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インターナショナルオープンデータデイ2017のプレイベントを開催

2017年1月24日 in Featured, News

1月23日の夜に、インターナショナルオープンデータデイ2017のプレイベントを開催しました。話題提供やツールの紹介、開催内容のご紹介をしてくださった皆様、会場でご参加いただいた皆様、ネット中継をご覧くださった皆様、ありがとうございました。

イベント概要はこちらをご覧ください
インターナショナル・オープンデータ・デイ(IODD)2017 プレイベント(オープンデータ・トークシリーズ 第19回)
http://iodd2017pre.peatix.com/

私は冒頭でオープンデータデイ2017についてのご説明(資料1)と、23日時点での開催地登録状況(資料2)を紹介しました。
資料1では、オープンデータデイって何?どうすれば準備できるの?ということをまとめてあります。
資料1.International Open Data Day 2017
 資料2.開催地登録状況はこちら

会場からのTweetは、#odtalk #iodd2017 でご覧いただけます。こちらもぜひ、ご覧ください。

okfj

by okfj

インターナショナル・オープンデータ・デイ2017開催地募集開始

2016年12月12日 in Events, Featured

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既に一部でお知らせしておりますが、恒例となりましたインターナショナル・オープンデータ・デイ(IODD)の開催日程について、次回は2017/3/4(土)に正式決定しました。

前回(2016年)は国内では67か所の会場(都市)で約2266人の方々にご参加頂きました。世界全体でみても、日本は全参加都市の25%と、大きなプレゼンスを示しています。
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日本では「官民データ活用推進基本法案」がつい先日衆参両院を通過し、成立しました。これによりオープンデータの推進は法的な後ろ盾を得たことになります。世界の動きからも目を離せませんが、私たちOKJPとしては引き続き多方面よりオープンデータの推進を支援する活動を継続していきたいと考えています。

IODDはオープンデータについて、やりたい人がやりたいことを世界中でやるお祭りです。基本的に当日の計画や運営等は各地のみなさまに自主的に進めていただきます。つきましては本日よりIODD2017の国内開催地の募集を開始致しますので、下記参加登録フォームよりお申込みください。個人での活動というよりも地域を巻き込んだ活動を推奨しておりますので、基本的に開催地単位でのお申込みとなっております。

【参加登録フォーム】

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdteZzgqGWnENJ8Wt8z_G_r_KrUyBaAhQbhV-naAvyuB-Kw8Q/viewform

登録内容は開催規模の把握や、主催者の方との直接連絡に利用させて頂きます。全体的な連絡事項等は主にfacebookの公開グループ「Open Data Day 主催者連絡用」にて行う予定ですのでそちらもご参照ください。

OKJPとしては前回は内閣府IT室のご協力を得て当日メディアセンターより情報発信致しましたが、次回のプランは未定です。決まりましたら改めてお知らせ致します。

それでは多数のみなさまのご参加をお待ちしております。Enjoy International OpenData Day!

【参考】前回の様子

横須賀でオープンガバメント推進協議会のシンポジウムが開催されます

2016年10月25日 in Events, Featured

Open Knowledge Japanが特別会員として参加しているオープンガバメント推進協議会が、11月26日(土曜日)に神奈川県横須賀市でシンポジウムを行います。

協議会に参加する自治体の首長によるパネルディスカッションや、地域経済分析システム(RESAS)を活用した職員研修事業の成果パネル展示と参加者投票によるコンテストなどが行われます。

オープンガバメント推進に積極的な自治体が集まるシンポジウムに、ぜひご参加ください。

【名 称】平成28年度オープンガバメント推進協議会公開シンポジウム
【日 時】平成28年11月26日(土)13時30分開場、14時開会(17時終了予定)
【場 所】セントラルホテル4階 ダイヤモンド(横須賀市若松町2-8)
【参加費】無料
【座 席】全席自由席(一部関係者席あり)
【申込方法】下記いずれかの方法によりお申し込みください。
メール:upi-pc@city.yokosuka.kanagawa.jp
FAX:046-822-9285

【プログラム】
※開始まで、ポスターセッションへのアイデアや意見の書き込み・投票を実施

14:00~14:05 開会挨拶(5分)オープンガバメント推進協議会会長 熊谷俊人(千葉市長)

14:05~14:10 開催市挨拶(5分)オープンガバメント推進協議会 吉田雄人(横須賀市長)

14:10~14:30 基調講演1(20分)テーマ「オープンデータの活用による市民参加の促進」
講師:Open Knowledge Japan代表理事庄司昌彦

14:30~14:50 基調講演2(20分)テーマ「地域経済分析システム(RESAS)の現状と今後」
講師:内閣府地方創生推進事務局企画官田岡卓晃氏(調整中)

14:50~15:20 RESAS活用研修優秀提案プレゼンテーション(30分)

15:20~15:30 総評(10分)テーマ「RESAS活用研修の振り返りと今後への期待」
講師:一般社団法人オープンガバメント・コンソーシアム高橋範光氏

15:30~15:40 休憩(10分)

15:40~16:45 パネルディスカッション(65分)
テーマ「自治体経営におけるオープンデータ及びビッグデータの活用について」
パネリスト(調整中※参加自治体の首長)
モデレーター:Open Knowledge Japan 代表理事 庄司昌彦

16:45~16:55 RESAS活用研修優秀提案表彰式(10分)

16:55~17:00 閉会挨拶(5分)(調整中)

新しいオープン・ナレッジ・ネットワークの支部が日本とスウェーデンで始動

2016年9月22日 in Featured, News

(訳注:この記事は Open Knowledge International ブログ記事の日本語訳です)

今月はオープン・ナレッジ・ネットワークの2つの新しい支部が始動しました。日本支部とスウェーデン支部です。支部はオープン・ナレッジ・ネットワークの中でいちばん発展した形で、ファウンデーションからは法的に独立しており、了解覚書によって提携します。現在の私たちの全支部一覧はこちらを参照してください。その構成のより詳細な情報はネットワーク・ガイドラインを参照してください。

オープン・ナレッジ・ジャパンは古参の団体のひとつです。2012年に立ち上がり、政府・自治体におけるオープンデータの利用について数多くのプロモーションを行ってきました。また日本におけるオープンデータ・デイの盛り上げを全国60以上の地域イベントとともに牽引しています。これは私たちの東アジアにおける最初の支部になります。

オープン・ナレッジ・スウェーデンは、1766年に最初のFOI(情報の自由)法を実装した土地柄ですが、依然としてそのプラットフォームであるFragastatenを通じてアクティブにプロモートしており、遺産の領域でアクティブなハックを行っています。彼らは現在EUが資金提供したプロジェクト「Clarity- Open EGovernment Services」の一部です。彼らはちょうどOKawardを開始したばかりです。これは、公共や企業のセクターからのオープン・ナレッジの貢献者への認知を高める、この地域最初の賞となるでしょう。彼らは北欧諸国ではお隣のフィンランドに次いで2番目の支部になります。
オープン・ナレッジ・ファウンデーションのグローバルネットワークは、スコットランドからカメルーン、中国からチェコ共和国まで、今や40ヶ国以上の団体を含んでいます。これらの団体のうち11箇所が今や支部として提携しています。専門の市民アクティビスト、オープンネスの専門家そしてデータ探索者といった人たちが実践するネットワークはオープン・ナレッジ・インターナショナルのミッションの、そしてオープン運動の森の中心に位置しています。

オープン・ナレッジ・インターナショナルのCEOであるPavel Richter は次のように述べています。「オープン・ナレッジの地域組織、とりわけ私たちの支部は、世界のオープン・ナレッジ運動の進め方をリードしています」「東アジアの、そして北欧諸国2番目の支部ができたのは、オープンネスへの需要が依然存在していることを示しており、新しい支部がどのように私たちの運動をリードするか、楽しみにしています」

日本でのオープンデータ・デイのイベントの中から。クレジット: OKJP


オープン・ナレッジ・ジャパン(OKJP)代表理事、庄司昌彦より「オープン・ナレッジ・ジャパンは日本におけるオープンデータの活用とオープン・ナレッジの運動を21人の専門家と10の法人とともに牽引してきました。公式にオープン・ナレッジ・インターナショナルの支部となったことは大変光栄であり、この喜びを日本の活発なオープンデータ・コミュニティと共有したいと思います。私たちはアジアの他のオープン・ナレッジのコミュニティ、そして世界中の仲間とともに前に進んで行きたいと思います。」

オープンデータ・デイでのOK SE のメンバー。クレジット: se.okfn.org


オープン・ナレッジ・スウェーデンの議長、Serdar Temizより「オープン・ナレッジにおける変革者ネットワークの緊密な一部となれたことを嬉しく思います。OKIの支部になることは、大きな喜びと栄誉です。オープン・ナレッジ運動の最前線にいる組織の一部になれて喜びに耐えません。最初の2年間で、OKIがOKコミュニティにおける私たちの活動を認知し、数少ない公式の支部になれたことは私たちの励みとなります。」

原文(2016/9/21 Open Knowledge Foundation Blog 記事より):
Original post New Open Knowledge Network chapters launched in Japan and Sweden / Open Knowledge International, licensed under CC BY 4.0 International.

4周年を迎えました。「オープン・ナレッジ」が豊かな社会へ。

2016年7月1日 in Featured, News

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オープン・ナレッジ・ジャパンは、今日7月1日に、前身である任意団体の設立から4周年を迎えました。

オープンデータについて政府・地方自治体の取組みが大きく進み、また、オープンデータデイの成功に見られるようにコミュニティの活動が世界トップクラスにまで活発化したことは、大きな成功だったと思います。

しかし、私たちの掲げているミッションは「データの活用を通じて人の行動やシステムの挙動が、より洗練され事実に基づいたものとなり、経済、人々の生活、民主主義、学術研究などの質が向上した社会を実現する」です。まだまだ、高い理想に向けた道のりの途中にいます。

今後は、行政機関だけでなく市民や企業も広くさまざまなデータを開放しあい、創意工夫にあふれた利活用が進むことで、「オープン・ナレッジ」が豊かな社会となるように活動を広げていきたいと考えています。

さらなるご支援と協働をよろしくお願いいたします。

オープンガバメント推進協議会に特別会員として参画します

2016年5月27日 in Featured, News

一般社団法人 オープン・ナレッジ・ファウンデーション・ジャパン(Open Knowledge Japan)は、2016年度より「オープンガバメント推進協議会」に特別会員として参加することとなりました。

オープンガバメント活用推進協議会は、「ビッグデータ・オープンデータの具体的活用策の検討及び活用推進」に資する取組み等を行い、「行政の効率性及び透明性の向上」、「市民サービスの向上及び市民主体のまちづくりの促進」、「産業の発展」に寄与し、市民・市内事業者にとって利便性の高い公平・公正な社会の実現に資することを目的に活動している団体です。武雄市・奈良市・福岡市・千葉市の4市が中心となって2013年に設立した「ビッグデータ・オープンデータ活用推進協議会」が母体となり、2015年から「オープンガバメント推進協議会」と名称を変更して活動を行っています。2016年度は千葉市の熊谷市長が会長を務め、千葉市が事務局を担当しています。

現在の参加自治体は、武雄市、千葉市、奈良市、福岡市、三重県、室蘭市、大津市、弘前市、横須賀市、郡山市、日南市、浜松市の12団体です。

オープンガバメント推進協議会の取り組み(千葉市ウェブサイト)
https://www.city.chiba.jp/somu/joho/kaikaku/bdodkyogikai-top.html

Open Knowledge Japanは、写真等のアーカイブの活用、インターナショナルオープンデータデイへの参加、日本版School of Dataに関心のある自治体の支援を行います。また秋に開催予定のシンポジウムのお手伝いもする予定です。

G7香川・高松情報通信大臣会合における「オープンデータ」への言及

2016年5月2日 in Featured, News


Seto Inland Sea

4月29日・30日に香川県高松市で開催されたG7情報通信大臣会合の成果文書「デジタル連結世界憲章」に「オープンデータ政策の推進」が明記されました。

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iii. イノベーションの促進
17. ICT は、貿易、金融、医療、教育及び運輸等の様々なセクターに影響を及ぼしながら、グローバル経済のあらゆる側面に浸透してきている。特に、ICTは、地方創生を促進し、失業及び格差を減少させ、更に人々を貧困から脱却させるような、持続可能かつ包摂的な経済成長を推進する。したがって、イノベーションにより創出される機会や便益を最大化させる戦略の開発が重要である。我々は、以下の取組を促進することで、これを実現する。

(a) 市場の開放
(b) 標準を通じた相互運用性の促進
(c) オープンデータ政策の推進
(d) 人材育成
(e) 知的財産の保護
(f) 研究開発及び新たな技術の受容の促進
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G7 情報通信大臣共同宣言では下記のように書かれています。
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ⅲ.イノベーションの促進
c) オープンデータ政策の推進

24.2013 年、G8 ロック・アーン・サミットは、予算データ及びその他の政府の情報を容易にアクセスできる方法で公開するための、革新的なオープンデータ憲章を是認した。情報資源を一般にとってアクセスしやすく、発見しやすく、利用可能にすることが、市民生活の向上及び起業家精神、イノベーション及び科学的発見を誘発することを認識し、我々は、引き続き、相互運用性及びオープン性を容易にするための枠組みを推進することに合意する。
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なお、新潟市で開催された農業大臣会合の宣言文の中にも、オープンデータに関する取り組みへの言及があります。
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12.農業及び食料安全保障政策のための信頼性のある統計及びデータ

我々の食料供給能力をモニタリングし、世界の食料需給構造の変化を感知することは、適正な農業政策の基礎である。我々は、農業市場情報システム(AMIS)への支持を再確認するとともに、全ての国にわたる信頼性がありかつ比較可能な統計情報の開発を促す。我々は、世界のステークホルダーによる農業と栄養のデータの入手、アクセス及び利用を可能にする「農業と栄養のためのグローバルオープンデータ(GODAN)」イニシアチブの重要性を認識する。
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オープンデータのインパクト・ケーススタディ15: 米国ニューヨーク市ビジネスアトラス

2016年4月9日 in Events, Featured

(訳注:この記事はGovlab 記事の日本語訳です)

競争の場の平準化

投稿者:Andrew Young, David Sangokoya, Stefaan Verhulst *

インパクト 新たな経済機会を創出

部門 ビジネス

場所 米国

レポートのダウンロード

概要

小売業の起業家はそれぞれの取引の専門家ではあっても、営業中あるいはその検討中である地区の経済状況についての質の高い情報にアクセスできないことがよくあります。NYCビジネスアトラスは、中小企業が新規ビジネスを開業したり、既存の事業を横展開したりする場所を決定するのに役立つ高品質なデータにアクセスできる公共ツールを提供することにより、その情報格差を緩和するように設計されています。このツールは、消費者行政局のビジネス・ファイリングデータ、財務省の売上税データ、国勢調査の人口統計データ、そしてPlacemeter (リアルタイムの交通情報にフォーカスしたニューヨークのスタートアップ)の交通データ、といったものを含む多様なデータを収集しています。

要点

  • 政府が目標とする取り組みを民間事業者と直接連携すると、オープンデータのインパクトを増幅することができます。このような「データ協働」は官民パートナーシップモデルを越えて、新しい形の協働を表しています。そこでは民間企業、研究機関、政府機関を含む様々な分野の参加者が、公共の問題の解決を支援するためにデータを交換することができます。2
  • 世界中の数多くの初期段階のオープンデータプロジェクトは単なる情報発信にフォーカスしていますが、次の段階ではターゲットとするユーザー中心のリリースを念頭に展開する必要があります。ここで論じている事例では、中小企業サービス部門によって行われたユーザー中心の取り組みは、ビジネスアトラスがとりわけニューヨークの中小企業のコミュニティに役立つように設計されたということを確認する手助けとなりました。
  • ニューヨーク市長のデータ分析室(MODA)は、行政府内外の人のためにデータから新たな洞察を得るのに必要な分析作業までも行うことによって、行政府が国民に生の形式でデータを提供する以上のことができるやり方の例を示しています。

背景

近年、都市生活はデータによってその姿を変えつつあるという認識が広がり始めていました。シカゴからロンドンやシンガポールまで、市の行政官や企画官は、将来の計画を立てるとか、道路の陥没や廃棄物収集といったありふれた日常の問題に対処するために、データに目を向けています。このような傾向の根底には、スマートフォンやセンサーなどのデバイスを通じて、都市部で(多くの場合、受動的に)生成される膨大な量のデータへの意識があります。エコノミスト誌の言葉を借りれば、今日の都市は「屋外のコンピュータ」であり「データ工場」なのです。3

2002年、マイケル・ブルームバーグはニューヨーク市の第108代市長として就任しました。ブルームバーグは、金融トレーダーにデータと洗練された分析を提供することでその財を為しました。彼の政権下では、市民が日々生み出している数テラバイトのデータからより大きな価値を抽出しようとしている世界中の多くの都市に、ニューヨークが参加するであろうことはおそらく不可避でした。

2013年に第306令の下、ニューヨーク市は市長データ分析室(MODA)を設置しました。4 その目標として「より効果的、効率的、かつ透明な行政府のために市のデータを活用する」ということが掲げられました。5 今日ではデータ分析室は、多種多様な情報源からデータを収集分析する、市庁舎に拠点を置くアナリストのチームを含んでいます。他の領域では、MODAは防犯、災害対応、公共サービスの改善、経済発展に取り組んでいます。MODAは現在、健康、ビジネス、公共の安全などに関連する12,000を超えるデータセットを収容するニューヨークのオープンデータポータル(https://nycopendata.socrata.com)を設置する際に重要な役割を果たしました。またMODAは、様々なニューヨーク市の組織間のデータ共有と相互運用性の強化を目指して情報の単一の統合リポジトリであるデータブリッジの設置に貢献しました。6 2015年7月には、市は2つの中心的な「信念」すなわち「すべてのニューヨーカーはオープンデータから利益を得ることができること」そして「そのオープンなデータは、すべてのニューヨーカーから恩恵を受けることができること」に焦点を当てた戦略文書「みんなのためのオープンデータ」の更新版をリリースしました。7

図1. ニューヨーク市のオープンデータポータル

こうした努力により、ニューヨーク市は一般的に米国(自身オープンデータバロメーターで第2位の国)でオープンデータへの取り組みでのリーダーだとみなされています。8 とりわけMODA は、オープンデータ・エコシステムにおける先駆的であり、真似されることの増えてきた組織です。この組織は、説明責任やイノベーションを進展させるためにオープンデータを公表する点のみならず、そのデータに対する分析作業を行うという点でも重要な役割を果たしてきました。その取り組みは、都市サービスの効率を測定したり、データ駆動型の予測を提供したり、ビジネスアトラスと同様に、政府機関や国民に対して多様な情報源から新たな洞察と可視化を提供するために高付加価値のデータセットを組み合わせる、といったことを含んでいます。

本稿執筆時点でニューヨークの主任分析官であるAmen Ra Mashariki博士に率いられたMODAによる分析の努力は、災害対応と復旧を支援し、市の機関の交付業務やサービスを改善し、市の機関相互のデータ共有を可能にし、データ分析におけるベストプラクティスを結晶化させ、そして本稿の記述で証明されているように経済発展に拍車をかけるために配備されました。9

ここで焦点を当てている領域や分析作業の種別の中で、MODAは意識の向上、成功の測定、インパクトの最大化、そして参画の増加という4つの中心的、包括的な目標に署名しています。10

Mashariki の前任者であり最初のニューヨーク市主任分析担当官であるMike Flowers は、MODAの初年度事業の後に発表された年次報告書で、シティのデータ事業でMODAが果たした重要な役割を次のように説明しました。「直前の3期の間に、私たちの行政機関が街をより安全に、ビジネスをより活気に満ちたものに、公園をよりきれいにするために利用する情報システムを開発しました。統計解析、エンジニアリング・スキル、ミッションや行政機関の組織構造(市政府のなぜ、何、そしていかに)の精査、といったものを混ぜ合わせることで、MODAは、これらのシステムを結びつけ、市が私たちの集合知と経験を活用できるようにして、いちばん厄介な課題に立ち向かいます。」11

MODA関係者によると、その使命とプロジェクトは、新たな分析機能の利用を試みつつ、ニューヨーカーのための身近で「厄介な」課題に焦点を当てています。例えば、MODAの分析ディレクターであるLindsay Mollineaux は、 MODAで物事を考える際には[現実のニーズに対処]することが要諦であり、すべてのプロジェクトがニーズに対処している、と述べています。私たちは自分たちのやっていることが役に立っているかどうかを確認したいのです。」

プロジェクト

2013年に開始したニューヨーク市のビジネスアトラスは、「分析による中小企業の成長駆動」を目的としたMODAによるより広範な試みの一環です。13 このより広範な努力はまた、総合ビジネス国勢調査も含みます。これはスーパーストーム・サンディの余波で発生し、当時は市が企業や経済に対する嵐の影響を完全に評価するために苦労しました。MODAがこの領域で取り組みを始める前には市内の企業の包括的な記録がありませんでした。MODAは、ニューヨーク市の企業や事業活動のより多くの「全体像」を組み立てるために、土地利用や地理データのデータベースであるPLUTOで作業することによって、この情報格差を埋めようとしました。

図2. ビジネス条件サイドバーとニューヨーク市のビジネスアトラス

ニューヨーク市ビジネスアトラスは、データの話になると、大企業のビジネス領域の周縁部は多くの場合、中小企業と重なっている、という認識を持っている市職員の間から生まれました。大企業は高額なコンサルタントを雇ったり、データ駆動型の研究を委託したりする余裕がありますが、中小企業は、新しく開業する場所や、規制の課題を回避する方法など、重要なビジネス上の意思決定を「勘」に頼る必要があります。Mike Flowers は大企業が保持している利点を次のように説明しています:「マンハッタンではたいてい、あなたはスターバックスにぶつからずに死んだ猫を振り回すことができません。彼らは、次の2点を把握するのに役立つ強固な基盤や能力を持っています。a)最初の場所としてどこで開業すべきか、そしてb)開業する場所の規制の課題を回避することについての知識。」彼は、特に中小企業にとって、データの不足が「慢性」の問題であり「皇帝アウグストゥスがローマの小さなビジネスを奨励しようとして以来、おそらく慢性的なものです」と付け加えました。

様々な紆余曲折がありつつも、ビジネスアトラスの取り組みは、中小企業のオーナーが市政府にはサポートを受けているというよりも包囲されているというふうに、いかによく感じるかということに関するMODA内の議論をフォローし始めました。Flowers は、健康の規制への準拠の度合いに基づいてレストランにアルファベットの等級を割り当てる市のレストランの評価システムは、大規模なチェーンやレストランに利益をもたらす傾向があることに留意し、典型的には「そのインフラの規格適合をサポートするための手段と制度についての経験や制度に関する資源」を持っている、ということに言及しました。ビジネスアトラスは規格適合に関する特定の洞察からは離れたピボットを表しますが、大きなチェーンに対抗するための新しいツールによる中小企業経営者の武装と合致しています。17

ブルームバーグ市長の主任政策顧問であるJohn Feinblatt の言葉によれば、ビジネスアトラスは、「中小企業の所有者の手に質の高い研究を置くことで」情報を「民主化」します。多くのデータ(すべてではない)は、例えばシティのオープンデータポータルを介して、ビジネスアトラス内に既に存在しており、理論的には中小企業のオーナーは少なくとも利用可能であった、ということに着目するのは重要です。しかしながら前述のように、それは断片的な形であることが多く、いずれもビジネスアトラス内に含まれている洗練された分析や可視化のレイヤがありません。これがあれば起業家にとって、データをはるかに入手しやすく有用なものとすることができます。ビジネスマンはmaps.nyc.gov/businessatlas にアクセスして地区を選択すると、このツールを利用できます。このアプリで取り出すデータには人口、年齢別人口分布、平均家計所得、子供のいる世帯数、住宅所有者対賃借人、その他地区固有のもろもろが含まれています。ビジネスアトラスそのものが自由に利用できるだけでなく、ユーザーはまた、シティのビジネスセンターで開催される無料のトレーニングセッションに登録することができ、これはツールの有効活用に役立ちます。19

このプラットフォームの最も重要なデータの一つは、様々な地域の徒歩通行量です。この情報を収集するために、ニューヨークは、地域のスタートアップ企業であり独自スタイルの「都市インテリジェンスプラットフォーム」であるPlacemeter と提携しました。Placemeter はカメラ(既存の市町村道の交通監視カメラとセンサー付きのIPカメラを含む)を利用して、地域を通じて人口の動きを評価します。結果として得られる情報は、歩行者と車両交通データの両方を含んでいます。分析作業の多くはアルゴリズム的に行われている一方で、Placemeter も ビデオを分析し、アルゴリズムによって行われている作業のランダムな品質チェックを実施するのに人間に依存しています。得られたデータはビジネスマンに見込み顧客数の指標を与え、その結果場所に関連するビジネス上の意思決定のガイドを支援しています。22 ニューヨーク市もクラウドソーシングの情報を利用してデータを補完する計画を持っています。ビジネスアトラスの重要な部分ではありますが、公共空間の定量化に関するPlacemeter の取り組みは、これから市が取り組むプライバシーの問題につながる可能性があります。したがって、Placemeter はこれらの懸念を緩和する次のような具体的な措置を講じています。a)全ビデオ中0.01パーセント以下を品質保証の目的でのみ記録・保存し、リアルタイムに処理する。b)特定のIDなどが付与されない、歩行者の匿名の件数だけを提供する。元米国副最高技術責任者(CTO)Nicole Wong も、同社のプライバシー顧問として関わっています。23

アトラスには、Placemeter のデータ以外にも様々な政府部局や外郭団体から引き出されたデータがあります。そこには消費者問題省、財務省(例えば、売上税情報)、そして国勢調査の結果から人口統計データが含まれています。アトラスは、ニューヨーク市の健康及び精神衛生局(DOHMH)、企業健全性委員会(BIC)、環境保護局(DEP)、都市計画局(DCP)そして建設局(DOB)といった部門から共有した情報のみならず、州および国のオープンデータでもこのデータを補足しています。24 MODAのタスクは多くの場合、すでにオープンにされ、一般に公開されていたデータセットの組み合わせと分析に関わっていました。別のケースでは、データのリリースを確保するため、MODAにさらなる努力が要求されました。例えば、財務省の売上税データは個人識別情報が含まれているために保護されています。このデータをアトラスに含めるために、MODAは、最初の匿名化プロセスを通じて個人情報を剥ぎ取る必要がありました。

「アトラスを設計する上で必要なデータの一部は私たちには明らかでしたが、問題は起業家にとって何が役に立つのかということと、情報過多とのバランスでした。」
– Lindsay Mollineaux、市長データ分析室

ひとつの場所ですべてのデータを結合するために、アトラスの作成チームは、いくつかの技術的、概念的な課題を克服しなければなりませんでした。例えば、できるだけ多くのデータが市のデータブリッジ(前述)から引き出された一方で、データセットの互換性に関する避けられない問題がありました。データの標準と形式との間の違いは、ひとつの利用可能なツールに複数のデータストリームを結合するための努力において、重要であり時間のかかる課題を生み出します。さらに、地元企業のための正確なデータを見つけることが予想よりも困難であることが分かりました。Mollineaux が説明したように、各産業は、部門をまたぐ地域ビジネス情報を正確に表現したり統合することが困難になる、独自のライセンス規定(例えば書店のようなビジネスにはまったくライセンス要件はありませんが)を持っています。

ユーザー中心設計および中小企業サービス局との提携

NYCビジネスアトラスの一般的な価値命題は最初から明らかでしたが、MODAは中小企業(そのターゲットとするユーザー)のニーズに本当に合っているかどうかを保証するために、ニューヨーク市の中小企業サービス局(SBS)との提携を決めました。Mollineaux が指摘したように:「アトラスを設計する上で必要なデータの一部は、私たちには明らかでしたが、問題は起業家と情報過多との対比において有用なものは何かということでした。SBSは、私たちの主題の専門家を努め、実際の起業家(例えば、パン屋の開業について相談に来るかもしれません)とのインターフェースを取り、そのニーズに直接応えるためにアトラスを利用することができました。 …私たちはいつでも、主題の専門家であり、成功がどのように見えるか定義することを手助けできるクライアント機関と提携します。」

民族誌的な研究とインタビューを通して、SBSはMODAが様々なタイプのユーザーに最も関連しているものを判断するのに役立つことができました。例えば、MODAは元々所定の地理的位置のためのスコアとして、ビジネスや人口統計情報の一部を表示することにフォーカスしていました。SBSの支援を受けて集まったユーザーからのフィードバックは、実際には、起業家はあまり集約されていないデータにより興味がある、ということをMODAが認識する手助けとなりました。ほとんどのビジネスマンは、画一的な評価よりも基礎となるデータを望んでいました。そのため、データは現在では、単純な評価や等級よりもむしろユーザーが独自の結論を出すことができるように分解された「生の」形式でマッピングされています。

プラットフォームの情報基盤を補完するために、SBSとの提携に加えて、MODAはにニューヨーク市の図書館システムと提携して利用を後押ししました。研究は、多くの起業家が新たなビジネスを開始する方法への洞察を得るのに地元の図書館に依存していることをFlowers と彼のチームに示していました。潜在的ユーザーであるこの聴衆を念頭に、MODAは図書館職員と一緒に作業したり訓練したりして、潜在的な起業家にプラットフォームを紹介し、本質的に「中小企業のカウンセラー」としてふるまうようにしました。

最終的に、異なる機関や研究機関と提携するMODAのアプローチが顕著に実りあることが証明されています。Flowers によれば、これはビジネスアトラスを末永く使ってもらうための、よく考え抜かれた戦略の一部です。Flowers が言うように「あなたは、公務員を参加させる必要があります。…主要な参加者として彼らを参加させない場合は、取り組みの成果は次の選挙で全て失われるでしょう。」

インパクト

世界中の多くのデータ駆動型都市プロジェクトと同様に、ビジネスアトラスは、データの大量の存在とオープンデータの可能性について十分な情報を持ち、認識している比較的洗練されたユーザーベースの恩恵を受けています。この貢献的な生態系は、実態がありかつほぼ即時の、プロジェクトの意図する受益者へのインパクトに翻訳されています。

意図した受益者

起業家や中小企業経営者

  • ビジネスアトラス内に収容されたデータを最も直接的に利用するコミュニティ。
  • 通常大きなコストが掛かる市場調査データや分析に無料でアクセスできるようになると、意思決定機能が改善される。
  • アトラスが提供する市場機会のエビデンスは、新規事業のための資金調達と投資を確保するために有用であろう。

ニューヨーク市の市民

  • 中小企業の起業家に意思決定支援を提供することにより、ビジネスアトラスはニューヨーク市全体の新たな雇用の創出を可能にすることを目指している。
  • ビジネスアトラスの洞察に基づいて開業した新規事業の結果として、消費者がそれぞれの地域社会のニーズをターゲットにした新規事業の流入を目にするはず。
  • とりわけ、市内で伝統的に行き届いていない地域の住民は、コミュニティレベルでのニーズと機会のより深い理解の結果として、その地域で開業した新規事業の恩恵を享受する。

市場調査のための競争の場の平準化

ビジネスアトラスの最も重要なインパクトの一つは、大企業と中小企業間の競争の場を平準化する方法です。MODAの2013年の年次報告書は「主要な全国規模の小売業者が新しい店舗をオープンしようとする場合、企業が新しいビジネスを始める場所を決定する手助けをしてくれる洗練された地区市場調査を委託することが多い。」と指摘しています。31 この種の調査は、多くの場合中小企業にとってはあまりにも高価です。しかし、元ブルームバーグ市長の主任政策顧問John Feinblatt が述べているように、ビジネスアトラスは「…質の高い調査を中小企業オーナーの手にもたらすことで、民主化を進めるのです。」32

中小企業は、データへのアクセス権を持っている場合であっても(例えば、公報やその他の情報源を通じて)彼らはそれを処理し、理解するための分析能力を欠いているかもしれません。ここでもビジネスアトラスは、その洗練された分析と可視化ツールが大企業と中小企業の間の競争の場を平準化するのに、強力な役割を果たしています。自治体チーフデータオフィサーの会議で、ニューヨーク市の主任分析担当官のAmen Ra Mashariki は、このようなデータと分析が中小企業に力を与えることができる多くの方法を指摘しました。彼はローンを組むために銀行にアプローチしている起業家の例を挙げました。ビジネスアトラス内に含まれる情報を用いて、起業家はビジネスの持続可能性と可能性について、実際の証拠に裏付けられた、はるかに説得力のある事例を作り出すことができます。33

ビジネス改善地区(BID)の分析を可能にする

ビジネスアトラスのさらなるインパクトは、自身の取り組みのためにアトラスを展開するSBSの狙いに明らかです。現在、SBSはビジネス改善地区(BID)がいかにニューヨークにおける経済成長に拍車をかけているかの分析を支援するためにアトラス内に含まれるデータを使用することを計画しています。BIDは「財産とビジネスの所有者が自らの商業地区の維持、開発および振興に集団的貢献をすることを選択した 」官民のパートナーシップです。34 今や適切な場所にあるデータにより、ビジネスアトラスのおかげで、SBSは経済の変化、商業投資および事業活動といった面でBIDの各地区を比較することができます。これによってSBSは今度はこれまでどのBIDでインパクトがあったかを識別し、市内全域でその成功を複製するためのベストプラクティスを開発することができます。

市場調査データの新たな利用可能性から利益を得ることを示す、別の特定のコミュニティへのBID地点の成長を促進するためのビジネスアトラスの展開:十分なサービスを受けていないニューヨークの地区の住民。Mashariki が指摘したように、「市の機関はまた、大企業に呼びかけ、別な方法で避けられたかもしれない地区の位置を公開するための十分な理由があるということを彼らに示すためにビジネスアトラスを利用することができます。」35 直感(またはメディア主導のバイアス)に純粋に基づいて位置ベースの意思決定を行う代わりに、企業は今やデータを詳しく見て、説得力のあるビジネスケースを提供する、十分なサービスを受けていない地域を見つけることができます。これは企業のみならず消費者のためにも、ビジネスアトラスが競争の場を平準化する可能性を秘めている、もう一つの方法です。

ニューヨークや海外でデータ分析のイノベーションに影響を与えるということ

今回の一連のケーススタディに含まれる事例の多くと同じように、MODAの取り組みは、他の類似のオープンデータプロジェクトの開発に拍車をかける、重要な波及効果がありました。Flowers はビジネスアトラスは「オープンデータは単にYelpのアプリを構築するだけでなく、はるかに多くの有意義な使い方ができるということを示すために、壁の容量を通じて、確かにこのバーストを持っている。」と述べています。最近、例えば、ニューヨーク消防局(FDNY)はMODA独自の分析チームをモデルにした分析ユニットを立ち上げました。FDNYチームの努力にはリスクベース検査システム(RBIS)の開発と利用が含まれ、これは「火災の危険性が最も高い建物を特定し、消防検査の優先度を付ける部門を可能にします。」37 データはFDNY のデータウェアハウスや都市計画、建築物などを含む他の都市のデータベースからデータブリッジを使用してプールされています。38 このユニットとその分析プラットフォームを立ち上げる際には、FDNYは建設的パートナーシップの一例と市の部局にまたがる相乗効果を提供するMODA と直接一緒に取り組みました。39

NYC内MODAの波及効果の別の例は、違法な建築物の変換に関する苦情を管理するためのNYCの建築物部門プロジェクト、その場で情報提供する市内311の活動である「311シティ・パルス」プログラム、および災害対応に関するデータの収集と共有メカニズム、といったものに見ることができます。40 これらのプログラムはすべてMODA が適用し、テストしたレッスンと指針を利用しました。

他の都市もまた、ニューヨークのオープンデータの取り組みに気づいています。ロンドンに拠点を置く首都財団は、、例えば、ロンドンは「スマートシティ」になるための努力においてビジネスアトラスのようなプロジェクトに目を向けるべきであることを提案しています。財団は最近の報告で次のように主張しています。「企業がロンドンのある部分から来る顧客にアピールしたい場合、ロンドン交通局(TFL)からのデータは、人々が輸送網の中に入り、そして出て行く場所を正確に示しています。それによって人々がどこから来てどこへ行くかが分かるマップを作成することができます。どの地下鉄やバスが止まるかを知るのは、ビジネスを近くに配置するのに役立つ可能性があります。これらの種類のデータセットを利用可能にするオンラインツールの作成は、ニューヨーク市で始まったアイデアを元に構築されるでしょう。」41 同様なデータ分析チームへの欲求は、教訓とMODAのベスト・プラクティスが次第に世界中のイノベーターと政策立案者に共有されているので、広がり続ける可能性があります。42

課題

対話の機会

ツールは実際に人々がそれを使ってこそ有用であるといえます。そのため、ビジネスアトラスがより多くのビジネスマンに、ビジネスの開業を検討しているかもしれない、コンテキストの理解を与える主要な機会を提供している一方で、国民にその機会を伝達することは幅広い利用を保証するための重要な進行形の課題となるでしょう。Mike Flowers は次のように述べています:ビジネスアトラスは、数年におよぶマクドナルドやサブウェイへの嗜好によって享受されてきた種類の市場調査の洞察力と能力である(架空の)「ナディーヌのブリトー」を与えるための努力の一環です。しかし、ナディーヌ(と数千もの彼女のような小さな起業家)はこの情報の可用性には何かしら挑戦が残されたままであると認識しています。
そのためには、すでに市の図書館で行われている啓発とアウトリーチが不可欠でしょう。また、Flowers は開発者がビジネスアトラスに収容されたデータを取得し、新しいアプリケーションを作成できるようにするには、アプリケーション・プログラム・インターフェース(API)の作成が、より広く、そのデータを発信することを手助けできると考えています。

技術的な課題に対処

ビジネスアトラスを成長させるための多くの野望を達成するには、MODAもネックになりそうな多くの技術的課題に対処する必要があります。先に述べたように、例えば、様々な種類の企業は、典型的には異なるライセンス要件を有しています。Mollineauxが指摘しているように、これは、ビジネスのさまざまなカテゴリ向けに存在していたり、異なるソースからデータを一緒に取り出して有意に分析したりすることを難しくする様々な「データの文脈」、といったより一般的な問題のほんの一例です。

過去には、MODAは、このような困難を克服するために独自のアルゴリズムを多数書いています。しかし、課題は残っており、政府機関がより多くのデータを追加する計画を立てるにつれ、それはおそらく増える可能性があります。別の機関やグループから取り出されたデータの大規模なソースを組み合わせ、調和させるための新しい方法を見つけることは、その範囲を広げ、その取り組みを拡大しようとしている機関が直面する重要なタスクの一つです。

データの粒度を改善

ビジネスアトラスに含まれている情報は、営業するのに適した(または適さない)地区を特定しようとしているビジネスマンにとって非常に有用であることが分かっています。しかし、Flowers が指摘しているように「ニューヨーク市の各地区は、アメリカのたいていの町よりも大きいのです。」さらに彼は、その有用性を高めるために、ビジネスアトラスは、そのユーザーに提供する、分析における粒度のより細かいレベルを提供するやり方を探すことができる、と言い添えています。例えば、おそらく、地区レベルの情報を越えて動かし、5または10ブロックが含まれるエリアに焦点を当てられる可能性があります。

今後への期待

MODAは多くの点で、ニューヨークの市民や政策立案者が意思決定を行う方法を変更しました。ビジネスアトラスは、たとえひとつでも、特に大きな可能性を持つ、ほんの一例です。ビジネスアトラスの初期の成功と肯定的な反応に鑑み、MODAはそれをスケールアップし、今後数年間でその範囲を拡大する計画を立てています。

ビジネスアトラス2.0:新しいツールと機能

ビジネスアトラス2.0はMODAが現在、元のビジネスアトラスに追加することを計画している新しいツールや機能強化のスイートに適用される名前です。定期更新に含める予定の新機能の一部は次のようなものです:47

  • ビジネスマンが複数の場所を比較することができる機能
  • 日々の地下鉄乗客情報を含むより多くの交通情報
  • Placemeter の交通量の正確性と完全性を補足することを意図した、徒歩や乗り物によるクラウドソースのデータ
  • 起業家が、そのニーズや仕様を入力し、その事業のために潜在的に適切な場所を識別することができる「ソルバー(解決機能)」ツール

MODAはまた、失敗のリスクがある事業を特定し、積極的に他の中小企業からの支援を提供することによって、それらを標的とする予測分析ツールを追加することを検討しています。この「標的と援助」は、例えば、ローンの提案やその他の金融支援の形をとることになるでしょう。48

パートナーシップとコラボレーション

新機能を展開することに加えて、MODAは、ビジネスアトラスの範囲と有用性を高めるために設計された既存のパートナーシップを強化したり新しく開始したりする予定です。上述したように、MODAはすでにニューヨークでビジネス改善地区の経済成長を分析するために、SBSと提携しています。このパートナーシップは、経済成長に最も資する共通の特性や行動を識別するという点に特に焦点を当てて、継続し、拡張されます。目標の一つは、市の経済成長につながる一連のベストプラクティスを識別することです。

さらに、MODAは、多数の外部機関、研究機関、企業や個人とのパートナーシップを継続し、開始する予定です。49 学術・研究分野では、MODAはすでに、ニューヨーク大学の都市科学と進歩センター(CUSP)、コロンビアのデータサイエンス・センター、レンセラー工科大学とパートナーシップを結んでいます。マイクロソフト研究所とのMODAのコラボレーションは、具体的には311 SMSメッセージへの自動応答に関するプロジェクトに焦点を当てています。MODAはまた、新しいプロジェクトを開発したり、ユーザーからのフィードバックを収集するハッカソンを通じて一般市民と密接に連携したりしています。

Placemeter との取り組みの多くは、単一の一度限りのコラボレーションとして発生しましたが、スタートアップによる新しい取り組みはビジネスアトラスを補う、将来の機会につながる可能性があります。Placemeter のための次の大きなステップは、「実際にあなたの地区の車の速度をリアルタイムに測定し、次にあなたの地区と市職員のみならずより広い利益のためにそのデータを収集する能力です。」これはビジョンゼロ(ニューヨーク市における交通死亡事故をゼロに減らすというビル・デブラシオ市長の使命)において大きな役割を果たすだけでなくビジネス向けに付加的な交通量情報を提供できる可能性があります。

これらおよび他の変更は、計画済もしくは既に進行中のいずれかです。しかし、今後数年間で最も重要な変更や追加の多くは予測不能であり、そしておそらくユーザー側から直接出てくるでしょう。MODAの「みんなのためのオープンデータ」戦略文書は、サイトがどのように、そして誰に使用されるかを見て学ぶための協調努力を概説しています。51 どのような種類のデータや分析ツールがいちばん役に立つのでしょうか?サイトのどのような側面が、ユーザーに困難をもたらしたり、摩擦を引き起こしたりするのだと思いますか?人々はどのようにサイトを発見し、そして(1回きりのユーザーに対して)どうやったらリピーターに変わるのでしょうか?MODAが前に進むにつれて、こうした質問が出て来たり、それに対応したりしていくことでしょう。

私たちの方法論について

原文(2016/3/23 GovLab 「OPEN DATA’S IMPACT」の「EXPLORE CASE STUDIES」より):
UNITED STATES’ NEW YORK CITY BUSINESS ATLAS / Andrew Young, David Sangokoya and Stefaan Verhulst, licensed under CC BY-SA 4.0.
REFERENCE
Special thanks to Akash Kapur who provided crucial editorial support for this case study, and to the peer reviewers who provided input on a pre-published draft.

発表:オープンデータのインパクト:需要と供給が出会うとき

2016年3月26日 in Featured, News

(訳注:この記事はGovlab Blog 記事の日本語訳です)

オープンデータのインパクトに関するケーススタディの主要調査結果

投稿者:Stefaan Verhulst, Andrew Young

本日(訳注:2016/3/23)、「オープンデータのインパクト:需要と供給が出会うとき 」において、GovLabとオミダイアネットワークはオープンデータの社会的、経済的、文化的、政治的なインパクトについての主要な調査結果を発表します。調査結果は、世界中から19のオープンデータプロジェクトの詳細なケーススタディに基づいています。これらのケーススタディは、オープンデータがいつ、そしてどのように作用するのか、私たちの理解に重要な点が欠けているということを示すために用意されました。オープンデータの可能性や、その仮説的なインパクトを推計する熱意は世の中に十分ありますが、具体的な現実世界へのインパクトについての厳密で体系的な分析はあまり見当たりません。

ケーススタディとodimpact.org について

この報告書に掲載されている19のケーススタディは、このプロジェクトのための特設ウェブサイト オープンデータのインパクト (odimpact.org)ですべて見ることができ、地域や分野ごとに代表的なものを選びました。これらは(何が起きたのか)という説明にとどまらず(なぜ起きたのか、そしてより広い関連性やインパクトとは何か)の説明を目指しています。

各ケーススタディは、既存のインパクトの証拠の机上での調査と、特に主要プレイヤーとステークホルダーとの詳細なインタビューを組み合わせて作られました。各ケーススタディの初期のバージョンは、オンライン上でも利用可能にされ、公開ピアレビューのプロセスに供されました。本日発表された論文は、このプロセスの一部として受け取った貴重なフィードバックやコメントを含んでいます。

得られたデータを体系的に解釈するために、私たちは19のケーススタディすべてに適用される分析用の枠組みを用意しました。このフレームワークは、以下に簡単に説明され関連資料でより深く検査されている3つのカテゴリを通して、オープンデータのプロジェクトを検査します。

  • インパクトの主な範囲。
  • 主な成立条件。
  • 主な課題。

インパクトの範囲

地域や部門をまたいで、私たちはオープンデータが(正または負の)インパクトを与えている4つの一般的な領域を発見しました:

  • 政府の改善:オープンデータは、第一に腐敗への取り組みと透明性の向上、公共サービスや資源配分を強化することによって、政府を改善しています。
  • 市民のエンパワーメント:オープンデータは自分の生活を管理できるように市民をエンパワーし、そして新しいコミュニケーションや情報へのアクセス方法によっていずれも容易になった、より知らされた意思決定や新しい形での社会動員のやり方を変更することを求めます。
  • 機会の創出:オープンデータは、イノベーションを促進し、経済成長と雇用創出を促進することにより、市民や組織のための新しい機会を創出しています。
  • 公共の問題の解決:オープンデータは、基本的に市民や政策立案者が自分の手で問題のデータ駆動型の評価の新しい形態にアクセスできるようになることで、大きな公共の問題を解決する上でますます重要な役割を果たしています。これは同時に、よりターゲットを絞った介入と協働の強化を生み出す、データ駆動型の関与を可能にします。

成立条件

オープンデータの可能性を達成し、私たちの報告書で論じた個々のプロジェクトのインパクトをスケールさせるためには、成功へと導くための成立条件をよりよく、より細かに理解することが必要です。私たちは成功を確保する上で重要な役割を果たす4つの中心的な条件(「4つのP」)を発見しました:

条件

  • パートナーシップ:仲介者とデータ共同収集者はデータ需給のより広範なマッチングを可能にし、成功を確保する上で重要な役割を果たしています。
  • 公共インフラ:すべてに対してオープンな公共インフラとしてのオープンデータの開発は、より広い参画、問題や部門をまたぐより広範なインパクトを実現します。
  • ポリシー:オープンデータプロジェクトの定期的な評価を促進するものを含め、オープンデータに関する明確なポリシーもまた成功には不可欠です。
  • 問題の定義:明確な目標や問題の定義を持っているオープンデータへの取り組みは、より多くのインパクトを与え、狙いが漠然と記述されたものや存在理由が不明瞭なものよりも成功する可能性が高くなります。

中核となる課題

最後に、プロジェクトの成功はまた、直面する障害や課題によって決定されます。私たちの研究は、世界中のオープンデータの取り組みが直面する4つの主要課題(「4つのR」)を発見しました:

課題

  • 準備:準備や能力が不足していると(例えばインターネット普及率の低さや技術リテラシー率で明らかなように)オープンデータのインパクトが厳しく制限されます。
  • 応答性:オープンデータプロジェクトは、例えば、ユーザからのフィードバックや成功と失敗の早期の兆候に俊敏性と応答性を保持している場合に成功する可能性が著しく高くなります。
  • リスク:そのあらゆる可能性ゆえに、オープンデータは、とりわけプライバシーとセキュリティへの一定のリスクをはらんでいます。これらのリスクの必要以上のあいまいな理解は指摘して軽減する必要があります。
  • 資源配分:オープンデータプロジェクトは、多くの場合安価に始動することができますが、一方で寛大で持続的かつ献身的な資金を受けられるプロジェクトは、中長期的な成功のチャンスに、より恵まれています。

次世代のオープンデータのロードマップに向けて

私たちが本日発表した報告書は、政策立案者、アドボケート、利用者、資金提供者そしてオープンデータコミュニティ内の他のステークホルダーのための10の勧告で締めくくられています。それぞれのステップに向けて、私たちはいくつかの具体的な実装方法を記述しています。広範な勧告を意味のあるインパクトへと翻訳する方法です。

合わせて、これらの10の勧告とその実装の手段は、私たちが「次世代オープンデータのロードマップ。」と呼んでいるものに相当します。 このロードマップは始まったばかりであり、私たちは近い将来にそれに対する肉付け継続する予定です。今のところ、これは進むべき道を提供しています。私たちはオープンデータの可能性が地域、部門や人口統計といったものをいかに横断的に満たすことができるかをより良く理解し続けることができるように、このロードマップが今後の研究と実験を導く手助けとなることを希望しています。

画面には、9.08.40 AMに2016年3月23日のショット

その他のリソース

主要な調査結果の論文の発表と併せ、私たちはオープンデータのインパクトのウェブサイト上にその他のリソース」セクションも本日ローンチしました。このセクションの目標は、私たちのケーススタディに文脈を提供し、そして他の補完的な研究の方向を指し示すことです。これには、以下の要素が含まれています。

  • オープンデータのケーススタディやソースについての概論を含む「リポジトリのリポジトリ」。
  • いくつかの人気のあるオープンデータ用語集の集大成。
  • インパクトに特に焦点を当てたオープンデータ研究の出版物や報告書の数。
  • オープンデータ定義と分析のマトリックスを収集し、それらの定義を評価する支援を行う。

私たちは報告書で、または当社のウェブサイトで、ここに含まれる情報のいずれかに対する考えや意見をお待ちしております。コメントや提案は、主任研究開発官のStefaan Verhulst までお寄せください(stefaan@thegovlab.org )。

原文(2016/3/23 GovLab Blog 記事より):
RELEASE: Open Data Impact: When Demand and Supply Meet / Stefaan Verhulst and Andrew Young, licensed under CC BY-SA 4.0.

okfj

by okfj

インターナショナル・オープンデータデイ(IODD)2016開催報告

2016年3月20日 in Events, Featured, News

Open Data Day Map_20160319

2016/3/5にインターナショナル・オープンデータデイ2016が開催されました。
日本からは4回目の参加となる今年は全国67ヶ所の会場で総計2266名の方にご参加頂きました。全世界では264ヶ所で開催されました。(2016/3/19現在、国内は一部未集計地域あり)世界では同日に連携イベントとして開催されたCode for America主催のシビックハッキング・イベントCode Acrossもカウントされています。

参加状況の推移は以下の通りで、日本の開催会場数は突出して多い状況が続いています。

  • 2013年 世界102都市、日本08都市で開催(1国の都市数として世界3位)
  • 2014年 世界194都市、日本32都市で開催(1国の都市数として世界2位)
  • 2015年 世界222都市、日本62都市で開催(1国の都市数として世界最多)
  • 2016年 世界264都市、日本67都市で開催(1国の都市数として世界最多)

国内各地ではそれぞれの地域の状況に応じて、オープンデータ/オープンガバメント推進の初めの一歩や、次のステップへの足がかりなど、様々な目的でこの機会を活用して頂いており、私たちオープンナレッジ・ジャパンとしても大変嬉しく思います。

DSC_0058
また、今年は内閣官房IT室のご協力を頂き、メディアセンターとしてUSTreamのスタジオをお借りして当日の様子を国内外へ情報発信する試みを行うことができました。当日のメディアセンターからの配信録画はこちらです

各地での開催の様子は下記などにまとめられていますのでご参照ください。

参加会場の一覧、参加者、開催報告など
各会場の様子まとめ
#オープンデータデイ 2016 (ほぼ)全ツイート

全体的なサマリーは地域SNS研究会のインターナショナル・オープンデータ・デイ2016開催当日レポートに詳しいのでそちらをご参照ください。

全てを紹介しきれず恐縮ですが、最後にいくつか国内外の会場の様子をピックアップしてみました。また来年もお会いしましょう!


千葉市ではちばレポに関するオープンデータが公開されました。これを受けてイベント後も、ちばレポの運用状況の簡単な分析結果抽出語の共起分析といったその活用事例の報告がありました。行政から出たデータを市民が勝手に分析したり視覚化したりする下地ができつつあることを窺わせました。


流山ではサイトユーザビリティーのチェック(柏市HP編流山市HP編)などが行われました。市民が行政に興味を持つきっかけになる取り組みとして他地域でも参考になりそうです。


佐賀では小城市で警察と連携して小城市交通安全マップ作成などが行われました。市民目線でまちのことを考えるきっかけになりそうです。


国内開催地では最多の参加者数597名となった須坂市では動物園のフォトコンテストと連携してオープンデータ動物園作成の試みが行われました。動物園の来場者にも呼びかけ、オープンデータを普通の市民にも知ってもらう一日となりました。


豊島区では5374.jp の多言語化が行われました。目的を絞って具体的な活動ができたようです。


名古屋では愛知県内の介護関係の拠点の介護士の可視化などが行われました。


エクアドルのキートではマッピング、データ管理ツール、データ駆動ジャーナリズムなど、データドリブンなプロジェクトがいくつか試みられました。


チリのサンティアゴでは公園に出掛けて通行人を巻き込んでのマッピングを行いました。


ネパールでは政府機関を巻き込んだ多様なデータ操作ツールの紹介やワークショップが開催されました。


ガイアナでは中学校の先生などを対象としてOpenStreetMapをベースにGIS技術とそこに政府の情報を重ね合わせるワークショップなどが行われました。


エチオピアのアディスアベバでは研究データのオープン化をすることの意義などについて話し合われました。