「野菜は誰がどこまで加工すべきか」問題

2017年2月23日 in 未分類


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ファイル形式がcsvではあるけれども、データが正規化されていないということで内閣府が批判されている(詳細はこの記事の最下部からリンクしてある)。「こんなCSV読めるかばかやろう」「トンデモ」「ゴミ」「bad data」「ダメなcsv」といった表現が見受けられる。かなりひどい言われ方だ。

望ましい形式に対してまだまだ距離があるというのは確かにそうなんけれども、これを罵倒していたら、データを提供する側がより慎重になってものごとが進まなくなるだろうと私は考えている。また、新しいことをやりたくない行政職員に格好の「やらない理由」を提供することになってしまうだろう。

データの整形に人手がかかる、予算が要る、時間がかかる、優先順位を検討する必要がある、形式を決める必要がある…。そういって、「だから今はやらない」ということになるんじゃないだろうか。

最近はこの問題を野菜に例えて説明している。農家の人が「この場所にある野菜を自由に使っていいですよ」と言ってくれ始めたのが、今の状態。じつはもともと畑は共有地であるので、野菜をみんなが自由に使えるのはある意味当然なのだけれども、ともかく今まではそうではなかったので、使えるようになってとてもよかったと思う。

しかし、現状は使いたい人が自分で野菜を収穫しないといけないし、泥はついているし、形も不揃い。当然、カットされてもいない。

それに対して、キッチンで包丁を持って立っている料理人が、こんなもの料理に使えるかと怒っている。今すぐ料理に使えると思っていた人が怒るのは当然だろう。

でも、農家の人からすると、さいの目切りとかいちょう切りとか短冊切りとか言われても知らないし、どの野菜をどの切り方にすればいいのかわからない。そこまでしないと批判されるのなら、「野菜を使っていいですよ」というのもやめたくなるかもしれない。今後は6次産業化していく農家が増えるだろうし、消費者についての理解を深めることは生産にも役立つだろうから、農家が料理法を知るのはいいことではある。でも、それをいま知らないからといって激しく批判されるというのは、ちょっと可哀想だ。

いま必要なのは、農家と料理人の間に入って野菜を加工したり流通させたりする役割だろう。野菜を収穫して洗って、大きさ別に分けたりカットしたりして、料理人に使いやすくする人が必要だ。

※この内容はもともと、私のFacebookへの投稿である。コメント欄ではさまざまな意見がとびかっており、私もなるべくコメントを返すようにしながら自分の意見を整理したり、勉強したりしている。このやり取りを踏まえて、後でどこかにさらに文章を書いてみようと思っている。

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Masahiko Shoji

Written by

庄司 昌彦(しょうじ まさひこ)一般社団法人オープン・ナレッジ・ファウンデーション・ジャパン代表理事。国際大学 グローバル・コミュニケーション・センター(GLOCOM)准教授・主任研究員。1976年、東京都生まれ。中央大学大学院総合政策研究科修士課程修了。おもな関心テーマは情報社会学、電子行政・オープンガバメント、地域情報化、社会イノベーションなど。2010-12年、内閣官房IT戦略本部「電子行政に関するタスクフォース」構成員として「電子行政オープンデータ戦略」につながる議論に参画。2016年3月より内閣官房IT総合戦略室オープンデータ伝道師。2015年より総務省地域情報化アドバイザー。その他、一般社団法人インターネットユーザー協会(MIAU)理事なども務めている。著書(共著)に『地域SNS最前線 Web2.0時代のまちおこし実践ガイド』(2007年、アスキー)など多数。