参加型民主主義用に登場してきたツール

2015年5月9日 in News


(訳注:この記事はGovlab Blog 記事の日本語訳です)

政府の政策立案やサービス提供のやり方を変える際の新しいテクノロジーの役割を探究するにつれ、より効果的というだけではなく、より合理的な意志決定を育成する可能性を持つテクノロジーのひとつの形が出現しつつあります。それが各地にまたがるグループによるコミュニケーションをとりまとめるためのプラットフォームです。

このようなツールはビジネスの世界で長らくグループウェアとして知られてきましたが、より参加型で多様な声を取り込む民主主義を可能にするという目的で政府と市民の間の会話と協力を促進するために、今では適応されていたり用途に特化したものになっています。

議題の設定、解決策のブレインストーミング、先に進む道筋の選択とその実施、または何が有効かを評価するための共同作業など、その目的は様々ですがここにあるのが参加型民主主義のための新しいツールの例です:

議題設定とブレインストーミング:Loomio は、中小規模のグループが共同で意思決定しやすくするようにデザインされたオープンソースのツールです。参加者は与えられたトピックで議論を始め、人々を会話に招待することができます。会話が進むにつれ、誰でも投票を提案することができます。これは、合意に基づく意志決定ができるように特にデザインされたものです。

Googleモデレーターは、ユーザーが登録した質問、提案、およびアイデアをランク付けするためにクラウドソーシングを利用するサービスです。このツールは、質問を登録したりトップの質問について賛成か反対かに投票したりして、多くの人々からのフィードバックを管理します。DeLib Dialogue Appもまた参加者がアイデアを提案し、コメントと議論を通じてそれらを練り上げ、評価によって最もよいアイデアをトップに持ってくることができる、イギリス発のサービスです。そして、Your Priorities は、市民がアイデアに対して声を上げ、討論し、優先度を付けられるサービスです。

投票:Democracy 2.1OpaVote は、人々がアイデアを登録し、討論し、そして投票することができるツールです。Democracy 2.1 は、最高4つの等しく重み付けされた「プラスの票」と2つの「マイナスの票」まで加算できる追加オプションが、有権者に提供されています。OpaVote は、有権者がひとりの候補者を選ぶか、ランク付け選択承認投票を使用するか、あるいは投票方法の任意の組み合わせを使う選挙ができるようにデザインされています。

立案:DemocracyOS は、法案や政策提案を共同作成できるように特にデザインされたものです。このツールで、多くのユーザーは、最初からまたは既存の草案を流用して提案を作り上げることができます。現在いくつかの都市での利用において、これは最終的な意志決定者が、依然として選出された官僚や公務員に依存しているプロセスに市民からのインプットを持ち込めるようにデザインされています。Hypothes.is は、一緒に立案するための、文書を共同で解説するのに使える注釈ツールです。

議論とQ&A:Stack Exchange を使うと、コミュニティ専用のフリーな質問と回答の掲示版を構築できます。このサービスを使って他の人が回答できそうな、高頻度で、肌理の細かい、事実に基づく質問がグループにある時には最適です。マーケットには広範囲にわたる議論と協議のためのツールが多数ありますが、フリーのオープンソースプラットフォームがDiscourse です。これはStack Exchange の共同設立者のうちの1人が作成したものです。Discourse は非同期の議論のためにデザインされています。その結果機能は、市民の生産的なオンラインでの会話とコミュニティ構築を創出するために最適化されています。

これらは全て汎用的な市民参画ツールの例です。また、市民科学プロジェクトのためにカスタムデザインされたCrowdcrafting などの特定の種類の参加型作業のためのプラットフォームが急増しています。

これらのツールのそれぞれは、統制のためのツールの使われ方によってその経験を共有することがうれしいという以上のユーザーと開発者の強力なコミュニティを持っています。
(プラットフォーム作成者のインタビューがいくつかありますので、GovLabのDemos for Democracy ビデオシリーズをチェックしてみてください。)しかしながら成功のためには、プラットフォームを問わず、取り組むべき課題をはっきりと定義し、参画が求められている聴衆を知り、オープンさがいかにプロセスを改善するかというクリアなアイデアを持っていることが不可欠です。

参加型民主主義は小さく始めることができます – チームや拠点内で、あるいはより幅広い一般大衆と。これらの新しいツールの使いやすさのおかげで、今日からでも始めることができます。

原文(2015/3/11 GovLab Blog 記事より):
Participatory Democracy’s Emerging Tools / Beth Noveck, licensed under CC BY-SA 4.0.

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Shu Higashi (東 修作)

Written by

Georepublic Japan に勤務。OKJP事務局長及びオープンストリートマップ・ファウンデーション・ジャパン 事務局を兼務。Code for Japan設立発起人。内閣府電子行政オープンデータ実務者会議利活用推進WG構成員。 OpenStreetMapという自由な世界地図を作る活動をきっかけにオープンデータの活動に関わりはじめました。主な関心領域はデータのライセンシング、コミュニティ活動、市民参画、国際連携など。 投稿記事の内容はあくまで個人としてのものであり、所属する組織を代表する見解ではありません。