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オープンデータのライセンスを考える(2)データの種類と著作権

2012年10月20日 in Special

Photo (c) Horia Varlan, licensed under CC BY.


それでは「データ」にはどのようなものがあるだろうか。問題解決に役立つ「情報」を取り出せる可能性のある数値、写真、図画、録音、録画、記事、等々、といったものは幅広く「データ」と考えられるであろう。その多くは電子化され、コンピュータ内では通常その種別は拡張子で区別される。

これらのデータを取り扱う際に注意しなければならないのが知的財産権、とりわけ著作権である。日本では著作権は特別な手続き無しに著作物に発生し、放棄できないものとされる強い権利である。

データの中には写真などのように明らかに著作物とみなされるものと、統計値などのように事実情報であり著作権が及ばないとされるものがある。その境界についての判断は専門家の領域であり、最終的には司法判断を待つべきものであるが、いずれにしてもデータには著作物と事実情報が混在している可能性があると考えるべきである。

著作物に生じる著作権を、著作権者の判断で利用許諾するための宣言、あるいは契約がライセンスである。著作物(コンテンツ)に対するオープンなライセンスとしてはクリエイティブ・コモンズの「CC0」「CC BY」「CC BY-SA」などが、ドキュメントに対するものとしてはフリー・ソフトウェア・ファウンデーションの「GFDL」などが代表的なものである。

オープンデータのライセンスを考える(1)データとは?

2012年10月20日 in Special

Photo (c) tiseb, licensed under CC BY.

オープンデータのライセンスについて、シリーズで考えてみたい。まず「データ」とは何だろうか。Wikipediaによればその定義は以下の通りだ。

概念

伝達、解釈、処理などに適するように形式化、符号化されたもの、または再度情報として解釈できるものをいう。与件または所与ともいう。data, datum(英語)はラテン語・イタリア語のdare(与える)を語源とする。中国語では「資料」または「数据」ともいう。
直面している問題の解決や、意思決定に役立つか否かという観点から、データと情報を区別する場合もある。その場合においてデータとは、情報を生みだすための素材のことを呼び、データのなかの問題解決に役立つ材料のみを情報とよぶ。データを受けとった人によって、さらにはその人の状況によって、データであるか、情報であるかは変化することになる。
端的に言うと、意味のあるデータが「情報」となる。

規格上の定義

国際標準化機構の「ISO/IEC 2382-1」および日本工業規格の「X0001 情報処理用語-基本用語」において、「データ」の用語定義は “A reinterpretable representation of information in a formalized manner suitable for communication, interpretation, or processing.”「情報の表現であって、伝達、解釈または処理に適するように形式化され、再度情報として解釈できるもの」とされている。

この定義を基にすると、「データ以前」ともいうべき、形式化、符号化されていないものの存在に気づく。例えば「手書きメモ」や「手書き調査票」などは情報を取り出しやすい形式化、符号化が行われていないことが多い。一方、人が理解しやすい「情報」はデータ処理の結果として、視覚化や改竄防止措置などの加工が加えられた上で発表されることが多く、データとして使いやすい形になっていない。

このように「データ以前」「データ」「情報」の3段階があるとすればオープンデータとして求められているのは2番めの「データ」であり、即ちこれがティム・バーナーズ=リーの言う「Raw Data」である。

「データ以前」のものはコンピュータ・システムに乗せる場合には必然的に「データ」化されるが、コストを要するのですぐさま対応できるわけではない。しかしながら「情報」についてはその基となった「データ」がどこかに存在している可能性が高い。従ってその元「データ」を得るコストは本来ほとんど掛からないはずである。

オープンデータを語る時に悪の象徴とされている感のある「PDF」は「情報」であるにも関わらず、その公開者が「データ」処理を外部委託している場合には手元に「データ」が無い場合がある。このため、データをオープンにしようと思っても即座には対応できない、という問題を抱えている。過去の契約に遡ることは難しいかもしれないが、これからのものについては委託時の契約見直しなどの対策が待たれるところである。