情報処理学会誌で「オープンデータ活用」特集

2013年12月16日 in News


一般社団法人情報処理学会の学会誌「情報処理」12月号で「オープンデータ活用」が特集されました。私は、株)リ・パブリック田村大さんとともにこの特集の編集を担当しました。

コンテンツはこちらからご覧ください。

この特集では、オープンデータが、どう各分野で具体化され、今後どのような可能性を持つのかを展望するため、各分野の第一線で活躍されている皆様に執筆をお願いしました。

まず、Linked Dataやセマンティックウェブの研究者であり学術情報の活用基盤であるCiNiiの設計・開発・運用を行っている大向一輝氏(国立情報学研究所)にはLinked Dataの技術に基づくオープンデータ(Linked Open Data)の活用環境を解説していただきました。

次に、震災ビッグデータの可視化など、オープンデータを生成しディジタルアーカイブ化やビジュアライゼーションの分野で数々の作品を生み出している渡邉英徳氏(首都大学東京)にその手法やそうした取組みの持つ意義をご紹介いただきました。

オープンデータ活用には新ビジネス創出への期待も強く持たれています。そこで米国ニューヨーク市で統計ディレクターを務めた経験も持つデータサイエンティストの工藤卓哉氏(アクセンチュア(株))にビジネスの文脈におけるオープンデータの可能性や課題を論じていただきました。

地理空間情報は、2007年に活用推進基本法が成立するなど、いち早く公共データ活用が進んだ分野です。関本義秀氏・瀬戸寿一氏(東京大学)には、この分野における政府や地方自治体との具体的な取組みをご紹介いただきました。

高祖歩美氏(科学技術振興機構)には、生命科学分野の状況をご紹介いただきました。この分野は公的資金に支えられた研究成果を中心に世界的なデータ共有が行われ、ヒトゲノム研究などが飛躍的に発展しています。読者の方に、オープンデータが学術研究へ与える影響を展望していただきたいと考え、執筆をお願いしました。

データ活用を進める上で必ず課題となるのは著作権の取り扱いです。そこで政府の実務検討に参画し、また著作物の再利用を促すライセンスとして広く利用されているクリエイティブ・コモンズの推進者である渡辺智暁氏(国際大学)に解説と課題分析をお願いしました。

高木聡一郎氏((株)NTTデータ)には、海外政府等の政策やオープンデータを進めるためのプロセスを具体的な事例に基づきご紹介いただきました。各国で様々な試行錯誤が行われていることがご覧いただけると思います。

そして最後に、国内におけるオープンデータの政策形成に関わり、コミュニティ醸成や事例紹介等の普及活動に携わっている立場として庄司昌彦(国際大学)も国内の活用環境整備について記事を執筆しました。

以上、技術と政策、基礎と応用、国内外の取組み、というようにオープンデータに関する状況を多面的に描く特集となっています。よろしければご一読いただけますと嬉しいです。また本特集にご協力いただいた執筆者の皆様、田村さん、学会事務局の皆様に心から御礼申し上げます。

 

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Masahiko Shoji

Written by

庄司 昌彦(しょうじ まさひこ)一般社団法人オープン・ナレッジ・ファウンデーション・ジャパン代表理事。国際大学 グローバル・コミュニケーション・センター(GLOCOM)准教授・主任研究員。1976年、東京都生まれ。中央大学大学院総合政策研究科修士課程修了。おもな関心テーマは情報社会学、電子行政・オープンガバメント、地域情報化、社会イノベーションなど。2010-12年、内閣官房IT戦略本部「電子行政に関するタスクフォース」構成員として「電子行政オープンデータ戦略」につながる議論に参画。2016年3月より内閣官房IT総合戦略室オープンデータ伝道師。2015年より総務省地域情報化アドバイザー。その他、一般社団法人インターネットユーザー協会(MIAU)理事なども務めている。著書(共著)に『地域SNS最前線 Web2.0時代のまちおこし実践ガイド』(2007年、アスキー)など多数。