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データドリブンエコノミー、オープンプラットフォームに突き進むアメリカ-3

2013年3月6日 in Special

アメリカ政府は2月5日、斬新なアイディアと画期的な技術を組み合わせて政府を革新するプログラム、”The Presidential Innovation Fellows”の第2ラウンドとして9つのプロジェクトを実行すると発表しました

 

米政府は『革新の第2ラウンド』において、以下の3点を鮮明に打ち出しています。

  1. 政府の重要な役割とは民間に対しても政府内部に対してもプラットフォームを提供することである
  2. プラットフォームとはデータ、ツール、ネットワーク、アーキテクチャー、標準、資金提供方法なども含む
  3. アメリカをより強くするのは個人や小規模企業の創造性であり、それを伸ばすことが何よりも重要である

 

『革新の第2ラウンド』においてオープンデータに関しては特に以下の2点が強調されています。

  1. Open Data Initiativesにおいて民間企業が保有するデータの活用とデータアナリストの育成に取り組む
  2. MyData Initiativesにおいて個人データ再利用範囲の拡大と民間所有個人データへの個人のアクセス権確保に取り組む

公的機関が保有する非個人データから始まったオープンデータ運動ですが、アメリカ政府はすでに民間企業が保有する個人データにまでその対象を拡大しようとしています。

アメリカ政府のオープン戦略と”The Presidential Innovation Fellows”の第2ラウンドの内容を見ると、現状維持に安住することを許さない創発に対する政府の強い思いが感じられます。誰かが発見したものはできるだけ素早く全員で共有することによって、同じ領域に多重投資することを避け、より価値の高いサービスを生み出すことに注力できる環境を戦略的に整えています。

政府の役割をオープンプラトフォームと明確に位置付け、誰でも自由に利用できるプラットフォーム上で創造性を生かしたフェアな競争を促すというアメリカの戦略は、これまで以上に多くのイノベーションを生み出していくことでしょう。

データドリブンエコノミー、オープンプラットフォームに突き進むアメリカ-2

2013年3月5日 in Special

アメリカ政府がオープンソース活用から市民参加型開発へと進めることができたのは、2009年からのCode for Americaによって大きな成果を上げた自信がその背景にあります。Code for Americaとは、課題を抱える都市が一般市民から開発者を有期・有償で雇用し、行政担当者と都市の課題を協同で分析し、解決するためのWebサービスを開発するプロジェクトであり、このプロジェクトの成功がアメリカ政府のオープン戦略に拍車をかけました。

最初から市民の力を活用するオープン戦略に自信を深めたアメリカ政府は、コミュニティの課題を解決するための革新的なソリューション創出するイベント”National Day Of Civic Hacking”を、2013年6月1日~2日に全米各地で開催すると発表しました。

データについてもオープン化はシステム調達と似たような現象を引き起こします。データを囲い込み、データの非対称性だけを強みとしている組織は非常に苦しい状況に置かれます。シンクタンク、調査機関、大学、研究所などは、その存在価値が厳しく問われることになるでしょう。真に創造性を発揮して新しい価値を生み出せないところは淘汰されてしまう可能性があります。

データに関してもアメリカ政府はオープン戦略を強化しています。アメリカ政府はdata.govなどのオープンデータポータルの整備が進んだことから、オープンデータを活用したイノベーション創出に焦点をシフトしています。

例えば政府は2013年1月にオープンデータを活用したイノベーション事例を集めたサイトalpha.data.gov[を立ち上げました。alpha.data.govには、コマース、エネルギー、健康、教育、安全、ファイナンス、国際開発の各分野でオープンデータを活用した画期的な事例が集められ、ここをヒントにさらに多くのイノベーションが生まれてくることが期待されています。

このアメリカの例からわかるのは、経済と社会のイノベーションを巧みに組み合わせていることです。データドリブンエコノミーが成り立つのはデータドリブンソサエティがその基礎にあるからだと言えます。

データドリブンエコノミー、オープンプラットフォームに突き進むアメリカ-1

2013年3月4日 in Special

オープンデータによる社会イノベーションについては、データドリブンソサエティとして以前まとめました。今回は、オープンデータによるビジネスイノベーション、すなわちデータドリブンエコノミーについてまとめてみたいと思います。まず最初に取り上げるのはアメリカです。

アメリカ政府の公式サイトWhitehouse.govはオープンソースのDrupalを利用しています。データポータルdata.govOpen Government Platform(OGPL)としてオープンソース化されています。また、政府の電子請願システムWe the Peopleについては、誰でも簡単に電子請願システムがつくれるようにと”white label“版が新たにリリースされることになっています。

さらにアメリカ政府は、次期data.gov 2.0でOpen Knowledge FoundationのCKANを採用すると発表しました。従来のdata.govと地理空間データを提供しているgeo.data.govを統合し、CKANのデータカタログ機能を組み込んだdata.gov 2.0は、Open Government Platform(OGPL)としてオープンソース化されます。

アメリカ政府内と開発者コミュニティとの関係も極めて良好で、活発に交流しています。例えば政府はWe the Peopleの次期バージョンWe the People2.0を市民の力で開発することを決定し、世界的なオープンデータイベントInternational Open Data Dayに合わせて、We the People2.0を開発するためにハッカソンWhite House Open Data Day Hackathonを開催しました

政府が開発したものを後でオープンソース化するという段階から、最初から市民が参加できるオープンな環境で政府システムを開発しようという次の段階に来ていることを示しています。

こうした政府のシステム開発においては、従来型SIerの存在意義が問われており、プロプライエタリなシステムを構築し、長期に渡って顧客を囲い込むことは極めて難しくなっています。アメリカは徹底的なオープンプラットフォーム戦略によって、ビジネスのあり方を根底から変えようとしています。