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『文殊の知恵』でラクラク予選突破、次は幕張だ!4市協議会アイデアコンテスト(後編)

2013年8月6日 in Events, Special

千葉・福岡・武雄・奈良の4市によるビッグーデータ・オープンデータ活用推進協議会(以降、4市協議会)が開催中のアイデアコンテストに向けて、参加者がよってたかってアイデアをひねり出し、その場で提案書作ってエントリーしてしまおうという「文殊の知恵イベント」もいよいよ後半戦に突入です。今度は、前半戦で3名の若手専門家から貴重なインプットを受けた参加者の出番です。

ホワイトボードには事前に集めたアイデアがいくつか書き出されています。これにどれだけ追加できるかが勝負です。司会を務めるOKFJのShu Higashiの巧みなリードで次々と手が上がり、新しいアイデアがホワイトボードに書き出されていきます。最終的に19種類のアイデアをひねり出すことができました。提案された内容は 議会、介護、保育、教育、芸術などさまざまな分野に渡り、公共施設の有効活用や人口を増やす施策、千葉の優れた点をアピールする方法などユニークなアイデアも出てきました。

提案されたアイデアについては、参加者がそれぞれ希望するものを選び、グループに分かれて討議し、具体化していきます。最終ゴールは提案書を作成し、メールで4市協議会に提出することです。約2時間に渡るグループワークの結果、19のアイデアのうち11のアイデアが具体化され、提案できる状態にまでなりました

 

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アイデア提案者によるプレゼンテーションの様子
(※本文中の「マイエリア」とは直接関係ありません)

 

その中の1つ、生活支援アプリ「マイエリア」について、特別に提案者から許可をいただくことができましたのでここでご紹介します。

「マイエリア」の特徴は、今、自分がいる場所から、1時間でどこまで行くことができるのか、2時間でどこまで行くことができるのか、というように移動に要する時間を基準にしてエリアをマッピングする点にあります。さらに「マイエリア」は、徒歩、公共交通機関、車などの移動手段ごとにエリアが表示され、公共交通機関については時刻表のデータをもとにして動的にエリアが変化します。

こうして移動時間ごと、移動手段ごとにエリアをマッピングした上に、公共施設や避難場所、コンビニなど、生活上重要な施設などの情報をプロットしていきます。徒歩ならこの施設まで行ける、バスを使えばさらにあそこまで行けるというように、今いる場所と時間、さらに移動手段に応じた自分の空間、マイエリアを正確に把握することができます。こうしてマイエリアの大きさと、マイエリア内の施設の充実度によって、その人にとっての街の魅力度がわかるようになります

約5時間にもおよぶアイデア出しイベントに参加していただいた皆さん、本当にお疲れさまでした。提案書の書類審査による一次審査をパスすると、次は11月10日(日)アパホテル&リゾート<東京ベイ幕張>における二次審査のプレゼンテーションです。

二次審査は4市の市長が出席する公開シンポジウムの中で行われますので、市長にアイデアを直接売り込むチャンスでもあります。アイデア提出の締切は8月31日。まだまだ出し足りない方、奮ってご応募ください

それでは、11月に幕張でお会いしましょう!

 

参考:

『文殊の知恵』でラクラク予選突破、次は幕張だ!4市協議会アイデアコンテスト(前編)

2013年8月4日 in Events, Special

2013年4月1日、千葉・福岡・武雄・奈良の4市によってビッグーデータ・オープンデータ活用推進協議会(以降、4市協議会)が立ち上がりました。この4市協議会は、ビッグデータ・オープンデータを活用することにより、市民サービスの向上や市民主体のまちづくりの推進などを目的として設立されたものです。具体的な施策を立てるにあたって、4市協議会は市民から広くアイデアを募る「アイデアコンテスト」を6月1日から8月31日まで開催しています。

8月3日、このアイデアコンテストに提案するアイデアをよってたかってひねり出し、その場で提案書作ってエントリーしてしまおうという「文殊の知恵イベント」が開催されました。オープンデータの「聖地」とも呼ばれる国際大学GLOCOMホールに集まったのは40名を超える老若男女。OKFJ代表庄司昌彦はオープニングトークで「本気で最優秀賞を取りにいく」と高らかに宣言。OKFJが4市協議会の協力者になっている立場などおかまいなしです。

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松島隆一さん

これに対して4市協議会の今年度幹事を務める千葉市の松島隆一さんからは、便利で安心なまちづくりのために「参加者一人最低2件で、計80件」「OKFJはそれとは別に100件」と暖かい励ましのお言葉をいただき、イベントがスタート。

メインテーマは「防災」「教育」「環境」です。アイデア出しに使えそうなデータは千葉市福岡市武雄市奈良市が事前にまとめて提供してくれました。これらのデータを使ってもよし、足りなければ別に要求してもよし、いずれにしても、文殊菩薩は大忙しになりそうです。

アイデア出しに先立ち、頭の準備体操のために、若者3名によるフレッシュなプレゼンテーションが行われました。若者だからといってあなどってはいけません。全員がまさに現場で日々格闘している正真正銘のプロです。

トップバッターはインテージの伊藤直之さん、涼やかな和服で登場です。ビジネス・インテリジェンスやマーケティングの専門家で、OKFJのメンバーでもあります。特にパーソナルデータ活用の分野に強く、これまでにも多くのブログを書いてきました。従来、オープンデータのビジネス活用というと、新サービス創出とそれを支える支援環境(データポータルやAPI)が主でしたが、「オープンデータをマーケティングに生かす」という今回のプレゼンテーションは、マーケティングという観点からオープンデータの価値を再評価してみようというものです。

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伊藤直之さん

オープンデータによって創出されるマーケティング・リサーチ市場の規模は1,700億円にも上り、他の分野をおさえてトップという試算結果には驚きました。しかし、統計データをマーケティングに生かすことは従来から当たり前のように行われてきたわけですから、それがより広範囲に、より精緻に行うことができるようになれば、新しい市場が生まれることは不思議ではありません。消費者にとってもより良いサービスを低価格で手に入れることが可能になります。

例えばプレゼンテーションでは、オープンデータによって人口動態と消費者購買データを掛け合わせたコーホート分析をより精密に行うことができるようになり、世代効果や加齢効果、時代効果を先読みしたマーケティングが可能になることが紹介されました。また流山市がオープンデータを活用したマーケティングによって30代人口を急増させた例も紹介されました。

オープンデータというと、「何か新しいことを考えなきゃ」と構えてしまいがちですが、今やっていることをオープンデータとマーケティングの手法でより良くする方法も考えてみてはどうかという強烈なメッセージとなりました。

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後藤真理絵さん

2番手は某情報通信会社アナリストの後藤真理絵さん、インフォグラフィックスやデータ・ビジュアライゼーションのプロです。「データの意味を伝える可視化表現」というプレゼンテーションは、データを分かりやすく可視化する目的は思考やアクションを促すことであるというメッセージで始まりました。データの可視化はゴールではなくスタートであり、データを理解した上で、次に何を考え、どう行動するかということこそが重要だという内容を静かに、説得力ある話し方で伝えます。

後半はガラッと変わって極めて実践的な内容になり、インフォグラフィックスやデータ・ビジュアライゼーションを実践する上で有効なテクニックを豊富な事例をもとに解説していきます。キーメッセージとは、どんなアクションを促したいのか、そのビジョンを伝えるものでなければならないことや、キーメッセージの特性を伝えるためのデータ加工の方法などが解説され、データの可視化で使えるさまざまな見せ方のテクニックと、その組み合わせ方が事例と共に紹介されました。

オープンデータはデータを公開する運動ではなく、公開されたデータを活用して社会的な課題を解決する運動であるということを改めて思い出させてくれる内容でした。

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田島逸郎さん

最後は、いかにも「できそう」という雰囲気あふれるGeorepublic Japan田島逸郎さん。今や社会現象とも言えるほどの勢いで広がるWhere Does My Money Go?や、市民参加型行政イノベーションを推進するCode for Japanでも活躍するトップ・エンジニアです。さらに、オープンデータ関係のイベントではUstreamやTwitter中継などの裏方作業も嫌がらずに進んで引き受けてくれるナイスガイでもあります。

オープンデータを活用したアプリケーション開発」というプレゼンテーションでは、オープンデータとエンジニアをうまくマッチさせるにはどうしたら良いか、そのポイントをエンジニアの視点から順を追って説明していきます。特に後半は、エンジニアとは何か、エンジニアがオープンデータに関わるモチベーションはどこにあるのかなど、普段はあまり聞くことのできないエンジニアの本音がストレートに伝わってきました。

最後の「お互いを尊重すればうまくいきます」というメッセージは、こうした運動を支えるまさに原理ともいえるもので、そのメッセージがトップ・エンジニアから語られたことに大きな喜びと可能性を感じました。

さて今度は、3人の若き文殊のプレゼンテーションによって触発された参加者が、脳に汗をかきながらアイデアをひねり出す番です。その奮闘の様子については、後編でお伝えします。

 

参考: