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オープンガバメント、オープンデータ、そしてオープンソースについての短編フィルム 「オープン」

2015年12月2日 in Special

この記事は、オープンデータをテーマにした、「オープンデータ Advent Calendar 2015」企画の2日目の原稿です。他の記事は一覧から見られるようになっており、日ごとに記事が増えていく予定です。ぜひ、ご覧ください。
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(訳注:この記事は Open Knowledge ブログ記事の日本語訳です)

これは「オープン」の作家兼ディレクターであるリチャード・ピエトロによるゲスト投稿です。

これを読んでいるあなたはたぶん、オープンガバメント、オープンデータ、そしてオープンソースといった用語に精通していることでしょう。そしてこういった運動を通じて、いかに市民参画が根本から変わりつつあるかということをおそらく理解しているでしょう。

しかし次のような課題があります:どうやったら他のみんなにリーチできるのでしょうか?このような用語を聞いたことがなく、市民参画にあまり興味を持っていない人たちに。

私は次のように考えています:市民参画はブランドとしてはあまり良いものではありません。より多くの人々の耳目を集めるためには、そのブランドをより良いものに変える必要があります。

市民参画を考える際にたいていの人は、おそらくどこかで怒鳴り合っているコミュニティの人々を想像しています。もしくは、地方自治体の開発計画懇談会での居眠り大会といったものを思い描くでしょう。日々の暮らしの中に、全く違うことを埋め込む時間のある人はいるのでしょうか?たいていの人は、自分の空き時間を息苦しいミーティングで座っていることよりも何かしら情熱を持てることへの投資に使いたいだろうと私は思います!(息苦しいミーティングがあなたの情熱ならそれもクールだね!)

市民参画は無味乾燥で退屈だとか、あるいは情報通で意識の高い政策大好き人間のことだと思われています。これらの2つのシナリオの間で、自分の声は決して届かないと感じます。なぜそんなことに関わる必要があるのでしょう?市民参画はうまくPRできていません。たいていの人にとって楽しいものとは思われていません。加えて、特にそれが権利、義務、特権、あるいは処罰(裁判官はコミュニティサービスを処罰として提供します)として話される時には、エリート臭も漂います。

そこで、私は違う視点を取り入れました:アートとしての市民参画。これは、アートが単に美術としてだけとらえてはならないということを提案するセス・ゴダンの本「かなめ」を通じて動機づけられました。むしろ、彼はアートが情熱の産物であると主張しています;アートとは何かを創り出すことで、それが市民参画の全てです – 情熱から来る何かをあなたのコミュニティで創り出すのです。

私は「オープン」がオープンガバメント、オープンデータそしてオープンソースを新しい人々にシンプルに紹介することを願っています。なぜなら新しい方法で行われているからです。私の意図は、それを楽しむことで市民参画というブランドを変えはじめることなのです。

例えば、私は自分をオープンガバメント大好き少年と呼んでいます。そのため「オープン」ではできるだけ多くのポップ・カルチャーや「大好き少年タイプ」の引用を割り込ませて使っています。実際のところ、私はこの短編フィルムをマトリックスの「パロディ作品」と呼んでいます。私達がしたことはモーフィアスがネオに「現実の世界」と「マトリックス」の違いを説明している場面を撮り、それを「オープンな世界」対「クローズドな世界」に改変したものです。私達はオフィス・スペース、ザ・シンプソンズ、モンティ・パイソン、そしてスタートレックへのあいさつも含めました。

ボーナスとして、私はこれらのおなじみのテーマと引用が「初心者」にとってオープンガバメント、オープンデータ、そしてオープンソースをより理解しやすくすることを望んでいます。

そういう訳で、これ以上Apu無しで(ザ・シンプソンズのファンなら分かるでしょう)オープンガバメント、オープンデータ、そしてオープンソースに関する世界初の短編フィルム「オープン」をお贈りします。

「オープン」を視聴

THE TEAM BEHIND OPEN

Writer and Director: Richard Pietro
Screenplay: Richard Pietro & Rick Weiss
Executive Producers: Keith Loo and Bruce Chau
Cinematographers: Gord Poon & Mike Donis
Technical Lead: Brian Wong
Composer and Sound Engineer: GARU
Actors: Mish Tam & Julian Friday

原文(2015/9/29 Open Knowledge Foundation Blog 記事より):
Original post Open: A Short Film about Open Government, Open Data and Open Source / Richard Pietro, licensed under CC BY 4.0.

英国犯罪データ:感ずることは信ずること

2015年7月15日 in Events, Featured

(訳注:この記事は Open Knowledge ブログ記事の日本語訳です)

最新の犯罪データは英国が『平和』を手に入れつつあることを顕著に示しています。先月、経済学と平和のための研究所は、英国平和インデックスを公表し、全EU加盟国の中で、過去10年間、英国の犯罪件数がもっとも低下したことを明らかにしました。一例を挙げると殺人事件の発生率は、この10年で半減しました。

Crime Scene by Alan Cleaver, Flickr, CC-BY

しかし、英国の一般大衆は、まだ犯罪レベルが上昇していると感じています。犯罪データを公開することで、どうやったらこれまでよりも犯罪に遭遇する可能性が下がっていることを私たちに納得させる役割を果たすことができるのでしょうか?

「感じ方の違い」

犯罪の可能性についての犯罪データと感じ方との間の不一致は、特に英国において顕著です。一般大衆の大多数が公式な統計を広く信頼するということは分かっていますが、犯罪に関連する数値は顕著に低くなっています。ある研究では、人口調査は英国の変化を正確に反映しているということに人々の85%が同意していますが、こと犯罪統計に関しては同意したのは63%にすぎませんでした。

警察データの信頼性

警察は2008年以来、独自のウェブ犯罪マッピングツールを利用したり、全国的な犯罪マッピング施設を経由して、英国の犯罪統計を公表しています(http://maps.police.uk/ および http://www.police.uk )。これは透明性の促進など、他の政策目的に沿った地域コミュニティへの取り組みを改善する目的であったといわれています。しかし、警察のほうが『数値操作』しているという主張によりデータの信頼性が徐々に損なわれ、英国統計局は2014年に警察の数値から優秀の模範ステータスを撤回し、信頼性が欠如しているという『累積的な証拠』を示しました。

犯罪数値のための英国のオープンデータサイトでは、ユーザーがCSV形式の街路レベルの犯罪とその結果のデータをダウンロードし、個々の警察とその周辺のチームについての詳細な犯罪データと情報を含むAPIを検索することができるようになっています。さらにはデータのサブセットに、より簡単にアクセスできるように、カスタムCSVダウンロードJSON APIヘルパーインタフェースも提供しています。

Crime map from data.police.co.uk

しかし、データの信頼性は疑問視されました。つい最近、12歳以下の子供に対する職務質問事案に関連するデータは『不正確』だということが証明されました 。このサイト自体、データの正確性を疑問視する多くの問題を詳説しています:警察の首尾一貫しないジオコーディング方針;「私たちが疑っている6つの警察が、ある種類の事件を二重に報告しているかもしれません」 ;警察の記録内部の『囲われたシステム』;そして地域の警察ごとの様々なITシステム。

要するに、私たちは『提供されたデータは完全に正確、あるいは首尾一貫している。』ということを確信できないのです。

メディアが果たす役割:血が流れればトップニュースになる

持続的かつ広範囲に及ぶ一般大衆の不信に呼応して、犯罪に関する歴代の英国政府の政策が強化されてきました:より厳しい量刑、刑務所にはより多くの人々、通りにはより多くの警察。英国の一般大衆が、なぜ以前よりも犯罪が増えていると考えているのかを尋ねられた時に、半数以上(57%)の人は、テレビ報道によるものであると述べ、ほぼ半数(48%)の人は、新聞記事[Ipsos MORI poll on Closing the Gaps]によるものだと述べました。あるタブロイド紙がつい最近声高に主張しています:「レイプは依然として記録的なレベルにあり、暴力犯罪は上昇している」そして「この10年、犯罪は最大級の上昇を示している」。格言にあるように「血が流れればトップニュースになる」のです。

犯罪データと警察への不信

一般大衆に犯罪数値を意味あるものにしようとしている人々はユニークな課題に直面しています。1993年にスティーブン・ローレンスが殺された時、そしてそれに続く公聴会で、組織的な人種差別が首都警察の中心にあることが分かったとき、一般大衆の警察への信頼は粉砕されました。それ以来、警察は人種差別的な署員を完全に排除したと主張しました。

Police by Luis Jou García, Flickr, CC BY-NC 2.0

しかし、多くは確信しているとは言えないままです。公式な統計によると、1999-2000年に警察に尋問される黒人は白人の5倍ほどでした。10年後に、それらは7倍ほどでした。1人の犯罪学者が次のようにコメントしました:「警察の尋問における証拠を見ると、もはや組織的な人種差別のローレンス公聴会での結論があてはまらないという主張が、空々しく聞こえる」。[マイケル・シャイナーによるガーディアンでのレポート]。

同様に、警察も一般大衆に不信感を持っています。2012年にマンチェスターで起きた、2人の若い女性警察官殺人によって、警察が武装するべきかどうかについての長期に及ぶ大論戦が勃発しました。このため、警察と一般大衆の間の分断は重大なものとなっています。

別のトラック?

2011年に、英国統計局によって犯罪データの見直しが始まりました。次のようなことが推奨されています:

  • 信頼性を高めるために犯罪統計の発表の仕方を改善すること
  • 整理統合の機会を識別するために、政府ウェブサイト上の地域犯罪および刑事裁判データの利用可能性をレビューすること
  • ベストプラクティスを共有し、メタデータを改善し、警察犯罪記録の品質に関する信頼性を回復すること。

英国警察がデータの公表を改善することの重要性を認識していることは明らかです。しかし、一般大衆と警察の間で損なわれてしまった信頼をデータをオープンにすることだけで修復することはできないように思えます。たとえブリトン人がかつてないほど安全であるという証拠が、透明で、容易に道案内ができるデータの中にあるとしても。私たちは例えば、警察の報告方法を吟味する、といったことで起源の連鎖をさかのぼる必要があります。

しかし、これも許しに関わるものであり、英国の一般大衆はいまだその用意ができていないのかもしれません。

原文(2015/7/1 Open Knowledge Foundation Blog 記事より):
Original post UK Crime Data: Feeling is Believing / Meg Foulkes, licensed under CC BY 3.0.

米国で始まる新たな形のハッカソン

2014年9月7日 in News

ホワイトハウスは7月末に「環境対策の施行の遅れに伴う経済的損失」と題したレポートを公表した。このレポートでは、環境対策を無視することで、農業生産の落ち込みや洪水などを引き起こし、その経済損失は年間で1,500億ドル程度に上るとしている。

このレポートの公開から約1か月後の8月末、NASAは「気象データを活用したアプリケーション構築のコンテスト」の第2回目を開催するとアナウンスした。1回目のコンテストは既に7月1日~8月1日の間で開催されており、気象予測と人工衛星のデータの新しい活用方法に関する4つのアイデアが勝ち抜いている。この4人の勝者は、賞金である1万ドルを分かち合うこととなる。

 これらのコンテストは、OpenNEX(Open NASA Earth Exchange)の一環として開催されている。 (OpenNEXとは、各ユーザーが地球科学に関するビッグデータを分析することを目的として、モデル、分析コード、調査結果、情報や専門性を共有するための、データ、クラウドコンピューティング及びナレッジプラットフォームを指す)

NASAが8/22に公表したプレスリリースには、「このOpenNEXコンテストから生まれてきたアイデアを見ると、市民の科学者の手によりNASAが有するデータの価値がどれほど向上したかが良く分かる」また、「2回目のコンテストでは、これらのアイデアを実践的なアプリケーションとして実装することを目的とする」記載されており、アイデアソンとハッカソンに分けた取り組みであること、またアイデアソンは科学者を対象としていたことが分かる。

なお、1回目のコンテストで勝ち残った4つのアイデアは、

  • 気候変動に伴い、どのように植物耐寒性区分が変更するかを予測するアプリケーションの開発
  • コミュニティにおける気候変動の予測結果と、過去の気候データを比較するアプリケーションの開発
  • 気候変動などに関連した災害(山火事、洪水や干ばつなど)の予測と実績を地図上に表示するウェブアプリケーションの開発
  • ウェブ開発者による情報入手を簡単にするため、OpenNEXの気候モデルデータのレポジトリーをOpen Web Platformと互換性のあるフォーマットへ変換

となる。

2回目のコンテスト(これらのアイデアを実践的なアプリケーションとして実装することを目的とするコンテスト)は8月22日から10月21日まで開催しており、審査結果は12月中旬に公表され、その賞金は5万ドルとなる。

コンテスト参加者はOpenNEXデータを活用し、気候変動による影響を一般市民に対して分かりやすく説明するためのアプリケーションやアルゴリズムを開発することが求められる。そのためには、上記に挙げた4つのアイデア以外にも新しいアイデアを活用することも可能としている。NASAは例として、雪解け時期、渡り鳥の飛来時期や花粉の時期など、一般市民が身近に感じることのできる時期の変化の予測を挙げている。

このように、政府が重要と考える特定のテーマに絞ったアイデアソンとハッカソンに対し、賞金と十分な検討時間を提供することで、行政の目的を実現するための質の高いアプリケーションの開発を実現しようとしている。つまり、行政が市民目線で何かを訴えたい場合は、実際に市民の手で訴える内容を策定することが望ましいのだろう。このようなハッカソンなどを通じた官民協業の姿は今度も増えていくものと予想される。

出典:NASAブログ(http://www.nasa.gov/press/2014/august/nasa-picks-top-earth-data-challenge-ideas-opens-call-for-climate-apps/#.VAFjZfl_s-i)
The cost of delaying action to stem climate change(http://www.whitehouse.gov/climate-change)

オープンデータのための投資対効果検討書

2014年7月14日 in News

オミダイア・ネットワークの政策担当役員であるMartin Tisne とエコノミストでありLateral Economics のCEO でもあるNicholas Gruen は先週キャンベラで「ビジネスのためのオープン」というレポートを発表しました。これは、G20の経済成長目標達成を支援する、オープンデータの可能性を計量し例示する、初めての研究です。Martin は、オープンデータのための経済事例を以下の通り作成しています。

Manhattan

G20とオープンデータ:ビジネスのためのオープン

オープンデータは今年のG20の数多くの優先事項に及び、G20の2% 成長目標の半数以上を達成することができました。

オープンデータのための投資対効果検討書

オープンデータの議題を通じて経済を分析することで、経済成長への著しい貢献と達成可能な生産性が確認されました。政府、民間部門、個人およびコミュニティはすべて、投資に通知し、新産業の創出を駆動し、そして意思決定と研究に通知するイノベーションと情報から利益を得られると主張しています。価値のある情報が生成・再利用されるようなやり方で段階的な変化を印すために、G20は情報をオープンデータとして公表すべきです。

2014年5月に、オミダイア・ネットワークは、Lateral Economics にG20の2% の成長目標を支援し、オープンデータの議題が経済成長と生産性に対していかに重要な貢献をすることができるかを例証するための、オープンデータの可能性に関する経済分析を引き受けるよう任命しました。G20経済をすべて組み合わせると、アウトプットは次の5年間の累積で、13兆米ドル増加する可能性があります。オープンデータ・ポリシーの実装は、このように5年にわたってG20の2% の成長目標のうち約1.1% 分(全体のほぼ55%)G20の累積GDP を上昇させるでしょう。

推奨

重要なことには、オープンデータは多くの今年のG20優先事項に及んでいます:民間のインフラ投資促進、雇用創出と参加の向上、税制強化と汚職との戦い。このメモは、すべてのG20優先事項に及ぶオープンデータの筋道を示唆しています。より多くのデータがオープンになるほど、利用、再利用、転用、そして(他のデータとの組み合わせで)みんなの利益になるようなリミックスが可能になります。

私たちは、オープンデータ憲章に署名するよう、G20経済に要求します。

G20は、G20ワーキンググループおよびテーマによって公表されたデータが、合意されたオープンデータの基準に従うことを保証するべきです。これは、不正を暴き、汚職と戦い、イノベーション促進をさらに進めている、より透明性の高い、効率的で、効果的な政府に結びつくでしょう。

データは国家資源であり、またオープンデータは「ウィン-ウィンの」政策です。それはもっと既存の資源を作ることに関係しています。私たちは、データをオープンにするコストが経済的なリターン(これは大きなものになりえます)より小さいことを知っています。プライバシーへの関心を尊重する手法は考慮に入れなければなりません。これが実施されれば、公共及び部門部門での情報共有が増えるので、肯定的なリターンが増加するでしょう。

G20の機会

去年9月に、サンクトペテルブルグG20 リーダー宣言で作成されたコミットメントを推し進め、成長への刺激を確実に進捗させるために、G20 加盟国のリーダーは、今年11月にオーストラリアでの会合を予定してます。G20 に関係するアクションは投資の増加、雇用と参加の拡大、貿易の増強、及び競争の促進といったものを含む予定です。

結果として生じる「ブリズベーン・アクション・プラン」は、次の5年にわたって現在プロジェクト化されたレベルの少なくとも2%以上、G20 のアウトプットのレベルを底上げする目的でのこれらのコミットメントをすべてカプセル化するでしょう。G20政府による共同および集団アクションの主要な機会があります。

政府および公的な資金による研究データの両方について、政府は、既存の公共部門データの公表を強化すべきです。しかし、単にガバメントデータをもっと公表するよりも、オープンデータを促進することでより多くのことが行えます。適切な状況では、政府は、民間部門データ(例えば企業の財務報告)の公示を命ずることができます。

推奨するアクション

  • G20政府は、よりよく私たちの市民のニーズを満たし、イノベーションと繁栄が広がることを可能にする、より強固に、より相互に連結した社会の構築を促進する、オープンデータ憲章の原則を採用するべきです。
  • 下記に例示しているように、採取産業からの収入や会社の実質所有者に関連するオープンデータの公表、といったG20の個別テーマ下の特定のオープンデータ目標を採用すべきです。
  • G20政府はG20を横切るライセンス方法の枠組みを調和させることを考慮すべきです。
  • G20政府はオープンデータ公開の量と質を測定する基準を(例えばOpen Data Institute のオープンデータ認定を一般的な標準の採用を駆動させるための底上げの仕組みとして)採用すべきです。

G20での実例

財政金融政策

政府は、オープンでなかったりマクロ経済の管理者がアクセスできない豊富なリアルタイム・データを所有しています。G20政府は次のことをするべきです:

  • 経済予測の背後にあり、代替的政策設定の評価を支援するモデルをオープンにしてください。
  • 政府が比較して買い物ができるようにするために、政府とサプライヤー間の支出および契約に関するデータを公表してください。

汚職防止

オープンデータは、汚職が検知される可能性を高めることで、汚職の減少に直接寄与するかもしれません。G20 政府は次のことをするべきです:

  • 採取産業からの収入と同様に会社の実質所有者と関係するオープンデータを公表してください。
  • 国境をまたぐ商業実体の実質所有者の追跡や取引の比較と調停を含め、国際通貨フローの追跡ができる、調和した技術標準を共同研究してください。

貿易

複数の統治権から貿易データを得て利用するのは困難です。アクセス料金、特定のライセンスそして非機械可読のフォーマットはすべて、大きな取引コストを含んでいます。G20政府は次のことをするべきです:

  • 貿易データに関係するオープンデータ・ポリシーを調和させてください。
  • 標準的な貿易のスキーマとフォーマットを使用してください。

雇用

雇用条件に関するより高品質の情報は、より大きな職務の満足度と改善された生産性を生みだし、組織への従業員のよりよいマッチングを促進するでしょう。G20政府は次のことをするべきです:

  • 中央に集められた求人登録をオープンにして、人々が仕事を見つけるための新しいメカニズムを提供してください。
  • 特別な領域のスキルの需要に関するオープンな統計情報を提供して、その支援する訓練と教育がその提供物を磨き上げるのを手助けしてください。

エネルギー

オープンデータは、エネルギー供給のコストを下げて、かつエネルギー効率を改善するのを支援するでしょう。G20政府は以下のことをするべきです:

  • 消費者およびサプライヤーからのオープンデータを公表するインセンティブを提供して、エネルギー会社がエネルギー計画の最適化により原価を削減できるようにしてください。
  • 建築のためにエネルギー効率証明を公表してください。
  • 政府の建物のリアルタイム・エネルギー消費量を公開してください。

インフラストラクチャー

現在のインフラストラクチャー資産情報は分断化され非能率的です。現在の資産データを公開することは、ギャップの理解と新しい洞察を提供するための重要な第一歩でしょう。G20政府は次のことをするべきです:

  • 政府のインフラストラクチャー資産と計画に関するオープンデータを公開して、インフラストラクチャーのギャップをよりよく理解し、インフラ整備におけるより大きな効率改善と洞察を可能にし、コスト/利益を利用・分析してください。
  • G20参加国中の一貫して調和した方法で、オープン契約パートナーシップを通じた契約を含む、オープン・インフラストラクチャー・データを公表してください。

価値についてのこれまでの例

  • 米国では、そのデータセットをパブリックに公開するというほぼ30年前の海洋大気局の決定は、イノベーションの爆発(予報、モバイルアプリケーション、ウェブサイト、研究等を含め)と数十億ドルの気象産業をもたらしました。
  • EU におけるオープンガバメント・データは経済活動を400億ユーロ増加させるでしょう。間接的な利益(データ駆動のサービスを利用する人々)の合計は年間1400億ユーロに達するでしょう[1]。
  • マッキンゼー・リサーチは、オープンデータの結果としての付加価値の中で7つのセクターだけで年間3兆ドル以上を生み出すことができたことを示唆しています。
  • 2002年にデンマークでオープンデータとして公表したところ、コストが200万ユーロであったのに対して、2005年から2009年に6200万ユーロの利益をもたらしました。2010年のROI:20万ユーロのコストに対して1400万ユーロの利益[2]。
  • オープンデータは、カナダにおける税法中の慈善団体向け寄付扱い分の32億カナダドルの誤用を明らかにしました[3]。
  • たったひとつのクラスの処方薬に関するオープンデータの公開で、NHSは年間2億ポンド節約することができたでしょう[4]。

[1] https://www.ereg-association.eu/actualities/archive.php?action=show_article&news_id=167

[2] http://www.adresse-info.dk/Portals/2/Benefit/Value_Assessment_Danish_Address_Data_UK_2010-07-07b.pdf

[3] http://eaves.ca/2010/04/14/case-study-open-data-and-the-public-purse/

[4] http://theodi.org/news/prescription-savings-worth-millions-identified-odi-incubated-company

原文(2014/6/23 Open Knowledge Foundation Blog 記事より):
Original post The Business Case for Open Data / Martin Tisne, licensed under CC BY 3.0.

okfj

by okfj

オープンデータ500のローンチ

2014年5月28日 in News

od500-banner

ニューヨーク大学のGovLabは「The Open Data 500」をリリースします:

初のオープンガバメント・データを利用する企業の包括的な研究

ウェブサイトでは、政府からの自由なデータを基にしてビジネスを構築するための500の方法を示しています

商務省はGovLab 初の企業/政府円卓会議に参加します

世界的に年間数兆ドルの価値があると推定される、経済的価値の広大な新しい貯水池は、連邦政府機関と民間企業の間で技術主導の連携によって利用され始めています。この新技術ブームは、漸増する量のデータ・ストアを容易に自由に利用可能にするのにあらゆるレベルで政府を巻き込み、そして技術革新とビジネスの成長のためにこのデータを適用する方法を学ぶ企業を巻き込んでいます。このデータの多くは、原則的に公開して合法的に利用されていますが、政府は現在「オープンデータ」としてより簡単にアクセスし、利用できるように取り組んでいます:すなわち、営利および非営利ベンチャーを起業したり、社会や市場の動向を理解したり、データ駆動型の意思決定を行ったり、複雑な問題を分析的に解決したり、といったことに利用できると多くの人が考えている自由で公開されたデータです。

本日(訳注:2014年4月8日)、オープンデータ500のウェブサイト(既にオープンガバメント・データを利用している多数の米国を拠点とする企業を文書化する、初の調査研究)を立ち上げたことをニューヨーク大学のGovLab は喜ばしく思います。オープンデータ500は持続的に更新される進行中の研究です。これは、オープンデータが単に理論的な概念であるだけでなく、既に価値および雇用の創出で実用化されている、現実世界の経営資源であることを示しています。研究は、 John S. and James L. Knight Foundation からの資金提供でサポートされており、ワシントンDC のCenter for Data Innovation が主催したイベントで本日発表されました。

「オープンデータ500は、私たちに新たなビジネスの実現性の最初の詳細で掘り下げた視点を提示しています」と、GovLab の上級アドバイザーおよびオープンデータ500研究のディレクターであるJoel Gurin が述べました。「私たちは、オープンガバメント・データなしではまったく存在し得ない、あらゆる種類の企業を見つけています。オープンデータは今やアメリカのビジネスの一部となっており、その利用方法を学ぶ企業は競争優位性を持つことになるでしょう。」
最初の調査対象500社はオープンな連邦データを利用していますが、なかには州、市および地域のオープンデータを同様に利用しているところもあります、とGurin は述べました。Gurin はまた、最近出版された本(Open Data Now)の著者でもあり、そこにはオープンデータの用途および可能性について記述されています。

企業と政府系機関がオープンデータをより効果的に利用するためにともに連携して協力するのを支援するために、研究はどういった種類の企業がどういった種類のデータを利用しているかという情報を収集しています。ガバメントデータを利用する多くの企業はたいてい、収集、維持、利用が困難な方法で提供されていることを訴えています。

GovLab の創設者兼ディレクターであるBeth Simone Noveck が観察しているように、「この研究は、オープンデータは既に主要な国家的資源でありビジネスの駆動装置であるがその真価を発揮するまでには長い道のりを要する、ということを示しています。政府は透明性を提供するために、正確、完全そして利用可能なオープンデータを提供する必要があり、またビジネスと市民のニーズを満たす必要があります。GovLab では、私たちは、オープンデータのエコシステムをより有効に機能させるのを支援するために客観的なファシリテーターとして、ビジネスと政府の両方と仕事をすることを計画しています。」

この意味でGovLab はさらに、データ・リリースためのプロセスおよび優先事項の改善を支援するために、彼らのデータを利用する政府系機関と企業の間で一連の円卓会議を召集する予定であることを、本日(訳注:2014/4/8)発表しました。商務省は初回の円卓会議に参加することをコミットしました。他の連邦各省も、将来的に参加する意向を表明しました。

商務省はオープンデータ500の研究に非常に興奮しており、これをずっと信じてきた次のようなことの確認と見なしています:私たちの膨大なデータ資産をパッケージ化し、普及させるために私たちの能力を高めることによってアメリカのビジネスを革新的なものに、政府をより賢く、また、市民をより知らされた(インフォームドな)ものにすることができる。」と経済担当商務次官Mark Doms は述べました。「私たちは今後の円卓会議でGovLab と仕事ができることに、そして私たちのデータをより価値のある、アクセスし易いものにするために何ができるかじかに学ぶことに、わくわくしています。」

それがオープンデータ500を生きた資源にすることを計画しているので、GovLab はその成果を絶えず更新し、拡張し、深めるでしょう。研究に参加したい企業は、OpenData500.com 上の調査タブに掲載されている情報を記入する必要があります。調査で収集されたすべてのデータはサイトからダウンロードすることができ、かつGovLab はデータを分析し、その結果を共有するために他の研究者を強く奨励しています。

原文(2014/4/8 GovLab Blog 記事より):
Original post Launching the Open Data 500 / Kirk Hovenkotter, licensed under CC BY-SA 3.0.

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オープンデータの価値とは何ですか?

2014年5月27日 in News

世界中で、国及び地方公共団体は、多数の正当な理由により、収集したデータをオープンデータとして利用可能にしています。オープンデータによって、政府がより説明責任を果たすための支援をしたり、政府の業務において市民が力を得たり参画したり、より効率的かつ効果的に公共サービスを提供したりすることができます。民間部門では、オープンデータは、起業家のための新たな機会を創出したり、既存事業のより戦略的な運営を支援したり、投資家に有益な情報を与えたり、研究開発のペースを加速したりすることができます。

これは良いことづくめのようですが、一方でいくつかの疑問が未解決のままです。実際のところ、誰がオープンガバメント・データを利用しているのでしょうか?彼らはどのようなデータセットをどのように利用しているのでしょうか?さらにいちばん答えづらいのは:正確には、オープンガバメント・データの価値とは何でしょうか?

これらは、理論的な問題以上のものです。米国、英国、G8 で設定された最近の政策では、ガバメントデータは、「オープン・バイ・デフォルト」であるべきという考えを受け入れています。即ち、非公開にしておくべきセキュリティ、プライバシー、その他やむを得ない理由がある場合を除いて、それはオープンであるべき、ということです。これは原理的には素晴らしいことです。しかし実際には、米国政府は様々なレベルのデータ品質とともに、さまざまな種類の技術を利用して約10,000の情報システムを管理しています。利用可能で信頼性の高いオープンなデータにそれらすべてを変換する時間、労力、そして費用を正当化するために、私たちはコストと利益を定量化できるようにする必要があります。

私が今GovLab で指揮しているオープンデータ500の研究では、経済学その他の研究者にオープンデータの価値を評価するのに役立つ新しい情報基盤を提供します。これは、現実世界で最初の、健康、金融、教育、エネルギー、その他の部門の政府オープンデータを利用している企業の総合的なマッピングです。これらの企業に、彼らが利用しているオープンなデータセットに関する具体的な質問をすることで、私たちはまた、ビジネスユースにとって最も重要なのはどのようなデータか、そしてどのような形式なのか、といったことを政府機関が優先順位付けするのを支援したいと考えています。

オープンデータ全体の価値を決定することは容易ではありません。これを利用する企業は、できたばかりであることが多く、彼らの成功を測定するのは時期尚早です。一方、多くの既存企業は、自分の仕事のための単なるリソースのひとつとしてオープンガバメント・データを利用しています。このことが、それが彼らのビジネスにどのくらい貢献し得るかを把握することを難かしくさせています。これまでのところ、オープンガバメント・データに価値を置くための努力は、幅広いレンジの数字として表れています。データの価値を推定したものとしては次のようなものがあります:

  • 欧州連合(EU)全体で300億から1400億ユーロ(約400億から1850億米ドル)
  • 英国内のデータとして、約30億から90億米ドル
  • 米国の気象データとして、15億ドルから年間300億ドル以上の間
  • 米国のGPSデータとして、900億ドル、もしくはそれを下回る数字

なぜ数字がバラバラなのでしょうか?最初の2つの推定値は(ひとつはGraham Vickery が欧州連合(EU)のために行ったもので、もうひとつはコンサルティング会社デロイトが英国のために行ったもの)ヨーロッパ人が「公共部門データ」と呼んでいるものです。これはパブリックに利用可能ですが、手数料が必要であったり、再利用に制限が存在する可能性があるため、真のオープンデータとは言えないデータです。これらの見積りはそれぞれ、例えば、新たな情報提供のウェブサイトやアプリのようなデータの直接利用から、データ解析技術の市場形成や政府の効率化などのような間接的な便益から発生し得るより大きな価値に至るまでの範囲を示しています。

米国の数字は、何をカウントするか次第です。オープンな気象データは、二次保険市場におけるアプリケーションでは推定15億ドルをサポートしています。しかし、はるかに大きな値が正確な天気予測から来ており、米国内で年間300億ドル以上の節約になると言われています。 GPSデータの価値が900億ドルと見積もられていますが、その数字は業界の研究から来ており、高すぎる可能性があります。それ以外のあいまいな数字:マッキンゼーの調査は米国の健康データが300億から4500億ドルの可能性と推定される、としていますが、この見積は公共データだけでなく民間のデータソースを含んでおり、健康に関するオープンデータの価値を引き出すのを難しくしています。マッキンゼーは現在、すべてのオープンガバメント・データの価値の合計の推定に取り組んでおり、オライリーStrata 会議で今月末(訳注:2013年10月)にリリースされる予定です。

オープンデータ500では、すぐさま私たちがより良い数字を得られるわけではありません:私たちは、単にデータベース内の企業の求人や収益の合計数を単純に加算したり、いくつかのX要素を掛けて、米国政府が提供するデータのすべての値を取得したりすることはできないでしょう。(私たちは、この最初の調査では米国企業だけを研究対象としています)しかし、私たちは、経済学者が今後、より正確で精密な推定値を開発するのに役立つデータを提供したいと考えています。私たちは、調査結果をウェブサイト上で利用できるようにすることを計画しており、そこでは研究者がデータをダウンロードすることができ、新しい企業は、私たちの調査を完成させることができ、オープンデータコミュニティのメンバーは、今後の研究を提案することができます。

また、私たちはデータ保有者(政府機関)とデータ利用者(オープンデータ企業自身)間の長期にわたる対話を立ち上げたいと考えています。私たちは、各企業にどのガバメントデータを利用しているのか、各データセットがどのように役立っているのか、そしてデータセットをどのように改善したら良いか、といったことを尋ねています。体系的に収集されたことがないこの種のフィードバックで、政府機関は公開利用に向けて最も重要なデータセットに優先順位を付け、速やかにそれらをより有用なものにすることができるようになります。英国では、オープンデータ利用者グループが提供するデータを向上させる方法について政府に助言しています。同じ種類のフィードバックは、米国連邦政府機関にとっても重要です。

このプロジェクトを進めるに当たり、私たちはオープンデータから利益を得ている企業のいくつかの強力な事例が既にあることを知っています。オバマ大統領の下で米国初の最高情報責任者(CIO)を務めたVivek Kundra は、最近「生のガバメントデータを利用して構築された企業」の3つの例を指摘しました:住宅データを使用したZillowは、10億ドル以上と評価されています。政府の気象データをベースに構築されたWeather Channel は、2008年に約35億ドルで売却されました。そしてGarmin は、GPSデータを利用して、70億ドルの以上の時価総額を持っています。つい先週、Climate Corporation はスタートアップ企業で、その最高経営責任者(CEO)に私は最近インタビューしたのですが、約10億ドルで売却されました。

問題は、もはやオープンデータが経営資源たり得るのかどうかではなく、どうやったらそれを出来る限り有用なものにできるか、ということです。問題には、データの可用性、データ品質、データ形式、さらには大きな政策、オープンデータの価値に影響を与えることができる技術的、経済的、法的な問題が含まれています。今や私たちはオープンガバメント・データはビジネスに役立つということは分かっているので、何が有効か、いつ、なぜなのか、といったことを学ぶ必要があります。

これを書いている時点では、私たちはオープンガバメント・データを利用している企業を300以上識別しており、彼らにオープンデータ500に参加するよう招待しました。あなたがお勧めする会社がありましたら、こちらにご記入ください。ご自分の会社が良い候補だと思われる場合、私たちの調査はこちらです。#OD500で私達にあなたの提案をtweet したり、opendata500@thegovlab.org 宛てに送ってください。私たちはこの新しい領域をマップしたので、すべての入力は大歓迎です。

このプロジェクトと私たちの方法論についての続きはこちらでどうぞ。

原文(2013/10/11 GovLab Blog 記事より):
Original post What’s The Value of Open Data? / Joel Gurin, licensed under CC BY-SA 3.0.

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EUの調達データをオープンにする

2014年5月24日 in News, Special

次の投稿の元記事はこちらで、Friedrich Lindenberg (Twitterではこちら)によるものです。

調査担当のジャーナリストが注目すべき次のヨーロッパのデータセットは何でしょうか?2012年、BrigitteDataHarvest 会議にさかのぼると、FarmSubsidy の調査担当スーパースターと会議の共同主催者は明確な答えを持っていました:TED(Tenders Electronic Daily)をオープンにしましょう。TEDはEUの共同調達の仕組みで、EUの契約プロセスの中心にあるものです。これをオープンにするということは、誰が公的資金を受け取るか、また、何のためにそれを受け取るかというキーになる疑問に光を当てるでしょう。

彼女の提案は、先週の時点で、最終的にはジャーナリストと研究者のための有用なリソースへと成長した、OpenTED という2年がかりのプロジェクトを引き起こしました。ギャップは残っていますが、私たちは大規模なトレンドから地方自治体の開発まで、あらゆることについての情報を得るために今、ジャーナリスト、NGO、アナリストおよび市民がこれを利用し始めるよう願っています。

ヨーロッパの入札書類および落札データへの容易なアクセスを提供する現在のOpenTEDウェブサイト。

OpenTED

すべてのEU諸国の会社がこれらの契約に入札することができるように、TEDは、大規模公共事業のための入札公告を集めています。ジャーナリストにとって、このようなデータベースが次のようなことに答えられるかどうか、多くの刺激的な疑問があります:どのような大型プロジェクトが発表されているか?誰がこれらのプロジェクトの契約を落札しているか?また、決定が賢明に公平になされているか?特定の国や産業で最も大きなサプライヤーは誰か?

Anders PedersenJoost Cassee が始めたOpenTED プロジェクトは、最初に公式TEDウェブサイトをスクレイプ(訳注:htmlで表現された表などをパースしてデータとして取り出す操作)する試みとして生まれました。しかしながら、OpenTED のこの最初のバージョンはすぐに多くの現実問題に直面しました:ジャーナリストがインターフェースなしでこのデータを使用するのは不可能でした。また、材料が非常にお粗末だったので、サンライト財団の金融データの天才Kaitlin Devine でさえ私たちがエラーを分離するのを手伝えませんでした。さらに悪いことに、2013年6月に、EU出版社は、大量のスクレイピングを不可能にするためにTEDウェブサイトを更新しました – データを更新する方法が私たちには無くなってしまったのです。

私たちには選択肢が欠けていました。私たちの質問に答えるには、EU出版社が提供するウェブサイトでだけでなく、データベースを直接見る必要がありました。

言葉によるスクレイピング

私たちは、データオタクたちのために過激な一歩を踏み出すことに決めました:EUに話しかけることにしたのです。出版社のユニット・リードと話をしたところ、彼らが既にそのライセンシングの枠組みを変更する手続き中であったことを知って、私たちは驚きました:機械可読なデータへのアクセスは過去の再利用者に売られましたが、データを2014年1月に自由に利用可能にするという計画でした。ありがとう、Neelie!

そこで私は1月前半にツイッター上で@EUTenders に連絡して、出版計画に何が起こったか尋ねました。何らかの拒絶を予期していたのですが、彼らの生データ・ファイル・サーバーのための保証付きのダイレクト・メッセージを直ちに受け取って、私は驚きました。サイトはTED の2011年以来のデータのXMLダンプと共に、ダウンロード用のDVDイメージを提示してくれました – これはまさに私たちが捜していたものでした。

コミュニティの構築

DataHarvest 2014が近づくにつれ、私たちは、アクセス可能なフォーマット(CSV)で切り出されたものや国や年ごとに分けられた新しくオープンにされたデータを提示する、OpenTED の更新版を作ることに決めました。これにより、データベース・スキルのないジャーナリストでもデータを入手し、スプレッドシート・アプリケーションで調べることができるでしょう。

DataHarvest 2014のハック・デイに、ヨーロッパ中のコーダー、およびジャーナリストがEU調達データを探索しています。

その結果生まれた議論では、データの質と完全性に注目しました。多くの契約額やサプライヤー名をはじめ、多くの不可欠な情報が見当たりません。さらに、既存のデータは、特に契約に関与する公共団体および経済担当者を明白に識別するには、非常にお粗末なものです。

そして今は?

次のステップはDataHarvest にいろいろなやり方で参加したジャーナリストのおかげです。私たちは彼らが調査に使用できる豊かなリソースを創出し、そしてデータの分析をサポートする準備ができている科学技術者のネットワークを立ち上げた、と私は考えています。しかしながら、私たちが今や契約メタデータ(EU契約の受取人、金額、見出し等)にアクセスできるようになった一方で、ワークショップの中でジャーナリストが尋ねたがるような詳細な質問に答えるためには、実際の契約書へのアクセス、政府が私たちの代わりに作る条項の詳述および正確な協定の範囲、といったものが必要であることが明らかになりました。これについては、私たちはより大きな契約の透明性を主張し、秘密契約をストップするように政府に伝える必要があります。

おお、そして私は、Galwayに建設中の700兆ユーロのビルについてぜひとも詳しく知りたいのです…

資源

データとツール:

いくつかのコード:

原文(2014/5/16 Open Knowledge Foundation Blog 記事より):
Original post Opening Up EU Procurement Data / Friedrich Lindenberg, licensed under CC BY 3.0.

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秘密契約の悲劇的な結末

2014年5月9日 in News, Special

次の投稿はナイジェリアの Public and Private Development Centre のCEOであるSeember Nyagerによるものです。Public and Private Development Centreストップ秘密契約キャンペーンにおける私たちのキャンペーン・パートナーのひとつです。

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公共機関の中で日々行われている秘密契約によって、公共の利益が阻害されているという確かな証拠があります。
数日前に、Abuja の若いナイジェリア人は、19人の応募者が死亡した、ナイジェリア入国管理局(NIS)による採用試験の無謀な行為に抗議した罪で逮捕されました。(訳注:採用試験に大量の失業者が押し寄せ、将棋倒しなどにより死傷者が出たもの。報道記事ビデオ

抗議者はその後解放されましたが、誰も無謀な採用試験を行った結果起きた死亡事故のために留置されていない一方で、この重大な失態に抗議する若い声は、治安部隊によって沈黙させられている様子は、未だに風刺されています。もっとも心を痛めるのは、採用試験で死者を出すという結果は試験を実施するコンサルタントの選択の中で、相応の手続きとまっとうな仕事をしっかり行っていれば、より周到な計画で回避できたかもしれない、という現実です。

Premium times が公表した報告書は、もっぱらNIS で採用試験を行なったコンサルタントを自ら選んだ内大臣によって採用試験が行なわれたことを示しています。コンサルタントが選ばれたプロセスについて、BudgIT やPPDC を含む市民組織からの詳細情報の提供要求に対する大臣からの反応の無さは、適法な手続きが軽視されているという報告書が信頼できることを示しています。

コンサルタントが選ばれた競争の無いプロセスは公的調達法に明らかに違反します。また、その結果は、公共事業の契約の報酬における金銭のために価値の概念を台無しにしてしまいました。採用募集ウェブサイトは雇われたコンサルタントによって構築され配置されましたが、ウェブサイトで集めた情報は、その後に死亡したナイジェリア人を残した全国一斉の採用試験を執り行うための計画に通知されたようには見えません。710,000人以上の応募者から生み出された収入の適法性が質問されている一方で、採用試験をもっとうまくオーガナイズできるようにこれらのリソースが使われなかったことは、驚くべきことです。

ナイジェリアの公共機関がナイジェリア人の損害に対して、公共サービスに期待される運営において無謀な振る舞いを見せたのはこれが初めてではありません。航空省が、ひどく豪華な乗り物をローンで買うという分別の無さによって、SUREP資金が使われた正確な金額の追跡において、BudgITおよびPPDCは困難に直面しました。国家の構築と開発が公共機関によって蝕まれている事例としては、NNPCによる200億ドルに上る使途不明金はごく一例です。

3週間前に行なわれたNIS の採用の実例では、いくつかの結果が短時間で死者を出すものとなりました。しかし、責任の受け容れやナイジェリア人に加えられた不正行為の訂正は遅々として進んでいません。同じ問題に関して、市民のリソースが静かなる抗議者に迅速に配置されました。

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今こそ適切な手続きと勤勉さを要求する私たちの法律が完全に執行される時です。ナイジェリア人があらゆる形式の組織上の無分別に憤慨するのは正しいことであり、平和な抗議はもはや弾圧されるべきではありません。ナイジェリアの入国管理局採用試験は、秘密契約の結果が人命を奪う場合もあり、そのような振る舞いを続けることは許されないということを痛ましくも例証しています。私たちは組織による無分別を止めなければなりません。そして私たちは秘密契約を止めなければなりません。

Ms. Seember Nyager はナイジェリアで調達の監視をコーディネイトしています。Nigerian Procurement Monitors は@Nig_procmonitor でフォローしてください。

原文(2014/4/14 Open Knowledge Foundation Blog 記事より):
Original post The Tragic Consequences of Secret Contracts / Theodora Middleton, licensed under CC BY 3.0.

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なぜ秘密契約は援助の透明性において問題か

2014年5月8日 in News, Special

次のゲスト投稿は私たちのストップ秘密契約キャンペーンのパートナーであるPublish What You Fund のNicole Valentinuzzi によるものです。

オープンナレッジ財団、サンライト財団および他の多くの国際的なNGOに支援された、秘密契約をストップする新しいキャンペーンは、汚職が始まる前にやめさせるために、あらゆる公的な契約を利用可能にすることを目的としています。

私たち自身透明性の運動家として、Publish What You Fund はこの新しいキャンペーンの支持者となることを嬉しく思います。私たちは、全ての政府活動の土台となるアプローチとして透明性の要請に声を貸すことが重要であると感じました。

開発のフローをオープンにすることによって、援助の有効性と説明責任を増加させることができると信じているので、私たちは、より多くのそしてより良い援助に関する情報のためにキャンペーンを行っています。さらに、市民に対する最終的な責任があるので、政府は透明性のある行動をする義務を負うと私たちは信じています。

これは教科書から衛生システムまで政府が入札のために発行する公的な契約をすべて公表することを含んでいます。これらの公的に入札が行われた契約は毎年ほぼ9兆5000億USドルを全体的に上回ると推測されます。しかし、その多数は非公開ということで意見が一致しています。

これらの秘密契約は、しばしば汚職、不正行為および不可解なアウトソーシングにつながります。金額、相手先、納期など、契約に関する基礎的な事実が市民に利用可能にならない場合は、汚職と悪用が起きていないことを確かめられません。

しかし、Publish What You Fund で私たちがキャンペーンの目的とする援助の透明性について、秘密契約をどうしなければならないのでしょうか?では、アフリカは毎年そのGDP の4分の1弱を汚職で失っているという、キャンペーンによる最近の発見をよく考えてください。そして、その代わりに学校、病院、道路などにどれだけのお金が使えたのか、考えてみてください。

これは多くの場合、開発に使うことを想定しているお金です。例えばInternational Aid Transparency Initiative (IATI)を通じて、市民がお金の流れをたどることができ、その使途について政府が説明責任を果たせるように、これは公表されるべきです。

しかし、汚職は単にアフリカだけの問題ではありません。ストップ秘密契約キャンペーンでは、ヨーロッパは毎年汚職で1200億ユーロを失っていると見積もっています。

Publish What You Fund で、私たちは開発協力の世界最大の供給者に、IATIへ援助情報を公表しなければならないと伝えています。なぜならそれが唯一国際的に合意されたオープンデータの標準だからです。IATIに公表された情報は、人々が調達、契約、入札あるいは予算のどれを知りたいか、そのニーズに応じて広範囲の利害関係者が利用することができます。それ以上に、これはパートナー諸国が求めてきた情報なのです。

政府は開発を含むすべてのセクターの民間会社との契約に与えるために、納税者のお金を使います。私たちは、公的資金を受け取る会社はすべて、それに基づいて提供される財貨・サービスについて政府と同じ透明性の規定に従わなければならないと信じています。

公共事業を提供するために政府あるいは企業が支出している資金のより大きな透明性と明確な理解は、市民に対する信頼の構築と説明責任の支援があって初めて役に立ちます。オープンな援助であれオープンな契約であれ、私たちは政府の手から、そして市民の手に情報を入れる必要があります。

最終的に、透明性がどのように援助を改善するのか、私たちにとって疑問は残ります。また、オープンな契約は援助の有効性についてのパズルの別のピースです。市民に、公的な契約に対して全てのオープンなアクセスを与えることは、グローバルな透明性を増加させることにおいて重大な第一歩です。世界の指導者たちにこれを実現するように要求するために今すぐ請願書に署名してください。

原文(2014/4/11 Open Knowledge Foundation Blog 記事より):
Original post Why secret contracts matter in aid transparency / Nicole Valentinuzzi, licensed under CC BY 3.0.

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資源の呪いへの取り組み:コートジボワールにおける情報アクセスの改善とオープンな契約のための市民社会の闘い

2014年5月7日 in News, Special

これは、私たちのキャンペーンのパートナー、Integrity Action からのゲスト・ブログで、こちらのウェブサイトのオリジナル記事を編集したものです。これは、私たちの#SecretContracts キャンペーンのパートナー組織からの一連のブログ・ポストの1番目です。契約の秘密に関する問題で共有したい話題がある場合は、contact@stopsecretcontracts.org に連絡してください。

資源の呪いへの取り組み:コートジボワールにおける情報アクセスの改善とオープンな契約のための市民社会の闘い

今日、多くの天然資源産出国がはびこる汚職、弾圧および貧困に悩まされています。私たちは、赤道ギニア(確実に世界の資源の呪いの最良の事例のひとつ)のような石油の豊富な小国に関する記事を読むことに慣れてしまっているように思えます。この国では膨大な石油埋蔵量が、エリートの豊かなライフスタイルに資金を提供していますが、その一方で、人口の大多数は、自らの基本的人権および経済的権利が満たされていない、望まざる地位にいるということに気付いています。

しかし、すべての絵が「希望が持てない」訳ではありません。コートジボワールのような国々へ焦点を移すことで、異なる絵が出現する可能性が生まれます。ここでは、Social Justice(社会正義)のような市民社会組織(CSO)が、採取産業セクターの収入が全ての社会構成員のためになることを保証するために熱心に働いています。

そうすると、コートジボワールのローカルのCSOはこのような手順の変化をどうやって増加させてきたのでしょうか?Jacquevilleとd’Angoviaでは、契約へのアクセスの改善を保証することを目指して、地方の自治体や企業にロビー活動を行えるように、影響力のある人々と仕事をすることから始めました。契約上の情報を受け取る際に、彼らはコミュニティとの情報ミーティングをオーガナイズし、市民が受給権の獲得に向けてうまく交渉するための戦略開発を援助し、これにより、ヘルスケア・センター、産院、学校および給水塔が建造されることを保証しました。

コミュニティが契約に関する情報へのアクセスを保証することは、かなり達成困難なものでした。コートジボワールのSocial Justice (社会正義)や他のCSOは、オープンな契約の実施がセクター内の大勢になっていない理由として法律と規制の欠如を引用しましたが、しばしば公務員や企業からの抵抗に遭遇しました。オープンな契約が制度化され適切に規制されるべきかどうか、Social Justice や他のCSOは、地域コミュニティにとっての明確な利点を粘り強く会話しました。さらに、彼らは、情報へのアクセス及び情報の自由の課題に取り組むタスクを持つ資源センターの体制づくりを奨励しました。

最近コートジボワールでは情報法へのアクセスを採用し、オープンな契約への重要な一歩を踏み出しました。Social Justice および他のCSOは、オープンな契約のための継続的な需要に関して、2013年5月に採用されたExtractive Industries Transparency Initiative Standard(採取産業透明性イニシアチブ標準)と同様に新しい法律にも現在大きく依存しています。

何にでも懐疑的であり続けることはたやすい、というのは明らかです。しかしながら、Social Justice のコートジボワールでの仕事は、契約関連情報にアクセスできるようになったことで、セクター内の主要なステイクホルダーが採取セクターの活動によって影響されて、社会的及び経済的な責任に応えることを保証することをコミュニティができるようになる、ということを示しています。

ストップ秘密契約キャンペーンは、オープンな契約の問題を国際的な政策課題へと押し進めるために設計されています。請願書に署名しStopSecretContracts.org で言葉を広げることで、キャンペーンに参加してください。

Social Justice についての詳細はこちら:https://www.facebook.com/socialjusticecotedivoire2

写真:Adjue, Jaqueville のLogement de Maitre(教師のための住宅)のSocial Justice 派遣監視員。ガス会社Foxtrot の資金提供による。

原文(2014/3/31 Open Knowledge Foundation Blog 記事より):
Original post Tackling the Resource Curse: Civil Society’s Fight for Better Access to Information and Open Contracting in Cote d’Ivoire / Katelyn Rogers, licensed under CC BY 3.0.