7月4日は『消費者独立記念日』、イギリスでmidata innovation lab始動
2013年7月16日 in Special
2013年7月4日、民間企業が所有している消費者に関するデータを開放し、革新的な新サービスを生み出すプロジェクト、midata innovation lab(mIL)がイギリスで始まりました。
midataとは2011年に始まったプロジェクトで、消費者が民間企業の持つ自分の個人データに自由にアクセスできるようにすることを目指したものです。2012年11月にオープンデータを推進しているOpen Data InstituteがMidata Hackathonを開催したことをきっかけに、オープンデータの領域を民間所有の個人データにまで拡げる運動として注目されるようになりました。
mILとは、このmidataの取り組みを本格的に進めるために、ビジネス・イノベーション・職業技能省(Department for Business, Innovation and Skills, BIS)が開始したプロジェクトです。mILの目的は、midataの活動を通じて開放される消費者データを活用し、消費者中心のアプリケーションやサービスを実際に開発してその効果を検証することです。イギリス政府はmILが消費者にとっても国の経済成長にとっても有益であると考えています。
mILはこのプロジェクトが、消費者が自分のデータに対する権利を民間企業から取り戻し、自らの意思に基づいて自分のデータの活用方法を決定できる画期的な取り組みであることから、mILがオープンした7月4日を『消費者独立記念日』と宣言しました。
mILには1000名の消費者がボランティアとして自らの個人データを提供しています。ボランティアが提供しているデータは、名前・運転免許証・パスポート・メールアドレスなどの自分自身に関するデータ、所有している自動車や不動産、銀行やクレジットカードの取引履歴、モバイル・電話・ブロードバンド・TVの請求書情報、電気・ガス・水道などの公共料金の請求書などです。ボランティアはどのデータを提供するか選択することができますが、mILは消費者個人のデータを利用して消費者個人に対して新しいサービスを開発することが目的であるため、匿名化などの処置は行われません。詳しくは以下のビデオをご覧ください。
消費者のデータはPersonal Data Store(PDS)という個人データをオンラインで管理するためのストレージで厳重に管理され、mILが厳選した設立パートナーだけがPDSを通じて消費者データにアクセスすることができます。さらに、ある一定のデータに関しては、ODIが慎重に審査した上で、独立系アプリ開発者にアクセスを許可する場合もあります。
設立パートナーは、Aimia, Allfiled, Atlantic customer solutions, BBC, Department for Business Innovation & Skills, Cognesia, Ctrl-Shift, GfK, Grapple, Information Commissioner’s Office (ICO), IRM; Moneysupermarket.com, Mydex, npower, Open Data Institute, Ofgem, Paoga, Telefonica, University of Southampton, UCL, Verizon, Which?, O2です。
mILは、消費者データ活用による便益や経済効果と、プライバシーとの最適なバランスについても、このプロジェクトを通じて検証します。mILに関心があり、アプリケーションを開発してみたいという開発者や企業は、Developers Infoから応募詳細を問い合わせることができます。オープンデータの最前線に是非挑戦してみてください(※私も現在問い合わせ中です)。
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