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米連邦政府職員の給与を名前付きで全部公開、当然とみなすか、身も蓋もないと考えるか

2013年8月20日 in News

先日、米連邦政府職員の給与データを公開するサイト、GovernmentSalaryData.comがオープンしました。GovernmentSalaryData.comでは連邦政府職員の給与を、所属と肩書き、名前、場所によって検索することができます。さらに全米地図の上に連邦職員をマークしたインタラクティブマップもあります。さすがに全員をマッピングすることはできませんので、インタラクティブマップでマークされているのは全体の1%ほどです。

 

ある職員の給与を検索した後、その人の同僚がいくらもらっているのかも簡単に調べることができます。以下の例ではStacy Plebanski Swentkoさんの同僚がWork Colleagues of Stacyとして左側に一覧で表示されています。それぞれのリンクをクリックすると、各同僚の給与も調べることができます。この同僚リンクは、該当する同僚が一人もいなくなるまでたどることができます。

 

このWebサイトはGovernmentSalaryData.comという名前の営利企業が立ち上げたもので、同企業によると、このサイトの目的は「連邦政府機関に透明性をもたらし、さまざまな連邦政府機関に関する洞察を深める」ことにあります。さらに同企業は、「連邦政府職員のプライバシーは尊重するが、こうした公共サービスに従事する人は、給与などの情報はパブリックドメインであると認識していると思う」とも述べています。

職場において誰がいくらもらっているのか、あまりに簡単にわかってしまうと職場の雰囲気が壊れると心配する方もいます。一方で、連邦政府などの公的機関で働く人がいくらもらっているのかは公開した方が良いと考える人もいるでしょう。実際に今回のデータ公開は法に基づくものです。しかし、データ公開とプライバシー保護の境目をどこに設定するのかは法律だけで決められない部分もあり、今回のデータ公開がこうした微妙な問題に関する議論を市民の間に巻き起こし、さらに深めていく効果だけは間違いなくあると思います。

 

参考: New Web site allows easy salary spying on federal workers(Washington Post)

米の次世代データポータルNext.Data.govアーリーβ版公開、データの使い方重視のデザインへ大幅変更

2013年7月18日 in News

米ホワイトハウスは2013年7月16日、次世代データポータルNext.Data.govを公開したと発表しました。現在公開されているのはプレビュー版で、アーリーβ版相当のものです。できるだけ早く新しいデザインを公開することで、利用者からフィードバックをもらい、さらに良いものに仕上げていく計画です。

Next.Data.govの特徴は、データを公開することからデータを使うことへ焦点を移したことと、オープンソースを全面的に採用したことです。

 

 

データの『使い方』重視

Data.govの開発チームは利用状況を分析し、データの使い方を知りたいという要望が強いこと、さらにData.govの外部、たとえばブログやツイッターなどでデータの使い方を示しているケースが多数あることを突き止めました。そこで開発チームはNext.Data.govのトップページに、ブログやツイートなどオープンデータの使用例を示す情報を配置し、データの使い方を重視したデザインへとリニューアルしました。さらに、マストヘッド(最上部の見出し部分)に過去一週間に世界で発生した地震のマグニチュードをビジュアル化して表示し、データの具体的な使用例としています。

 

オープンソースを全面採用

Next.Data.govのサイトはオープンソースのWordPressCKANで構築されています。さらにNext.Data.govではフォントにもオープンソースのフォントを採用しています。見出し部分はAbel、本文はLatoというフォントを採用しており、共にSIL Open Font License(OFL)1.1でライセンスされています。

 

その他にもNext.Data.govでは、CKANSolrによる強力な検索機能やスマートフォンやタブレットへの対応などもされています。Next.Data.govはTwitterあるいはQuoraでコメントや意見を受け付けています。

 

出典: First Look at Next.Data.gov

最も影響力のある米政府CIOトップ25

2013年6月6日 in Special

InformationWeekは、米連邦・地方政府のCIOの中から、政府革新に関する「ビジョン、他への影響力、業績」で判定した最も影響力のある25名のCIOを発表しました。

オープンデータでおなじみのTodd Parkや、NASA、NOAAはもちろん入っています。特徴的なのは、国防や国家安全保障、治安などに関する組織が圧倒的に多いことです。実に11の組織が入っています。

  • Air Force, U.S. Navy, U.S. Army, Department of Defense
  • National Security Agency, Defense Intelligence Agency, Homeland Security, U.S. Intelligence Community, CIA
  • FBI
  • Bureau of Alcohol, Tobacco, Firearms and Explosives

地方政府としては、シカゴ市、ボストン市、テキサス州が選ばれています。日本でも日々、政治・行政革新に奮闘しているCIOがたくさんいますが、縁の下の力持ちで、なかなか日が当たりません。こういう形で多くの方に知ってもらうのはとても良いことだと思います。

以下のリストはアルファベット順に並べたものであり、ランキングではありませんので注意してください。

  1. Lonny Anderson, CIO, National Security Agency
  2. Frank Baitman, CIO, Health and Human Services
  3. Lt. Gen. Michael Basla, CIO, Air Force
  4. Robert Brese, CIO, Department of Energy
  5. Adrian Gardner, CIO, NASA Goddard
  6. Brett Goldstein, CIO, City of Chicago
  7. Terry Halvorsen, CIO, U.S. Navy
  8. Karen Robinson, CIO, State of Texas
  9. Grant Schneider, CIO, Defense Intelligence Agency
  10. Malcolm Jackson, CIO, Environmental Protection Agency
  11. Joe Klimavicz, CIO, National Oceanic and Atmospheric Administration
  12. Lt. Gen. Susan Lawrence, CIO, U.S. Army
  13. Sasi Pillay, CTO for IT, NASA
  14. Luke McCormack, CIO, Department of Justice
  15. Rahul Merchant, CIO and Chief Innovation Officer, New York
  16. Terry Milholland, CTO, Internal Revenue Service
  17. Bill Oates, CIO, City of Boston
  18. Todd Park, Federal CTO, Office of Science and Technology Policy, White House
  19. Jerome Pender, CIO, FBI
  20. Margie Graves, Deputy CIO, Homeland Security
  21. Richard Holgate, CIO, Bureau of Alcohol, Tobacco, Firearms and Explosives
  22. Al Tarasiuk, CIO, U.S. Intelligence Community
  23. Teri Takai, CIO, Department of Defense
  24. Jeanne Tisinger, CIO, CIA
  25. Steven VanRoekel, federal CIO, Office of Management and Budget

 

出典: 25 Most Influential Government CIOs

Project Open Data、米のオープンデータ加速マシーン

2013年5月17日 in Special

アメリカ政府は、先日発表したOpen Data Policyを具体的に実現し、そのスピードを加速させるためのWebサイト、Project Open Dataを立ち上げました。

Project Open Dataはホワイト・ハウスが立ち上げたサイトですが、GitHubで公開されており、誰でもコンテンツを追加したり、誤りを修正することができます。試しにサイトの右上にある”Help Improve this Content”をクリックしてみてください。立ち上げてから24時間で、2ダースを超える人々がWebのリンク切れを修正したり、ポリシーを追加したりして、Project Open Dataの改善に貢献しています。

制作や情報だけでなく、DBやスプレッドシートをAPIに即変換できるツールなど、すぐに使えるツールも紹介されています。ガイドラインや各種情報源、ケーススタディなども揃っています。

是非一度、Project Open Dataを訪れてみてください。これが、政府・地方自治体・企業・市民などが自由に使えて、そして自分たちで自由に改善できる、協働プラットフォームの好例だと思います。トッド・パークCTOは、やることが本当に素早いです。

参考: Project Open Data

米政府『革新の第2ラウンド』へ、オープンデータなど9プロジェクトを発表

2013年2月7日 in Special

米政府は2月5日、斬新なアイデアと画期的な技術を組み合わせて政府を革新するプログラム、“The Presidential Innovation Fellows”の第2ラウンドとして9つのプロジェクトを実行すると発表しました。米政府は『革新の第2ラウンド』において、以下の3点を鮮明に打ち出しています。

  1. 政府の重要な役割とは、民間に対しても政府内部に対してもプラットフォームを提供することである
  2. プラットフォームとは、データ、ツール、ネットワーク、アーキテクチャー、標準、資金提供方法なども含む
  3. アメリカをより強くするのは、個人や小規模企業の創造性であり、それを伸ばすことが何よりも重要である

 

以下では9つのプロジェクトを順に簡単にご紹介しますが、米政府の強い決意が感じられます。

Disaster Response & Recovery

  • 人命救助や被害軽減に欠かせない情報を特定する
  • 情報の収集・合成・流通に役立つツールを特定したり新たに開発する
  • 災害対応の職員がこれらのツールを使いこなせるよう訓練する

MyUSA (MyGovを発展させたもの)

  • 政府機関の都合でサービスを体系化するのをやめる
  • 特定の目的達成のために必要なサービスは何かという観点から体系化する
  • 小規模企業や輸出業者が政府の情報を簡単に見つけることができるようにする

RFP-EZ and Innovative Contracting Tools

  • 小規模企業が政府にもっとサービスを販売しやすくすると共に、政府の調達責任者の購買プロセスを単純化する
  • 公共財やサービスの調達価格をポータルで公開し、政府機関間および政府機関内で共有することで”最高の購買”を誰もができるようにする

Cyber-Physical Systems

  • 産業用インターネット革命による次世代「スマートシステム」と、製造・輸送・エネルギー・ヘルスケア・国防・農業・緊急対応などの幅広い分野におけるイノベーション成長エンジン創出が目的
  • 産業界と政府が共同で、アーキテクチャー・標準・プロトコル・高度分析・評価環境などを含むプラットフォームを開発しベストプラクティスを生み出す

Open Data Initiatives

  • 政府のデータと民間が自発的に提供するデータを組合せ、起業家を育成し仕事を創出する
  • 従来の健康・エネルギー・教育・ファイナンス・治安・国際開発に加えて、以下の3領域に活動を拡げる
  1. ビッグデータや学習分析を活用したバーチャル学習
  2. スミソニアン博物館向けデジタルツール
  3. Data.govのオープンデータハブ

MyData Initiatives

  • 現在は医療データのBlue Button、エネルギーデータのGreen Button、さらに教育関係(学業記録、学生ローン/奨学金の履歴など)に個人がアクセスできるが、個人データにアクセスできる領域をさらに拡大する
  • 民間企業には、個人が自分の個人データにアクセスして活用できるようツールやサービスの開発を促す

Innovation Toolkit

  • 人事局が一般調達局と国務省と協力して、連邦政府職員のスキル・創造性・革新力の強化・開発に取り組む
  • 上記目的を実現するために、オンライン学習、スキルの共有、ケーススタディ/ガイド/ハウツーなどを備えたライブラリなどを提供する、直感的に使えるオンラインのコラボレーション・プラットフォームを開発する

21st Century Financial Systems

  • 各機関が自分たちの固有のニーズに基づいて市販の民生品を購入し、結果としてコスト高・スケジュールの遅延・実装不能・不必要に複雑で利用できない機能などの問題を改める
  • サービスの共有と要求仕様の標準化を進め、機関固有の微調整は最低限とする

 Development Innovation Ventures

  • 世界における最も困難な問題に取り組みために、USAIDが国際協力において活用し実績をあげている段階的資金提供方式を政府にも適用する
  • USAIDの方法とは、最初は国内外のスタートアップや既存民間企業、社会的企業、学会などから幅広く提案を受け付け、集まった膨大な提案をレビューし、少数の投資先を決定し、活動成果ベースで資金提供を段階的に行う方法

 

出典:The Presidential Innovation Fellows