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米FDA、23andMeに対して家庭用DNA検査キットの販売中止を命令

2013年11月26日 in News

Bloombergが報じるところによると、米食品医薬品局(Food and Drug Administration, FDA)はDNA検査サービスを提供する23andMeに対して、唾液を採取する器具などの家庭用DNA検査キットの販売中止を命じた模様です。

FDAは23andMeの検査キットを医療器具とみなしており、医療器具に義務付けられているFDAの承認を23andMeが得ていないことが原因です。

FDAは23andMeのDNA分析の正確性についても懸念を抱いており、2009年から十数回の会議を重ね、何百通もの電子メールで議論してきましたが、合意に至ることはできませんでした。

 

参考:

テクノロジーで社会課題に挑む100団体、Nominet Trustがリストアップ

2013年11月25日 in News

Nomient Trustは、深刻な社会問題をテクノロジーで解決しようとする人々を支援している団体です。このNomient Trustが、テック系社会イノベーターの中でも特に革新的な100団体を選び公開しました。ほとんどは皆さんがよくご存じの団体だと思います。非営利団体だけでなく、23andMeのような企業もリストアップされています。オープンデータを活用している団体もたくさん含まれています。

 

 

100というとちょっとうんざりと思うかもしれませんが、スライドをめくっていくと「あっ、そうそう、こんなのあったよね」という団体がほとんどですので、ご覧になればすこし懐かしさを感じるうちに、あっという間に終わりまで見ることができると思います。「おさらい」という意味でもとても役に立ちます。

 

参考: Nominet Trust reveals 100 leading ventures using tech to solve world’s biggest social problems

DataVivaでブラジルまるわかり

2013年11月24日 in Special

DataVivaはブラジルのさまざまな統計情報をビジュアル化することを可能とした、ビジュアライゼーションハブです。ビジュアル化のバリエーションは1億通りにも上ります。DataVivaを開発したのはミナスジェライス州ですが、以下の3つデータを使ってブラジル全土をカバーしています。

  • 労働雇用省(MTE)の社会情報年間統計(RAIS)
  • 開発商工省貿易局(MDIC)の外国貿易データ
  • 国連統計部の国連商品貿易統計データベース

これらのデータは、場所、産業、職業、製品、輸出先というカテゴリーで分類され、さらに各分類項の中で複数レベルに渡って細かく分類されています。

 

DataViva3

DataViva Rings

 

DataVivaは多彩なビジュアライゼーションツールを提供しており、ツリーマップ、積み重ね棒グラフ、ジオマップ、ネットワーク、リング(上図)、散布図、比較図、職業グリッドを利用することができます。これらのツールを自由に使って、統計データをさまざまな確度から、さまざまな粒度で分析することができます。

DataViva2

DataViva Occugrid

ビジュアライゼーションの中で面白いのが職業グリッド(Occugrid)です。これは地域や産業、職業を選択すると、どれくらい労働者を必要としているのかをチャートで具体的に示してくれます。

例えば、ミナスジェライス州の芸術・エンタテイメント産業のオーディオ技術者という職業を選択したとします。すると、ミナスジェライス州で芸術・エンタテイメントビジネスを成功させるためには平均でオーディオ技術者が3名必要であるのに対して、現在雇用されているのは2名しかいない、とDataVivaは教えてくれます。

チャートは、ミナスジェライス州の芸術・エンタテイメント産業では1企業あたりの1名のオーディオ技術者が不足していることを示しています。腕に覚えのあるオーディオ技術者はミナスジェライス州で職を探せば、それほど苦労せずに仕事が見つかる可能性が高いことがわかるのです。

DataVivaはその名の通り、統計を生きたデータとして活用できるようにしてくれる優れものです。

算数の文章題にオープンデータを使うと学習効果が高まる

2013年11月21日 in Special

算数を生徒に上手く教えるのに苦労している先生も多いことでしょう。ドリルは機械的過ぎ、文章題もどこか絵空事に感じる生徒は、なかなか身が入らないようです。

ニューヨークのTuvaLabsがオープンデータを使って、算数を現実世界の問題に変える取り組みを始めました。彼らのミッションはOpen Data for Learning、オープンデータで学ぼうというものです。将来、STEM(science, technology, engineering, and mathematics)の仕事を担う人材を育てるには、「7~8歳ぐらいから現実のデータをもとに算数を教えた方が効果がある」とテキサスのジョリ・バーカー先生は話しています。

 

 

TuvaLabsはオープンデータを使った算数の問題を作成し、無料で公開しています。さらに問題をつくるのに適したデータセットを作成し、こちらも無料で公開しています。例えばこんな問題がTuvaLabsでは公開されています。

オリンピックの開会式中に流す30秒コマーシャルの価格は年々着実に上昇しています。以下のデータを使って、オリンピック開会式の30秒コマーシャル費用の中間値を求めなさい

データセットとしてはスポーツやエンタテイメントのように生徒の興味をそそるものが用意されています。生徒からは、「今度は、 コービー・ブライアントとレブロン・ジェームスのデータセットを作って」というようなリクエストも届いているようです。それ以外にも、「中国とインドにおける中学校への進学率」といった世界の状況をさりげなく知らせるためのデータセットも公開されています。

生徒に自分自身でデータセットを選ぶ権利を与えることで、算数の宿題をやってくる生徒は確実に増えているようです。

 

参考: Building better word problems with data; One start-up bets students will be more interested in STEM jobs if their homework uses real world data.(Washington Post, 2013/11/20)

オープンデータセンサス 2013、日本政府は世界30位。世界最先端を目指すには加速が必要

2013年11月14日 in News


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ロンドンで開催されたオープンガバメント・パートナーシップのイベントに合わせ、Open Knowledge Foundation は、2013年のオープンデータインデックス(オープンガバメント進捗度)を公開しました。その結果によると、各国政府は、市民や企業に対し、まだ十分にはアクセシブルな形で情報を提供していません。70カ国のコミュニティベースで行われた調査の結果、2013年は英国と米国がトップとなりました。その後にデンマーク、ノルウェー、オランダが続いています。日本は、30位という評価でした。

このインデックスでは、政府支出、選挙結果、交通時刻表、汚染レベル等を含む10の主要分野における情報の入手可能性とアクセスのし易さに基づいて国をランク付けしました。その結果、世界全般ではいくつかの進展がある一方で、まだ多くの取り組むべき課題が存在することが明らかになりました。

ルーファスポロック(Open Knowledge Foundation 創設者兼CEO)は次のように述べています。

政府データの公開は、民主主義と説明責任とイノベーションを推進します。これは、市民に対し、自分たちの権利の自覚と行使を可能にし、そしてそれが交通、教育、健康などにわたる社会全体に利益をもたらします。近年、政府からのオープンデータへの協力は進展していますが、このインデックスは、非常に多くの価値ある情報がまだ入手不能であることを明らかにしています。

英国と米国はオープン・ガバメント・データのリーダーですが、これらの国でもまだ、改善の余地があります。例えば米国はまだ、単一に統合されたオープンな企業登記情報を提供していません。英国選挙委員会は、選挙データのオープンな再利用を許可しないことで、英国の評価を下げています。

企業登記情報の公開については、軒並み残念な結果となりました。上位20カ国のうち5ヶ国だけが、基本的な情報を真にオープンなライセンスで提供しており、10ヶ国だけが任意の形式での一括ダウンロードを認めていました。企業登記情報は、脱税その他の形式による金融犯罪や汚職への対処を含む、さまざまな理由により重要です。

上位20カ国でも、オープンデータとして再利用可能なのは主要データセットの半分以下でした。これは、先進国であってもまだ、市民と企業がデータを法的・技術的に利用・再利用・再配布できることの重要性が十分に理解されていないことを示しています。オープンデータは、市民や企業が商用・非商用のサービスを構築し、共有することを可能にします。

ポロック:

オープンデータの真の利益を実現するためには、政府は単にいくつかのスプレッドシートをオンラインに置くだけでなく、それ以上のことを行う必要があります。情報を容易に発見できるようにし、理解されるようにし、どんな目的のためでも、どこでも、誰でも、自由に利用・再利用・再配布できるようにしなければなりません。

日本は、政府支出、企業登記情報、交通時刻表、立法の分野で低い評価を受けました。また、どの項目もオープンライセンスの採用については「Yes」の評価を得ませんでした。これらの課題は6月に発表されたG8諸国における速報の時点と同じであり、日本の取り組みが大きくは進んでいないことを表しています。また日本は、6月の時点ではG8を構成する8カ国中4番目の評価でしたが6番目に順位を落としました。今後は、低評価を受けた分野の取り組みを加速するとともに、試行的に始まっているオープンライセンスの適用を本格的に広げていくことが求められます。

お問合せ: Open Knowledge Foundation Japan  e-mail: info [ at ] okfn.jp
調査結果の詳細: http://index.okfn.org
データのグラフ: http://index.okfn.org /visualisations

注意事項:
オープンデータインデックスは、Open Knoldedge Foundationが主導しコーディネートしているコミュニティベースの取り組みです。インデックスは、世界中の市民社会のメンバーとオープンデータ実務家の貢献にもとづき、オープンデータを専門とする編集者による確認と査読を経てまとめられています。このインデックスは、交通時刻表、政府予算、政府支出、選挙結果、企業登録、全国地図、国家統計、法律、郵便番号、汚染物質の排出の各分野における、オープン化状況の評価を提供しています。

評価を行った国(ランク順):
イギリス、アメリカ、デンマーク、ノルウェー、オランダ、オーストラリア、フィンランド、スウェーデン、ニュージーランド、カナダ、アイスランド、モルドバ、ブルガリア、マルタ、イタリア、フランス、オーストリア、ポルトガル、スロベニア、スイス、イスラエル、チェコ、スペイン、アイルランド、ギリシャ、クロアチア、マン島、日本、セルビア、ロシア連邦、エクアドル、韓国、ポーランド、台湾、中国、インドネシア、ハンガリー、ブラジル、ドイツ、メキシコ、ギリシャ、ガーンジー島、スロバキア共和国、バミューダ、ルーマニア、コスタリカ、バングラデシュ、チュニジア、シンガポール、リトアニア、南アフリカ、ケイマン諸島、エジプト、ネパール、セネガル、サウジアラビア、ナイジェリア、ジブラルタル、ベルギー、香港、バルバドス、バハマ、インド、バーレーン、イエメン、ブルキナファソ、ケニア、英領バージン。

Open Knowledge Foundation Japan、NTT Communicationsとのパートナーシップ締結を発表

2013年11月13日 in Featured, News

 

オープン・ナレッジ・ファウンデーション・ジャパン(OKFJ)は、2013年11月11日に開催されたオープンデータトークシリーズ第6回にて、エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社(NTT Communications)とのパートナーシップ締結を発表しました。

パートナーシップの主な内容は、OKFJが主催・共催・協力するオープンデータトーク&ハッカソンシリーズにおいて、NTT Communications様が提供する「クラウド・エヌ」を開発環境および成果物のショーケースとして活用するというものです。オープンデータ・ハッカソンシリーズは、これまでオープンソースカンファレンス2013(HokkaidoTokyo/Fall)にて開催されています。

クラウド・エヌの活用にあたっては、CODE for JAPANとも連携することで、CODE for JAPANが主催するハッカソン等においても利用されます。

今回のクラウド環境提供は、国内におけるオープンデータ推進を支援するというNTT Communications様のご厚意によるものです。オープンデータ関連のハッカソン等を主催する予定の団体で、本クラウド環境の利用をご検討される方は、まずはOKFJまでご相談下さい。開催主旨・内容等が本パートナーシップと合致する取り組みに対して、クラウド・エヌの開発環境をご提供いたします。

 

パートナーシップ締結(写真右:NTT Communications 林雅之様、写真左:OKFJ代表 庄司昌彦)

パートナーシップ締結(写真右:NTT Communications 林雅之様、写真左:OKFJ代表 庄司昌彦) 

 

 

 

 

 

 

 

日本政府もG8オープンデータ憲章実行計画を発表、データセット一覧・オープン化時期等も

2013年11月8日 in News

先日の英国政府につづき、日本政府も先のG8サミットで合意したオープンデータ憲章の実行計画(アクションプラン)を発表しました。政府IT総合戦略本部の電子行政オープンデータ実務者会議ページに公開されています。

11ページの計画書の後半6ページが、G8で合意された「キー・データ・セット」と「高価値データ」のオープンデータ化チェックリストです。このチェックリストがPDFやWORDでは使いにくいと考え、HTML化しましたのでこちらからご覧ください。各データについて、

  • データの存在
  • ウェブでの公開
  • 機械判読可能となる時期
  • オープンフォーマットとなる時期
  • バルクで提供する時期
  • 無料とする時期
  • オープンライセンスとする時期
  • 定期公開を行う時期
  • ティム=バーナーズ・リーの3つ星を満たす時期

がまとめられています。未公開・未実施のものでも時期が明示されているため、今後の政府の取組みについて見通しが立てやすくなったと評価することができると思います。イタリア政府も同じものをこちらで公開しています。このリストの公開により、G8各国でデータの公開状況を比較したり、同じ分野のデータを合わせて分析したりすることができるようになりました。

日本政府は今秋中に政府全体のデータカタログサイト(データポータルサイト)試行版もローンチする予定です。いよいよ日本政府全体のオープンデータへの取り組みが本格化するといえそうです。

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韓国情報化振興院とOpen Data Instituteが覚書に調印、共同プロジェクトや人材交流を進める

2013年11月8日 in News

2013年11月6日、ロンドンで韓国情報化振興院(National Information Society Agency, NIA)と英国のOpen Data Institute(ODI)が、オープンデータ推進に関する覚書を交わし調印しました。調印式にはNIAのGwangsu JangとODIのGavin Starksが出席しました。

NIAとODIは今後、情報共有や人材交流、教育プログラムの共同開発に加えて、データドリブンのコンテンツ創造企業を育成する共同プロジェクトなども進めていく予定です。

出典:NIA, 영국 ODI와 공공데이터 관련 업무협약 체결

製薬メーカーが臨床試験データを公開すべき4つの理由

2013年11月6日 in Special

欧州医薬品庁(EMA)が臨床試験データ公開の方針を打ち出したのに対して、製薬業界はグラクソ・スミスクライン、ロシュなどの賛成派と、サノフィ、アッヴィなどの反対派に分かれました。

デンマークの皮膚科領域専門のレオ ファーマは、2014年1月1日から臨床試験データを研究者やヘルスケアの専門家、患者に対して、匿名処置を施した上で広く公開すると発表し、賛成派に加わりました。一方、反対派も黙ってはいません。サノフィのCEOが会長を務める欧州製薬団体連合会(EFPIA)はEMAに対して臨床試験データ公開への反対意見を公式文書で提出し、アッヴィはEMAの決定が不当であると訴訟を起こしました

しかし、世界的な情報サービス企業であるトムソン・ロイターが2013年10月18日、臨床試験データを新薬開発のためのプラットフォームCortellisに追加すると発表したことだけからみても、臨床試験データを公開する価値は非常に高いものがあります。

このような状況の中、The New England Journal of Medicineは(NEJM)臨床試験データを公開すべき理由として以下の4つを上げ、臨床試験データ公開が製薬メーカにとっても有益であると強調しています。

 

  1. 実施済みの研究に関するすべてのデータにアクセスすることができれば、それに続く臨床試験の設計や分析を改善することが可能になる。
  2. 治療効果の多様性に関する過去の臨床試験から学ぶことによって、薬の開発を効率化できるだけでなく、市場での薬の価値を高めることができる。
  3. ある1つの病状に対して適用可能な治療方法は複数存在するこが多く、相対的な有効性に関する情報は患者、医師、スポンサーにとって重要である。
  4. データ秘匿に関する根本的な非効率性は、最初から失敗すると分かっている臨床試験やプロジェクトを繰り返してしまうことである。他の研究者による臨床試験によって既に効果がないと実証されている場合でも、それを知らない薬の開発者は与えられた目標に向かって研究を続けてしまう。

 

いずれの理由も、もっともなものです。臨床試験データが公開されることで、製薬業界は絶えず改善や改良が行われる極めて活性化された市場に変わります。営業利益が損なわれるという反対派の主張は、絶えず改善や改良を続けなければ生き残れない新市場への恐れの裏返しなのかもしれません。

英国、G8オープンデータ憲章実行計画を発表、オープンデータ戦略をさらに加速

2013年11月5日 in Special

英国政府は先のG8で合意したオープンデータ憲章を具体的に実行するための計画G8 Open Data Charter: UK Action Plan 2013を発表しました。13ページの計画書の約半分、6ページを占めているのが、G8で合意した14種類に及ぶ「価値の高いデータ」のオープンデータ化チェックリストです。2014、2015年のG8サミットでは、このレベルのチェックリストに基づいて、各国のオープンデータ進捗度がチェックされることになると思われます。

 

 

また、Open Government Partnership Summit開催に当たってキャメロン首相は、企業の受益所有権の登録簿公開への強い意欲を表明するとともに、民間企業に対しても政府と同じくオープンデータ化を進めるよう求めています。今後はOGPサミットで宣言した通り、民間企業は受益所有権を明らかにするために必要な広範囲な財務・経理データの公開に踏み切らざるを得ない可能性が高くなっています。「透明性を高めるためのデータ公開」というアプローチが、政府に対しても、民間企業に対してもデータ公開の突破口として使われています。

さらに英国政府は、データを資源として有効活用することで競争優位に立つためのデータ能力戦略を情報経済戦略から独立させて発表するとともに、企業や大学に対してデータサイエンティストの育成支援を要請するなど、データを経済成長の原動力とする姿勢を鮮明にしています。

こうした中央政府の動きに合わせるように、コミュニティ・地方自治省はオープンデータ戦略を改訂し第二版として公開しました。内閣府大臣のフランシス・モードは政府調達の透明性を高める運動をもっと活性化させるために、中小企業は地元議員へもっと圧力をかけるべきだとも述べています。

英国はG8サミットとOGPサミットを非常に上手く利用しました。両イベントを通じて、英国のプレゼンスを高めるとともに、他国へのオープンデータ化圧力を強めることに成功しました。同時にOpen Data Instituteの世界拠点ネットワーク構築も着実に進めており、周到な戦略の下、オープンデータ立国へ突き進んでいます。