HIV検査とケアの強い味方、利用者視点から価値あるサービスとは

2013年6月24日 in Special


HIV Testing Sites and Care Services Locatorとは、HIVの検査を受けることができる施設に加えて、住居、メンタルヘルス、薬物乱用などに関する様々なケアサービスを受けられる施設に関する情報を地図上に表示するアプリケーションです。

このアプリは米国保健福祉省(Health and Human Services, HHS)と住宅都市開発省(Housing and Urban Development、HUD)のデータを利用しています。HHSは複数の機関からなる複合組織であり、以下のような構造をしています。

このアプリはHHS配下の、疾病管理予防センター(Centers for Disease Control and Prevention, CDC)、薬物乱用・精神衛生サービス局(Substance Abuse and Mental Health Services Administration, SAMHSA)、保健資源局(Health Resources and Services Administration, HRSA)のデータを、HUDのデータと組み合わせて使っています。日本で言えば、厚生労働省配下の各局のオープンデータと、国土交通省住宅局のオープンデータとを利用しているようなものです。

HIV Testing Sites and Care Services LocatorはHHSの様々なオープンデータと、HUDのオープンデータとを組み合わせることによって、「利用者視点から価値のあるサービス」の提供に成功しています。HIVに悩んでいる人にとっては、住居は生活する上で非常に重要であり、その他のケアサービス同様に住居探しは支援を必要とする深刻な問題です。

データをオープンにする際に、各省や各局ができるところから公開する、あるいはニーズが明らかなものから公開するという方法がよくとられます。しかし、データを組み合わせることによる相乗効果は事前に予測できないことも多く、その結果、利用者が望むような価値を生み出せず、「せっかくデータを公開したが使われない」ことにもなりかねません。

こうしたことを防ぐためには、全省・全局が一気にデータ公開をするか、それが無理なら「利用者視点から価値あるサービス」を提供するために必要なデータを洗い出し、優先的に公開することが有効です。利用者視点から価値あるサービスとは何か、それは先行する国々の事例を参考にすれば、ある程度明らかになるのではないでしょうか。

注) HIV Testing Sites and Care Services LocatorにはiPhoneアプリもありますが、日本では使えません。Web版も表示されるデータはアメリカのデータだけです。

参考: HIV Testing Sites and Care Services Locator – A Tool for Clinicians

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Tomihiko Azuma

Written by

Chief Fellow, Institute for International Socio-Economic Studies (株式会社国際社会経済研究所 主幹研究員)