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オープンデータのインパクト・ケーススタディ15: 米国ニューヨーク市ビジネスアトラス

2016年4月9日 in Events, Featured

(訳注:この記事はGovlab 記事の日本語訳です)

競争の場の平準化

投稿者:Andrew Young, David Sangokoya, Stefaan Verhulst *

インパクト 新たな経済機会を創出

部門 ビジネス

場所 米国

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概要

小売業の起業家はそれぞれの取引の専門家ではあっても、営業中あるいはその検討中である地区の経済状況についての質の高い情報にアクセスできないことがよくあります。NYCビジネスアトラスは、中小企業が新規ビジネスを開業したり、既存の事業を横展開したりする場所を決定するのに役立つ高品質なデータにアクセスできる公共ツールを提供することにより、その情報格差を緩和するように設計されています。このツールは、消費者行政局のビジネス・ファイリングデータ、財務省の売上税データ、国勢調査の人口統計データ、そしてPlacemeter (リアルタイムの交通情報にフォーカスしたニューヨークのスタートアップ)の交通データ、といったものを含む多様なデータを収集しています。

要点

  • 政府が目標とする取り組みを民間事業者と直接連携すると、オープンデータのインパクトを増幅することができます。このような「データ協働」は官民パートナーシップモデルを越えて、新しい形の協働を表しています。そこでは民間企業、研究機関、政府機関を含む様々な分野の参加者が、公共の問題の解決を支援するためにデータを交換することができます。2
  • 世界中の数多くの初期段階のオープンデータプロジェクトは単なる情報発信にフォーカスしていますが、次の段階ではターゲットとするユーザー中心のリリースを念頭に展開する必要があります。ここで論じている事例では、中小企業サービス部門によって行われたユーザー中心の取り組みは、ビジネスアトラスがとりわけニューヨークの中小企業のコミュニティに役立つように設計されたということを確認する手助けとなりました。
  • ニューヨーク市長のデータ分析室(MODA)は、行政府内外の人のためにデータから新たな洞察を得るのに必要な分析作業までも行うことによって、行政府が国民に生の形式でデータを提供する以上のことができるやり方の例を示しています。

背景

近年、都市生活はデータによってその姿を変えつつあるという認識が広がり始めていました。シカゴからロンドンやシンガポールまで、市の行政官や企画官は、将来の計画を立てるとか、道路の陥没や廃棄物収集といったありふれた日常の問題に対処するために、データに目を向けています。このような傾向の根底には、スマートフォンやセンサーなどのデバイスを通じて、都市部で(多くの場合、受動的に)生成される膨大な量のデータへの意識があります。エコノミスト誌の言葉を借りれば、今日の都市は「屋外のコンピュータ」であり「データ工場」なのです。3

2002年、マイケル・ブルームバーグはニューヨーク市の第108代市長として就任しました。ブルームバーグは、金融トレーダーにデータと洗練された分析を提供することでその財を為しました。彼の政権下では、市民が日々生み出している数テラバイトのデータからより大きな価値を抽出しようとしている世界中の多くの都市に、ニューヨークが参加するであろうことはおそらく不可避でした。

2013年に第306令の下、ニューヨーク市は市長データ分析室(MODA)を設置しました。4 その目標として「より効果的、効率的、かつ透明な行政府のために市のデータを活用する」ということが掲げられました。5 今日ではデータ分析室は、多種多様な情報源からデータを収集分析する、市庁舎に拠点を置くアナリストのチームを含んでいます。他の領域では、MODAは防犯、災害対応、公共サービスの改善、経済発展に取り組んでいます。MODAは現在、健康、ビジネス、公共の安全などに関連する12,000を超えるデータセットを収容するニューヨークのオープンデータポータル(https://nycopendata.socrata.com)を設置する際に重要な役割を果たしました。またMODAは、様々なニューヨーク市の組織間のデータ共有と相互運用性の強化を目指して情報の単一の統合リポジトリであるデータブリッジの設置に貢献しました。6 2015年7月には、市は2つの中心的な「信念」すなわち「すべてのニューヨーカーはオープンデータから利益を得ることができること」そして「そのオープンなデータは、すべてのニューヨーカーから恩恵を受けることができること」に焦点を当てた戦略文書「みんなのためのオープンデータ」の更新版をリリースしました。7

図1. ニューヨーク市のオープンデータポータル

こうした努力により、ニューヨーク市は一般的に米国(自身オープンデータバロメーターで第2位の国)でオープンデータへの取り組みでのリーダーだとみなされています。8 とりわけMODA は、オープンデータ・エコシステムにおける先駆的であり、真似されることの増えてきた組織です。この組織は、説明責任やイノベーションを進展させるためにオープンデータを公表する点のみならず、そのデータに対する分析作業を行うという点でも重要な役割を果たしてきました。その取り組みは、都市サービスの効率を測定したり、データ駆動型の予測を提供したり、ビジネスアトラスと同様に、政府機関や国民に対して多様な情報源から新たな洞察と可視化を提供するために高付加価値のデータセットを組み合わせる、といったことを含んでいます。

本稿執筆時点でニューヨークの主任分析官であるAmen Ra Mashariki博士に率いられたMODAによる分析の努力は、災害対応と復旧を支援し、市の機関の交付業務やサービスを改善し、市の機関相互のデータ共有を可能にし、データ分析におけるベストプラクティスを結晶化させ、そして本稿の記述で証明されているように経済発展に拍車をかけるために配備されました。9

ここで焦点を当てている領域や分析作業の種別の中で、MODAは意識の向上、成功の測定、インパクトの最大化、そして参画の増加という4つの中心的、包括的な目標に署名しています。10

Mashariki の前任者であり最初のニューヨーク市主任分析担当官であるMike Flowers は、MODAの初年度事業の後に発表された年次報告書で、シティのデータ事業でMODAが果たした重要な役割を次のように説明しました。「直前の3期の間に、私たちの行政機関が街をより安全に、ビジネスをより活気に満ちたものに、公園をよりきれいにするために利用する情報システムを開発しました。統計解析、エンジニアリング・スキル、ミッションや行政機関の組織構造(市政府のなぜ、何、そしていかに)の精査、といったものを混ぜ合わせることで、MODAは、これらのシステムを結びつけ、市が私たちの集合知と経験を活用できるようにして、いちばん厄介な課題に立ち向かいます。」11

MODA関係者によると、その使命とプロジェクトは、新たな分析機能の利用を試みつつ、ニューヨーカーのための身近で「厄介な」課題に焦点を当てています。例えば、MODAの分析ディレクターであるLindsay Mollineaux は、 MODAで物事を考える際には[現実のニーズに対処]することが要諦であり、すべてのプロジェクトがニーズに対処している、と述べています。私たちは自分たちのやっていることが役に立っているかどうかを確認したいのです。」

プロジェクト

2013年に開始したニューヨーク市のビジネスアトラスは、「分析による中小企業の成長駆動」を目的としたMODAによるより広範な試みの一環です。13 このより広範な努力はまた、総合ビジネス国勢調査も含みます。これはスーパーストーム・サンディの余波で発生し、当時は市が企業や経済に対する嵐の影響を完全に評価するために苦労しました。MODAがこの領域で取り組みを始める前には市内の企業の包括的な記録がありませんでした。MODAは、ニューヨーク市の企業や事業活動のより多くの「全体像」を組み立てるために、土地利用や地理データのデータベースであるPLUTOで作業することによって、この情報格差を埋めようとしました。

図2. ビジネス条件サイドバーとニューヨーク市のビジネスアトラス

ニューヨーク市ビジネスアトラスは、データの話になると、大企業のビジネス領域の周縁部は多くの場合、中小企業と重なっている、という認識を持っている市職員の間から生まれました。大企業は高額なコンサルタントを雇ったり、データ駆動型の研究を委託したりする余裕がありますが、中小企業は、新しく開業する場所や、規制の課題を回避する方法など、重要なビジネス上の意思決定を「勘」に頼る必要があります。Mike Flowers は大企業が保持している利点を次のように説明しています:「マンハッタンではたいてい、あなたはスターバックスにぶつからずに死んだ猫を振り回すことができません。彼らは、次の2点を把握するのに役立つ強固な基盤や能力を持っています。a)最初の場所としてどこで開業すべきか、そしてb)開業する場所の規制の課題を回避することについての知識。」彼は、特に中小企業にとって、データの不足が「慢性」の問題であり「皇帝アウグストゥスがローマの小さなビジネスを奨励しようとして以来、おそらく慢性的なものです」と付け加えました。

様々な紆余曲折がありつつも、ビジネスアトラスの取り組みは、中小企業のオーナーが市政府にはサポートを受けているというよりも包囲されているというふうに、いかによく感じるかということに関するMODA内の議論をフォローし始めました。Flowers は、健康の規制への準拠の度合いに基づいてレストランにアルファベットの等級を割り当てる市のレストランの評価システムは、大規模なチェーンやレストランに利益をもたらす傾向があることに留意し、典型的には「そのインフラの規格適合をサポートするための手段と制度についての経験や制度に関する資源」を持っている、ということに言及しました。ビジネスアトラスは規格適合に関する特定の洞察からは離れたピボットを表しますが、大きなチェーンに対抗するための新しいツールによる中小企業経営者の武装と合致しています。17

ブルームバーグ市長の主任政策顧問であるJohn Feinblatt の言葉によれば、ビジネスアトラスは、「中小企業の所有者の手に質の高い研究を置くことで」情報を「民主化」します。多くのデータ(すべてではない)は、例えばシティのオープンデータポータルを介して、ビジネスアトラス内に既に存在しており、理論的には中小企業のオーナーは少なくとも利用可能であった、ということに着目するのは重要です。しかしながら前述のように、それは断片的な形であることが多く、いずれもビジネスアトラス内に含まれている洗練された分析や可視化のレイヤがありません。これがあれば起業家にとって、データをはるかに入手しやすく有用なものとすることができます。ビジネスマンはmaps.nyc.gov/businessatlas にアクセスして地区を選択すると、このツールを利用できます。このアプリで取り出すデータには人口、年齢別人口分布、平均家計所得、子供のいる世帯数、住宅所有者対賃借人、その他地区固有のもろもろが含まれています。ビジネスアトラスそのものが自由に利用できるだけでなく、ユーザーはまた、シティのビジネスセンターで開催される無料のトレーニングセッションに登録することができ、これはツールの有効活用に役立ちます。19

このプラットフォームの最も重要なデータの一つは、様々な地域の徒歩通行量です。この情報を収集するために、ニューヨークは、地域のスタートアップ企業であり独自スタイルの「都市インテリジェンスプラットフォーム」であるPlacemeter と提携しました。Placemeter はカメラ(既存の市町村道の交通監視カメラとセンサー付きのIPカメラを含む)を利用して、地域を通じて人口の動きを評価します。結果として得られる情報は、歩行者と車両交通データの両方を含んでいます。分析作業の多くはアルゴリズム的に行われている一方で、Placemeter も ビデオを分析し、アルゴリズムによって行われている作業のランダムな品質チェックを実施するのに人間に依存しています。得られたデータはビジネスマンに見込み顧客数の指標を与え、その結果場所に関連するビジネス上の意思決定のガイドを支援しています。22 ニューヨーク市もクラウドソーシングの情報を利用してデータを補完する計画を持っています。ビジネスアトラスの重要な部分ではありますが、公共空間の定量化に関するPlacemeter の取り組みは、これから市が取り組むプライバシーの問題につながる可能性があります。したがって、Placemeter はこれらの懸念を緩和する次のような具体的な措置を講じています。a)全ビデオ中0.01パーセント以下を品質保証の目的でのみ記録・保存し、リアルタイムに処理する。b)特定のIDなどが付与されない、歩行者の匿名の件数だけを提供する。元米国副最高技術責任者(CTO)Nicole Wong も、同社のプライバシー顧問として関わっています。23

アトラスには、Placemeter のデータ以外にも様々な政府部局や外郭団体から引き出されたデータがあります。そこには消費者問題省、財務省(例えば、売上税情報)、そして国勢調査の結果から人口統計データが含まれています。アトラスは、ニューヨーク市の健康及び精神衛生局(DOHMH)、企業健全性委員会(BIC)、環境保護局(DEP)、都市計画局(DCP)そして建設局(DOB)といった部門から共有した情報のみならず、州および国のオープンデータでもこのデータを補足しています。24 MODAのタスクは多くの場合、すでにオープンにされ、一般に公開されていたデータセットの組み合わせと分析に関わっていました。別のケースでは、データのリリースを確保するため、MODAにさらなる努力が要求されました。例えば、財務省の売上税データは個人識別情報が含まれているために保護されています。このデータをアトラスに含めるために、MODAは、最初の匿名化プロセスを通じて個人情報を剥ぎ取る必要がありました。

「アトラスを設計する上で必要なデータの一部は私たちには明らかでしたが、問題は起業家にとって何が役に立つのかということと、情報過多とのバランスでした。」
– Lindsay Mollineaux、市長データ分析室

ひとつの場所ですべてのデータを結合するために、アトラスの作成チームは、いくつかの技術的、概念的な課題を克服しなければなりませんでした。例えば、できるだけ多くのデータが市のデータブリッジ(前述)から引き出された一方で、データセットの互換性に関する避けられない問題がありました。データの標準と形式との間の違いは、ひとつの利用可能なツールに複数のデータストリームを結合するための努力において、重要であり時間のかかる課題を生み出します。さらに、地元企業のための正確なデータを見つけることが予想よりも困難であることが分かりました。Mollineaux が説明したように、各産業は、部門をまたぐ地域ビジネス情報を正確に表現したり統合することが困難になる、独自のライセンス規定(例えば書店のようなビジネスにはまったくライセンス要件はありませんが)を持っています。

ユーザー中心設計および中小企業サービス局との提携

NYCビジネスアトラスの一般的な価値命題は最初から明らかでしたが、MODAは中小企業(そのターゲットとするユーザー)のニーズに本当に合っているかどうかを保証するために、ニューヨーク市の中小企業サービス局(SBS)との提携を決めました。Mollineaux が指摘したように:「アトラスを設計する上で必要なデータの一部は、私たちには明らかでしたが、問題は起業家と情報過多との対比において有用なものは何かということでした。SBSは、私たちの主題の専門家を努め、実際の起業家(例えば、パン屋の開業について相談に来るかもしれません)とのインターフェースを取り、そのニーズに直接応えるためにアトラスを利用することができました。 …私たちはいつでも、主題の専門家であり、成功がどのように見えるか定義することを手助けできるクライアント機関と提携します。」

民族誌的な研究とインタビューを通して、SBSはMODAが様々なタイプのユーザーに最も関連しているものを判断するのに役立つことができました。例えば、MODAは元々所定の地理的位置のためのスコアとして、ビジネスや人口統計情報の一部を表示することにフォーカスしていました。SBSの支援を受けて集まったユーザーからのフィードバックは、実際には、起業家はあまり集約されていないデータにより興味がある、ということをMODAが認識する手助けとなりました。ほとんどのビジネスマンは、画一的な評価よりも基礎となるデータを望んでいました。そのため、データは現在では、単純な評価や等級よりもむしろユーザーが独自の結論を出すことができるように分解された「生の」形式でマッピングされています。

プラットフォームの情報基盤を補完するために、SBSとの提携に加えて、MODAはにニューヨーク市の図書館システムと提携して利用を後押ししました。研究は、多くの起業家が新たなビジネスを開始する方法への洞察を得るのに地元の図書館に依存していることをFlowers と彼のチームに示していました。潜在的ユーザーであるこの聴衆を念頭に、MODAは図書館職員と一緒に作業したり訓練したりして、潜在的な起業家にプラットフォームを紹介し、本質的に「中小企業のカウンセラー」としてふるまうようにしました。

最終的に、異なる機関や研究機関と提携するMODAのアプローチが顕著に実りあることが証明されています。Flowers によれば、これはビジネスアトラスを末永く使ってもらうための、よく考え抜かれた戦略の一部です。Flowers が言うように「あなたは、公務員を参加させる必要があります。…主要な参加者として彼らを参加させない場合は、取り組みの成果は次の選挙で全て失われるでしょう。」

インパクト

世界中の多くのデータ駆動型都市プロジェクトと同様に、ビジネスアトラスは、データの大量の存在とオープンデータの可能性について十分な情報を持ち、認識している比較的洗練されたユーザーベースの恩恵を受けています。この貢献的な生態系は、実態がありかつほぼ即時の、プロジェクトの意図する受益者へのインパクトに翻訳されています。

意図した受益者

起業家や中小企業経営者

  • ビジネスアトラス内に収容されたデータを最も直接的に利用するコミュニティ。
  • 通常大きなコストが掛かる市場調査データや分析に無料でアクセスできるようになると、意思決定機能が改善される。
  • アトラスが提供する市場機会のエビデンスは、新規事業のための資金調達と投資を確保するために有用であろう。

ニューヨーク市の市民

  • 中小企業の起業家に意思決定支援を提供することにより、ビジネスアトラスはニューヨーク市全体の新たな雇用の創出を可能にすることを目指している。
  • ビジネスアトラスの洞察に基づいて開業した新規事業の結果として、消費者がそれぞれの地域社会のニーズをターゲットにした新規事業の流入を目にするはず。
  • とりわけ、市内で伝統的に行き届いていない地域の住民は、コミュニティレベルでのニーズと機会のより深い理解の結果として、その地域で開業した新規事業の恩恵を享受する。

市場調査のための競争の場の平準化

ビジネスアトラスの最も重要なインパクトの一つは、大企業と中小企業間の競争の場を平準化する方法です。MODAの2013年の年次報告書は「主要な全国規模の小売業者が新しい店舗をオープンしようとする場合、企業が新しいビジネスを始める場所を決定する手助けをしてくれる洗練された地区市場調査を委託することが多い。」と指摘しています。31 この種の調査は、多くの場合中小企業にとってはあまりにも高価です。しかし、元ブルームバーグ市長の主任政策顧問John Feinblatt が述べているように、ビジネスアトラスは「…質の高い調査を中小企業オーナーの手にもたらすことで、民主化を進めるのです。」32

中小企業は、データへのアクセス権を持っている場合であっても(例えば、公報やその他の情報源を通じて)彼らはそれを処理し、理解するための分析能力を欠いているかもしれません。ここでもビジネスアトラスは、その洗練された分析と可視化ツールが大企業と中小企業の間の競争の場を平準化するのに、強力な役割を果たしています。自治体チーフデータオフィサーの会議で、ニューヨーク市の主任分析担当官のAmen Ra Mashariki は、このようなデータと分析が中小企業に力を与えることができる多くの方法を指摘しました。彼はローンを組むために銀行にアプローチしている起業家の例を挙げました。ビジネスアトラス内に含まれる情報を用いて、起業家はビジネスの持続可能性と可能性について、実際の証拠に裏付けられた、はるかに説得力のある事例を作り出すことができます。33

ビジネス改善地区(BID)の分析を可能にする

ビジネスアトラスのさらなるインパクトは、自身の取り組みのためにアトラスを展開するSBSの狙いに明らかです。現在、SBSはビジネス改善地区(BID)がいかにニューヨークにおける経済成長に拍車をかけているかの分析を支援するためにアトラス内に含まれるデータを使用することを計画しています。BIDは「財産とビジネスの所有者が自らの商業地区の維持、開発および振興に集団的貢献をすることを選択した 」官民のパートナーシップです。34 今や適切な場所にあるデータにより、ビジネスアトラスのおかげで、SBSは経済の変化、商業投資および事業活動といった面でBIDの各地区を比較することができます。これによってSBSは今度はこれまでどのBIDでインパクトがあったかを識別し、市内全域でその成功を複製するためのベストプラクティスを開発することができます。

市場調査データの新たな利用可能性から利益を得ることを示す、別の特定のコミュニティへのBID地点の成長を促進するためのビジネスアトラスの展開:十分なサービスを受けていないニューヨークの地区の住民。Mashariki が指摘したように、「市の機関はまた、大企業に呼びかけ、別な方法で避けられたかもしれない地区の位置を公開するための十分な理由があるということを彼らに示すためにビジネスアトラスを利用することができます。」35 直感(またはメディア主導のバイアス)に純粋に基づいて位置ベースの意思決定を行う代わりに、企業は今やデータを詳しく見て、説得力のあるビジネスケースを提供する、十分なサービスを受けていない地域を見つけることができます。これは企業のみならず消費者のためにも、ビジネスアトラスが競争の場を平準化する可能性を秘めている、もう一つの方法です。

ニューヨークや海外でデータ分析のイノベーションに影響を与えるということ

今回の一連のケーススタディに含まれる事例の多くと同じように、MODAの取り組みは、他の類似のオープンデータプロジェクトの開発に拍車をかける、重要な波及効果がありました。Flowers はビジネスアトラスは「オープンデータは単にYelpのアプリを構築するだけでなく、はるかに多くの有意義な使い方ができるということを示すために、壁の容量を通じて、確かにこのバーストを持っている。」と述べています。最近、例えば、ニューヨーク消防局(FDNY)はMODA独自の分析チームをモデルにした分析ユニットを立ち上げました。FDNYチームの努力にはリスクベース検査システム(RBIS)の開発と利用が含まれ、これは「火災の危険性が最も高い建物を特定し、消防検査の優先度を付ける部門を可能にします。」37 データはFDNY のデータウェアハウスや都市計画、建築物などを含む他の都市のデータベースからデータブリッジを使用してプールされています。38 このユニットとその分析プラットフォームを立ち上げる際には、FDNYは建設的パートナーシップの一例と市の部局にまたがる相乗効果を提供するMODA と直接一緒に取り組みました。39

NYC内MODAの波及効果の別の例は、違法な建築物の変換に関する苦情を管理するためのNYCの建築物部門プロジェクト、その場で情報提供する市内311の活動である「311シティ・パルス」プログラム、および災害対応に関するデータの収集と共有メカニズム、といったものに見ることができます。40 これらのプログラムはすべてMODA が適用し、テストしたレッスンと指針を利用しました。

他の都市もまた、ニューヨークのオープンデータの取り組みに気づいています。ロンドンに拠点を置く首都財団は、、例えば、ロンドンは「スマートシティ」になるための努力においてビジネスアトラスのようなプロジェクトに目を向けるべきであることを提案しています。財団は最近の報告で次のように主張しています。「企業がロンドンのある部分から来る顧客にアピールしたい場合、ロンドン交通局(TFL)からのデータは、人々が輸送網の中に入り、そして出て行く場所を正確に示しています。それによって人々がどこから来てどこへ行くかが分かるマップを作成することができます。どの地下鉄やバスが止まるかを知るのは、ビジネスを近くに配置するのに役立つ可能性があります。これらの種類のデータセットを利用可能にするオンラインツールの作成は、ニューヨーク市で始まったアイデアを元に構築されるでしょう。」41 同様なデータ分析チームへの欲求は、教訓とMODAのベスト・プラクティスが次第に世界中のイノベーターと政策立案者に共有されているので、広がり続ける可能性があります。42

課題

対話の機会

ツールは実際に人々がそれを使ってこそ有用であるといえます。そのため、ビジネスアトラスがより多くのビジネスマンに、ビジネスの開業を検討しているかもしれない、コンテキストの理解を与える主要な機会を提供している一方で、国民にその機会を伝達することは幅広い利用を保証するための重要な進行形の課題となるでしょう。Mike Flowers は次のように述べています:ビジネスアトラスは、数年におよぶマクドナルドやサブウェイへの嗜好によって享受されてきた種類の市場調査の洞察力と能力である(架空の)「ナディーヌのブリトー」を与えるための努力の一環です。しかし、ナディーヌ(と数千もの彼女のような小さな起業家)はこの情報の可用性には何かしら挑戦が残されたままであると認識しています。
そのためには、すでに市の図書館で行われている啓発とアウトリーチが不可欠でしょう。また、Flowers は開発者がビジネスアトラスに収容されたデータを取得し、新しいアプリケーションを作成できるようにするには、アプリケーション・プログラム・インターフェース(API)の作成が、より広く、そのデータを発信することを手助けできると考えています。

技術的な課題に対処

ビジネスアトラスを成長させるための多くの野望を達成するには、MODAもネックになりそうな多くの技術的課題に対処する必要があります。先に述べたように、例えば、様々な種類の企業は、典型的には異なるライセンス要件を有しています。Mollineauxが指摘しているように、これは、ビジネスのさまざまなカテゴリ向けに存在していたり、異なるソースからデータを一緒に取り出して有意に分析したりすることを難しくする様々な「データの文脈」、といったより一般的な問題のほんの一例です。

過去には、MODAは、このような困難を克服するために独自のアルゴリズムを多数書いています。しかし、課題は残っており、政府機関がより多くのデータを追加する計画を立てるにつれ、それはおそらく増える可能性があります。別の機関やグループから取り出されたデータの大規模なソースを組み合わせ、調和させるための新しい方法を見つけることは、その範囲を広げ、その取り組みを拡大しようとしている機関が直面する重要なタスクの一つです。

データの粒度を改善

ビジネスアトラスに含まれている情報は、営業するのに適した(または適さない)地区を特定しようとしているビジネスマンにとって非常に有用であることが分かっています。しかし、Flowers が指摘しているように「ニューヨーク市の各地区は、アメリカのたいていの町よりも大きいのです。」さらに彼は、その有用性を高めるために、ビジネスアトラスは、そのユーザーに提供する、分析における粒度のより細かいレベルを提供するやり方を探すことができる、と言い添えています。例えば、おそらく、地区レベルの情報を越えて動かし、5または10ブロックが含まれるエリアに焦点を当てられる可能性があります。

今後への期待

MODAは多くの点で、ニューヨークの市民や政策立案者が意思決定を行う方法を変更しました。ビジネスアトラスは、たとえひとつでも、特に大きな可能性を持つ、ほんの一例です。ビジネスアトラスの初期の成功と肯定的な反応に鑑み、MODAはそれをスケールアップし、今後数年間でその範囲を拡大する計画を立てています。

ビジネスアトラス2.0:新しいツールと機能

ビジネスアトラス2.0はMODAが現在、元のビジネスアトラスに追加することを計画している新しいツールや機能強化のスイートに適用される名前です。定期更新に含める予定の新機能の一部は次のようなものです:47

  • ビジネスマンが複数の場所を比較することができる機能
  • 日々の地下鉄乗客情報を含むより多くの交通情報
  • Placemeter の交通量の正確性と完全性を補足することを意図した、徒歩や乗り物によるクラウドソースのデータ
  • 起業家が、そのニーズや仕様を入力し、その事業のために潜在的に適切な場所を識別することができる「ソルバー(解決機能)」ツール

MODAはまた、失敗のリスクがある事業を特定し、積極的に他の中小企業からの支援を提供することによって、それらを標的とする予測分析ツールを追加することを検討しています。この「標的と援助」は、例えば、ローンの提案やその他の金融支援の形をとることになるでしょう。48

パートナーシップとコラボレーション

新機能を展開することに加えて、MODAは、ビジネスアトラスの範囲と有用性を高めるために設計された既存のパートナーシップを強化したり新しく開始したりする予定です。上述したように、MODAはすでにニューヨークでビジネス改善地区の経済成長を分析するために、SBSと提携しています。このパートナーシップは、経済成長に最も資する共通の特性や行動を識別するという点に特に焦点を当てて、継続し、拡張されます。目標の一つは、市の経済成長につながる一連のベストプラクティスを識別することです。

さらに、MODAは、多数の外部機関、研究機関、企業や個人とのパートナーシップを継続し、開始する予定です。49 学術・研究分野では、MODAはすでに、ニューヨーク大学の都市科学と進歩センター(CUSP)、コロンビアのデータサイエンス・センター、レンセラー工科大学とパートナーシップを結んでいます。マイクロソフト研究所とのMODAのコラボレーションは、具体的には311 SMSメッセージへの自動応答に関するプロジェクトに焦点を当てています。MODAはまた、新しいプロジェクトを開発したり、ユーザーからのフィードバックを収集するハッカソンを通じて一般市民と密接に連携したりしています。

Placemeter との取り組みの多くは、単一の一度限りのコラボレーションとして発生しましたが、スタートアップによる新しい取り組みはビジネスアトラスを補う、将来の機会につながる可能性があります。Placemeter のための次の大きなステップは、「実際にあなたの地区の車の速度をリアルタイムに測定し、次にあなたの地区と市職員のみならずより広い利益のためにそのデータを収集する能力です。」これはビジョンゼロ(ニューヨーク市における交通死亡事故をゼロに減らすというビル・デブラシオ市長の使命)において大きな役割を果たすだけでなくビジネス向けに付加的な交通量情報を提供できる可能性があります。

これらおよび他の変更は、計画済もしくは既に進行中のいずれかです。しかし、今後数年間で最も重要な変更や追加の多くは予測不能であり、そしておそらくユーザー側から直接出てくるでしょう。MODAの「みんなのためのオープンデータ」戦略文書は、サイトがどのように、そして誰に使用されるかを見て学ぶための協調努力を概説しています。51 どのような種類のデータや分析ツールがいちばん役に立つのでしょうか?サイトのどのような側面が、ユーザーに困難をもたらしたり、摩擦を引き起こしたりするのだと思いますか?人々はどのようにサイトを発見し、そして(1回きりのユーザーに対して)どうやったらリピーターに変わるのでしょうか?MODAが前に進むにつれて、こうした質問が出て来たり、それに対応したりしていくことでしょう。

私たちの方法論について

原文(2016/3/23 GovLab 「OPEN DATA’S IMPACT」の「EXPLORE CASE STUDIES」より):
UNITED STATES’ NEW YORK CITY BUSINESS ATLAS / Andrew Young, David Sangokoya and Stefaan Verhulst, licensed under CC BY-SA 4.0.
REFERENCE
Special thanks to Akash Kapur who provided crucial editorial support for this case study, and to the peer reviewers who provided input on a pre-published draft.

発表:オープンデータのインパクト:需要と供給が出会うとき

2016年3月26日 in Featured, News

(訳注:この記事はGovlab Blog 記事の日本語訳です)

オープンデータのインパクトに関するケーススタディの主要調査結果

投稿者:Stefaan Verhulst, Andrew Young

本日(訳注:2016/3/23)、「オープンデータのインパクト:需要と供給が出会うとき 」において、GovLabとオミダイアネットワークはオープンデータの社会的、経済的、文化的、政治的なインパクトについての主要な調査結果を発表します。調査結果は、世界中から19のオープンデータプロジェクトの詳細なケーススタディに基づいています。これらのケーススタディは、オープンデータがいつ、そしてどのように作用するのか、私たちの理解に重要な点が欠けているということを示すために用意されました。オープンデータの可能性や、その仮説的なインパクトを推計する熱意は世の中に十分ありますが、具体的な現実世界へのインパクトについての厳密で体系的な分析はあまり見当たりません。

ケーススタディとodimpact.org について

この報告書に掲載されている19のケーススタディは、このプロジェクトのための特設ウェブサイト オープンデータのインパクト (odimpact.org)ですべて見ることができ、地域や分野ごとに代表的なものを選びました。これらは(何が起きたのか)という説明にとどまらず(なぜ起きたのか、そしてより広い関連性やインパクトとは何か)の説明を目指しています。

各ケーススタディは、既存のインパクトの証拠の机上での調査と、特に主要プレイヤーとステークホルダーとの詳細なインタビューを組み合わせて作られました。各ケーススタディの初期のバージョンは、オンライン上でも利用可能にされ、公開ピアレビューのプロセスに供されました。本日発表された論文は、このプロセスの一部として受け取った貴重なフィードバックやコメントを含んでいます。

得られたデータを体系的に解釈するために、私たちは19のケーススタディすべてに適用される分析用の枠組みを用意しました。このフレームワークは、以下に簡単に説明され関連資料でより深く検査されている3つのカテゴリを通して、オープンデータのプロジェクトを検査します。

  • インパクトの主な範囲。
  • 主な成立条件。
  • 主な課題。

インパクトの範囲

地域や部門をまたいで、私たちはオープンデータが(正または負の)インパクトを与えている4つの一般的な領域を発見しました:

  • 政府の改善:オープンデータは、第一に腐敗への取り組みと透明性の向上、公共サービスや資源配分を強化することによって、政府を改善しています。
  • 市民のエンパワーメント:オープンデータは自分の生活を管理できるように市民をエンパワーし、そして新しいコミュニケーションや情報へのアクセス方法によっていずれも容易になった、より知らされた意思決定や新しい形での社会動員のやり方を変更することを求めます。
  • 機会の創出:オープンデータは、イノベーションを促進し、経済成長と雇用創出を促進することにより、市民や組織のための新しい機会を創出しています。
  • 公共の問題の解決:オープンデータは、基本的に市民や政策立案者が自分の手で問題のデータ駆動型の評価の新しい形態にアクセスできるようになることで、大きな公共の問題を解決する上でますます重要な役割を果たしています。これは同時に、よりターゲットを絞った介入と協働の強化を生み出す、データ駆動型の関与を可能にします。

成立条件

オープンデータの可能性を達成し、私たちの報告書で論じた個々のプロジェクトのインパクトをスケールさせるためには、成功へと導くための成立条件をよりよく、より細かに理解することが必要です。私たちは成功を確保する上で重要な役割を果たす4つの中心的な条件(「4つのP」)を発見しました:

条件

  • パートナーシップ:仲介者とデータ共同収集者はデータ需給のより広範なマッチングを可能にし、成功を確保する上で重要な役割を果たしています。
  • 公共インフラ:すべてに対してオープンな公共インフラとしてのオープンデータの開発は、より広い参画、問題や部門をまたぐより広範なインパクトを実現します。
  • ポリシー:オープンデータプロジェクトの定期的な評価を促進するものを含め、オープンデータに関する明確なポリシーもまた成功には不可欠です。
  • 問題の定義:明確な目標や問題の定義を持っているオープンデータへの取り組みは、より多くのインパクトを与え、狙いが漠然と記述されたものや存在理由が不明瞭なものよりも成功する可能性が高くなります。

中核となる課題

最後に、プロジェクトの成功はまた、直面する障害や課題によって決定されます。私たちの研究は、世界中のオープンデータの取り組みが直面する4つの主要課題(「4つのR」)を発見しました:

課題

  • 準備:準備や能力が不足していると(例えばインターネット普及率の低さや技術リテラシー率で明らかなように)オープンデータのインパクトが厳しく制限されます。
  • 応答性:オープンデータプロジェクトは、例えば、ユーザからのフィードバックや成功と失敗の早期の兆候に俊敏性と応答性を保持している場合に成功する可能性が著しく高くなります。
  • リスク:そのあらゆる可能性ゆえに、オープンデータは、とりわけプライバシーとセキュリティへの一定のリスクをはらんでいます。これらのリスクの必要以上のあいまいな理解は指摘して軽減する必要があります。
  • 資源配分:オープンデータプロジェクトは、多くの場合安価に始動することができますが、一方で寛大で持続的かつ献身的な資金を受けられるプロジェクトは、中長期的な成功のチャンスに、より恵まれています。

次世代のオープンデータのロードマップに向けて

私たちが本日発表した報告書は、政策立案者、アドボケート、利用者、資金提供者そしてオープンデータコミュニティ内の他のステークホルダーのための10の勧告で締めくくられています。それぞれのステップに向けて、私たちはいくつかの具体的な実装方法を記述しています。広範な勧告を意味のあるインパクトへと翻訳する方法です。

合わせて、これらの10の勧告とその実装の手段は、私たちが「次世代オープンデータのロードマップ。」と呼んでいるものに相当します。 このロードマップは始まったばかりであり、私たちは近い将来にそれに対する肉付け継続する予定です。今のところ、これは進むべき道を提供しています。私たちはオープンデータの可能性が地域、部門や人口統計といったものをいかに横断的に満たすことができるかをより良く理解し続けることができるように、このロードマップが今後の研究と実験を導く手助けとなることを希望しています。

画面には、9.08.40 AMに2016年3月23日のショット

その他のリソース

主要な調査結果の論文の発表と併せ、私たちはオープンデータのインパクトのウェブサイト上にその他のリソース」セクションも本日ローンチしました。このセクションの目標は、私たちのケーススタディに文脈を提供し、そして他の補完的な研究の方向を指し示すことです。これには、以下の要素が含まれています。

  • オープンデータのケーススタディやソースについての概論を含む「リポジトリのリポジトリ」。
  • いくつかの人気のあるオープンデータ用語集の集大成。
  • インパクトに特に焦点を当てたオープンデータ研究の出版物や報告書の数。
  • オープンデータ定義と分析のマトリックスを収集し、それらの定義を評価する支援を行う。

私たちは報告書で、または当社のウェブサイトで、ここに含まれる情報のいずれかに対する考えや意見をお待ちしております。コメントや提案は、主任研究開発官のStefaan Verhulst までお寄せください(stefaan@thegovlab.org )。

原文(2016/3/23 GovLab Blog 記事より):
RELEASE: Open Data Impact: When Demand and Supply Meet / Stefaan Verhulst and Andrew Young, licensed under CC BY-SA 4.0.

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インターナショナル・オープンデータデイ(IODD)2016開催報告

2016年3月20日 in Events, Featured, News

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2016/3/5にインターナショナル・オープンデータデイ2016が開催されました。
日本からは4回目の参加となる今年は全国67ヶ所の会場で総計2266名の方にご参加頂きました。全世界では264ヶ所で開催されました。(2016/3/19現在、国内は一部未集計地域あり)世界では同日に連携イベントとして開催されたCode for America主催のシビックハッキング・イベントCode Acrossもカウントされています。

参加状況の推移は以下の通りで、日本の開催会場数は突出して多い状況が続いています。

  • 2013年 世界102都市、日本08都市で開催(1国の都市数として世界3位)
  • 2014年 世界194都市、日本32都市で開催(1国の都市数として世界2位)
  • 2015年 世界222都市、日本62都市で開催(1国の都市数として世界最多)
  • 2016年 世界264都市、日本67都市で開催(1国の都市数として世界最多)

国内各地ではそれぞれの地域の状況に応じて、オープンデータ/オープンガバメント推進の初めの一歩や、次のステップへの足がかりなど、様々な目的でこの機会を活用して頂いており、私たちオープンナレッジ・ジャパンとしても大変嬉しく思います。

DSC_0058
また、今年は内閣官房IT室のご協力を頂き、メディアセンターとしてUSTreamのスタジオをお借りして当日の様子を国内外へ情報発信する試みを行うことができました。当日のメディアセンターからの配信録画はこちらです

各地での開催の様子は下記などにまとめられていますのでご参照ください。

参加会場の一覧、参加者、開催報告など
各会場の様子まとめ
#オープンデータデイ 2016 (ほぼ)全ツイート

全体的なサマリーは地域SNS研究会のインターナショナル・オープンデータ・デイ2016開催当日レポートに詳しいのでそちらをご参照ください。

全てを紹介しきれず恐縮ですが、最後にいくつか国内外の会場の様子をピックアップしてみました。また来年もお会いしましょう!


千葉市ではちばレポに関するオープンデータが公開されました。これを受けてイベント後も、ちばレポの運用状況の簡単な分析結果抽出語の共起分析といったその活用事例の報告がありました。行政から出たデータを市民が勝手に分析したり視覚化したりする下地ができつつあることを窺わせました。


流山ではサイトユーザビリティーのチェック(柏市HP編流山市HP編)などが行われました。市民が行政に興味を持つきっかけになる取り組みとして他地域でも参考になりそうです。


佐賀では小城市で警察と連携して小城市交通安全マップ作成などが行われました。市民目線でまちのことを考えるきっかけになりそうです。


国内開催地では最多の参加者数597名となった須坂市では動物園のフォトコンテストと連携してオープンデータ動物園作成の試みが行われました。動物園の来場者にも呼びかけ、オープンデータを普通の市民にも知ってもらう一日となりました。


豊島区では5374.jp の多言語化が行われました。目的を絞って具体的な活動ができたようです。


名古屋では愛知県内の介護関係の拠点の介護士の可視化などが行われました。


エクアドルのキートではマッピング、データ管理ツール、データ駆動ジャーナリズムなど、データドリブンなプロジェクトがいくつか試みられました。


チリのサンティアゴでは公園に出掛けて通行人を巻き込んでのマッピングを行いました。


ネパールでは政府機関を巻き込んだ多様なデータ操作ツールの紹介やワークショップが開催されました。


ガイアナでは中学校の先生などを対象としてOpenStreetMapをベースにGIS技術とそこに政府の情報を重ね合わせるワークショップなどが行われました。


エチオピアのアディスアベバでは研究データのオープン化をすることの意義などについて話し合われました。

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インターナショナル・オープンデータ・デイ(IODD)2016 プレイベント – 開催報告

2016年2月21日 in Events, Featured

2016/1/13に実施された「インターナショナル・オープンデータ・デイ(IODD)2016 プレイベント」の開催報告資料集です。開催を予定されているところでまだ開催内容が固まっていないところはぜひ参考にどうぞ。

◆ごあいさつとIODD2016開催概要

OKJ庄司昌彦

◆IODD2016におけるKnowledge Connector活用術

一般社団法人リンクデータ 下山紗代子様
IODD2016におけるKnowledge Connector 活用術

イベント告知やアイデアの練り上げ、イベント開催報告など、強制ではありませんがOKJではKnowledge Connectorの活用をオススメしています。

◆千葉市開催概要紹介

千葉市 松島隆一様

千葉市開催概要紹介

水戸市開催概要

水戸市 北條佳孝様

水戸市開催概要

crowdb.usのご紹介

東大関本研(Georepublic 川上様)

◆IDDD向けヒント集

平本 健二様

IDDD向けヒント集

◆横浜開催概要 横浜コミュニティデザインラボ

杉浦 裕樹様

 横浜開催概要紹介
今年は大さん橋が使えず会場を探しているが、開催の方向で調整中とのこと。

当日のビデオ:

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世界規模のオープンデータ現況調査、日本は31位に

2015年12月14日 in Featured, News

オープンデータ・インデックス2015

世界的にオープンデータ活用を進めているオープン・ナレッジ(Open Knowledge:本部・英国)は、世界各国政府のオープンデータ進捗具合を調査した「オープンデータ・インデックス」の2015年版を公表しました。

オープンデータ・インデックス は、13分野のデータについて、入手しやすさと扱いやすさを調査するものです。13分野とは、国家統計、政府予算、立法、入札記録、選挙結果、国内地図、天気予報、汚染物質の排出、企業登記、位置情報(郵便番号等)、水質汚染、地籍情報、政府支出です。このうち、水質汚染、地籍情報、天気予報、入札記録は今年から追加されました。(「Health performance 医療施設/感染症情報」および「Transport Timetable 公共交通機関の時刻表」という項目も予定されていましたが、評価対象外となりました)

今年は、台湾が首位を獲得したほか、コロンビア(4位)とウルグアイ(7位)が上位10カ国の中に入るなど、OECD非加盟国の躍進が目立ちました。

一方、122の国と地域の1586データセットを調査した結果、9%にあたる156データセットしか、技術的にも法的にもオープンであるものはありませんでした。まだまだ、オープンデータ化を進める余地はありそうです。

また、日本は今回、31位となりました。昨年(2014)の19位から順位を落としており、残念な結果であるといわざるを得ません。ただし、今回の調査は調査時期の関係で、「政府標準利用規約の改定(CC-BY互換化)」と「法人番号のオープン化」という、日本におけるオープンデータ施策の重要な取り組みが反映されていません。これらの内容を加味し、”オープン”として扱われた場合には、おおよそ15位前後(推定)の点数となり、昨年よりも上昇していた可能性もあります(今年は世界各国で、オープンデータへの取り組みが加速したため、順位の推定はやや難しいところがあります)。いずれにしても日本もまだまだこれから実施できることがある、ということができるでしょう。

国際ランキングで上位を狙うことを目的とするのであれば、今後、評価基準に合わせてデータを出していくという短絡的なことをすればいいのかもしれません。しかし、本来目指すべきは、政府全体の透明性の向上・市民参加といったオープンガバメントの推進や創造的な新ビジネスの創出です。そのために、より幅広く、もっと多種多様なデータをオープン化し、探しやすく使いやすくしていくという全体の底上げを続けていくことが重要だと考えられます。オープンデータの取り組みを文化として政府のすみずみに行き渡らせていけば、その結果として、ランキングの順位も上がっていくでしょう。

このオープンデータ・インデックスは、データの技術的・法的なオープンさの指標であり、政府のオープンさ(オープンガバメントの進捗具合)を測る指標ではありません。オープン・ナレッジの公式ブログでもこの点が強調されています。データの技術的・法的なオープンさについて日本政府は順位を下げましたが、政府標準利用規約の改定に見られるように、日本政府のオープンデータに関する取り組みは、私たち利用者が求めている方向性に向かって着実に健全に進んでいます。

私たちオープンナレッジ・ジャパン(Open Knowledge Japan)は、今後も、日本政府が日本と世界のさまざまな人々とともにオープンデータ・オープンガバメントの取り組みを進めていくお手伝いをしていきたいと考えています。みなさんも、共に歩みましょう!

Open Knowledgeの発表はこちら

※今回の評価について、項目ごとの解説記事の掲載を検討しています。詳細はそちらをご覧ください。

画像の出典:GLOBAL DATA INDEX/OK/PDDL1.0

ContentMine(コンテンツ・マイン) のご紹介

2015年12月6日 in Featured, News

この記事は、オープンデータをテーマにした、「オープンデータ Advent Calendar 2015」企画の6日目の原稿です。他の記事は一覧から見られるようになっており、日ごとに記事が増えていく予定です。ぜひ、ご覧ください。
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(訳注:この記事は Open Knowledge ブログ記事の日本語訳です)

もしオープンアクセスやオープンデータに興味があって、まだContentMine のことを聞いたことがなければ、あなたは大事なことを聞き逃しています!グラハム・スチール〈ContentMine のコミュニティマネージャ〉が、このエキサイティングな新しいツールを紹介するための記事を書いてくれました。

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ContentMine は、100,000,000の事実を学術文献から解放することをめざしています。

私たちは「読む権利は取り出す(訳注:mine)権利である」と信じています:自分の目で文献を読むために合法的にアクセスできる人なら誰でも機械を使ってそうできるべきです。

私たちはこの権利を現実のものとし 、誰もが人文科学の蓄積された科学知識を使って研究を実施できるようにしたいのです。抽出された事実情報はCC0です。

パントン・アーム(ケンブリッジ)のContenMine チーム

パントン・アーム(ケンブリッジ)のContentMine チーム & ヘレン・ターベイ、常任理事、シャトルワース財団

社会の利益のために大量の動的な情報を集める必要のある研究は、とりわけ私たちの成果へのカギとなります。 – 私たちは適切なタイミングで適切な人々にたどりつける適切な情報を見たいのです。そして臨床試験専門家や保護論者などのプロフェッショナルとともに働きたいのです。ContentMine のツール資源、サービス、およびコンテンツは完全にオープンで、あらゆる適法な目的のために誰でも再利用できます。

ContentMineは、WikimediaOpenStreetMap、オープン・ナレッジ、その他のコミュニティの成功に触発されたもので、それぞれが個々の目的を設計し、実装し、追求する小コミュニティの成長を奨励しています。私たちはシャトルワース財団の資金提供を受けています。彼らは世界を改めて考え直すことを恐れず、世界を変えようとしている人々に出資しています。

ContentMine ウェルカムセッション

ContentMineウェルカム・トラスト・ワークショップ

ContentMine への参加方法はいくつかあります。あなたは私たちを、GitHubGoogleグループEメールTwitterで見つけることができますし、最近ではDiscourse 上に各種のオープン・コミュニティを立ち上げました。

この記事はオープンアクセス・ワーキンググループのブログからの転載です。

原文(2015/7/21 Open Knowledge Foundation Blog 記事より):
Original post Introducing ContentMine / Marieke Guy, licensed under CC BY 4.0.

オープンガバメント、オープンデータ、そしてオープンソースについての短編フィルム 「オープン」

2015年12月2日 in Special

この記事は、オープンデータをテーマにした、「オープンデータ Advent Calendar 2015」企画の2日目の原稿です。他の記事は一覧から見られるようになっており、日ごとに記事が増えていく予定です。ぜひ、ご覧ください。
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(訳注:この記事は Open Knowledge ブログ記事の日本語訳です)

これは「オープン」の作家兼ディレクターであるリチャード・ピエトロによるゲスト投稿です。

これを読んでいるあなたはたぶん、オープンガバメント、オープンデータ、そしてオープンソースといった用語に精通していることでしょう。そしてこういった運動を通じて、いかに市民参画が根本から変わりつつあるかということをおそらく理解しているでしょう。

しかし次のような課題があります:どうやったら他のみんなにリーチできるのでしょうか?このような用語を聞いたことがなく、市民参画にあまり興味を持っていない人たちに。

私は次のように考えています:市民参画はブランドとしてはあまり良いものではありません。より多くの人々の耳目を集めるためには、そのブランドをより良いものに変える必要があります。

市民参画を考える際にたいていの人は、おそらくどこかで怒鳴り合っているコミュニティの人々を想像しています。もしくは、地方自治体の開発計画懇談会での居眠り大会といったものを思い描くでしょう。日々の暮らしの中に、全く違うことを埋め込む時間のある人はいるのでしょうか?たいていの人は、自分の空き時間を息苦しいミーティングで座っていることよりも何かしら情熱を持てることへの投資に使いたいだろうと私は思います!(息苦しいミーティングがあなたの情熱ならそれもクールだね!)

市民参画は無味乾燥で退屈だとか、あるいは情報通で意識の高い政策大好き人間のことだと思われています。これらの2つのシナリオの間で、自分の声は決して届かないと感じます。なぜそんなことに関わる必要があるのでしょう?市民参画はうまくPRできていません。たいていの人にとって楽しいものとは思われていません。加えて、特にそれが権利、義務、特権、あるいは処罰(裁判官はコミュニティサービスを処罰として提供します)として話される時には、エリート臭も漂います。

そこで、私は違う視点を取り入れました:アートとしての市民参画。これは、アートが単に美術としてだけとらえてはならないということを提案するセス・ゴダンの本「かなめ」を通じて動機づけられました。むしろ、彼はアートが情熱の産物であると主張しています;アートとは何かを創り出すことで、それが市民参画の全てです – 情熱から来る何かをあなたのコミュニティで創り出すのです。

私は「オープン」がオープンガバメント、オープンデータそしてオープンソースを新しい人々にシンプルに紹介することを願っています。なぜなら新しい方法で行われているからです。私の意図は、それを楽しむことで市民参画というブランドを変えはじめることなのです。

例えば、私は自分をオープンガバメント大好き少年と呼んでいます。そのため「オープン」ではできるだけ多くのポップ・カルチャーや「大好き少年タイプ」の引用を割り込ませて使っています。実際のところ、私はこの短編フィルムをマトリックスの「パロディ作品」と呼んでいます。私達がしたことはモーフィアスがネオに「現実の世界」と「マトリックス」の違いを説明している場面を撮り、それを「オープンな世界」対「クローズドな世界」に改変したものです。私達はオフィス・スペース、ザ・シンプソンズ、モンティ・パイソン、そしてスタートレックへのあいさつも含めました。

ボーナスとして、私はこれらのおなじみのテーマと引用が「初心者」にとってオープンガバメント、オープンデータ、そしてオープンソースをより理解しやすくすることを望んでいます。

そういう訳で、これ以上Apu無しで(ザ・シンプソンズのファンなら分かるでしょう)オープンガバメント、オープンデータ、そしてオープンソースに関する世界初の短編フィルム「オープン」をお贈りします。

「オープン」を視聴

THE TEAM BEHIND OPEN

Writer and Director: Richard Pietro
Screenplay: Richard Pietro & Rick Weiss
Executive Producers: Keith Loo and Bruce Chau
Cinematographers: Gord Poon & Mike Donis
Technical Lead: Brian Wong
Composer and Sound Engineer: GARU
Actors: Mish Tam & Julian Friday

原文(2015/9/29 Open Knowledge Foundation Blog 記事より):
Original post Open: A Short Film about Open Government, Open Data and Open Source / Richard Pietro, licensed under CC BY 4.0.

デジタル時代の中心にオープンを

2015年6月21日 in Featured, News

(訳注:この記事は Open Knowledge ブログ記事の日本語訳です)

Rufus Pollockです。

私は2004年にオープンナレッジと呼ばれる非営利組織を立ち上げました。

私たちが自身に課したミッションは、すべての公益情報をオープンにし、変化を駆動するための洞察を生み出すために使われるのを見ることでした。

どんな種類の公益情報でしょうか?要するに、そのすべてです。政府が私たちの税金をどのように使うか、あるいはどれほど素早く天候変化が発生しているか、といった大きな問題から、例えば、次のバスがいつ到着するかとか、下町のコーヒーショップの正確なアドレス、といったシンプルな毎日のことまで。

この10年間、私たちはオープンデータおよびオープンナレッジ運動のパイオニアとリーダーとして活動してきました。私たちは、2005年に、オープンデータのオリジナルの定義を書き、何千ものデータセットの鍵を外すことを手伝いました。そして、私たちはCKANのようなツールを構築し、これは米国のdata.govや英国のdata.gov.ukのような多数のオープンデータポータルを稼働させています。私たちは、洞察と変化を駆動させるために情報をオープンにするために働いている30カ国以上のすべての個人と組織のネットワークを形成しました。

しかし、本日私がここにいるのはオープンナレッジとその活動について詳しく話をするためではありません。

そうではなく、一歩翻って、より大きな絵図について話したいと思います。すべての光り輝くものがビットの並びであるデジタル時代について、そしてなぜオープンネスをその中心に置く必要があるのか、みなさんに話したいのです。

グーテンベルクとティンダル

そのためにまず、物語から始めます。それは真実の物語でちょっと前 – 500年ほど前の話です。2人の人物に関係しています。一人目はヨハネス・グーテンベルクです。1450年に、グーテンベルクが発明したのが印刷機です。現代のインターネットのように、それは革命的なものでした。印刷機が発明される前には、全ヨーロッパでちょうど30,000冊の本があったと見積もられています。それが50年後には1000万冊以上となりました。革命的な出来事であり、その動きは15世紀のペースでしたが、年単位ではなく、10年単位のペースでした。次の500年の間、グーテンベルクの発明によって、知識を共有し、近代的な世界を作り上げるための私たちの能力が変革されてきました。

二人目はウィリアム・ティンダルです。彼はイギリスで1494年頃に生まれ、グーテンベルクの発明の世界で成長しました。ティンダルは当時の学者の古典的な経歴に従って聖職者の職に就きました。1510年代に、彼がまだ若かった頃、宗教改革はまだ起きておらず、法王はヨーロッパ全域の統合された教会の最高統治者でした。教会、そしてローマ教皇の位はバイブルのラテン語からの翻訳を禁じることで知識による権力を保護したので、その公式な聖職者だけがそれを理解し解釈することができました。

ティンダルは独立の精神を持っていました。彼がとある地域の聖職者との論争に巻き込まれた物語があります。
聖職者は彼に話しました:

「我々は法王の法よりも、神の法とともにあらざる方が良い。」

ティンダルは答えました:

「もし神が私を長く生かしてくださるならば、私は鋤を引く少年があなたよりも聖書のことを知るようにするであろう!」

ティンダルが言おうとしたのは聖書をみんなにオープンにしよう、ということです。

ティンダルは彼の約束を実行しました。迫害を避けるために国外に逃亡し、1524~1527年に、彼は商船の樽に隠されてイングランドへ密輸入された聖書の最初の印刷された英訳を生産しました。禁止され焚書の対象となったにもかかわらず、彼の翻訳は急速に広がりました。そして、普通の人々が聖書に触れられるようにして、イギリスの宗教改革の種をまきました。

しかし、ティンダルは生きてそれを目にすることはありませんでした。知識の解放を目指して隠れている時に、彼は裏切りにより1534年に捕らえられました。彼は1536年10月6日にその活動の異端性について有罪宣告され、現在のブリュッセルのすぐ北のVilvoorden 城で絞殺されたのちに、刑務所の庭で火刑に処せられました。彼は40歳を少し過ぎたばかりでした。

インターネット

さあ、時間を早送りして今日に戻ります、実際はちょうど今日ではなく1990年代後半です。

私は大学に行き、インターネットを発見します。

それはまさに、私に衝撃を与えました:ワーオ!私は、日がなネットサーフィンに明け暮れたことを憶えています。私はいつでも情報ジャンキーであり、この信じられない、果てしなく続く情報の遊園地を見つけたような気がしました 。

そして、私は情報化時代への転換という、特別な瞬間に成長しようとしていることに気づきました。私たちは、作成し、利用する主なものすなわち情報が、地球上の誰とも即座に、自由に共有できる、この不思議な世界に住むことになるでしょう。

しかし、なぜオープンネスなのでしょうか

OK、インターネットは確かにすごい …

聞いたことがないことに賭けなさい!

しかし…?これは大きな「しかし」です。

インターネットは私の宗教ではありません。

インターネット、そしてデジタルのテクノロジーは十分ではありません。

私自身はほとんど宗教というものを信じていませんが、仮にこのデジタル時代に何かを信じるならば、それはオープンネスです。

これはテクノロジーについての話ではありません。もし私たちが本当に力を発揮し、本当に変化し、本当に不公平と不正に本当に挑むならば、デジタル時代の中心のオープンネスを置くことがいかに不可欠か、ということについての話です。

これは私にティンダルとグーテンベルクを思い出させます。

再びティンダルの話

なぜなら、お分かりのように、私にインスピレーションを与えた人はグーテンベルクではなかったからです。それはティンダルでした。

グーテンベルクは、変革の土台となるテクノロジーを作成しました。しかし印刷機はより多くのラテン語の聖書を刷り上げるのにうまく使えたことでしょう。そして地方の聖職者が日曜日ごとに神の言葉をそれらの会衆に話すことを担当するのを容易にしただけであったでしょう。根本的に同様なことが多くあったことでしょう。

ティンダルは、何かしら違うことをしました。権力者にとって大きな脅威となる何か。そのために彼は処刑されました。

彼は何をしたのでしょうか?彼は聖書を英語に翻訳したのです。

もちろん、彼には印刷機が必要でした。筆記者や勤勉な木版工が手でコピーする世界においては、聖書が英語で書かれているか否かはコピーを入手できる人はごくわずかだったので、さほど大きな違いはなかったでしょう。

しかし、印刷機はまさにその手段だったのです:聖書を実際オープンにした、日常的な言語に翻訳したのがティンダルの業績でした。そして彼は普通の人々に力を与え、開放するという明確な目的でこれを行いました – 彼らに、自分自身で理解し、考え、決定する機会を与えることによって。これは自由としてのオープンナレッジであり、体系的な変革としてのオープンナレッジでした。

さて、私は信心深いというわけではありませんが、私が知識をオープンにすることについて話す時には、よく似た立場です:私は、誰でも自分のためにあらゆる目的のためにその知識にアクセスし、その上に構築し、共有して欲しいのです。私は、誰もが知識を利用し、作成し、共有する力と自由をもって欲しいのです。

16世紀の知識の力は聖書をコントロールしていました。今日、私たちのデータ駆動の世界において、それははるかに広大です:それは地図から薬まで、ソネットから統計まで、あらゆるものについてのものです。あらゆる不可欠の情報をオープンにし、洞察と知識をともに作るということに関するものです。

これは単なる夢ではありません。その意味についての示唆に富む具体的な例があります。この場では2つだけ取り上げます:薬と地図です。

例:薬

毎日、世界中の数百万人の人々が、数十億の錠剤や薬を服用しています。

その薬が実際効いているかどうか、そしてどんな副作用があるかどうか、といったことは研究者、医師、患者、監督官、もっといえばたいてい誰にとっても明らかに不可欠の情報です。

私たちには、薬の有効性を評価するための優れたやり方があります:薬がその次善の選択肢と比較されるランダム化されたコントロールの試験。

従って、私たちに必要なものはすべてのそれらの試験に関するデータです(おそらく個人情報を除いたもの – 個人を識別し得るいかなる情報も削除される)。インターネット時代にあっては、これが簡単な問題だろうと思われるでしょう – 単にオープンに利用可能なあらゆるデータとおそらくそれを検索する何らかの方法があればよいと。

それは間違いです。

多くの研究〈特にネガティブなもの〉は決して公開されません – 研究の大部分は、公開されるものをコントロールする制限付の契約を使用する産業の出資を受けています。薬剤の会社に、その実施する臨床試験の報告が義務付けられている場合でさえ、監督官はしばしば情報を秘密にしておいたり、あるいはページごとに手動スキャンしてコンピュータが読めない8,000ページものPDFとして公開したりします。

私が冗談を言っていると思うなら、Ben Goldacre のBad Pharma(悪徳製薬会社)からの引用で1つの例を手短にご紹介しましょう。2007年にヨーロッパの研究者はrimonabant と呼ばれる肥満防止薬に関する証拠を検証しようとしました。薬が承認された時、彼らはヨーロッパの規制者に、提出されたオリジナルの臨床試験情報へのアクセスを要求しました。3年の間、彼らは様々な理由によりアクセスを断られました。最初にアクセスを認められたときに彼らが得たものは、そうです、60ページの黒く塗りつぶされたPDFでした。

これがさほど深刻なことでなければ笑い話で済んだでしょう:2009年、最終的に研究者がデータにアクセスできるようになる直前に、rimonabant は重大な精神医学問題と自殺のリスクを増大させたために地球上の市場から回収されました。

この状況は変わる必要があります。

そして、何かが起こりつつあることをご紹介できて嬉しいです。Bad Pharma の著者Ben Goldacre と共同で、私たちはOpenTrials (オープンな試験)プロジェクトをちょうど始めたところです。これはあらゆる試験のあらゆるデータを集め、リンクし、オープンにして、研究者から監督官まで、医師から患者まで、誰でもアクセスしたり利用できるようにします。

例:地図

2番目の例は地図です。現代デジタルデータの「聖書」を捜すとすれば、あなたが地図、より詳細にはそのベースとなっている地理データを選ぶのももっともです。地理データはあらゆるところに存在します:あらゆるネットショッピングからネパールの最近の地震への支援まで。

あまりご存じないかもしれませんが、ほとんどの地図はクローズドで、プロプライエタリなものです。あなたは地図の背後にある生データを入手したり、自分で変更したり、応用したりすることはできません。

しかし2004年以来、OpenStreetMapと呼ばれるプロジェクトが、地球(あらゆる生の地理データ)の完全にオープンな地図を作成しています。データベースそのものにオープンにアクセスしたり再利用できるだけでなく、世界中の何百万人もの投稿者の共同作業で作られています。

これは何を意味しているでしょうか?1例です。そのオープンネスにより、どの橋が壊れてどの橋がまだ渡れるか、どの建物が壊れずに残っているかなどを知らせる、発災時の迅速な更新に最適です。例えば、今年4月にネパールを襲った大地震の際に、ボランティアは48時間以内に13,199マイルの道路、110,681件の建物を更新し、救助活動に重要な支援を行いました。

メディアではなくメッセージを

あらためて繰り返します:テクノロジーは目的論ではありません。メディアはメッセージではありません – 重要なのはメッセージです。

印刷機は、「オープン」なバイブルを可能にしましたが、それをオープンにしたのはティンダルでした。重要だったのはオープンネスでした。

デジタルのテクノロジーは、創造性、共有、そして自由のために未だかつてない可能性を与えてくれます。しかし、それらは必然ではなく可能性です。テクノロジーだけが唯一私たちの選択を決めるわけではありません。

かつて私たちはここにいたことがあるということを思い出してください:印刷機は革命的ではありましたが、私たちはその後も、しばしば少数の権力者により支配された印刷メディアによって終わりを迎えていました。

ラジオのことを考えてみてください。1910年代から1920年代に人々がそれについてどんな話をしていたかという記録を読むと、私たちが今日インターネットについて話していたものと同じように聞こえます。ラジオは人間のコミュニケーションと社会に革命をもたらそうとしていました。それは誰もが放送できる、ピアツーピアの世界を実現しようとし、新しい形の民主主義と政治を可能にしようとしていました。何が起きたでしょうか?私たちは、国家や少数の巨大企業によりコントロールされた一方通行のメディアを得ました。

今日、あたりを見回してください。

インターネットのコストがかからない情報伝達は、デジタル民主主義と情報の平等性を作成するのと同じくらい容易に情報の帝国や情報の泥棒貴族を作成することができます。

私たちはすでにこのテクノロジーが調査、監視、追跡のための未だかつてない機会を提供することを知っています。それは私たちに力を与えるのと同じくらい容易に私たちを搾取することができます。

もし私たちが本当に自由、エンパワーメント、および接続の可能性を実現しようとするならば、オープンネスをこの情報化時代の中心、そしてネットの中心に置く必要があります。

そして戦いはこの情報化時代の魂に関わるものであり、私たちは選択できるのです。

オープン対クローズドの選択。

協力対管理。

エンパワーメント対搾取。

長い道のりです。おそらく私たちの生涯よりも長いでしょう。しかし、私たちはともに歩むことができます。

この21世紀の知識革命において、ウィリアム・ティンダルが唯一の存在ではありません。大なり小なり、選択をするのは私たち全員です:政府や私企業のデータを入手することから、一緒になってオープンなデータベースやインフラを構築することまで、オープンに構築されたアプリを自分のスマートフォンに選んで入れることから、あなたのデータを取られるよりもむしろ自分で管理できるソーシャルネットワークを利用することまで。

オープンネスを選びましょう、自由を選びましょう、オープンネスをその中心に置いてこのデジタル時代の無限の可能性を選びましょう。

ありがとうございました。

原文(2015/6/5 Open Knowledge Foundation Blog 記事より):
Original post Putting Open at the Heart of the Digital Age / Rufus Pollock, licensed under CC BY 3.0.

「オープン」からはデータ以上のものを要求すべき:国際オープンデータ会議における考察

2015年6月15日 in Featured, News

(訳注:この記事は sunlightfoundation.com 記事の日本語訳です)

オタワの2015国際オープンデータ会議で話すサンライトのリンゼイ・フェリス。(写真のクレジット:John Wonderlich/Twitter)

先週(訳注:2015/5/28-29)、カナダ政府、国際開発研究センター、世界銀行、および開発ネットワークのためのオープンデータ(Open Data for Development Network)は、約2千人を招いてオタワで3回目の国際オープンデータ会議(IODC)を開催しました。イベントは、今年のオープンガバメント・コミュニティ向けの最大の集まりのひとつであり、、オープンガバメント・コミュニティがいかに有意義な変化を作り出すことができるかというやや困難な課題に立ち向かうために、私たちは招かれました。

私たちは、ガバメントデータが、普通の市民生活の向上にどのような影響を与えるのかを識別してほしいという依頼をよく受けます。実際この質問は、IODC期間中に何度も聞かれました。たとえば金曜朝の本会議の間、ガバメントデータの公開は究極的には利用者(たいていは市民)の便益となることが目的だということには合意が得られているように思えました。しかし、ソフトウェア開発者、研究者と公務員などでいっぱいの部屋にいた聴衆のひとりが立ち上がって辛辣に尋ねました「それで、このパネルにはなぜ利用者がいないんだい?」。この状況は、特に開発について話す時に、ちょうど今、オープンデータ・コミュニティ内で私たちが直面している重大な挑戦のうちのひとつをカプセル化しているように思えます。知識共有は、車輪の再発明(よりよい慣用句が無いのであえて使いますが)を避けるために有意義であるかもしれませんが、私たちはコミュニティ内のアイデアの多様性を確かなものにするために、通常の重要参考人にとどまらないステークホルダーと話す必要があります。私たちと同じ困難に遭遇した人々にだけ相談することは、オープンデータプロジェクトの実施などにおいて、私たちがリーチしようとしている様々な利用者本位という、これらのプロジェクトの中で最も重要な面を無視することになってしまいます。

さらに悪いことに、こういった分断は時として彼らがターゲットとしようとしているツールを作る人と聴衆との間のみならず、コミュニティ自身の内部にも存在することがあります。説明責任とオープンデータの間で働いている組織として、私たちは異種の2グループの中間でそれがいかに孤立し得るかをよく理解しています。シビックハッカーと政策提唱者は時として会話を交わさないこともあり、政策とテックの興味を結婚させようとしている取り組みは極めて少ないように思えます。しかし、私たちの最大の挑戦のひとつである「オープンデータにこの先何を求めるか」といったことに取り組む上で、視点と興味の多様性を増大させることは極めて重要です。

政府のオープンネスは、この領域内のNGO、シビックハッカー、ジャーナリスト、そして政策立案者が活動目標として目指す価値があります。3年前D.C.の世界銀行に集まった100人から、2千人規模の1週間に及ぶ国際オープンデータ会議への飛躍的な成長がその証拠です。しかしながら私たちはまだ、不公平な権力機構をゆさぶり、政府をより効率的で説明責任を持つものとするには、どのようにデータを利用できるかといった核心的な部分には到着していません。疑い深い人たちは、すべての重要な決定と行動をクローズドにしておきながら、政府がオープンだと認めさせようとする試みとして「オープン・ウォッシング」という用語を作り出しました。(訳注:参考記事:「オープン-ウォッシング」 – データをオープンにすることと単に利用可能にすることはどう違うのか)そして、多くの他のものと同様、「オープンネス」がたいていは政府が脅威を感じ得る高価値のデータセットのところで終わってしまうように思えることについて、私たちはよく不満を口にします。そして、利用者の参画やこれらのより大きい問題への取り組みよりもむしろサービスの提供に関する私たちの分野へのフォーカスを考えると、こういった批判には何らかのメリットがあります。

ある程度まで、オープンガバメント・データとサービス提供の供給側のこのコミュニティのフォーカスは完全に意味を成すものです。オープンデータが市民の生活を改善し長期的には政府を変容させたということを示すよりも、どれほどの人々がそれを利用したかということに関するツールのインパクトを示すのははるかに容易です。そして価値を示すことは市民社会組織と政府がともに何かしら一定の方向への後押しを受けることにつながります。しかし特に私たちが解決しようとしている問題を考えると、あいにくこの仕事のインパクトは突然、一晩で可視化されるわけではありません。そのコア部分では、私たちは長年の問題を解決するためにデータを利用しようとしています:政府が市民により良く仕えるにはどうしたら良いでしょうか?もしこの疑問が、より多くの政府情報を公開するのと同じくらい簡単なソリューションによって解決できるものならば、何年も前に行われていたでしょう。

ここサンライトでは、私たちは、これらのやや大きい課題を前進させることに実際に投資されます。私たちは、誰もすべての答えを持っているわけではないということに十分気づいており、たとえどのような必然的な挑戦が立ちはだかっていても私たちの戦略が変わり続けるべきであると信じていますが、私たちはこれらの仲介的な挑戦のうちのいくつかを何通りかのやり方で取り扱うために働いています:

  • オープンデータのインパクトの定義。オープンガバメントのプロジェクトは、他のステークホルダーとイニシアチブの関与が持続可能な変化を達成するのに不可欠な環境において機能する傾向があり、私たちがその達成に向けて努力するプロジェクトの活動とインパクトの間の因果関係を示すことをいっそう難しくさせています。1ヶ月前、サンライトは、変化の理論をひも解き、オープンデータの成果と複雑な生態系内のデジタル透明性イニシアチブを評価するために、方法論的な枠組(アウトカム・マッピング・アプローチ)を用いて研究結果を出版しました。私たちは、先週IODC研究シンポジウムその他のパネルで研究成果を提出しましたが、私たちの成果と長期にわたる社会的変化の間のミッシング・リンクを見つけるために、コミュニティからの意見をもっと聞きたいと考えています。
  • 多様なネットワークの育成。サンライトは、OpeningParliamentとMoney, Politics and Transparency(お金、政治と透明度)(MPT)という、議会および政治的な資金調達を、よりオープンで、説明責任を果たし、参加しやすいものにするために、合意に基づいて政策提唱者と市民技術者を同じテーブルに連れて来るようにデザインされた2つのネットワークの共同設立者です。IODCでは、私たちは、議院法学者のための倫理と標準を議論するために、会議のプレイベントの間にこれらの2つのイニシアチブを呼び集めました。このワークショップの中で、私たちは政治資金やコミュニティ文書のオープンネスに係る宣言についていくつか貴重なフィードバックを受け取りましたので、政治資金の透明性を増し、よりオープンな政治システムを求めるために、これらの2グループの間のギャップに橋を架けられるよう努めたいと思います。MPTパートナーは、Global Integrityおよび政治資金の改善が専門のネットワークの養成により実施されたグローバルな政治資金の実践についての新しい研究を議論するために、共同パネルも開催しました。私たちはこれらの国際的な規範の構築にあたり、フィードバックを歓迎します。MPTプロジェクトの文書や詳細についてのお問い合わせは、international@sunlightfoundation.com まで。

原文(2015/6/3 Sunlight Foundation Blog 記事より):
Original post We should demand more from “open” than just data: Thoughts on the International Open Data Conference / Lindsay Ferris, licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.

okfj

by okfj

世界最先端IT国家創造宣言(2014年6月24日改定)に対する意見書を提出

2015年5月28日 in Featured, News

OKJは内閣官房IT総合戦略室より出された「世界最先端IT国家創造宣言に対する意見募集について」に対する意見書(パブリックコメント)を2015年5月27日に提出しましたので、ここにその内容を公開いたします。

<コメント1>

対象箇所:
Ⅲ1革新的な新産業・新サービスの創出と全産業の成長を促進する社会の実現

意見内容:
下記箇所を次の案のとおりに修文をお願いする。

(旧)
また、データ利活用による新たなアイデアを新事業や新サービスに結び付ける民間の 活動を促進するため、民間の力を最大限引き出すような規制・制度改革等の環境整備を進めることも必要である。

(修文案)

また、データ利活用による新たなアイデアを新事業や新サービスに結び付ける民間の 活動を促進するため、民間の力を最大限引き出すような規制・制度改革等の環境整備を進める。それとともに、オフラインのアイデアソンをはじめ、オンラインのソーシャルメディアや請願ツール等さまざまな手段を駆使し、政府が「オープンマインド」で国民とともに課題を共有し知恵を出し合う仕組みを設ける。民間からニーズの高いデータについては、データ公開に向けて政府内で動くコーディネーターや実務グループを設置する。またデータ国内的・国際的なデータ活用のプロモーションや、データ活用企業のインキュベーションを行う日本版ODI(Open Data Institute)を設置する。さらに、日本企業のオープンイノベーションを促進するため、企業によるオープンデータ提供の取り組みも支援・奨励していく。

理由:
規制や制度改革も重要であるが、オープンガバメントの推進には官民の協力が不可欠である。そのため、きめ細かい官民のコミュニケーションをとっていくことがより重要ではないか。その具体例を記述した。私たち一般社団法人オープン・ナレッジ・ファウンデーション・ジャパンは、そうした活動が行われることに対して、ぜひご協力していきたい。

<コメント2>

対象箇所:
Ⅲ1革新的な新産業・新サービスの創出と全産業の成長を促進する社会の実現

意見内容:
下記箇所を次の案のとおりに修文をお願いする。

(旧)
さらに、データ利活用のみならず IT 導入が遅れている農業においては、篤農家のノ ウハウのデータ化など IT の利活用により周辺産業も含めた産業全体の知識産業化を図 り、国際競争力の強化を図ることも必要である。

(修文案)

さらに、データ利活用のみならず IT 導入が遅れている農業においては、篤農家のノ ウハウのデータ化など IT の利活用により周辺産業も含めた産業全体の知識産業化を図 り、国際競争力の強化を図ることも必要である。その他ITの潜在能力を活用しきれていない医療、教育、金融、エネルギーなどの分野においても先人のノウハウをデータ化して活用しながら、根本的なやり方を見直すためにデータを利用することも必要である。

理由:
農業だけではなく、医療、教育、金融、エネルギーなど(情報産業も含めて)従来のやり方から脱却できない産業は、ITの持つ力のごく一部しか利用していな いので、農業にとどめず先人のノウハウをデータ化して活用しながら、根本的なやり方を見直すためデータが利用されるようになれば良い。

<コメント3>

対象箇所:
Ⅲ1(1)①公共データの民間開放(オープンデータ)の推進

意見内容:
下記箇所を次の案のとおりに修文をお願いする。

(旧)
このため、電子行政オープンデータ推進のためのロードマップを踏まえ、2013 年度から、公共データの自由な二次利用を認める利用ルールの見直しを行うとともに、 機械判読に適した国際標準データ形式での公開の拡大に取り組む。また、各府省庁 が公開する公共データの案内・横断的検索を可能とするデータカタログサイトにつ いて、2013 年度中に試行版を立ち上げ、広く国民の意見募集を行い、2014 年度から 本格運用を開始し、民間のニーズ等を踏まえ、当該サイトの掲載データを充実させる。あわせて、データの組み合わせや横断的利用を容易とする共通の語彙(ボキャ ブラリ)の基盤構築にも取り組む。さらに、各府省庁の Web サイトで提供するデータベースについて、API 機能の整備を利用ニーズの高いものから優先的に進め、政府等で提供する API を紹介し、その機能や利用方法を解説する API の総合カタログ を提供する。
2014 年度及び 2015 年度の2年間を集中取組期間と位置づけ、2015 年度末には、 他の先進国と同水準の公開内容を実現する。
地方公共団体については、その保有する公共データ等の流通・連携・利活用を効果的に行うための技術の開発・実証、観光等の公共データを一元的にオープン化する基盤の構築、地方公共団体における取組に関する考え方の整理等により、オープ ンデータの取組を促進する。
また、公共データの利用促進のために、コンテスト手法の活用、活用事例集の作 成等により、利用ニーズの発掘・喚起、利活用モデルの構築・展開やデータを活用する高度な人材育成にも積極的に取り組み、新ビジネス・新サービスの創出を支援する。

(修文案)

このため、電子行政オープンデータ推進のためのロードマップを踏まえ、2013 年度から、公共データの自由な二次利用を認める利用ルールの国際ルールに沿った見直しを行うとともに、 機械判読に適した国際標準データ形式での公開の拡大に取り組む。また、各府省庁 が公開する公共データの案内・横断的検索を可能とするデータカタログサイトにつ いて、2013 年度中に試行版を立ち上げ、広く国民の意見募集を行い、2014 年度から 本格運用を開始し、民間のニーズ等を踏まえ、当該サイトの掲載データを充実させる。例えば季節や社会事象、事件等に合わせ、有用なデータをピックアップして紹介するキュレーション機能をデータカタログサイトに追加する。あわせて、データの組み合わせや横断的利用を容易とする共通の語彙(ボキャ ブラリ)の基盤構築にも取り組む。さらに、各府省庁の Web サイトで提供するデータベースについて、API 機能の整備を利用ニーズの高く、かつ、民間に委ねられないものから優先的に進め、政府等で提供する API を紹介し、その機能や利用方法を解説する API の総合カタログ を提供する。大気汚染物質広域監視システム(そらまめくん)(環境省)、花粉観測システム(はなこさん)(環境省)、EDINET(金融庁)、過去の気象データ検索 (気象庁)、環境放射線等モニタリングデータ公開システム(環境省)、事故情報データバンク(消費者庁)、調達総合情報システム(総務省)、土地総合情報 ライブラリー(国土交通省)、法令データ提供システム(総務省)、予算書・決算書データベース(財務省)などは優先的にAPI提供を行う。
2014 年度及び 2015 年度の2年間を集中取組期間と位置づけ、2015 年度末には、 公開データの件数、形式、入手のし易さも含む、総合的な観点で他の先進国と同水準の公開内容を実現する。また、先進国と同水準となることの実効性を確保するために、国際的な評価指標づくりなどに積極的に貢献する。
地方公共団体については、その保有する公共データ等の流通・連携・利活用を効果的に行うための技術の開発・実証、観光等の公共データを一元的にオープン化する基盤の構築、地方公共団体における取組の全国的な調査、先進事例の紹介、広域での取り組みの支援等により、オープ ンデータの取組を促進する。
また、公共データの利用促進のために、コンテスト手法の活用、活用事例集の作 成等により、利用ニーズの発掘・喚起、利活用モデルの構築・展開やデータを活用する高度な人材育成にも積極的に取り組み、新ビジネス・新サービスの創出を支援する。さらに、データサイエンティスト養成も視野にいれた、若者がデータ価値活用を理解し体験するための機会、仕掛け、仕組みづくりをめざす。
オープンガバメントパートナーシップや、OECD、その他の国際的な枠組みにおいて、オープンデータや電子政府・オープンガバメントに関する議論に積極的に参加し、国際協力を進めながら、日本の先進事例の国際的な横展開や、国際貢献にも努める。

理由:
優先提供すべきAPIなど、具体的な内容を追記した。
・APIの優先順位付けについては、利用者ニーズも重要であるが、データの種類によってAPI化の適不適がある。例えば刻々と変化する気象情報やセンサー情報は適しているが、年1回更新される財務情報をAPIで提供する必要性は通常高くない。API機能の提供は通常、手間の掛かるデータの整備や逐次更新とセットになるため、むしろ民間企業によるオープンデータを利用した事業化に委ねることが合理的である場合が多いと思われる。
・APIを提供する場合は、そのサービス提供に依存するアプリが作られるため、API提供が中断した場合、そのアプリのサービス提供を中断させ、経済社会的な損害を生じさせる可能性がある。API提供後は、上記のような事態を避けるためにも継続的な、中断のない提供が必要である。
・日本がオープンデータで「世界最先端」の水準を目指すためには、こうしたルールを作る側に積極的に参画し、連携する国・地域を増やしたり、ルール作りを主導したりしていかなければ、「最先端」の基準が変わっていってしまうことが懸念される。このため、受け身の姿勢で与えられたルールの中でキャッチアップを目指すのではなく、国際的な指標づくりの議論にも積極的に参画し、国際公共財である国際的な指標づくりや具体的な評価活動への主導的な貢献を進めていただきたい。

<コメント4>

対象箇所:
Ⅲ1(4)IT・データを活用した地域(離島を含む。)の活性化

意見内容:
下記箇所を次の案のとおりに修文をお願いする。

(旧)
地域の資源をいかした観光や公共・行政、農業等の地場産業等において、IT・デ ータを活用することにより、子供や高齢者も生き生きと暮らせるよう、地域の特性に応じた、魅力ある地域の元気を創造するとともに、地域や社会が抱える課題を解決する新しいアイデアや技術を持つ若手やベンチャー企業を発掘・育成し、社会・ 地域活性化の持続的な発展につながる好循環モデルを創出することにより、災害に強く成長する新たな街づくりを実現する。
また、若者など住民の流出の抑制が課題となっている離島における、新たなビジネスモデルを構築することにより、地域経済の活性化等を推進する。
このため、スマートフォンやタブレット端末等の活用による効率化やサービス向上を図ることなどにより、魅力ある地域の元気を創造する取組を促すとともに、センサー、クラウド、災害時にも活用可能な情報通信基盤等の IT や地理空間情報(G 空間情報)等、各種データの活用を組み合わせることにより、新たな街づくりモデ ルや離島におけるビジネスモデルを構築する。
あわせて、離島を含む各地域における実証プロジェクト等の取組による成果について、他地域への展開性や持続可能性を検証するとともに、番号制度の導入を見据えた公的個人認証サービスの利活用方策の検討を行い、IT を活用した街づくりの共通的な基盤を構築し、2015 年度以降、持続的な地域活性化モデルとして、成功モデルの国内外への普及展開を図る。

(修文案)

地域の資源をいかした観光や公共・行政、農業等の地場産業等において、IT・デ ータを活用することにより、子供や高齢者も生き生きと暮らせるよう、地域の特性に応じた、魅力ある地域の元気を創造するとともに、地域や社会が抱える課題を解決する新しいアイデアや技術を持つ若手やベンチャー企業を発掘・育成し、社会・ 地域活性化の持続的な発展につながる好循環モデルを創出することにより、災害に強く成長する新たな街づくりを実現する。
また、若者など住民の流出の抑制が課題となっている離島における、新たなビジネスモデルを構築することにより、地域経済の活性化等を推進する。
このため、スマートフォンやタブレット端末等の活用による効率化やサービス向上を図ることなどにより、魅力ある地域の元気を創造する取組を促すとともに、センサー、クラウド、災害時にも活用可能な情報通信基盤等の IT や地理空間情報(G 空間情報)、地域の歴史的資料や環境情報、観光情報等のオープンデータ等、各種データの活用を組み合わせることにより、新たな街づくりモデ ルや離島におけるビジネスモデルを構築する。
また、オープンデータを活用した地域経済発展にむけて 地銀信金はじめ地場の活用できる民データの調査・収集活動への推進支援を行う。
あわせて、離島を含む各地域における実証プロジェクト等の取組による成果について、他地域への展開性や持続可能性を検証するとともに、番号制度の導入を見据えた公的個人認証サービスの利活用方策の検討を行い、IT を活用した街づくりの共通的な基盤を構築し、2015 年度以降、持続的な地域活性化モデルとして、成功モデルの国内外への普及展開を図る。

理由:
組み合わせ可能なデータなど、より具体的に追記した。