「オープン-ウォッシング」 – データをオープンにすることと単に利用可能にすることはどう違うのか

2014年3月19日 in Featured, News


(訳注:この記事は本家OKFn.org記事の日本語訳です)

(これは、オープン・ナレッジ・ファウンデーション・デンマークのサイトに投稿された「“Openwashing” – Forskellen mellem abne data og tilgangelige data」のChristian Villum によって翻訳された英語版です)

先週、デンマークのIT雑誌Computerworld は「デジタル・イノベーションのために知っておくべきチェックリスト」というタイトルの記事内で、利用者にあなたのデータへのアクセス権を与えることがいかによい経営戦略であるかということに、次第に多くの会社が気付き始めていると強調しました。そこには次のように書かれています:

(デンマーク語からの翻訳)アクセンチュアによれば、自分たちのデータがあらゆるサプライ・チェーンで扱われるべきだ、ということは多くの進歩的なビジネスにとって明らかになってきています: 例えば完全にオープンなAPIによって、組織全体を通じてそしておそらく生態系全体へすらも、容易に、円滑に流れるべきです。

この記事では例としてGoogle Mapsを使っています。これは第一に、全く正しく無く、Google Mapsがいかにローデータを提供していないかと説明するネオジオグラファー(いわばジオデータのブロガー)も指摘しているように、単にデータをもとに画像化したものに過ぎません。データのダウンロードや操作、そして自分のサーバ上で実行したりすることは認められません。

第二に、私は、Google とそのマッププロジェクトを、そのデータをパブリックに円滑に流すビジネスの黄金の例として強調することが適切だとは思えません。彼らが何らかのデータを提示しているのは事実ですが、非常に制限のある方法でのみ – そして明確にオープンデータとしてでは無く – それゆえに、記事が示唆するほどには進歩的ではありません。

確かに、一般に進歩的でないことでGoogle を非難するのは困難です。記事には、Google Maps のデータが800,000以上のアプリケーションおよびビジネスによっていかに世界中で使用されているかについて、書かれています。ですから、確かに、Google はそのサイロを少し開けました。しかし、非常に制御され、制限のある方法であり、これら800,000 のビジネスをGoogle からのデータの連続的な流れに依存し、さらにそれゆえ、彼らがまさにそのビジネスの基盤となっている商品をコントロールすることを許可しないままにしているのです。このような特別なデータのリリース方法は、私たちが直面しているような課題をもたらします: データを利用可能であることと、それらをオープンにすることとの違いを知ることです。

オープンデータは単に利用可能であるだけでなく、法的にオープン(せいぜいその出所の表記や同じライセンスの継承くらいで、全体の自由な再利用を許可するオープンなライセンスの下でリリースされている)であると同時に技術的にも一括して、および機械可読な形式で(Google Maps の場合との対比で)利用可能である、という点に特徴があります。彼らのデータは利用可能であるかもしれませんが、オープンではありません。これが、とりわけ100%オープンであるオルタナティブとしてのOpenStreetMap 周辺のグローバルなコミュニティが急速に成長し、代わりにこのオープンイニシアチブを自分のサービス基盤とすることを選択するビジネスが増えてきている理由です。

しかし、データが単に利用可能なだけではなくてオープンであることが重要なのはなぜでしょうか?オープンデータは社会を強固にし、共有の資源を構築します。そこでは単にデータを収集したり公開する人々だけではなく、あらゆる利用者、市民そしてビジネスがみな豊かになり、力を与えられます。「しかし、なぜビジネスはデータ収集にお金を使った上で、それを人にあげるのでしょうか。」という疑問はあるでしょう。あなたのデータをオープンにすることと利益を得ることは相反するものではありません。少しGoogle を検索してみると、オープンデータを提供しつつその上でのビジネス展開を行っているビジネスが多数あることが分ります。そして私は、これらがComputerworld などでの記事において特に進歩的なものとして強調されるべきものであると信じます。

一例として英国の会社OpenCorporates が挙げられます。彼らはその数が増えつつある企業登録データのリポジトリをオープンデータとして提供し、それゆえに自分自身を、その分野で欠くことのできない資源として如才なく位置づけています。このアプローチは、ビジネスと公共部門の両方に対してコンサルタント・サービス、データ分析および他の個別サービスを提供する機会を強化します。別のビジネスでのデータ利用も歓迎です。競合するような利用や別のサービスを作成するものであっても構いません。しかし、同じデータライセンスの下であることが前提です。それゆえ、OpenCorporates に役立つ派生的な資源を提供しています。ここに、効果的にサイロを撤去し、関連ビジネスのみならず社会に対する価値を創出する、真のイノベーションと持続可能性があるのです。オープンデータは私たちの社会に成長と革新を創出します。一方、Google のようなデータ提供方法は、おそらくたいていはGoogle のための成長を創出します。

私たちは、「オープン-ウォッシング」(「グリーン・ウォッシング(訳注:環境広報活動)」からのもじり)という用語の上昇傾向を見ています – これはオープンではなく、単に制限条項の下でのみ利用可能な場合ですら自分たちのデータがオープンであると主張しているデータ公開者を意味します。もし我々が – データドリブン社会の発達期というこの重要な局面で – その違いに批判的に気づいていない場合、私たちは結局、国際的な企業が構築し所有するサイロ化されたインフラストラクチャーにコアとなるデータ・ストリームを入れて終わるでしょう。それだけでなく、間違った種類の持続性のない技術開発に対する賞賛と支援を与えることになるでしょう。

オープンデータに関してもっと知りたい方は、オープンの定義及びオープン・ナレッジ・ファウンデーションによるこの入門書のトピックにアクセスしてください。ご意見はオープン・ナレッジ・ファウンデーションのメーリングリストまで。

原文(2014/3/10 Open Knowledge Foundation Blog 記事より):
Original post “Open-washing” – The difference between opening your data and simply making them available / Christian Villum, licensed under CC BY 3.0.

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