OKCon 2013 ゲスト投稿:オープン・ソースの創薬は現実的か?

2014年4月21日 in News


(訳注:この記事は本家OKFn.org記事の日本語訳です)

次のゲスト投稿は、シドニー大学化学学校の上級講師、およびオープン・ナレッジ財団のシドニー・アンバサダーであるマシュー・トッドによるものです。OKCon 2013 の一部として、マシューは「オープン・ソースの創薬は現実的か?」と題するサテライト・イベントをホストします。これは2013年9月19日(木)に09:00から12:00まで、世界保健機構(WHO) – UNAID HQ – で開催されます。(アクセスは下記に、イベントへの参加登録はこちらで。)


IsOpenSourceDrugDiscoveryPractical

もし科学的進歩を促進する方法としての共同作業を評価するならば、私たちはみなオープン・サイエンスを取り入れるべきです。なぜならそれは誰にでもデータを利用可能にするだけでなく、誰でも問題に取り組めるようにすることで、共同作業のプロセスを加速させることを約束するからです。オープン・サイエンスは、明らかにその本質的で定義的な「オープン性」という条件ゆえにこれを約束することができます。私たちは、人間として、デフォルトで相互に対話するやり方を取ります。しかし、秘密を守る方が有利な場合、そのような慣例は上書きして変えることができます。もし誰かが行ったことが金銭的な報酬のために利用できるのであれば、「知的財産」と特許によるその保護につながり、クローズドなやり方で仕事をするインセンティブがあるかもしれないという意味において、ありえる有利な点のひとつは金銭面かもしれません。

したがって、私たちは2つの相反する問いかけを持っているように思えます。オープンな(特許なしの)もの、およびクローズドなもの。双方からそれぞれに生まれる素晴らしい事例があるのは明らかです。

最近民間部門によって支配された科学分野のひとつは、製薬産業です。多くの有効な薬が現行のモデルを利用して開発されています。しかし、それは唯一の方法でしょうか?オープン・ソースの原則に沿った創薬は可能ではありませんか?

私の研究所は、製薬の改善方法の開発、そして新薬の発見方法の両方において、この問いに答えようとすることに関わってきました。後者のプロジェクト(オープン・ソース・マラリア)は、何かしら新しくて健康への潜在的価値があるものは民衆の参加から遠ざけておくべきだという考えに直接挑戦するものです。私たちが障壁の無い能力主義の共同作業で、問題に取り組む多くの人々の成果をうまく利用しても良いように、オープン・ソース・マラリア・プロジェクトは知的財産の保護を放棄しています。

創薬に特許は必要ではないという歴史上の議論があります。ペニシリンやポリオワクチンのように大きな価値のある治療薬は特許なしで開発されています。分子構造(それらを作るために使用される方法ではなく)の特許を取る能力は、比較的最近の発明です。特許は会社の革新があまり頻繁に行われないようになったことで非難されてきました

しかし、オープンなアプローチは、新薬の開発にとって実際に可能なのでしょうか?誰が臨床試験の代価を払うのでしょうか?川下に売る独占権がなければ、誰が薬に金銭を投資するでしょうか?新しい治療を約束する、そしてそれを何百万人もの人々が扱えるような薬に変えることができる現実的な経済モデルがありますか?オープンな創薬が利益を得られる見通しがほとんどないマラリアのような疾病にとって可能であれば、予想される利益が現行モデルの下では非常に高いであろう癌やアルツハイマー病のような疾病に同じモデルを適用することができるでしょうか?

これらの質問はすべて、私がオープン・ナレッジ・カンファレンスでホストしているセッションで取り上げられるでしょう。木曜日に行なわれるこのサテライト・イベントは「オープン・ソースの創薬は現実的か?」というタイトルです。私はこれらの問題について議論する非常に知識の豊富なパネルを組み立てることができて非常に興奮しています。また、いくつかの点で、新薬を見つける現行の手法にいちばん関係している多くの人々がいる、ここジュネーブでOKConが開催されるのは幸運なことです。スピーカーは、世界保健機構抗マラリア薬開発共同事業無視された疾病のためのドラッグ・イニシアチブグラクソ・スミスクライン世界知的財産機構および構造化ゲノミクス・コンソーシアムから参加します。誰かがセッションの主な質問に答えることができれるとすれば、これらのスピーカーに他なりません。

これらのパネル・メンバーは、創薬に対するよりオープンなアプローチに関係する自組織の努力について10分ずつ話します。その後、少しコーヒータイムを取り、今度は上記の重要な質問のうちのいくつかを取り上げます。聴衆にも議論で積極的役割をとる幅広い機会があるでしょう。私たちがこれからの世代に最も必要な薬をどのようにして見つけようとしているのか、また、私たちがそれを行うためにどのようにオープンデータとオープンリサーチを利用できる可能性があるのか、といった難題に興味があれば、このセッションはあなたのためのものです。有効な新薬の発見はとても難しいため、この主題は非常に興味深いものです。私たちは研究を行う最良の方法は、多くのオープンデータを備えた大量の分散共同作業を利用することだと考えています。しかし、このモデルは、私たちが産業を支援するために組み立ててきた構造のために、今日では本当に挑戦的なことです。

ぜひ参加してください!セッションは09:00から12:00までWHOの本部で開催予定です。
定員厳守ですのでこちらへの参加登録をお願いします。議論用の特定のアイテムとパネル・メンバーの詳細情報もそこにあります。

場所:最初にWHOの本館で受付し、WHO-UNAIDSのビルを横切って会議室D46031(4階まで行くのに33/34のエレベータを使ってください)です。

公共交通機関でのWHOへのアクセス

[画像クレジット]

原文(2013/8/30 Open Knowledge Foundation Blog 記事より):
Original post OKCon 2013 Guest Post: Is Open Source Drug Discovery Practical? / Matthew Todd, licensed under CC BY 3.0.

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