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「ちばレポ」に対する市民の反応はいかに

2013年9月23日 in Events, News

2013/9/14 CITOイベントの様子

2013/9/14 CITOイベントの様子

9/20に「ちばレポ」参加者へのアンケート結果が公表されました。
◆ちばレポ第2回アンケート調査結果

調査対象690名に対して回答率は18%(124人)。うち実際に投稿したことがあるのは34.7%(43人)。
投稿者のレポートに対する市の対応状況については「満足」が51.2%(22人)、「不満」が48.8%(21人)とほぼ拮抗する回答結果となっています。一般化するには母数としてやや不十分かもしれませんが、今後の進め方のカギとなる部分ですのでこの結果を少し考察してみます。

そもそも「ちばレポ」はトライアルとして行われ、実際の対応は原則として行わない位置づけで始まりました。

◆ちば市民協働レポート実証実験(ちばレポ)

今回の実証実験(トライアル)では、市民の皆様などから寄せられた様々な地域課題について分析を行い、従来の行政が行う対応に加え、市民の皆様と市との協働による解決の可能性について検討を行います。なお、実証実験(トライアル)では投稿課題に対し、仮想業務処理(実際の処理はしない)を基本とします。ただし、緊急性等により現実的な対応が必要な場合は、所管において業務処理を行います。

しかしながら、いざフタを開けてみると、
◆ちば市民協働レポート実証実験[ちばレポ(トライアル)] 「現在のレポート件数」

総受付件数372件に対して、何と約半数の183件が対応済みとなっています。(2013/9/22現在)

やはり目の前に課題が提示されると担当部局としては責任感ゆえ看過できなかったのでしょうか。課題や所管が明らかなものについては比較的早期に対応されています。
いったん対応が始まると、投稿者から見れば自分のレポートが対応されていないと気になります。こうした経緯で上記の「満足」と「不満」が半々という結果になったものと思われます。

これに対して、千葉市では声明を出しました。
◆「ちばレポ」の現状について(平成25年9月13日)

本来対応を約束していたものでは無いにも関わらず、対応が遅れているものに対しても個々に判断して、市役所の所管外のものを含めて引き続き切り分けや対応を進めていくことを改めて告知しました。いわば大人の対応です。

例えば道路ひとつ取っても国道、県道、市町村道でそれぞれ所管が異なり、道路わきの道路標識は警察の所管です。その違いは市民にとって区別がつきにくいので、一緒くたに「ちばレポ」として上がってきます。従来型の苦情受付であれば、管轄外で済まされていたものが、これらを一括して受け取り、内部の所掌のみならず、外部のものまで交通整理して課題を受け渡すところにまで踏み込む内容になっています。縦割りに慣れた組織にとって横断的な全体調整はかなり困難を伴うものでしょう。これはまさにオープンガバメントに向けた動きであり、心よりエールを送ります。

こういった千葉市の姿勢は立派だとは思いますが、本来「ちばレポ」は市側に一方的な作業を押し付けるものではないはずです。今後は市民側からの自発的な参画とも連携する必要があるのではないででしょうか。例えば、ある程度レポートが溜まったところでその内容について、市側と市民が集まり、どのように考えて行けば皆が幸せになれるのか、といった意見交換ができれば良いのではないかと感じました。統計的な数値から何らかの傾向が得られたり、市民側からの自発的なアイデアが出てくるかもしれません。
実はこの動きに向けてもすでに手が打たれており、千葉市では市長と市民との対話会がいくつか予定されています。
◆【市長との対話会】参加者募集中

テーマは「「平成24年度決算とこれからのまちづくり」」ということで、一見「ちばレポ」とは無関係に見えますが、市民参画や協働の本丸は自治体の予決算に市民も何らかの形で関わることです。こういった市民との対話を通じた千葉市の次の一手に、さらに期待がかかります。

閑話休題。

ここで、9/14(土)に開催したCITOイベントについても併せて報告します。(冒頭の写真)
2回目となるCITO(プレ)イベントですが、今回は「ジオキャッシング」「ゴミ拾い」「ちばレポ」の3つを同時に行う欲張りな内容でした。ジオキャッシングという宝探しゲームを楽しみつつ、落ちているゴミを拾い、気づいた課題を「ちばレポ」にレポートしました。

「ちばレポ」ではゴミを報告するカテゴリがありますが、報告しているうちに、細かいゴミは写真に撮って送るよりも自分でその場で対応したくなります。しかし、ゴミを拾っても捨てる場所を見つけるのが難しい。自分ひとりでゴミ袋を用意して拾って歩くのも気恥ずかしい面もあり、ついついゴミ拾いは他人任せになってしまいます。

今回、市の関係者の計らいでゴミ袋と集積場所を用意して頂きました。そのような準備ができていて、複数名で街歩きしながらゴミを集めてみると、目的が明確で、楽しみながらゴミ拾いができました。10KMほど歩いたので、運動不足気味の身には健康のためにも良かったと思います。こうした楽しみを交えたゴミ拾いセットのようなものを用意して、希望する団体に提供する仕組みがあれば、市民参画のきっかけになるのではないかとふと思いました。

ゴミ拾いの後には汗と埃にまみれた体を松の湯という銭湯で洗い流し、風呂上がりにはコーヒー牛乳という、昭和ロマンを彷彿とさせるコースで締めくくりました。また企画しますのでお近くの方、ぜひご参加ください。

千葉市のオープンガバメント、その本気度をチェック!

2013年8月22日 in Events, News

まち歩き後に市民からの質問に答える熊谷市長

まち歩き後に市民からの質問に答える熊谷市長

 8/17(土)に市長と一緒に”ちばレポ“を使ったまち歩き体験会を開催した千葉市ですが、そのオープンガバメント/ガバメント2.0に向けた本気度はどの程度でしょうか?

 国連経済社会局行政開発管理課による市民参画のためのオープンガバメント・データに関するガイドラインにある「オープンガバメントデータ・レディネス評価用チェックリスト」を使って評価してみました。これはオープンガバメント/オープンデータを推進するための準備がどの程度整っているのか、政府・自治体が自己診断する為のチェックシートです。カテゴリごとに全部で40件のチェック項目があります。今回、このチェックシートに基づき、試験的に評価してみました。なお、これは僭越ながら筆者が外から見た、主観による評価なのであくまで参考程度に見てください。■は準備OK、□は準備NGもしくは不明を表します。『』内は筆者のコメントです。

  • A.政治的コミットメントおよび適切な政策
  • ■1.ガバメント・データをオープンにするためのトップレベルの意思決定者からの政治的コミットメントがありますか?『市長の強いコミットメントあり』
    ■2.透明性、説明責任および参加のためのトップレベルの意思決定者からの政治的コミットメントがありますか?『市長の強いコミットメントあり』
    ■3.腐敗と戦うトップレベルの意思決定者からの政治的コミットメントがありますか?『市長の強いコミットメントあり』

  • B.市民社会、メディアおよび他の再利用者の能力
  • ■4.透明性、説明責任および参加の概念を促進する増幅者として動機づけられた変革推進者がいますか?『業務改革推進課。OKFJもその支援団体のひとつ。』
    □5.これらの変革推進者は、独力で処置を取り講ずる権限を与えられますか?『不明』
    □6.これらの変革推進者は、OGD創設に従事するために必要な能力(知識、技術)リソース(人的、財政的)を持っていますか?『財政的リソースが不明。他はOK』
    □7.市民社会とメディアに透明性、説明責任および参加に対する需要がありますか?『メディアの関心は強い。市民の方はまだこれから(現時点でも一部に活発な市民はいる)』
    □8.市民社会とメディアに情報の自由とガバメントデータをオープンすることに対する需要がありますか?『メディアの関心は強い。市民の方はまだこれから(現時点でも一部に活発な市民はいる)』
    □9.技術的なリテラシーを持つ市民社会がありますか?CSO(市民社会組織)あるいは「市民ハッカー」がいますか?『一部にいるが連携、組織化はこれから』
    □10.自分たちのアドボカシーまたは市民サービスプロジェクト用に実際にOGDを再利用しているCSOはありますか?『これから』

  • C.法制度と規制の枠組み
  • □11.情報へのアクセスに関して組織内の規定がありますか?『不明』
    ■12.情報へのアクセスに関する法制度がありますか?『情報公開法』
    □13.情報制度へのアクセスは、受け身的な開示と同様に率先した開示に対する規定を含んでいますか?『不明』
    ■14.データ・プライバシーに関する組織内の規定がありますか?『通常あるはず』
    ■15.データ・プライバシーに関する法制度がありますか?『個人情報保護法』
    □16.オープンデータに関する法制度がありますか?『これから』
    □17.データ・プライバシーに関する国際協定の批准がありますか?『不明』
    □18.PSIの中に知的財産権を規制する法制度がありますか?また、それは、PSIの再利用を支援しますか?『不明』

  • D.制度的枠組と組織的な条件
  • ■19.情報(あるいはプライバシー)コミッショナーがいますか?『CIO補佐監』
    □20.情報コミッショナーかそれに準ずる人は幹部から独立していますか?『不明』
    □21.全国レベル、あるいは準国家レベルにオープンガバメント・データに責任を持つ単独の政府機関がありますか?『なし』

  • E.文化的、人的リソースの状況
  • ■22.人間の価値と市民の権利は、社会の中で広く認められていますか?『はい』
    □23.市民とコミュニティーのエンパワーメントおよび自決を支援する環境がありますか?『一部あり』
    □24.市民の教育と知識の共有を支援する環境がありますか?『一部あり』

  • F.財政的な状況
  • □25.オープンガバメント・データの費用は問題となりそうでしょうか?『不明』
    ■26.OGDイニシアチブを実施する利点はコストより大きくなり得ますか?『大きくなることが見込まれる』

  • G.技術的インフラ
  • ■27.国全体でインターネットは充分に浸透していますか?都市/地方で『はい』
    ■28.モバイルは充分に浸透していますか?また、人々はどのようにモバイルのデータサービス(SMS、3Gなど)にアクセスしていますか?都市/地方で『はい』

  • H.データと情報システム
  • □29.OGDとしてのPSIの作成と公表を支援するデータ管理および情報システムが適所にありますか?『これから。CKANは設置済み』
    □30.適所のデータ管理と情報システムは、PSB(公共機関)の間のデータの有効な交換を可能にしますか?『不明』
    □31.データはウェブ(形式を問わず)上で、オープンなライセンスで利用できますか?『これから』
    □32.データは構造化された機械可読なデータとして利用できますか?『これから』
    □33.上記全てに加えて非プロプライエタリな形式ですか?『これから』
    □34.上記全てに加えてW3Cのオープン・スタンダードを使っていますか?『これから』
    □35.上記全てに加えてLinked Data ですか?『これから』
    ■36.ガバメント・データあるいはガバメント・データの編纂は、現在著作権あるいは他の知的財産のような体制によって保護されていますか?『はい』
    □37.データは、再利用を制限するなんらかのライセンスを前提としていますか?『これから』
    □38.料金はアクセスおよび再利用に対して、限界費用(例えば原価の回収を支援するため)を超えて請求されますか?『これから』
    □39.データは商用再利用を含め、目的を問わず自由に再利用できますか?『これから』
    □40.「表示」や「継承」以外の制限は何かありますか?『これから』

 今回は全40項目中、13項目が準備OKという結果となりました。一見残念な結果に見えますが、やや厳し目に評価した点、外部からは分からない部分がある点、市民や中央政府の果たすべき役割部分もある点などから、取り組みを始めてまだ日が浅い現時点としては実際のところこれはかなり良い数字だと言えます。

 筆者も市長とのまち歩きに参加しましたが、市民側の反応はほとんど好意的なものでした。今回の試みは実験段階であり参加者数は30名と限定的なものでしたが、従来から公園の清掃などのボランティア活動をやられている方々や、これまであまりそういった活動の経験が無い方々など多様なバックグラウンドの方々が参加していました。リタイア世代の方々が7割ほどの印象でしたが、現役世代の方々も見受けられ、中には高校生も参加していたようです。従来型の市民活動も尊重しつつ、新しい枠組みでの市民協働の可能性が見えてきた印象があります。また、運営側もひとつの部局ではなく、市民局、総務局、都市局、建設局など幅広い組織が関与し、うまく横連携されている様子が窺えました。

 自治体だけが頑張っても「まち」は変わりません。県・中央政府の後押しや市民との連携が今後のカギになりそうです。千葉市の次の一手が楽しみです。

(参考:熊谷市長とのまち歩きイベントの様子は下記記事にまとまられています。)
街の問題 スマホ活用して改善(NHK NEWSWEB)
ちばレポ実証実験 市長とまち歩き(千葉市長・熊谷俊人Blog)
ちばレポ実証実験 ~市長とまち歩き~(千葉市議会議員 福谷章子のまちづくり)
ちばレポ実証実験、市長とまち歩きに参加してきました。(千葉市議会議員(美浜区選出)たばた直子「真っ直ぐな視点を千葉市に!」)