イェール大学オープンデータ・アクセス・プロジェクト、メドトロニック社の治験データ再調査を実施

2013年6月21日 in Special


ハーラン・クロムホルツ博士率いるイェール大学のオープンデータ・アクセス・プロジェクト(Yale Open Data Access Project, YODA)が、メドトロニック社脊椎手術用の骨成長促進製品Infuseの有効性に関する再調査を行いました。Infuseについては、従来の骨移植に比べて有効性があるかどうか疑問視する声もあり、治験データの公開を求める圧力が広く強まる中で再調査が開始されました。

メドトロニックはInfuseに関する詳細な治験データをYODAに渡しただけでなく、250万ドルの調査助成金をも提供し、YODAはこの助成金を使ってオレゴン健康科学大学とヨーク大学の専門家に調査を依頼しました。米国内科学会 が発行している医学学術雑誌Annals of Internal Medicineによれば、背痛手術の合併症リスクは、Infuseを使っても使わなくても大差はないとされていましたが、オレゴン健康科学大学の再調査によると、2年後のがん発生リスクがわずかに高まることが確認され、一方で、ヨーク大学の再調査ではInfuseとがんとの関連は見つかりませんでした。

このように再調査の結果は微妙なものとなりましたが、クロムホルツ博士はメドトロニックが「前例を残してくれた」ことを称えています。メドトロニックによる治験データ公開は、グラクソ・スミスクライン、ロシュに続くものであり、製薬メーカーからの治験データ公開の動きは、さらに加速することが予想されます。なお、YODAが入手したInfuseに関する情報は、YODAのデータベースに格納され、他の研究者もアクセスして分析することができます。

参考

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Tomihiko Azuma

Written by

Chief Fellow, Institute for International Socio-Economic Studies (株式会社国際社会経済研究所 主幹研究員)