オープン・エコノミクス:これまでの経緯

2014年4月22日 in News


(訳注:この記事は本家OKFn.org記事の日本語訳です)

1年半前に、私たちはアルフレッド・P.スローン財団の支援でオープン・エコノミクス(経済学)プロジェクトを立ち上げました。私たちがこれまでにしてきたことを短くまとめてシェアしたいと思います。

私たちの目標は、経済学専門家にとってオープンデータとは何を意味するのかを定義し、経済学データに対するオープン性、透明性、そしてオープン・アクセスが何を意味するのか学びたい人のための参照の中心点になることでした。

オープン・エコノミクス・ワーキンググループの諮問団:openeconomics.net/諮問団/

諮問団

20人の上級の学者の諮問団が集まり、私たちに助言や私たちが連絡する必要のある人々やプロジェクトに関するインプット、そして取り組むべき課題を提供してくれました。プロジェクトの進捗は、諮問団の価値のある支援のおかげです。

1回目のオープン・エコノミクス・ワークショップ、2012年12月17-18日、ケンブリッジ、英国:openeconomics.net/ワークショップ・2012年12月/

2回目のオープン・エコノミクス・ワークショップ、2013年6月11-12日、ケンブリッジ、米国:openeconomics.net/ワークショップ・2013年6月/

国際ワークショップ

私たちはさらに、2つの国際的なワークショップも組織しました。ひとつ目は2012年12月17-18に英国のケンブリッジで、ふたつ目は2013年6月11-12日に米国のケンブリッジで開催されました。オープンデータの価値、そして私たちのコミュニティが推進すべきインセンティブや構造と同様に情報の公開に対する根強い障壁についてのアイデアを共有し、理解を構築するために学者、資金提供者、データ公開者、情報の専門家および学生に呼びかけました。

オープン・エコノミクスの原則

経済学のためのオープンデータを定義する一方で、経済学研究を複製するのに必要なデータ、プログラム・コード、メタデータおよび手順はデフォルトでオープンであるべき、ということを強調するためには、データとコードのオープン性についての声明を発表することが必要だと私たちは気付きました。それが「オープン・エコノミクスの原則」です。
この声明は8月に公開され、経済学コミュニティや直近では世界銀行のデータ開発グループなど、今や幅広く支持されています。

プロジェクト

オープン・エコノミクス・ワーキンググループと何名かのメンバーが、経済学に関するより広い理解と同じ様に議論と参加を促進するには、データはどうしたら利用可能にできるのか、どのようなツールが作れるのか、といったことを披露するために小さめのプロジェクトで作業してきました。私たちは受賞経験のあるアプリYourtopia Italy http://italia.yourtopia.net/ を構築しました。これは社会発展のユーザの定義による多次元の指標を狙いとしたものです。



Yourtopia Italy:社会発展のユーザの定義による多次元の指標アプリケーション:italia.yourtopia.net

私たちは前回の金融危機の際に破綻した、ヨーロッパの銀行一覧とその時系列の視覚化であるFailed Bank Tracker(破綻銀行トラッカー)を作り、Automated Game Play Datasets(自動ゲーム・プレイ・データセット)をリリースしました。これはSmall Artificial Agents for Virtual Economies(仮想経済用の小さな人工エージェント)研究プロジェクトからの紙のデータとのコードで、セントルイスのワシントン大学のデビッド・レヴァイン教授およびYixinチェン教授によって実装されたものです。さらに最近私たちは、経済学における回帰結果の記憶領域および探索用プラットフォームのプロトタイプであるMetametrik をローンチしました。

MetaMetrik:計量経済学の結果の記憶領域および探索のためのプロトタイプ:Metametrik.openeconomics.net

また私たちは、学会、政策およびオープンデータ・コミュニティからの多様な範囲からなるパネリリストを備えたOKFestival で、オープンデータとテクノロジーが社会発展の計測方法を改善するのをどのようにして支援することができるかを議論するために、オープン・ナレッジと持続性に関するロンドンでのいくつかのイベントと話題をオーガナイズしました。

ブログとナレッジベース

私たちはオープンアクセスと同様に、経済学ジャーナルのデータ利用可能性に関するEDaWaX調査社会科学における予備登録クラウドファンディング、といった経済学研究の観点からオープンデータの利点のような課題に関してブログを書きました。さらに、私たちは、Statistical Memory of Brazil(ブラジルの統計的な記憶)、QuandlAEA randomized controlled trials registry(AEA無作為対象化試験登録簿)といったプロジェクトを提示しました。

私たちが引き起こした論争のうちのいくつかには大きな反響がありました。例えば、トマス・ハーンドンがハーバードの経済学者ラインハルトとロゴフの結果を複製しようとした際の著しい誤りを見つけた時、私たちはそのような誤りが起こり得る一方で、複製ができるようにデータを公表された研究で利用可能にしないことがより大きな犯罪であることを強調しました。

いくつかの結果と期待

私たちは、経済学のデータをオープンにするのは難しい事かもしれないということに気付きました。多くの経済学者はプライバシーや機密性のために、あるいはそのデータが自分のものでは無いがゆえにオープンにできないデータを利用しているからです。時として、データやコードを開示するのに十分なインセンティブが無い場合があります。多くの経済学者が、有料の情報を使ってデータセットを構築し、他の研究者より優位に立つためにに多くの資源を費やしています。

これまで先頭に立って適切な箇所にデータが利用可能であることという要件を求めてきたジャーナルもあります。また、資金提供者はデータ管理と共有の計画を要求してきました。しかし、より一般的な実装と施行はまだ不足しています。しかしながら今では、研究者がデータとコードを含む研究内容を格納し共有することができる、より多くの利用可能なツールとプラットフォームがあります。

経済データを共有することで、さらに次のような大きな利点があります。研究結果の調査を可能にし、研究を複製する可能性を与えます。研究の視野を広げ、データの新しい用途を促進します。データ収集などのための不必要なコストを回避できます。

私たちは、将来、大学院学生やなりたての専門家を含む経済学研究者の世代にとってデータとコードの共有が、より自然になるプロジェクトに専念することを望みます。

連絡先

ツイッターの@okfnecon をフォロー、オープン・エコノミクス・メーリング・リストにサイン・イン、openeconomics.netで私たちのプロジェクトと資源をブラウズ。

原文(2013/8/30 Open Knowledge Foundation Blog 記事より):
Original post Open Economics: the story so far… / Velichka Dimitrova, licensed under CC BY 3.0.

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