一方で、長年データを秘匿することによって年間1兆ドルもの経済規模を維持してきた製薬業界がどのように変わっていくのかについても注目したいと思います。

参考: Roche to Release Drug Data

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Tomihiko Azuma

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Chief Fellow, Institute for International Socio-Economic Studies (株式会社国際社会経済研究所 主幹研究員)