オープンガバメント・データへの障壁を理解する

2014年4月7日 in Featured, News


(訳注:この記事は本家OKFn.org記事の日本語訳です)

以下のゲスト投稿はクリス・マーティン(リーズ大学の研究者)によるものです。彼はここでオープンガバメント・データに対する障壁の認識についての最近の研究結果を示しています。彼は、より大きな分野横断的な共同作業の効用を指摘して、公共及び非営利セクター間の認識に関する類似点と差異に着目します。

今年(訳注:2013年)の初めに、オープンデータについての進行中の研究の一部として、私はオープンガバメント・データに対する障壁を探る調査を実施しました。私は、オープンデータ・コミュニティがオープンガバメント・データからの価値を実際に生み出すことへの潜在的な障壁をどのように認識しているか理解しようと努めてきました。私は、障壁の話題が(オープンデータの他の領域ほど「魅惑的」ではないかもしれませんが)以前から探索すべき重要な領域として残ったままであると信じています。第1に、その約束を実現する現実性がオープンデータへの熱狂の最初の波に遭遇するにつれて、データ・コミュニティが直面した挑戦をより明瞭に表現するために。第2に、障壁をより明瞭に表現することで、これらの障壁を克服するための全体論的、社会技術的なアプローチが出現することを可能にすることを願って。

いくつかの予備調査の結果

233人が、公共、民間、学術および非営利セクターから将来展望をもたらすための国際的なオープンデータ・コミュニティをまたぐ調査に参加しました。大多数の参加者はヨーロッパまたは北米で働いていました。調査の参加者は、調査で示された記述が(彼または彼女の経験や意見において)オープンガバメント・データからの価値を実際に生み出すための障壁であることに同意する傾向がありました。この傾向は、下記プレゼンテーションのグラフ中に示されたように、多くの理由からあまり驚くべきことではありません。私の見るところでは、その最大の理由は、オープンデータの議題は潜在的に相反する利益を持つ複数の組織の大規模な社会的・技術的変化を必要とするからです。私はここに、調査結果の多数の詳細な分析から3つの最初の結論を取り上げます。

オープンガバメント・データのコミュニティは、供給側の障壁に関心を寄せており、需要側の障壁には懐疑的です。

供給側の障壁への関心は調査結果内で顕著です。私にとってこれは、オープンデータの議題(つまり、データを利用可能にすれば利用者が来るだろう)を補強する、データ駆動の考え方を反映しているように見えます。最も強いコンセンサスが下記を含む供給側の障壁のまわりで生まれました(つまり、75%以上の参加者が障壁が存在することに同意したところ)。

  • 政府組織は、リスク回避の文化を持つ傾向があります。したがって、データへのアクセスが制限されるべきであると考えます。
  • 政府組織内の個人およびグループは日々の業務活動の一部ではなく、臨時の活動としてオープンデータを扱います。
  • 政府組織はオープンデータへの資金提供やオープンデータ利用促進のための首尾一貫したビジョンを欠いています。
  • 政府組織は、潜在的なオープンデータ利用者の多様なコミュニティを巻き込むための効果的なプロセスを確立する挑戦に直面しています。

反対に、最も懐疑的に見られた障壁(つまり、40%以上の参加者が同意せず、障壁が無いと信じたところ)は、しばしばオープンガバメント・データの需要側の質問に関係がありました。

  • オープンデータ用の民間、公共および市民社会セクターをまたぐ潜在的利用者からの需要はほとんどありません。
  • 政府組織が利用可能にしたオープンデータの価値は低いです。

オープンガバメント・データの課題のいくつかの政治色を帯びた局面の周辺で議論が分かれる問題があります。

障壁がデジタル・インフラへのアクセス制限といったオープンガバメント・データの議題の政治色を帯びた局面に関連するところで、しばしば意見が分かれました。これらの議論が分かれる障壁(25%以上の参加者が同意し、25%以上が同意しなかったところ)は、下記を含んでいました。

  • 現在収入を得ているデータがいくつかあるので、政府組織はデータをオープンにすることで財務収益を失うでしょう。
  • 潜在的な市民社会のオープンデータ利用者は、データを利用するために必要とされるデジタル・インフラ、財源および教育用の資源にアクセスできません。
  • 民間部門の利用者は、社会的および環境的価値の開発を犠牲にしてオープンデータからの金融資産価値を開発することに関心を持っています。

セクターをまたぐオープンガバメント・データに対する障壁の認識にいくつかの差異があります。

参加者からの、公共、民間、非営利セクターをまたぐ調査回答の比較によって、認識におけるいくつかの興味深い差異を識別することができます。そのような差異は、オープンガバメント・データに対する障壁をよりよく理解し取り組むための分野横断的な学習と共同作業に対する可能性を強調します。(統計的に)著しく異なる認識が明白であった障壁のうちの2つは次のとおりでした:

  • 政府組織は、データをオープンにする場合に公益に対するプライバシーに関わるバランスを保つ挑戦に直面します。-公共セクターの参加者は、民間セクターのカウンターパートよりも公益とプライバシーのバランスを取ることへの挑戦を認識している傾向がありました。
  • オープンデータ用の民間、公共および市民社会セクターをまたぐ潜在的な利用者かの需要はほとんどありません。-公共セクターの参加者は、非営利セクターのカウンターパートよりも需要の不足を問題と認識している傾向がありました。

障壁に関して何をすべきか?

この研究はまだ初期段階にありますが、私は結果が潜在的に持つ意味に対する2つの個人的な考察の提供をもって締めくくりたいと思います。第1に、オープンガバメント・コミュニティによって認識された障壁の種類、複雑さおよび数は、需要側と供給側の双方にまたがるアクションの必要性を示唆しています。そのようなアクションは、社会・技術的な面を含む政府全体のデータ・システムについての理解によって知らされるべきです。例えば、組織的な目標、文化およびプロセスによるオープンガバメント・データの議題の整理は、技術及びデータとのかかわりで考察する必要があります。第2に、オープンデータは優れた革新で、開発の初期段階にあります。これは供給側の障壁に対する現在の重点に重要な文脈を提供します。オープンデータに対する潜在需要をさらに掘り起こせるように、これは本当に克服しなければなりません。しかしながら、オープンデータにとって、現在のニッチな状態から持続する主流のインパクトを作り出すところに移行するためには、需要側の障壁についての考察がより重要となるでしょう。


クリス・マーティンは、リーズ大学の研究者および学際的な研究ファシリテーターです。彼は、集積エネルギー・リサーチ・センターを拠点とし、ソシオ-テクニカル・センターのアソシエイトです。彼の研究上の関心はオープンデータおよびICT-behaviour-energy インターフェースを含んでいます。彼はオープン、協力的、学際的な方法で研究を行なうために努力しています。社会技術システム設計、ICTおよびエネルギー・システム上の種々の展望を統合する挑戦は、彼を魅了し動機を与えるものです。

より詳細に興味があれば、c.a.martin@leeds.ac.uk か @chrismartin81 でクリスに連絡してください。

Image credit: opensourceway, on Flickr. CC-BY-SA 2.0

原文(2013/6/26 Open Knowledge Foundation Blog 記事より):
Original post Understanding Barriers to Open Government Data / Chris Martin at the University of Leeds, licensed under CC BY 3.0.

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