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OpenGLAMの原則:文化遺産のオープンアクセスへの道

2019年11月12日 in Featured, Special

(訳注:この記事はOpen Knowledge本家によるOpenGLAM Principles: ways forward to Open Access for cultural heritage(2019/4/30)を日本語化したもので、OpenGLAMの原則は2019/11月現在改定中です。)

OpenGLAMとは?

2010年初の初めに、OpenGLAM(ギャラリー、図書館、資料館、博物館)が立ち上げられました。オープンアクセスをサポートする文化施設間の交流とコラボレーションをサポートするネットワークです。OpenGLAMは現在Open Knowledge Internationalとして知られているOpen Knowledge Foundation(OKFN)(訳注:2019/6月現在、再度OKFNに名称復帰しています)のイニシアチブおよびワーキンググループであり、欧州委員会が共同資金提供しています。クリエイティブ・コモンズCommunia Association、及びGLAM-Wikiコミュニティは最初から仲間でした。

とりわけヨーロッパでは、いくつかの地域OpenGLAMグループが結成されました。ネットワークは、専用ウェブサイトや OpenGLAMのTwitterアカウントといったいくつかのコミュニケーション・チャネルを通じてアウトリーチ活動を行っています。さらには別のOKFNによるイニシアチブ組織(現在は独立)であるPublic Domain Reviewと一緒に働いています。

デジタル文化遺産への自由で開かれたアクセスの背後にある共有された価値を概説するために、ワーキンググループは文化遺産部門におけるオープン機関とは何を意味するのかを定義する目的で、2013年に一組のOpenGLAMの原則を起草しました。

2013年に起草されたOpenGLAMの原則のスクリーンショット

オープンアクセスが文化の部門で広く採用されるようになるにつれて、この領域の利害関係者間でのより強力なコラボレーションの必要性が高まっています。2018年に、クリエイティブ・コモンズ、ウィキメディア財団、そしてOpen Knowledge Internationalにつながっている人々のグループが、OpenGLAMネットワークの活性化と次のステップについて考えるためのイニシアチブをとりました。クリエイティブ・コモンズはこの分野で基本的な仕事をしています。文化遺産機関がその標準的なライセンスを通してそしてクリエイティブ・コモンズ認定制度のようなトレーニングを提供することでコンテンツの公表を手助けします。最初のステップは、投稿者の公募を通じて、@OpenGLAMのTwitterアカウントで新たな命を吹き込むことであり、OpenGLAMの原則について「温度チェック」調査を実施することでした。ここでは、いくつかの結論と次のステップについて説明します。こちらで調査の完全な分析にアクセスしてコメントすることができます。

OpenGLAMの原則に関する調査

調査はソーシャルメディアを通じて、主に@OpenGLAMアカウントを通じて公表し、調査を希望する特定の人々に連絡を取りました。合計109件の回答がありました。参加者の大部分はヨーロッパ(30%)とオセアニア(25%)に属し、北アメリカ(19%)とラテン&中米(19%)がそれに続きました。アジアや中東からの回答は非常に少なく、アフリカからの回答はありませんでした。私たちのアウトリーチ戦略の欠陥はさておき、これは原則の問題を示す側面の1つとも言えます:それらは英語でしか利用できず、それ故に参加へのさらなる障壁を追加しています。

私たちはまた、回答者がGLAM機関とどのような関係にあるのかについても知りたかったのです。調査では図書館員が最も多く(27%)、博物館の専門家(11%)、学者およびコミュニティの主催者、すなわちWikimedians in Residence(23%)がそれに続きます。わずかに7%が文書館に属し、続いて8%の人がGLAM組織の顧問または外部コンサルタントとして働いていました。複数の役割を果たしていたり、複数の機能を持つ機関で働いていると回答したのは21%でした。

私たちは、原則があまり知られていないことを発見しました。回答者のほぼ半数(45%)は、調査を受ける前にはこれに気付いていませんでした。そして、参加者にこの原則が自分たちの仕事に役立つと考えているかどうかを述べるよう依頼したところ、大多数から積極的な回答(72%)が得られたたものの、25%が「多分」と考え、ごくわずかな割合(3%)だけが役に立つとは思えない、という回答でした。

役に立たないと考えた人々のうち、たいていの批判は公的組織からのサポートの欠如、文化遺産機関とのコミュニケーションやつながりの欠如、そしてそれらのためのサポート構造の不在、といったものでした。とある回答者の要約のように、

「オープンデータなどは文化の分野では関係のない組織です。それらには関連組織によるサポートが必要です。より良い構造とネットワークを構築するために、私たちには議論するためのガイドラインと価値が必要です。」

これを有用だと考えた人々のうち、ほとんどは自分の仕事のためのガイドとして利用するためのフレームワークと値のセットを持つことの有用性を示しました。しかしながら現在の版では、原則はほとんどあるいは全くガイダンスを提供していないようです。 提供されている例の範囲が限られていることに加えて、データの公開に主な焦点が当てられていること、オープンアクセスと、疎外されたグループや先住民コミュニティなどの他の関係者の利益と権利との間にある緊張関係に関する認識の欠如、文化遺産に関するより広範で世界的な視点の不在が、今後の見直しの中で対処される必要がある関心事項として知らされました。ある回答者はこう述べています:

「個人的、文化的または社会的制約を伴う情報は、伝統的な知識のように単に『公表』されるべきではありません。私たちには文化的知識の複雑さについてある程度の認識が必要です。」

調査の参加者はまた、原則を更新する必要があると考えたかどうか、また必要である場合はどのように変えたら良いのかを尋ねられました。回答者は、原則を実際に適用する方法について、より多くのガイダンスを見たいと述べました。彼らは、オープンアクセスに関わっているより多様な機関のより良い例を望むでしょう。参加者はまた、原則のメンテナンスを説明できるより良い構造を設定する必要性を表明しました。価値とのつながりやより広い有用な宣言が欠如している点もまた、原則の弱点として現れました。別の回答者は次のように言っています:

「人権の観点により重点を置く必要があります。文化遺産へのアクセスは、いくつかの人権憲章および宣言に明記されている権利です。」

このOpenGLAM 原則に関する短時間での評価以外にも、自分たちに自問する必要があります。そのより広い機能と有用性とは何でしょうか?私たちは文化遺産機関がそのコレクションにオープンアクセスポリシーを適用するために、より良い指導を必要としていることを知っています。 この声明の裏付けとなる権利声明の正確性についての Europeanaが委託したレポート、およびAndrea WallaceとDouglas McCarthyが作成したGLAMオープンアクセスポリシーと実践、といった調査を含む証拠は増えていて、文化遺産機関をまたぐオープンアクセスポリシーの適用における格差を示しています。そしてCC認定制度などのより多くの訓練や、より良いアドボカシーやツールが適時に設定できる一方で、推奨事項と宣言は、組織機関の内部でまたは連携して活動しているアドボケイトにとって有用な要素となる可能性があります。

Open Access Directoryによって管理されているOpen Access をサポートする宣言のリストは 、学術コミュニケーションおよび科学データのOpen Access出版に重点を置いており、特に伝統的な知識、先住民の権利、またはデジタル化とオープンアクセスリリースに関するその他の問題のある側面、といったあたりの関心事項のいくつかを含む文化遺産に取り組む原則または宣言における明らかなギャップを示しています。

私たちは、オープンアクセスのためのより良いガイドラインをめぐり、文化遺産セクターとより幅広い会話をするために集まることを願っています。この幅広い会話の一環として、私たちは現在草案を作成しており、支持者や実務家と毎月電話をしています。可能な限り多くの人々を巻き込むために、私たちは年間を通じてより多くのフォローアップ戦略を持つ予定です。

会話への参加に興味があるなら、OpenGLAMメーリングリストを通して 連絡を取るか、そこで発表される毎月のオープンコミュニティコールに参加するか、またはCreative CommonsのSlackの#cc-openglamチャンネルに参加してください。

こちらでOpenGLAM Principlesサーベイの広範なレポートを読んだりコメントしたりすることができます。

原文(OpenGLAM Principles: ways forward to Open Access for cultural heritage より):
Original post 2019/4/30 OpenGLAM Principles: ways forward to Open Access for cultural heritage / Open Knowledge Foundation, licensed under CC BY 4.0.

OpenGLAMの原則

2019年11月12日 in Featured, Special

(訳注:この記事はOpen Knowledge本家による2013年の記事を日本語化したもので、この原則は2019/11月現在改定中です)

v.1.0.

注:これは、OpenGLAMワーキンググループと一緒に起草したOpenGLAMの原則の第4版です。私たちはこれをコミュニティの努力としてとりまとめたいので、OpenGLAMメーリングリストにフィードバックをお願いします!

ギャラリー、図書館、資料館、美術館は人類の知識の進歩を支えるうえで基本的な役割を果たしています。それらは私たちの文化遺産の管理人であり、そのコレクションの中には人類の記録があります。

インターネットは、文化遺産機関に未だかつて無いほど世界中の視聴者を巻き込み、以前よりもそのコレクションを発見しやすくしたりつなげる機会を提供し、ユーザーが世界の遺産保存機関の富を享受するだけでなく、貢献し参加し共有することも可能にします。

私たちは、自分たちのコレクションやメタデータを公開するための手順を進める文化機関が、こうした機会から恩恵を享受するだろうと信じています。

私たちがデジタルコンテンツやデータが「オープン」であると言う場合には、以下のように要約されるオープンの定義に準拠していることを意味します:

「せいぜい作者のクレジット表記をしたり派生作品も原作品と同じ条件で利用可能にする程度で、誰でも自由に利用・再利用・再配布することができる場合、そのデータやコンテンツはオープンであるといえます。」

コレクションをオープンにする最初のステップは、オープンなライセンスを適用することですが、それはストーリーの始まりにすぎません。文化遺産機関がアクセス、技術革新そしてデジタル・スカラーシップのためにインターネットの可能性を最大限に引き出すには、コラボレーションや新しい形態のユーザー参加に対するオープンネスが不可欠です。

OpenGLAM機関はこれらの原則を擁護しています:

1. Creative Commons Zero 権利放棄などの適切な法的ツールを使用して、アーティファクト(メタデータ)に関するデジタル情報をパブリックドメインに公表します。

  • これにより、データの再利用が最大限に促進され、また、Europeanaやアメリカ・デジタル公共図書館などのメジャーな文化データアグリゲーターとのコンプライアンスも確保する一方で、リソースをより見つけやすくなります。

オープンメタデータのライセンスポリシーの例については、以下を参照:

2. 著作権の保護期間が満了になった作品(パブリックドメイン)のデジタル表現を新しい権利を追加しないことによってパブリックドメインに保管します。

  • 著作権が失効した作品(パブリックドメイン作品)のデジタルコピーおよび表現は、クリエイティブ・コモンズのパブリック・ドメイン・マークなどの適切な法的ツールを使用して明示的にマークする必要があります。これにより、コンテンツの再利用が最大限に促進されます。

オープンコンテンツのライセンスポリシーの例については、以下を参照:

デジタルなパブリックドメインの重要性に関するより詳細な文書と憲章については、以下を参照してください:

3.データを公開する際には、説明、データコレクションの全体、およびコレクションのサブセットを再利用したり別の目的で利用することに関して、あなたの希望と期待を明示的に力強く記述します。
記述例については以下を参照:

4.データを公開するときは、機械可読でオープンなファイル形式を使用してください。

  • 機械可読なフォーマットとは、コンピュータプログラムによってデータを抽出することができるものです。
  • 情報がクローズなファイル形式で公開されていると、その中にエンコードされている情報を再利用する際の大きな障害となり、その情報を利用したい人に必要なソフトウェアの購入を強いることになります。
  • データの構造と可能な用途は、たとえばデータのブログWebページなどで十分に文書化しておくべきです。

オープンなファイル形式の詳細については、オープンデータハンドブックをご覧ください。

5.ウェブ上の新しい方法で視聴者を巻き込む機会が追求されるべきです。

  • あなたが提供するオープンデータ、コンテンツ、およびサービスを明確に文書化して、他の人があなたが利用可能にしたものを容易に再利用、構築、および改善できるようにします。
  • データを公開する際には、データについての利害関係者からの質問に回答し、データを最大限に活用してもらうために積極的にサポートしてください。
  • あなたの視聴者にあなたのコレクションからアイテムをキュレーションしたり収集する機会を与えてください。アムステルダム国立美術館のRijksstudioは、この種の取り組みの好例です。
  • 可能であれば、クラウドソーシングのアプリケーションを活用して、ユーザーがあなたのメタデータを充実させたり、改善することを検討してください。

原文(Open Knowledge OpenGLAM Principles より):
Original post OpenGLAM Principles / Open Knowledge Foundation, licensed under CC BY 4.0.

okfj

by okfj

新シリーズ発表「キュレーターの選択」

2014年4月13日 in News


(訳注:この記事は本家OKFn.org記事の日本語訳です)

今週は、「キュレータの選択」シリーズのローンチを取り上げます – The Public Domain Review とOpenGLAMの共同の努力 – これは、そのコンテンツをオープンにする刺激的なステップに踏み出した文化遺産機関と積極的に連携し、祝福することを目標としています。

この新しいシリーズは、オープン・デジタル・コレクションのひとつから一群の作品に焦点を当てるギャラリー、図書館、アーカイブあるいは博物館キュレーターからの毎月のゲスト投稿で構成される予定です。- すなわち、これまでデジタル化され、オンラインで利用可能になった、何らの制約の無いパブリック・ドメインの資料です。この新シリーズはそのデジタルコレクションをオープンなライセンスにする刺激的なステップに踏み出した団体とそのようなコレクションとともに日々働くキュレーター(学芸員)の双方に祝福のスポットライトを当てることを目的としています。- もちろん、コンテンツそのものの祝福も同様です。

シリーズはThe Public Domain Review およびOpenGLAM ウェブサイトの双方上で収容される予定です。

開始に当たっての投稿は、大英図書館のフィル・ハットフィールドおよびアンドリュー・グレイからのもので、彼らは大英図書館のCanadian Colonial Copyright Collection 内で魅惑的な写真が並んでいるのを見つけました。- The Public Domain Review のこちらOpenGLAM のこちらでご覧ください。

これは、珠玉のコレクションの中からほんのさわりだけのプレビューです。

「レスラーたち」R.H.トルーマン作1905年収蔵[著作権番号15767]。 訓練された熊であれば良いのですが…-出典

Mr. Turtledove のフランスのコックに対する気まぐれな物語を伝える一連の立体写真の一部。
Arthur Lawrence Merrill 作 1906年収蔵 [著作権番号17212]…-出典

動物ショーの写真シリーズの一部。1920年John A. Brown により収蔵-出典

来月の作品は国立美術館からの予定です。シリーズ新作はこちらのRSSフィードでフォローできます。

原文(2013/7/3 Open Knowledge Foundation Blog 記事より):
Original post Announcing a new series, “Curator’s Choice” / Adam Green, licensed under CC BY 3.0.