G8で合意した公開すべき『価値の高いデータ』

2013年6月19日 in Special


前回、英国ロック・アーンのG8サミットでオープンデータ憲章への合意が発表されたことをお伝えしました。実はこのコミュニケにはTechnical annexという技術添付書類が付いており、その中でG8各国が公開すべき「価値の高いデータ」が以下の通り明記されています

 

G8で合意されたデータと、イギリスのキャメロン首相が書簡で公開を指示したデータとを比べてみると、多くの項目が重なっています。またWorld Bankが開発したオープンデータ度評価ツール”Open Data Readiness Assessment Tool“において、評価上重要なデータセットとして挙げているデータカテゴリともほとんど同じです。

 

一方、日本政府が発表した電子行政オープンデータ推進のためのロードマップ(案)において、公開を優先するとした重点分野は「白書、防災・減災情報、地理空間情報、人の移動に関する情報、予算・決算・調達情報」です。G8で合意したデータカテゴリと比べると、「法人、犯罪と司法、地球観測、教育、エネルギーと環境、世界的な開発、健康、科学と研究、社会的流動性と福祉、輸送と社会基盤」などが含まれていません。

支出、保健、医療、教育、スキル、犯罪、司法、交通などに対しては、国を問わず市民は高い関心を持っていると考えられることから、OKFJは電子行政オープンデータ推進のためのロードマップ(案)に対するパブリックコメントの中で、「国民の関心度に基づいた公開優先度の決定」をするよう以下のように提言しています。

 

「政府統計の総合窓口e-Statでは、主要統計についての月間アクセスランキングを公開している。このランキングを見れば、国民がどの統計データに対して関心を持っているのかを知ることができる。ロードマップで公開を優先するとしている重点分野(白書、防災・減災情報、地理空間情報、人の移動に関する情報、予算・決算・調達情報)には含まれていないデータがランキングでは上位を占めているケースが多々見受けられる。国民の関心の高いデータから優先的に公開することで、オープンデータに対する国民の関心や理解もさらに深まることは間違いないため、こうしたe-Statの月間アクセスランキングなど、国民の関心度を反映した公開優先基準も取り入れるべきである」

 

今回のG8の合意によって、日本政府がオープンにするデータのカテゴリも大きく見直されることになります。これからも実務者会議での議論を注意深く見ていきたいと思います。

 

参考: G8 Open Data Charter and Technical Annex

4 responses to G8で合意した公開すべき『価値の高いデータ』

  1. G8のこの項目は、今後の日本のオープンデータカタログを整備する際の、ひとつの目標になると思います。Google Docksで作りかけのスプレッドシートを作成しました。これを皆で手分けして完成させたらどうでしょう?

  2. 村上さん、ありがとうございます。賛成です。こういう地道な活動こそ、今必要なのかもしれません。参加の呼びかけをブログで書きたいのですが、このファイルは誰でも編集可能でしょうか?

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Tomihiko Azuma

Written by

Chief Fellow, Institute for International Socio-Economic Studies (株式会社国際社会経済研究所 主幹研究員)