オープンデータビジネスモデル Business Model Generationによる分析
2013年9月12日 in Special
2013年になってから、欧米ではオープンデータを活用したビジネス事例が増えてきました。そこで、これらの事例が具体的にどのようなビジネスモデルに基づいているのかを詳しく調べてみたいと思います。
ビジネスモデルを定義する方法はいくつもありますが、ここではBusiness Model Generation(BMG)を使用します。Business Model Generationのコンセプトは、4つの領域(顧客、価値創造、インフラ、資金)をカバーする、9つの構成ブロックから構成されており、全体をThe Business Model Canvasとして表現することを特徴としています。
BMGの9つの構成ブロックには以下の内容を記述します。
- 顧客セグメント(Customer Segment): 企業が関わろうとする顧客グループについて定義する
- 価値提案(Value Proposition): 特定の顧客セグメントに向けて、価値を生み出す製品とサービスについて記述する
- チャネル(Channel): 顧客セグメントとどのようにコミュニケーションし、価値を届けるかを記述する
- 顧客との関係(Customer Relationship): 企業が特定の顧客セグメントに対してどのような種類の関係を結ぶのかを記述する
- 収益の流れ(Revenue Streams): 企業が顧客セグメントから生み出す現金の流れを表現する
- リソース(Key Resources): ビジネスモデルの実行に必要な資産を記述する
- 主要活動(Key Activities): 企業がビジネスモデルを実行する上で必ず行わなければならない重要な活動を記述する
- パートナー(Key Partners): ビジネスモデルを構築するサプライヤーとパートナーのネットワークについて記述する
- コスト構造(Cost Structure): ビジネスモデルを運営するにあたって発生するすべてのコストを記述する
BMGでは、ビジネスモデルをアンバンドルビジネス、ロングテール、マルチサイドプラットフォーム、ビジネスモデルとしてのフリー戦略、オープンビジネスモデルという5つのパターンに分類しています。ビジネスモデルとしてのフリー戦略としては、基本は無料で高度なサービスを有料とするフリーミアムモデルや、関連商品やサービスの継続購入を促すために低価格あるいは無料の導入提案をするエサと釣り針モデルなどがあります。
次回からはオープンデータビジネスの具体的な事例をもとにして、それぞれの事例がBMGのどのパターンに属し、どのような特徴を備えているのかを考察します。
参考:
アレックス・オスターワルダー&イヴ・ピニョール(2012)、「Business Model Generation」、翔泳社
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