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日本の公的データ活用事例5 天気予報で省エネも自由自在

2012年11月22日 in Special

複数のテナントが入っているビルの省エネ対策は、時に面倒くさいものです。テナントが「省エネ、ガンバロー!」と思っても、エアコンの温度設定変更をビル管理者にお願いしなければならない場合が少なくありません。テナントが100も入っているビルでは、各テナントが独自の省エネ対策をがんばればがんばるほど、管理者の負担は増えます。その結果、「このビルは集中管理しているため、個別の設定変更はできません」と個別対応お断りとなるケースもあります(もちろん本当にシステム的に個別設定ができない場合もあります。)

そんな時に役に立つのが、ビルファシリティマネジメントソリューション「BIVALE(ビヴァーレ)」の「エアコンおまかせ省エネサービス」です。ニュースリリースによれば、テナントが毎月のエアコン電力使用量削減目標を設定するだけで、天気予報データをもとにエアコン負荷を予測し、省エネ運転スケジュールを自動設定してくれます。さらに毎日の実績値と最新の天気予報データから運転スケジュールを作り直すことまでしてくれます。

エアコンおまかせ省エネサービス
出典:http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2012/11/1113.html

これならビル管理者の負担もなく、テナントも省エネに励むことができます。省エネ目標が高すぎると、終盤は酷暑の中で仕事をしなければなりないのでは?、という心配はありません。そんな時は、目標を再設定してくださいと教えてくれます。天気予報データも、さまざまな所で活用されているものです。

日本の公的データ活用事例4 周辺環境スカウター、待機児童数が一目でわかる

2012年11月19日 in Special

 

周辺環境スカウター
出典:http://chintai.30min.jp/site/check/

転勤等で引っ越さなければならなくなった時、引っ越し先がどんな環境なのか、とても気になるものです。近ければ自分の目で確かめることもできますが、遠い場所ではそれもできません。また、その場所に行ったとしても、わからないことは沢山あります。

そんな時に役に立つのが賃貸物件を検索するためのサービスです。タウン情報サイト「30min.(サンゼロミニッツ)」を運営する株式会社サンゼロミニッツは、賃貸情報サイト「サンゼロ賃貸」において、保育所に通うお子さんのいる方に大変便利なサービスを開発しました。

「サンゼロ賃貸」の特徴の1つが「周辺環境スカウター」という機能です。周辺環境スカウターに住所を入力するだけで、独自の評価尺度によって引っ越し先の住みやすさが数値化され、だれでも一目で住みやすさがわかります。左図は埼玉県草加市を指定した場合の例ですが、草加市の住みやすさは7623と評価されています。

右上にある「点数の評価」をクリックすると、周辺環境スカウターによる評価の詳細を見ることができます。周辺飲食店の充実度、コンビニやスーパー、レンタルショップへの近さに加えて、周辺環境スカウターでは保育園への近さや、保育園の待機児童数に関する情報も評価しています。下図は同じく埼玉県草加市の例で、草加市の2010年4月1日時点での待機児童数の数は45人であることが一目でわかります。

周辺環境スカウター
出典: http://chintai.30min.jp/site/check/

引越し先で保育所を探したことのある方なら経験されたと思いますが、保育所の待機児童数が何人なのかを調べるのは簡単ではありません。特に、できるだけ正確な数を知ろうとすると、かなり骨が折れます。

たとえば埼玉県は市町村別待機児童数を毎年公開しています。これによれば2012年4月1日時点で、草加市の待機児童数は20人であることがわかります。さらに草加市は園別・クラス別9月待機児童数も公開していて、このデータによれば、2012年9月1日時点での「たかさご保育園」の待機児童数が6人で、その内訳は1歳児が3人、2歳児が1人、3歳児が2人であることまでわかります。

こうした詳細な公的データが全国の市区町村ですべて公開され、環境スカウターがそれらのデータを利用することができるようになれば、引越し先での保育園探しはもっと楽なものになるのではないでしょうか。

草加市認可保育園 平成24年度 園別・クラス別9月待機児童数
【平成24年9月1日現在】
出典: http://www.city.soka.saitama.jp/cont/s1603/a01/a02/H24.9.taiki.pdf

日本の公的データ活用事例3 「ココゆれ」、地震リスクがすぐわかる

2012年11月9日 in Special

「ココゆれ」画面
出典: 大和ハウス工業株式会社

大和ハウス工業株式会社は11月2日、戸建住宅の購入を検討している顧客を対象として、地震発生確率や予測震度などのリスク情報を提供する地震危険度評価ツール「ココゆれ」の本格運用を開始すると発表しました。名称には愛らしささえ感じますが、このツールが利用している公的データは、実は筋金入りの硬派です。

「ココゆれ」は、独立行政法人防災科学技術研究所が開発した「地震ハザードステーション J-SHIS 」のデータを利用しています。さらにこのJ-SHISは、文部科学省・地震調査研究推進本部が作成している「全国地震動予測地図 2010年版」のデータを利用しているのです。

出典: http://www.j-shis.bosai.go.jp/map/

「全国地震動予測地図」とは、地震調査研究推進本部の過去10年間にわたる地震ハザード評価の集大成であり、地震活動モデルや震源断層モデル、地下構造モデル等の地図の作成に必要なデータを含む膨大な量のデータを有しています。

「全国地震動予測地図」のデータは確かに価値が高いですが、そのままでは一般消費者は理解できません。そこで防災科学技術研究所は、ブラウザで全国地震動予測地図のデータに基づいた地震リスクを簡単に調べることができるように、オープンソースソフトウェアによるWebマッピングシステム「J-SHIS」を開発しました。

そして、今回、大和ハウス工業はこのJ-SHISを利用して、戸建住宅の購入を検討している顧客を対象にした、さらにわかりやすい地震リスク評価ツール「ココゆれ」を発表しました。つまり、「文部科学省・地震調査研究推進本部 ⇒ 防災科学技術研究所 ⇒ 大和ハウス工業」というように地震リスクの公的データが流れながら、それぞれの段階で特定の顧客を対象とした付加価値が付けられ、高度に活用されているのです。公的データをオープンにすることによって、こうした波及効果が生まれるという1つの好例です。

日本の公的データ活用事例2 アペックス・アイ「美肌県グランプリ」

2012年11月9日 in Special

出典: http://www.pola.co.jp/special/bihadaken/

11月8日、POLAから美肌グランプリの結果が発表され、島根県がグランプリに輝きました。このグランプリを実施したのは、POLAの個肌対応化粧品ブランドであるアペックス・アイ(APEX-i)です。その選考理由についてアペックス・アイは次のように説明しています。

日照時間が1637.4時間(2011年/気象庁HPより)と全国で6番目に短く、紫外線の影響を受けにくいことや、水蒸気密度が高く(全国9位/2011年ポーラ調べ)肌のうるおいにとってよい気象条件が揃っていることが今回の結果につながったと考えられます。また、喫煙率が全国で最も低かった(アペックス・アイ スキンチェック 生活習慣アンケートより)ことも美肌に導いた要因の一つと考えられます。

このグランプリでは、気象庁の日照時間に関するデータ②POLAの水蒸気密度の調査データ③アペックス・アイが実施したアンケート、という異なる3つのデータから美肌偏差値という1つの指標を導き出しました。このように、公的機関のデータに民間企業のデータを加え、独自のアルゴリズで処理し、全く新しい指標をつくり出すというやり方は、まさに公的データの典型的な活用方法の1つです。

そこで今回はさらに、グランプリ中のグランプリ、つまり島根県の中でどこが最も美肌偏差値が高そうかということについて、公的データを使って調べてみたいと思います。

気象庁は観測所毎・月毎の日照時間データを公開しています。そのデータによれば、島根県で2011年の日照時間が最も長いのは浜田市の1647.8hです。最短は飯石郡飯南町赤名の1337.7hで、最長と最短の差は310.1hもあることがわかります。美肌偏差値には他のデータ(②や③)も影響していますので、日照時間だけでグランプリ中のグランプリを判断することはできませんが、紫外線を特に気にしている方にとっては、赤名の方が美肌に良いかもしれません。

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島根県

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島根県飯石郡飯南町赤名: 34.997754, 132.715827
島根県浜田市: 34.899302, 132.079783
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島根県飯石郡飯南町赤名
島根県飯石郡飯南町赤名

2011年の年間日照時間

1337.7(h)
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島根県浜田市
島根県浜田市

2011年 年間日照時間

1647.8(h)

日本の公的データ活用事例1 Takestock、書店と図書館の一括検索

2012年11月7日 in Special

日本では公的データの活用事例が少ないと言われています。確かにニュースなどで取上げられるようないわゆる「正統派」アプリはそれほど聞いたことがありません。しかしよく探してみると、既存のアプリに公的データを加味して新しい価値を生み出しているものがあるようです。そこで、日本の公的データ活用事例という題で連載を始めることにしました。どこまで続くのか見通しは定かではありませんが、こうした新しい動きを探し出し、広めていくこともOKFJの役目の一つだと思います。

日本において公的データの活用事例としてよく登場するのがカーリルです。カーリルでは、全国の6千以上の図書館における蔵書の貸出状況を検索できます。さらにカーリルは、学校図書館や企業図書館とも連携した「カーリルスポット」の提供を10月から始めました。今回紹介するのは、このカーリルではなく、カーリルを利用した新しいサービスTakestockです。

出典: https://takestock.jp/

Takestockでは、全国にある1,400箇所の書店の在庫と、6千箇所を超える図書館の蔵書とを、一気に検索することができます。例えば、書籍「MAKERS―21世紀の産業革命が始まる」を新宿駅周辺で検索すると、その結果が地図上に表示されます。本を開いたようなアイコンが書店で、グレーのピンマークで示されているのが図書館です。

書店の在庫情報はTakestockが自前で顧客開拓し、図書館の蔵書情報はカーリルAPIを利用してカーリルからデータを取得しています。iOSアプリも11月にリリースされました。

Takestockがこれからどのように収益を上げていくのかなど、ビジネス面での課題はあるとは思います。しかし、カーリルAPIが公開されていること、さらに遡れば図書館蔵書データが公開されていることが、こうした新しいサービスの誕生を促していることは間違いありません。

これからはTakestockのように、「何気なく」公的データを活用している新しいサービスにも注目したいと思います。