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オープンデータ500のローンチ

2014年5月28日 in News

od500-banner

ニューヨーク大学のGovLabは「The Open Data 500」をリリースします:

初のオープンガバメント・データを利用する企業の包括的な研究

ウェブサイトでは、政府からの自由なデータを基にしてビジネスを構築するための500の方法を示しています

商務省はGovLab 初の企業/政府円卓会議に参加します

世界的に年間数兆ドルの価値があると推定される、経済的価値の広大な新しい貯水池は、連邦政府機関と民間企業の間で技術主導の連携によって利用され始めています。この新技術ブームは、漸増する量のデータ・ストアを容易に自由に利用可能にするのにあらゆるレベルで政府を巻き込み、そして技術革新とビジネスの成長のためにこのデータを適用する方法を学ぶ企業を巻き込んでいます。このデータの多くは、原則的に公開して合法的に利用されていますが、政府は現在「オープンデータ」としてより簡単にアクセスし、利用できるように取り組んでいます:すなわち、営利および非営利ベンチャーを起業したり、社会や市場の動向を理解したり、データ駆動型の意思決定を行ったり、複雑な問題を分析的に解決したり、といったことに利用できると多くの人が考えている自由で公開されたデータです。

本日(訳注:2014年4月8日)、オープンデータ500のウェブサイト(既にオープンガバメント・データを利用している多数の米国を拠点とする企業を文書化する、初の調査研究)を立ち上げたことをニューヨーク大学のGovLab は喜ばしく思います。オープンデータ500は持続的に更新される進行中の研究です。これは、オープンデータが単に理論的な概念であるだけでなく、既に価値および雇用の創出で実用化されている、現実世界の経営資源であることを示しています。研究は、 John S. and James L. Knight Foundation からの資金提供でサポートされており、ワシントンDC のCenter for Data Innovation が主催したイベントで本日発表されました。

「オープンデータ500は、私たちに新たなビジネスの実現性の最初の詳細で掘り下げた視点を提示しています」と、GovLab の上級アドバイザーおよびオープンデータ500研究のディレクターであるJoel Gurin が述べました。「私たちは、オープンガバメント・データなしではまったく存在し得ない、あらゆる種類の企業を見つけています。オープンデータは今やアメリカのビジネスの一部となっており、その利用方法を学ぶ企業は競争優位性を持つことになるでしょう。」
最初の調査対象500社はオープンな連邦データを利用していますが、なかには州、市および地域のオープンデータを同様に利用しているところもあります、とGurin は述べました。Gurin はまた、最近出版された本(Open Data Now)の著者でもあり、そこにはオープンデータの用途および可能性について記述されています。

企業と政府系機関がオープンデータをより効果的に利用するためにともに連携して協力するのを支援するために、研究はどういった種類の企業がどういった種類のデータを利用しているかという情報を収集しています。ガバメントデータを利用する多くの企業はたいてい、収集、維持、利用が困難な方法で提供されていることを訴えています。

GovLab の創設者兼ディレクターであるBeth Simone Noveck が観察しているように、「この研究は、オープンデータは既に主要な国家的資源でありビジネスの駆動装置であるがその真価を発揮するまでには長い道のりを要する、ということを示しています。政府は透明性を提供するために、正確、完全そして利用可能なオープンデータを提供する必要があり、またビジネスと市民のニーズを満たす必要があります。GovLab では、私たちは、オープンデータのエコシステムをより有効に機能させるのを支援するために客観的なファシリテーターとして、ビジネスと政府の両方と仕事をすることを計画しています。」

この意味でGovLab はさらに、データ・リリースためのプロセスおよび優先事項の改善を支援するために、彼らのデータを利用する政府系機関と企業の間で一連の円卓会議を召集する予定であることを、本日(訳注:2014/4/8)発表しました。商務省は初回の円卓会議に参加することをコミットしました。他の連邦各省も、将来的に参加する意向を表明しました。

商務省はオープンデータ500の研究に非常に興奮しており、これをずっと信じてきた次のようなことの確認と見なしています:私たちの膨大なデータ資産をパッケージ化し、普及させるために私たちの能力を高めることによってアメリカのビジネスを革新的なものに、政府をより賢く、また、市民をより知らされた(インフォームドな)ものにすることができる。」と経済担当商務次官Mark Doms は述べました。「私たちは今後の円卓会議でGovLab と仕事ができることに、そして私たちのデータをより価値のある、アクセスし易いものにするために何ができるかじかに学ぶことに、わくわくしています。」

それがオープンデータ500を生きた資源にすることを計画しているので、GovLab はその成果を絶えず更新し、拡張し、深めるでしょう。研究に参加したい企業は、OpenData500.com 上の調査タブに掲載されている情報を記入する必要があります。調査で収集されたすべてのデータはサイトからダウンロードすることができ、かつGovLab はデータを分析し、その結果を共有するために他の研究者を強く奨励しています。

原文(2014/4/8 GovLab Blog 記事より):
Original post Launching the Open Data 500 / Kirk Hovenkotter, licensed under CC BY-SA 3.0.

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オープンデータの価値とは何ですか?

2014年5月27日 in News

世界中で、国及び地方公共団体は、多数の正当な理由により、収集したデータをオープンデータとして利用可能にしています。オープンデータによって、政府がより説明責任を果たすための支援をしたり、政府の業務において市民が力を得たり参画したり、より効率的かつ効果的に公共サービスを提供したりすることができます。民間部門では、オープンデータは、起業家のための新たな機会を創出したり、既存事業のより戦略的な運営を支援したり、投資家に有益な情報を与えたり、研究開発のペースを加速したりすることができます。

これは良いことづくめのようですが、一方でいくつかの疑問が未解決のままです。実際のところ、誰がオープンガバメント・データを利用しているのでしょうか?彼らはどのようなデータセットをどのように利用しているのでしょうか?さらにいちばん答えづらいのは:正確には、オープンガバメント・データの価値とは何でしょうか?

これらは、理論的な問題以上のものです。米国、英国、G8 で設定された最近の政策では、ガバメントデータは、「オープン・バイ・デフォルト」であるべきという考えを受け入れています。即ち、非公開にしておくべきセキュリティ、プライバシー、その他やむを得ない理由がある場合を除いて、それはオープンであるべき、ということです。これは原理的には素晴らしいことです。しかし実際には、米国政府は様々なレベルのデータ品質とともに、さまざまな種類の技術を利用して約10,000の情報システムを管理しています。利用可能で信頼性の高いオープンなデータにそれらすべてを変換する時間、労力、そして費用を正当化するために、私たちはコストと利益を定量化できるようにする必要があります。

私が今GovLab で指揮しているオープンデータ500の研究では、経済学その他の研究者にオープンデータの価値を評価するのに役立つ新しい情報基盤を提供します。これは、現実世界で最初の、健康、金融、教育、エネルギー、その他の部門の政府オープンデータを利用している企業の総合的なマッピングです。これらの企業に、彼らが利用しているオープンなデータセットに関する具体的な質問をすることで、私たちはまた、ビジネスユースにとって最も重要なのはどのようなデータか、そしてどのような形式なのか、といったことを政府機関が優先順位付けするのを支援したいと考えています。

オープンデータ全体の価値を決定することは容易ではありません。これを利用する企業は、できたばかりであることが多く、彼らの成功を測定するのは時期尚早です。一方、多くの既存企業は、自分の仕事のための単なるリソースのひとつとしてオープンガバメント・データを利用しています。このことが、それが彼らのビジネスにどのくらい貢献し得るかを把握することを難かしくさせています。これまでのところ、オープンガバメント・データに価値を置くための努力は、幅広いレンジの数字として表れています。データの価値を推定したものとしては次のようなものがあります:

  • 欧州連合(EU)全体で300億から1400億ユーロ(約400億から1850億米ドル)
  • 英国内のデータとして、約30億から90億米ドル
  • 米国の気象データとして、15億ドルから年間300億ドル以上の間
  • 米国のGPSデータとして、900億ドル、もしくはそれを下回る数字

なぜ数字がバラバラなのでしょうか?最初の2つの推定値は(ひとつはGraham Vickery が欧州連合(EU)のために行ったもので、もうひとつはコンサルティング会社デロイトが英国のために行ったもの)ヨーロッパ人が「公共部門データ」と呼んでいるものです。これはパブリックに利用可能ですが、手数料が必要であったり、再利用に制限が存在する可能性があるため、真のオープンデータとは言えないデータです。これらの見積りはそれぞれ、例えば、新たな情報提供のウェブサイトやアプリのようなデータの直接利用から、データ解析技術の市場形成や政府の効率化などのような間接的な便益から発生し得るより大きな価値に至るまでの範囲を示しています。

米国の数字は、何をカウントするか次第です。オープンな気象データは、二次保険市場におけるアプリケーションでは推定15億ドルをサポートしています。しかし、はるかに大きな値が正確な天気予測から来ており、米国内で年間300億ドル以上の節約になると言われています。 GPSデータの価値が900億ドルと見積もられていますが、その数字は業界の研究から来ており、高すぎる可能性があります。それ以外のあいまいな数字:マッキンゼーの調査は米国の健康データが300億から4500億ドルの可能性と推定される、としていますが、この見積は公共データだけでなく民間のデータソースを含んでおり、健康に関するオープンデータの価値を引き出すのを難しくしています。マッキンゼーは現在、すべてのオープンガバメント・データの価値の合計の推定に取り組んでおり、オライリーStrata 会議で今月末(訳注:2013年10月)にリリースされる予定です。

オープンデータ500では、すぐさま私たちがより良い数字を得られるわけではありません:私たちは、単にデータベース内の企業の求人や収益の合計数を単純に加算したり、いくつかのX要素を掛けて、米国政府が提供するデータのすべての値を取得したりすることはできないでしょう。(私たちは、この最初の調査では米国企業だけを研究対象としています)しかし、私たちは、経済学者が今後、より正確で精密な推定値を開発するのに役立つデータを提供したいと考えています。私たちは、調査結果をウェブサイト上で利用できるようにすることを計画しており、そこでは研究者がデータをダウンロードすることができ、新しい企業は、私たちの調査を完成させることができ、オープンデータコミュニティのメンバーは、今後の研究を提案することができます。

また、私たちはデータ保有者(政府機関)とデータ利用者(オープンデータ企業自身)間の長期にわたる対話を立ち上げたいと考えています。私たちは、各企業にどのガバメントデータを利用しているのか、各データセットがどのように役立っているのか、そしてデータセットをどのように改善したら良いか、といったことを尋ねています。体系的に収集されたことがないこの種のフィードバックで、政府機関は公開利用に向けて最も重要なデータセットに優先順位を付け、速やかにそれらをより有用なものにすることができるようになります。英国では、オープンデータ利用者グループが提供するデータを向上させる方法について政府に助言しています。同じ種類のフィードバックは、米国連邦政府機関にとっても重要です。

このプロジェクトを進めるに当たり、私たちはオープンデータから利益を得ている企業のいくつかの強力な事例が既にあることを知っています。オバマ大統領の下で米国初の最高情報責任者(CIO)を務めたVivek Kundra は、最近「生のガバメントデータを利用して構築された企業」の3つの例を指摘しました:住宅データを使用したZillowは、10億ドル以上と評価されています。政府の気象データをベースに構築されたWeather Channel は、2008年に約35億ドルで売却されました。そしてGarmin は、GPSデータを利用して、70億ドルの以上の時価総額を持っています。つい先週、Climate Corporation はスタートアップ企業で、その最高経営責任者(CEO)に私は最近インタビューしたのですが、約10億ドルで売却されました。

問題は、もはやオープンデータが経営資源たり得るのかどうかではなく、どうやったらそれを出来る限り有用なものにできるか、ということです。問題には、データの可用性、データ品質、データ形式、さらには大きな政策、オープンデータの価値に影響を与えることができる技術的、経済的、法的な問題が含まれています。今や私たちはオープンガバメント・データはビジネスに役立つということは分かっているので、何が有効か、いつ、なぜなのか、といったことを学ぶ必要があります。

これを書いている時点では、私たちはオープンガバメント・データを利用している企業を300以上識別しており、彼らにオープンデータ500に参加するよう招待しました。あなたがお勧めする会社がありましたら、こちらにご記入ください。ご自分の会社が良い候補だと思われる場合、私たちの調査はこちらです。#OD500で私達にあなたの提案をtweet したり、opendata500@thegovlab.org 宛てに送ってください。私たちはこの新しい領域をマップしたので、すべての入力は大歓迎です。

このプロジェクトと私たちの方法論についての続きはこちらでどうぞ。

原文(2013/10/11 GovLab Blog 記事より):
Original post What’s The Value of Open Data? / Joel Gurin, licensed under CC BY-SA 3.0.

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EUの調達データをオープンにする

2014年5月24日 in News, Special

次の投稿の元記事はこちらで、Friedrich Lindenberg (Twitterではこちら)によるものです。

調査担当のジャーナリストが注目すべき次のヨーロッパのデータセットは何でしょうか?2012年、BrigitteDataHarvest 会議にさかのぼると、FarmSubsidy の調査担当スーパースターと会議の共同主催者は明確な答えを持っていました:TED(Tenders Electronic Daily)をオープンにしましょう。TEDはEUの共同調達の仕組みで、EUの契約プロセスの中心にあるものです。これをオープンにするということは、誰が公的資金を受け取るか、また、何のためにそれを受け取るかというキーになる疑問に光を当てるでしょう。

彼女の提案は、先週の時点で、最終的にはジャーナリストと研究者のための有用なリソースへと成長した、OpenTED という2年がかりのプロジェクトを引き起こしました。ギャップは残っていますが、私たちは大規模なトレンドから地方自治体の開発まで、あらゆることについての情報を得るために今、ジャーナリスト、NGO、アナリストおよび市民がこれを利用し始めるよう願っています。

ヨーロッパの入札書類および落札データへの容易なアクセスを提供する現在のOpenTEDウェブサイト。

OpenTED

すべてのEU諸国の会社がこれらの契約に入札することができるように、TEDは、大規模公共事業のための入札公告を集めています。ジャーナリストにとって、このようなデータベースが次のようなことに答えられるかどうか、多くの刺激的な疑問があります:どのような大型プロジェクトが発表されているか?誰がこれらのプロジェクトの契約を落札しているか?また、決定が賢明に公平になされているか?特定の国や産業で最も大きなサプライヤーは誰か?

Anders PedersenJoost Cassee が始めたOpenTED プロジェクトは、最初に公式TEDウェブサイトをスクレイプ(訳注:htmlで表現された表などをパースしてデータとして取り出す操作)する試みとして生まれました。しかしながら、OpenTED のこの最初のバージョンはすぐに多くの現実問題に直面しました:ジャーナリストがインターフェースなしでこのデータを使用するのは不可能でした。また、材料が非常にお粗末だったので、サンライト財団の金融データの天才Kaitlin Devine でさえ私たちがエラーを分離するのを手伝えませんでした。さらに悪いことに、2013年6月に、EU出版社は、大量のスクレイピングを不可能にするためにTEDウェブサイトを更新しました – データを更新する方法が私たちには無くなってしまったのです。

私たちには選択肢が欠けていました。私たちの質問に答えるには、EU出版社が提供するウェブサイトでだけでなく、データベースを直接見る必要がありました。

言葉によるスクレイピング

私たちは、データオタクたちのために過激な一歩を踏み出すことに決めました:EUに話しかけることにしたのです。出版社のユニット・リードと話をしたところ、彼らが既にそのライセンシングの枠組みを変更する手続き中であったことを知って、私たちは驚きました:機械可読なデータへのアクセスは過去の再利用者に売られましたが、データを2014年1月に自由に利用可能にするという計画でした。ありがとう、Neelie!

そこで私は1月前半にツイッター上で@EUTenders に連絡して、出版計画に何が起こったか尋ねました。何らかの拒絶を予期していたのですが、彼らの生データ・ファイル・サーバーのための保証付きのダイレクト・メッセージを直ちに受け取って、私は驚きました。サイトはTED の2011年以来のデータのXMLダンプと共に、ダウンロード用のDVDイメージを提示してくれました – これはまさに私たちが捜していたものでした。

コミュニティの構築

DataHarvest 2014が近づくにつれ、私たちは、アクセス可能なフォーマット(CSV)で切り出されたものや国や年ごとに分けられた新しくオープンにされたデータを提示する、OpenTED の更新版を作ることに決めました。これにより、データベース・スキルのないジャーナリストでもデータを入手し、スプレッドシート・アプリケーションで調べることができるでしょう。

DataHarvest 2014のハック・デイに、ヨーロッパ中のコーダー、およびジャーナリストがEU調達データを探索しています。

その結果生まれた議論では、データの質と完全性に注目しました。多くの契約額やサプライヤー名をはじめ、多くの不可欠な情報が見当たりません。さらに、既存のデータは、特に契約に関与する公共団体および経済担当者を明白に識別するには、非常にお粗末なものです。

そして今は?

次のステップはDataHarvest にいろいろなやり方で参加したジャーナリストのおかげです。私たちは彼らが調査に使用できる豊かなリソースを創出し、そしてデータの分析をサポートする準備ができている科学技術者のネットワークを立ち上げた、と私は考えています。しかしながら、私たちが今や契約メタデータ(EU契約の受取人、金額、見出し等)にアクセスできるようになった一方で、ワークショップの中でジャーナリストが尋ねたがるような詳細な質問に答えるためには、実際の契約書へのアクセス、政府が私たちの代わりに作る条項の詳述および正確な協定の範囲、といったものが必要であることが明らかになりました。これについては、私たちはより大きな契約の透明性を主張し、秘密契約をストップするように政府に伝える必要があります。

おお、そして私は、Galwayに建設中の700兆ユーロのビルについてぜひとも詳しく知りたいのです…

資源

データとツール:

いくつかのコード:

原文(2014/5/16 Open Knowledge Foundation Blog 記事より):
Original post Opening Up EU Procurement Data / Friedrich Lindenberg, licensed under CC BY 3.0.

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秘密契約の悲劇的な結末

2014年5月9日 in News, Special

次の投稿はナイジェリアの Public and Private Development Centre のCEOであるSeember Nyagerによるものです。Public and Private Development Centreストップ秘密契約キャンペーンにおける私たちのキャンペーン・パートナーのひとつです。

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公共機関の中で日々行われている秘密契約によって、公共の利益が阻害されているという確かな証拠があります。
数日前に、Abuja の若いナイジェリア人は、19人の応募者が死亡した、ナイジェリア入国管理局(NIS)による採用試験の無謀な行為に抗議した罪で逮捕されました。(訳注:採用試験に大量の失業者が押し寄せ、将棋倒しなどにより死傷者が出たもの。報道記事ビデオ

抗議者はその後解放されましたが、誰も無謀な採用試験を行った結果起きた死亡事故のために留置されていない一方で、この重大な失態に抗議する若い声は、治安部隊によって沈黙させられている様子は、未だに風刺されています。もっとも心を痛めるのは、採用試験で死者を出すという結果は試験を実施するコンサルタントの選択の中で、相応の手続きとまっとうな仕事をしっかり行っていれば、より周到な計画で回避できたかもしれない、という現実です。

Premium times が公表した報告書は、もっぱらNIS で採用試験を行なったコンサルタントを自ら選んだ内大臣によって採用試験が行なわれたことを示しています。コンサルタントが選ばれたプロセスについて、BudgIT やPPDC を含む市民組織からの詳細情報の提供要求に対する大臣からの反応の無さは、適法な手続きが軽視されているという報告書が信頼できることを示しています。

コンサルタントが選ばれた競争の無いプロセスは公的調達法に明らかに違反します。また、その結果は、公共事業の契約の報酬における金銭のために価値の概念を台無しにしてしまいました。採用募集ウェブサイトは雇われたコンサルタントによって構築され配置されましたが、ウェブサイトで集めた情報は、その後に死亡したナイジェリア人を残した全国一斉の採用試験を執り行うための計画に通知されたようには見えません。710,000人以上の応募者から生み出された収入の適法性が質問されている一方で、採用試験をもっとうまくオーガナイズできるようにこれらのリソースが使われなかったことは、驚くべきことです。

ナイジェリアの公共機関がナイジェリア人の損害に対して、公共サービスに期待される運営において無謀な振る舞いを見せたのはこれが初めてではありません。航空省が、ひどく豪華な乗り物をローンで買うという分別の無さによって、SUREP資金が使われた正確な金額の追跡において、BudgITおよびPPDCは困難に直面しました。国家の構築と開発が公共機関によって蝕まれている事例としては、NNPCによる200億ドルに上る使途不明金はごく一例です。

3週間前に行なわれたNIS の採用の実例では、いくつかの結果が短時間で死者を出すものとなりました。しかし、責任の受け容れやナイジェリア人に加えられた不正行為の訂正は遅々として進んでいません。同じ問題に関して、市民のリソースが静かなる抗議者に迅速に配置されました。

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今こそ適切な手続きと勤勉さを要求する私たちの法律が完全に執行される時です。ナイジェリア人があらゆる形式の組織上の無分別に憤慨するのは正しいことであり、平和な抗議はもはや弾圧されるべきではありません。ナイジェリアの入国管理局採用試験は、秘密契約の結果が人命を奪う場合もあり、そのような振る舞いを続けることは許されないということを痛ましくも例証しています。私たちは組織による無分別を止めなければなりません。そして私たちは秘密契約を止めなければなりません。

Ms. Seember Nyager はナイジェリアで調達の監視をコーディネイトしています。Nigerian Procurement Monitors は@Nig_procmonitor でフォローしてください。

原文(2014/4/14 Open Knowledge Foundation Blog 記事より):
Original post The Tragic Consequences of Secret Contracts / Theodora Middleton, licensed under CC BY 3.0.

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なぜ秘密契約は援助の透明性において問題か

2014年5月8日 in News, Special

次のゲスト投稿は私たちのストップ秘密契約キャンペーンのパートナーであるPublish What You Fund のNicole Valentinuzzi によるものです。

オープンナレッジ財団、サンライト財団および他の多くの国際的なNGOに支援された、秘密契約をストップする新しいキャンペーンは、汚職が始まる前にやめさせるために、あらゆる公的な契約を利用可能にすることを目的としています。

私たち自身透明性の運動家として、Publish What You Fund はこの新しいキャンペーンの支持者となることを嬉しく思います。私たちは、全ての政府活動の土台となるアプローチとして透明性の要請に声を貸すことが重要であると感じました。

開発のフローをオープンにすることによって、援助の有効性と説明責任を増加させることができると信じているので、私たちは、より多くのそしてより良い援助に関する情報のためにキャンペーンを行っています。さらに、市民に対する最終的な責任があるので、政府は透明性のある行動をする義務を負うと私たちは信じています。

これは教科書から衛生システムまで政府が入札のために発行する公的な契約をすべて公表することを含んでいます。これらの公的に入札が行われた契約は毎年ほぼ9兆5000億USドルを全体的に上回ると推測されます。しかし、その多数は非公開ということで意見が一致しています。

これらの秘密契約は、しばしば汚職、不正行為および不可解なアウトソーシングにつながります。金額、相手先、納期など、契約に関する基礎的な事実が市民に利用可能にならない場合は、汚職と悪用が起きていないことを確かめられません。

しかし、Publish What You Fund で私たちがキャンペーンの目的とする援助の透明性について、秘密契約をどうしなければならないのでしょうか?では、アフリカは毎年そのGDP の4分の1弱を汚職で失っているという、キャンペーンによる最近の発見をよく考えてください。そして、その代わりに学校、病院、道路などにどれだけのお金が使えたのか、考えてみてください。

これは多くの場合、開発に使うことを想定しているお金です。例えばInternational Aid Transparency Initiative (IATI)を通じて、市民がお金の流れをたどることができ、その使途について政府が説明責任を果たせるように、これは公表されるべきです。

しかし、汚職は単にアフリカだけの問題ではありません。ストップ秘密契約キャンペーンでは、ヨーロッパは毎年汚職で1200億ユーロを失っていると見積もっています。

Publish What You Fund で、私たちは開発協力の世界最大の供給者に、IATIへ援助情報を公表しなければならないと伝えています。なぜならそれが唯一国際的に合意されたオープンデータの標準だからです。IATIに公表された情報は、人々が調達、契約、入札あるいは予算のどれを知りたいか、そのニーズに応じて広範囲の利害関係者が利用することができます。それ以上に、これはパートナー諸国が求めてきた情報なのです。

政府は開発を含むすべてのセクターの民間会社との契約に与えるために、納税者のお金を使います。私たちは、公的資金を受け取る会社はすべて、それに基づいて提供される財貨・サービスについて政府と同じ透明性の規定に従わなければならないと信じています。

公共事業を提供するために政府あるいは企業が支出している資金のより大きな透明性と明確な理解は、市民に対する信頼の構築と説明責任の支援があって初めて役に立ちます。オープンな援助であれオープンな契約であれ、私たちは政府の手から、そして市民の手に情報を入れる必要があります。

最終的に、透明性がどのように援助を改善するのか、私たちにとって疑問は残ります。また、オープンな契約は援助の有効性についてのパズルの別のピースです。市民に、公的な契約に対して全てのオープンなアクセスを与えることは、グローバルな透明性を増加させることにおいて重大な第一歩です。世界の指導者たちにこれを実現するように要求するために今すぐ請願書に署名してください。

原文(2014/4/11 Open Knowledge Foundation Blog 記事より):
Original post Why secret contracts matter in aid transparency / Nicole Valentinuzzi, licensed under CC BY 3.0.

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資源の呪いへの取り組み:コートジボワールにおける情報アクセスの改善とオープンな契約のための市民社会の闘い

2014年5月7日 in News, Special

これは、私たちのキャンペーンのパートナー、Integrity Action からのゲスト・ブログで、こちらのウェブサイトのオリジナル記事を編集したものです。これは、私たちの#SecretContracts キャンペーンのパートナー組織からの一連のブログ・ポストの1番目です。契約の秘密に関する問題で共有したい話題がある場合は、contact@stopsecretcontracts.org に連絡してください。

資源の呪いへの取り組み:コートジボワールにおける情報アクセスの改善とオープンな契約のための市民社会の闘い

今日、多くの天然資源産出国がはびこる汚職、弾圧および貧困に悩まされています。私たちは、赤道ギニア(確実に世界の資源の呪いの最良の事例のひとつ)のような石油の豊富な小国に関する記事を読むことに慣れてしまっているように思えます。この国では膨大な石油埋蔵量が、エリートの豊かなライフスタイルに資金を提供していますが、その一方で、人口の大多数は、自らの基本的人権および経済的権利が満たされていない、望まざる地位にいるということに気付いています。

しかし、すべての絵が「希望が持てない」訳ではありません。コートジボワールのような国々へ焦点を移すことで、異なる絵が出現する可能性が生まれます。ここでは、Social Justice(社会正義)のような市民社会組織(CSO)が、採取産業セクターの収入が全ての社会構成員のためになることを保証するために熱心に働いています。

そうすると、コートジボワールのローカルのCSOはこのような手順の変化をどうやって増加させてきたのでしょうか?Jacquevilleとd’Angoviaでは、契約へのアクセスの改善を保証することを目指して、地方の自治体や企業にロビー活動を行えるように、影響力のある人々と仕事をすることから始めました。契約上の情報を受け取る際に、彼らはコミュニティとの情報ミーティングをオーガナイズし、市民が受給権の獲得に向けてうまく交渉するための戦略開発を援助し、これにより、ヘルスケア・センター、産院、学校および給水塔が建造されることを保証しました。

コミュニティが契約に関する情報へのアクセスを保証することは、かなり達成困難なものでした。コートジボワールのSocial Justice (社会正義)や他のCSOは、オープンな契約の実施がセクター内の大勢になっていない理由として法律と規制の欠如を引用しましたが、しばしば公務員や企業からの抵抗に遭遇しました。オープンな契約が制度化され適切に規制されるべきかどうか、Social Justice や他のCSOは、地域コミュニティにとっての明確な利点を粘り強く会話しました。さらに、彼らは、情報へのアクセス及び情報の自由の課題に取り組むタスクを持つ資源センターの体制づくりを奨励しました。

最近コートジボワールでは情報法へのアクセスを採用し、オープンな契約への重要な一歩を踏み出しました。Social Justice および他のCSOは、オープンな契約のための継続的な需要に関して、2013年5月に採用されたExtractive Industries Transparency Initiative Standard(採取産業透明性イニシアチブ標準)と同様に新しい法律にも現在大きく依存しています。

何にでも懐疑的であり続けることはたやすい、というのは明らかです。しかしながら、Social Justice のコートジボワールでの仕事は、契約関連情報にアクセスできるようになったことで、セクター内の主要なステイクホルダーが採取セクターの活動によって影響されて、社会的及び経済的な責任に応えることを保証することをコミュニティができるようになる、ということを示しています。

ストップ秘密契約キャンペーンは、オープンな契約の問題を国際的な政策課題へと押し進めるために設計されています。請願書に署名しStopSecretContracts.org で言葉を広げることで、キャンペーンに参加してください。

Social Justice についての詳細はこちら:https://www.facebook.com/socialjusticecotedivoire2

写真:Adjue, Jaqueville のLogement de Maitre(教師のための住宅)のSocial Justice 派遣監視員。ガス会社Foxtrot の資金提供による。

原文(2014/3/31 Open Knowledge Foundation Blog 記事より):
Original post Tackling the Resource Curse: Civil Society’s Fight for Better Access to Information and Open Contracting in Cote d’Ivoire / Katelyn Rogers, licensed under CC BY 3.0.

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英国の健康からナイジェリアの教育まで – ストップ秘密契約

2014年5月6日 in News, Special

本日(訳注:2014/3/24)、英国国民健康保険における不正行為および過誤が毎年約70億ポンドの損失につながっていることが発表されました。これは約250,000人の新しい看護師の賃金に相当し、緊縮経済の圧力の下でこれまで以上にサービスが苦境にあるこの時期に起きています。

金銭が失われる主な理由のひとつは、契約者による過剰請求および納入不足です。不可解な契約者への健康対策のアウトソーシングは英国においてますますポピュラーになっており、それは不正行為と汚職の温床となっています。また、事態がうまく行かくなったときに、市民は、是正するための有効な手段を持っていません。

ナイジェリアでは、市民社会グループは、教育改革を行うために作成されている重要な契約へのアクセスを拒否されています。ナイジェリアは、世界で最も未就学児童が多い国であることが分かりました。教育改革は疑いもなく必要です。

しかし、関係する契約についての情報は「商業機密」で覆われています。透明性が不足すると純粋な改革の可能性が減り、参画を妨げます。プロセスが秘密に覆われる時、すべてのナイジェリア人のニーズを満たす包括的な教育システムは実現できないでしょう。

世界の中で、契約行為は悪用にいちばん向いている政府の一面です。政府は、公的な調査に契約をさらすのを避けるために、商業機密あるいは国家安全保障といった主張の背後に隠れています。

stopsecretcontracts logo

今月、私たちは調達プロセスをオープンにするように世界の指導者たちに要求する、ストップ秘密契約キャンペーンを始めました。最も基礎的なレベルでは、契約のデータは市民に利用可能とならなければなりません。これは次のものを含んでいます:

  1. 契約の全文;
  2. 事前研究、入札書類、実績評価、保証および監査報告のような重要な文書;
  3. 計画策定プロセス、調達方法および評価基準のような契約の構成に関する情報;
  4. 納品予定、実装、支払いおよびリスク評価の状態といった、実績と完成に関する情報。

しかし、さらに、オープンガバメント・ガイドの中に配置されているように、私たちは参加と説明責任へのより強いコミットメントを確認したいのです。公共サービスを隅々にまで提供するのに契約者の役割は高まりつつあるので、私たちは社会の重大な局面に関する民主的な運営を確実に保持しなければなりません。

私たちは、この言葉を広げるのを手伝ってくれる「あなた」が必要です。私たちは、この問題がG20とOGPによって真剣に受けとめられるように、請願書に署名してくれる「あなた」が必要です。この重大な問題に取り組んでいる組織は、多くの声がその背後につながっていることを示せる必要があります。

一旦署名すると、さらに手伝ってもらえることがあります。私たちのバングラデシュスウェーデンのローカル・グループが行ったように、ブログ記事を書くことができるでしょう。@StopSecretContracts をフォローしたり、#SecretContracts を使って、興味深く適切なものをリツイートすることができるでしょう。政策協議にもっと参加するためにOpen Contracting Partnership の実践コミュニティに加わることができるでしょう。C20協議(今年のオーストラリアでのG20周辺の市民社会参画プロセス)への貢献を、特にガバナンスグループの中で、始めることができるでしょう。支援組織のリストをチェックできるでしょう:そのどれかがあなたの地域にある場合、あなたがその推進を支援できるかどうか連絡して確かめてみてはいかがですか?

あなたがオープン・コントラクティングのことや、なぜそれが重要かということをもっと学習したければ、利用可能なリソースはたくさんあります。Open Contracting Partnership は、これらのオープンな契約のためのグローバルな原則を作成し、サンライト財団は調達におけるオープンデータのためのこれらの補足ガイドラインを持っています。この報告書、Publish What You Buy はオープンさに対する意見を表明しており、オープンガバメント・ガイド内のこのエントリーはその課題や、私たちが確かめる必要のある政治的コミットメントのようなものの理解に適した出発点です

次週月曜日から、私たちは、ストップ秘密契約キャンペーンを支援している、様々な組織からの一連のブログ投稿を公表する予定です。契約の秘密についての問題に関して共有したい話がある場合は、contact@stopsecretcontracts.org に連絡してください。

原文(2014/3/24 Open Knowledge Foundation Blog 記事より):
Original post From Health in the UK to Education in Nigeria – Stop Secret Contracts / Theodora Middleton, licensed under CC BY 3.0.

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オープンガバメント・データへの障壁を理解する

2014年4月7日 in Featured, News

(訳注:この記事は本家OKFn.org記事の日本語訳です)

以下のゲスト投稿はクリス・マーティン(リーズ大学の研究者)によるものです。彼はここでオープンガバメント・データに対する障壁の認識についての最近の研究結果を示しています。彼は、より大きな分野横断的な共同作業の効用を指摘して、公共及び非営利セクター間の認識に関する類似点と差異に着目します。

今年(訳注:2013年)の初めに、オープンデータについての進行中の研究の一部として、私はオープンガバメント・データに対する障壁を探る調査を実施しました。私は、オープンデータ・コミュニティがオープンガバメント・データからの価値を実際に生み出すことへの潜在的な障壁をどのように認識しているか理解しようと努めてきました。私は、障壁の話題が(オープンデータの他の領域ほど「魅惑的」ではないかもしれませんが)以前から探索すべき重要な領域として残ったままであると信じています。第1に、その約束を実現する現実性がオープンデータへの熱狂の最初の波に遭遇するにつれて、データ・コミュニティが直面した挑戦をより明瞭に表現するために。第2に、障壁をより明瞭に表現することで、これらの障壁を克服するための全体論的、社会技術的なアプローチが出現することを可能にすることを願って。

いくつかの予備調査の結果

233人が、公共、民間、学術および非営利セクターから将来展望をもたらすための国際的なオープンデータ・コミュニティをまたぐ調査に参加しました。大多数の参加者はヨーロッパまたは北米で働いていました。調査の参加者は、調査で示された記述が(彼または彼女の経験や意見において)オープンガバメント・データからの価値を実際に生み出すための障壁であることに同意する傾向がありました。この傾向は、下記プレゼンテーションのグラフ中に示されたように、多くの理由からあまり驚くべきことではありません。私の見るところでは、その最大の理由は、オープンデータの議題は潜在的に相反する利益を持つ複数の組織の大規模な社会的・技術的変化を必要とするからです。私はここに、調査結果の多数の詳細な分析から3つの最初の結論を取り上げます。

オープンガバメント・データのコミュニティは、供給側の障壁に関心を寄せており、需要側の障壁には懐疑的です。

供給側の障壁への関心は調査結果内で顕著です。私にとってこれは、オープンデータの議題(つまり、データを利用可能にすれば利用者が来るだろう)を補強する、データ駆動の考え方を反映しているように見えます。最も強いコンセンサスが下記を含む供給側の障壁のまわりで生まれました(つまり、75%以上の参加者が障壁が存在することに同意したところ)。

  • 政府組織は、リスク回避の文化を持つ傾向があります。したがって、データへのアクセスが制限されるべきであると考えます。
  • 政府組織内の個人およびグループは日々の業務活動の一部ではなく、臨時の活動としてオープンデータを扱います。
  • 政府組織はオープンデータへの資金提供やオープンデータ利用促進のための首尾一貫したビジョンを欠いています。
  • 政府組織は、潜在的なオープンデータ利用者の多様なコミュニティを巻き込むための効果的なプロセスを確立する挑戦に直面しています。

反対に、最も懐疑的に見られた障壁(つまり、40%以上の参加者が同意せず、障壁が無いと信じたところ)は、しばしばオープンガバメント・データの需要側の質問に関係がありました。

  • オープンデータ用の民間、公共および市民社会セクターをまたぐ潜在的利用者からの需要はほとんどありません。
  • 政府組織が利用可能にしたオープンデータの価値は低いです。

オープンガバメント・データの課題のいくつかの政治色を帯びた局面の周辺で議論が分かれる問題があります。

障壁がデジタル・インフラへのアクセス制限といったオープンガバメント・データの議題の政治色を帯びた局面に関連するところで、しばしば意見が分かれました。これらの議論が分かれる障壁(25%以上の参加者が同意し、25%以上が同意しなかったところ)は、下記を含んでいました。

  • 現在収入を得ているデータがいくつかあるので、政府組織はデータをオープンにすることで財務収益を失うでしょう。
  • 潜在的な市民社会のオープンデータ利用者は、データを利用するために必要とされるデジタル・インフラ、財源および教育用の資源にアクセスできません。
  • 民間部門の利用者は、社会的および環境的価値の開発を犠牲にしてオープンデータからの金融資産価値を開発することに関心を持っています。

セクターをまたぐオープンガバメント・データに対する障壁の認識にいくつかの差異があります。

参加者からの、公共、民間、非営利セクターをまたぐ調査回答の比較によって、認識におけるいくつかの興味深い差異を識別することができます。そのような差異は、オープンガバメント・データに対する障壁をよりよく理解し取り組むための分野横断的な学習と共同作業に対する可能性を強調します。(統計的に)著しく異なる認識が明白であった障壁のうちの2つは次のとおりでした:

  • 政府組織は、データをオープンにする場合に公益に対するプライバシーに関わるバランスを保つ挑戦に直面します。-公共セクターの参加者は、民間セクターのカウンターパートよりも公益とプライバシーのバランスを取ることへの挑戦を認識している傾向がありました。
  • オープンデータ用の民間、公共および市民社会セクターをまたぐ潜在的な利用者かの需要はほとんどありません。-公共セクターの参加者は、非営利セクターのカウンターパートよりも需要の不足を問題と認識している傾向がありました。

障壁に関して何をすべきか?

この研究はまだ初期段階にありますが、私は結果が潜在的に持つ意味に対する2つの個人的な考察の提供をもって締めくくりたいと思います。第1に、オープンガバメント・コミュニティによって認識された障壁の種類、複雑さおよび数は、需要側と供給側の双方にまたがるアクションの必要性を示唆しています。そのようなアクションは、社会・技術的な面を含む政府全体のデータ・システムについての理解によって知らされるべきです。例えば、組織的な目標、文化およびプロセスによるオープンガバメント・データの議題の整理は、技術及びデータとのかかわりで考察する必要があります。第2に、オープンデータは優れた革新で、開発の初期段階にあります。これは供給側の障壁に対する現在の重点に重要な文脈を提供します。オープンデータに対する潜在需要をさらに掘り起こせるように、これは本当に克服しなければなりません。しかしながら、オープンデータにとって、現在のニッチな状態から持続する主流のインパクトを作り出すところに移行するためには、需要側の障壁についての考察がより重要となるでしょう。


クリス・マーティンは、リーズ大学の研究者および学際的な研究ファシリテーターです。彼は、集積エネルギー・リサーチ・センターを拠点とし、ソシオ-テクニカル・センターのアソシエイトです。彼の研究上の関心はオープンデータおよびICT-behaviour-energy インターフェースを含んでいます。彼はオープン、協力的、学際的な方法で研究を行なうために努力しています。社会技術システム設計、ICTおよびエネルギー・システム上の種々の展望を統合する挑戦は、彼を魅了し動機を与えるものです。

より詳細に興味があれば、c.a.martin@leeds.ac.uk か @chrismartin81 でクリスに連絡してください。

Image credit: opensourceway, on Flickr. CC-BY-SA 2.0

原文(2013/6/26 Open Knowledge Foundation Blog 記事より):
Original post Understanding Barriers to Open Government Data / Chris Martin at the University of Leeds, licensed under CC BY 3.0.

オープンガバメントのキモは地域再生

2013年4月12日 in Special

Collaboration / ChrisL_AK / CC BY

Collaboration / ChrisL_AK / CC BY

普請から公共事業へ、そしてこれから

普請(*1)という言葉をご存知でしょうか。普(あまねく)請(こう)の字義どおりみんなに呼びかけて何かをやろうとするものです。古くは近所の道路整備や家の建築など、身近な共同体の相互扶助として行われてきました。後の公共事業の原型でもあります。

近代国家を作り上げるため、あるいは戦後の復興を成し遂げるため、国を挙げて大掛かりな公共事業を行い、経済と共に社会を回して行く仕組みで日本は発展してきました。しかし、完璧な社会は人類史上未だ登場していません。世の習いとして発展はいずれ停滞に至り下降が始まります。日本では団塊世代を中心とした戦後の発展が停滞期を迎え、既に高齢化、少子化社会に向けてまっしぐら。政府・自治体主導の公共事業への依存を大きく方向転換する時期に来ています。

世界の動き

一方、世界を見るとどうでしょうか。

2009年1月、米国オバマ大統領はその就任に際して「透明性(transparency)」、「国民参加(participation)」、「協業(collaboration)」というオープンガバメントの3原則を提示しました。

2009年9月、オライリー・メディア社のファウンダーであるティム・オライリーはガバメント2.0を提唱しました。これはITを活用したプラットフォームとしての政府や、Do It Ourselves な社会を指しています。(*2)

2010年7月、英国キャメロン首相は新政権の社会政策として「大きな政府」ではなく「大きな社会(Big Society)」を打ち出しました。その内容は中央政府から地方自治体への権限移譲、地域住民の行政への参画、民間非営利部門の支援、政府データの公開などです。(*3)

オープンガバメントガバメント2.0、そして大きな社会というコンセプトは表現こそ違え、いずれもオープンデータやIT技術を媒介として個人やコミュニティ(地域の共同体)を中心とする新しい社会をめざしている点で、通底する思想はほぼ同じと言えるでしょう。

こういった動きは日本で根付くのでしょうか?IT技術に縁のない人には関係のない話なのでしょうか?

道普請やご隠居に見る社会参画

かつて日本には中央や地方の政府とは別に、身近な集落内で助けあう共同体はごく普通に存在しており、例えば「道普請」は今でも行われています。(*4)政府や自治体に税金をつぎ込んでもらうだけでなく、自分たちでやれることはやってしまおうというならわしの背景には、精神論だけではなく経済的な合理性もあります。

また、江戸時代には早ければ40歳台半ばにはリタイアする「ご隠居」がかなりいたとする説があります。(*5)ご隠居とは次世代に家督を譲り、直接的な利害関係を離れて街を見守る、いわばスーパーバイザーです。おそらく自分の家族のことだけでなく、町内やより広い社会の「全体最適」の視点を持ちやすい存在だったのではないでしょうか。こういった人たちが地域の自治に意見を出したり、参加したりする自律的な社会は、まさに今必要なものです。

地域の行政は全て役所の役割として一方的に任せてしまうと役所に対する声の大きい人の意見だけが通ったり、受益者としての市民の権利意識が強くなりがちで、結果的に不平等であったり高コストな社会を生み出しやすいといった弊害が出てきます。これからの日本にはリタイアした人も、現役の人も、社会におけるそれぞれの立場から、声の大小ではなく、オープンデータという客観的な事実に基づいて、自分の住む地域の行政をウォッチし、意見し、参加すべきです。他の誰でもない、自分自身が参加意識を持つことが必要です。

古くて新しいオープンネス

「情けは人の為ならず、巡り巡って己が為」ということわざがあります。他人への思いやりは長い目で見れば相手だけでなく、社会のつながりを経て最終的には我が身のためにもなる、といった意味合いです。利己的な考え方というよりも、情けを受ける側の負担感を減らす思いやりのある言葉だと思います。「オープンネス」の考え方も全く同じです。公開することによる直接的な利益は短期的には必ずしも明らかではありませんが、長期的にはその波及効果は社会全体に利益をもたらすと考えられています。

直接民主主義に近づくツールとしてのIT

民主主義の理想は全員が直接的に政治に参加する直接民主主義ですが、これまで住民全員が社会の運営に参加することが不可能であったため世界の多くの国々で間接民主制あるいは議会民主制がとられています。しかしITやソーシャルメディアの発展はこの常識を変えようとしています。ソーシャルメディアを使う人は社会全体からみればまだ一部に過ぎません。しかし、投票にもあまり行かず、社会で声を上げる機会が少なかった人たちから幅広く、低コストで意見を吸い上げられる可能性があるのです。ガバメント2.0などの文脈でITが大きく取り上げられる理由はそこにあります。
(参考:ITを使った場合でもひとりひとりが全てバラバラな意見を言うだけではとりまとめが困難なので、意思決定をその分野に詳しい知り合いに委任することができるという、いわば餅は餅屋式の仕組みを持つ液体民主主義(*6)という考えもあります。)

一方でデジタルデバイドや声を上げにくい社会的弱者の存在には十分配慮する必要があります。こういった人たちも含めた多方面のステークホルダーが、オープンにされた情報やデータに基づいて多様な意見をぶつけ合う場を設け、みんなで街づくりを考えていくことが、様々な課題にとって解決の糸口となることでしょう。

むすび

ITのチカラを借りて新しい社会のあり方を目指すオープンガバメントやガバメント2.0は、なんだか遠い世界のことのようにも聞こえますが、そのアプローチは実は私たち日本の文化にはとてもなじみ深いものです。日本各地に残る共助の仕組みや地域再生の試みを再評価し、さらには市民自らが行政に積極的に参画する時が来ているのです。

参考資料:
(*1) 普請
(*2) ティム・オライリー特別寄稿:ガバメント2.0―政府はプラットフォームになるべきだ
(*3) 英国新政権の市民社会政策-「大きな社会の構築」について-
(*4) 道普請(みちぶしん)」って何???
(*5) 江戸時代のくらしとご隠居パワー
(*6) 液体民主主義 液体フィードバック入門

ガバメント2.0を理解する国連のツールキット-OGDCE Toolkit

2013年3月31日 in Special


2013/6/1 第2版が出ました。詳細は市民参画のためのオープンガバメント・データに関するガイドラインを参照。
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開発管理における 市民参画のためのオープンガバメント・データ 指導ツールキット(OGDCE Toolkit)

国連の行政開発管理部門(DPADM),経済社会局(UN DESA)による開発管理における市民参画のためのオープンガバメント・データツールキット

ガバメント2.0、オープンガバメント、オープンデータ、ガバメントデータ、オープンガバメント・データ等々よく似た用語が飛び交い、お互いが少しずつズレた概念のことを話しているのに気付くことがあります。生産的な議論のためには用語の定義や概念についての認識が共有できていないと、いつまでたっても噛み合わない不毛なやりとりになりかねません。

2013年2月、国連行政機関ネットワーク(UNPAN)より「開発管理における市民参画のためのオープンガバメント・データ 指導ツールキット(OGDCE Toolkit)」(原文はこちら)が公開されました。これは世界各国のオープンガバメント及びその鍵となるオープンガバメント・データへの取り組みをベスト・プラクティスとして整理し、関連する用語や概念の定義を試みたものです。

構成としては政府や自治体内部向けにオープンデータを軸にしたオープンガバメントを推進するのに必要な情報や手順をまとめた形式になっていますが、もちろんそれ以外のオープンデータやオープンガバメントに関心のある方向けにも有益な内容です。

例えば「オープンデータ」とは何か、ということについて法的なライセンスなどの側面と、技術的なファイル形式などの側面がある点など、幅広い視点から捉えており、各国の事情に合った進め方をして行く上での議論のベースになる内容です。

画像の出典:DPADM/UMU

画像の出典:DPADM/UMU

冒頭に挙げたオープンデータ、オープンガバメント、ガバメントデータ、オープンガバメント・データの関係は上図のようになっており、こういった関係性の整理は重要です。ちなみに、ガバメント2.0はティム・オライリーが提唱したものでITを活用したプラットフォームとしての政府やDo It Ourselves な社会のことであり、オープンガバメントの概念とほぼ重なるものです。

今回、「オープンデータ活用!」というFacebook グループの有志によりこのツールキットの日本語版初版がリリースされました。内容について、興味ある方はぜひ上記ツールキット画像をクリックしてPDF(約4.3MB)をダウンロードの上、ご一読ください。複製や再配布はご自由にどうぞ。

また、ガバメント2.0やオープンガバメントの推進をお考えの方でご質問やご相談などありましたらこちらの下部のフォームでお気軽にお問い合わせください。

以下、目次のみご紹介します。

ツールキットの概要
始める前に
ツールキットの使い方
誰がツールキットを使うべきか
セクションⅠ- オープンガバメント・データとは
透明性と説明責任のための市民参画
市民参画とは
オープンガバメント・データにおける「オープン」の定義
データの種別、セット、及び用法
構造化データ、機械可読データ、ローデータ、そしてLinked Data
データセット
データを制限無しに利用、再利用及び配布する権利
なぜガバメントデータのオープンが重要か
オープンガバメントデータの原則
課題、制限及びリスク
セクションⅡ – オープンガバメント・データ戦略の設計
政府及び国家発展戦略の一部としてのオープンガバメント・データ戦略
ステークホルダーを巻き込もう
他者に学ぶ
自己評価
オープンガバメント・データのレディネス
リソースを識別する
人的及び組織的資源
技術とインフラのリソース
財政的なリソース
ゴールと目的の設定
アクションの定義
セクションⅢ – 実施、モニタリング及び評価
アクションプランを開発する
中期計画と長期計画
ロジスティクス、訓練及びファシリテーション
実施計画を監視する
実施計画の遂行
ステークホルダーからのフィードバック
データをオープンにするには
データセットを選択する
需要駆動型アプローチ
供給駆動型アプローチ
人々に尋ねる
コスト対用法と利益の分析
オープンライセンスを適用する (法的なオープンネス)
データを利用可能にする (技術的なオープンネス)
オンラインの手法
データを発見可能にする
データポータルとカタログ
Linked open data
結果とインパクトを評価する
パフォーマンス指標の確立
セクションⅣ – オープンデータ・エコシステムを持続する
コミュニケーションとアウトリーチ
オープンガバメント・データの利用法をプロモートする
再利用コミュニティ参画の持続
より広くアウトリーチするためのソーシャル・ネットワーキング・サービスの利用
ステークホルダーとのコミュニケーションとフィードバックループ
セクションⅤ – 附属書
I. オープンガバメント・データ・レディネス評価
II. データプラットフォーム
III. データとファイルの形式
おすすめの読み物
おすすめのビデオ
参考図書