eGovernmentに対して厳しい評価、欧州委員会がベンチマーク結果を公開

2013年5月31日 in Special


欧州委員会(EC)は2013年5月28日、”Public Services Online ‘Digital by Default or by Detour?’ “という、なかなか興味深いレポートを公開しました。このレポートはEU27ヶ国の2万8千人の市民に対して、eGovernmentの各種オンラインサービスの利用状況や満足度を調査した結果をまとめたもので、ベンチマークを行うのは今回で10回目になります。ECの通信ネットワーク・コンテンツ・技術総局(DG CONNECT)がフランスの大手ITコンサルティング企業Capgeminiなどに委託して調査しました。

レポートは74ページとかなりのボリュームがありますが、とてもわかりやすいインフォグラフィックが掲載されていますので、それだけを見ればおおまかな傾向がわかります。

まず利用者の状況ですが、eGovernmentのオンラインサービスを使った人の1割強がドロップアウトし、半数強は今後もオンラインサービスは使わないという厳しい状況であることがわかりました。

  • 利用したことがあり、今後も利用したい: 33%
  • 利用したことがあるが、もうこれからは利用しない: 13%
  • 使ったことはないが、機会があれば使いたい: 16%
  • まったく利用する気がない: 38%

その理由ですが、オンラインを信用していない(11%)というよりは、そもそも対面を好む人が多く(62%)、所詮どこからかは対面で手続きしなければならないと考えている人も相当数います(34%)。最も利用されているサービスが仕事探し(73%)で、その満足度が6.0しかないなど、2012年欧州で失業者問題が深刻化したことも影響しているかもしれません。

興味深いのは、市民のオンラインサービスの対する評価が2007年に比べて2012年は下がっていることです。これはガバメント(-1.3)に限ったことではなく、コマース(-1.3)も、バンキング(-1.2)も、ソーシャル(-0.4)も、軒並み下がっています。市民のオンライン経験が豊富になり、より使いやすく、リッチなユーザー経験を積む人が増え、サービス提供者側には常に改善が求められる厳しい状況にあります。

レポートではこうした厳しい状況を乗り越えるために、政府はどんなことに取り組むべきかについても提言しています。それについては改めて報告します。

参考: Public Services Online ‘Digital by Default or by Detour?’

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Tomihiko Azuma

Written by

Chief Fellow, Institute for International Socio-Economic Studies (株式会社国際社会経済研究所 主幹研究員)